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野鳥も人も放射能に脅かされない社会を
2011年3月、東京電力福島第一原子力発電所が引き起こした放射性物質の漏出事故は、長い将来にわたって自然界に甚大な影響を与える恐れがあります。このことから、日本野鳥の会は、原子力発電を国内外で推進する国の政策等に憂慮し、原子力発電を段階的に廃止し、世界的な脱原発社会の実現を求めるものとします。脱原発のためのエネルギー対応と当会の役割は、以下の通りです。
- 従来の「大量生産・大量消費・大量廃棄」を見直し、省エネ型のライフスタイルを提案、指向していきます。
- 原発に替わり自然再生エネルギーを併用するエネルギーシフトの実現を通じ、原発への依存度を低減するよう、求めていきます。その際、野鳥や自然環境への十分な配慮を求め、その内容を提案、検証していきます。
- 生態系の上位に位置する野鳥に注目し、調査や監視を継続していきます。
ツバメを取り巻く放射性物質の状況
1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では、放射性物質の影響により、ツバメに部分白化や尾羽の異常が生じたことが報告されています(MØller & Mousseau, 2006)。福島第一原発の事故でも同様のことが懸念されるため、当会では異常のあるツバメの情報を集めました。
放射性物質の野鳥への影響調査(おもに水鳥)
福島第一原子力発電所の事故により、大量に漏出した放射性物質は自然界および人間社会に甚大な影響をおよぼすと考えられます。
2012年、当会では、原発被災地を取材するとともに、鳥類のなかでも手つかずであった放射性物質の水鳥への影響調査を行ないました。その結果について、レポートします。
また、カラ類を対象とした調査を2013年~2019年にかけて行なっています。調査結果については逐次公開していきます。