北海道・浜里ウインドファームで再発生したオジロワシの衝突死について
2026年1月29日
2026年1月29日付で株式会社ユーラスエナジーホールディングスのホームページで発表されたように、北海道天塩郡幌延町にある風力発電「浜里ウインドファーム」で2023年5月26日の運転開始以来、11羽目のオジロワシ(環境省レッドリスト・絶滅危惧Ⅱ類(UV))のバードストライクが確認されました。オオワシと合わせると12羽目となります。

オジロワシ

オオワシ
本件について速やかに事実を公表したユーラスエナジー社には敬意を表しますが、バードストライクの再発により、これまで当会が主張してきた野鳥への影響を回避、軽減するためには立地選択が重要であることが改めて浮き彫りになりました。
この浜里地区はオジロワシにとって国内で最も重要な渡りルートの一つであることが、当会が2017~2018年に行った調査で明らかになっています。
北海道天塩郡幌延町浜里地区におけるオジロワシ・オオワシの飛翔状況
2017年および2018年3月に11日間ずつ(のべ22日間)の調査を行い、979羽の渡り個体を確認しました。緑色の線がオジロワシ・オオワシ979羽の飛翔線、黄色点が調査後に建設された風車の配置。

ユーラスエナジー社は運転開始以降、複数のオジロワシ・オオワシの衝突死が起きた時点で一部の風車で日中の稼働を停止し、14基ある風車すべてに鳥衝突対策装置を導入する順応的管理を実施したのち、再稼働するための対策を2025年3月と12月の2度ほど講じていましたが、そもそも浜里地区のように鳥の飛翔が多い場所では、そのような対策をとっても衝突を防ぎきれないことが今回、明らかになりました。

風車のまわりを飛ぶ2羽のオジロワシ(大きな画像で見る)
今後、野鳥と風力発電とが共存するために当会は、希少鳥類が多く生息する場所が計画地にならないよう、事前の立地選択の段階で重要な地域の回避が徹底される仕組みづくりを進めるとともに、希少種保全の観点から作られたセンシティビティマップの充実と活用を国内で進めていかなければならないと考えます。
当会職員が執筆した鳥類と風力発電のセンシティビティマップに関する論文
- 鳥類に対する風力発電施設の影響を未然に防ぐセンシティビティマップとその活用方法『保全生態学研究』
- 陸上風力発電に対する鳥類の高精度な脆弱性マップ作成の実践-北海道北部地域における事例:手法調査、体制構築、対象種選択、データ収集、マップ作成『保全生態学研究』
- 洋上風力発電が鳥類に与える影響とその回避軽減策としてのセンシティビティマップの活用『日本の科学者』
浜里風力発電事業に関する当会からの意見書・要望書
- (仮称)浜里風力発電事業環境影響評価準備書に対する意見書(2017年2月8日)
- (仮称)浜里風力発電事業 環境影響評価方法書 に係る意見書(2015年9月24日)
- 「(仮称)浜里風力発電事業 計画段階環境配慮書 に係る意見書」を提出しました(2015年4月9日)







