「(仮称)宗谷丘陵風力発電事業 計画段階環境配慮書」に対する意見書を提出しました

日 野 鳥 発 第 32 号

「(仮称)宗谷丘陵風力発電事業 計画段階環境配慮書」に対する意見書

平成27年7月15日 提出

項目 記入欄
氏名 ①日本野鳥の会道北支部 支部長 小杉 和樹
②公益財団法人日本野鳥の会 理事長 佐藤 仁志
住所 ①〒097-0401 北海道利尻郡利尻町沓形字富士見町
②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
配慮書についての環境の保全の見地からの意見

 この度、貴社が作成された「(仮称)宗谷丘陵風力発電事業」に係る計画段階環境配慮書について、次のとおり意見を提出します。

 貴社が作成された「(仮称)宗谷丘陵風力発電事業」に係る計画段階環境配慮書(以下、配慮書と言う)に示されている2つの事業実施想定区域(以下、想定区域と言う)は、両方とも宗谷丘陵を大きく含むものである。宗谷丘陵は2万年前の氷河期に形成された周氷河地形であるが、国内でこのように明瞭な周氷河地形がみられる地域は他になく、日本列島や北海道の生い立ちを伝える貴重な遺産として2004年に北海道遺産に選定された、北海道民のみならず、国民にとっても非常に貴重な財産である。その貴重な国民的財産を風力発電の大規模導入によって破壊することは、あってはならない。
 また、宗谷丘陵一帯は、春秋の渡り期にオオワシ、オジロワシ、チュウヒ、ハイタカ、ノスリなど非常に多くの猛禽類が渡りや移動の経路として利用している。とりわけ、秋の南下個体群はサハリンを経由して宗谷岬および宗谷丘陵の北端部周辺に飛来し、そして、宗谷丘陵から日本海側、オホーツク海側、またはさらに内陸の丘陵地帯へと三方向に渡っていく。また、猛禽類は春には北上のために宗谷岬からサハリンへ向けて海上に飛び出して行く際、想定区域一帯を渡りや移動の経路として利用しているなど、宗谷丘陵は渡り鳥にとって重要な経路および中継地となっている。
 ところで、宗谷岬には、貴社の系列会社によりすでに57基の風車が設置されているが、配慮書に記載されている事業規模から考えると、さらにそこに50基程度が追加されることになる。その貴社の系列会社による風力発電施設では、すでに9羽(全45羽中)のオジロワシが風車に衝突死をしているが、現在のところ、衝突死を防ぐための対策がとられていないか、効果を発揮できていない。そこにさらに風車の設置数を増やすのであれば、当然、オジロワシを含めたほかの猛禽類の衝突死の数が増える可能性が考えられる。最後に、オジロワシで風車への衝突死が多いことは、欧州を中心として世界的な課題として問題視されつつあることを申し添える。
 以上のことから、貴社が作成された配慮書における風力発電施設の建設計画は、想定区域の選定段階から見直すべきである。

以上

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