プレスリリース 2006.07.20
日本野鳥の会が「タンチョウ」の生息地 24.1haを購入
これまでに設置した野鳥保護区は合計18ヶ所約1658.3ヘクタール。
2006.7.20
2006年7月18日、(財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数5万2千人)は、当会会員の渡邊玲子氏(わたなべれいこ・兵庫県)からの寄付金をもとに、タンチョウの生息する北海道鶴居村の湿原を購入した。現地は、寄付者のお名前を冠した「渡邊野鳥保護区温根内」とし、恒久的に保全する。今回の保護区を含め、当会が野鳥保護のために設置した保護区は合計18ヶ所、面積は1658.3ha。このうちタンチョウを対象としたものは、12ヶ所、1620.1haとなった。
■購入した土地について

釧路湿原西側に位置するオンネナイ川流域の湿原、面積 24.1ha(240,608m2)。この土地は、オンネナイ川流域に1990年に設置した「早瀬野鳥保護区温根内」、1993年に設置した「古山野鳥保護区温根内(注1)」の東側(下流域)に位置している。タンチョウは、この周辺で1つがいが繁殖している。
なお、今回購入した土地は、釧路湿原国立公園特別地域および国指定鳥獣保護区に通じる集水域となるが、法的な指定はなされていない場所である。今後、当地域への鳥獣保護区の拡大、国立公園の拡大を、関係機関に要望していく。
※注 1 土地所有者との協定により野鳥保護区としている。

■寄付者のプロフィール
渡邊玲子さん( 75歳)は当会の会員歴27年。また、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリの活動を支援する賛助会第I期「タンチョウ383人の会」および同第II期「タンチョウふぁんクラブ」のメンバーとして、1987年よりタンチョウ保護のために資金面での協力をしていただいていた。これまで同氏からのご寄付をもとに、5ヶ所の野鳥保護区を設置している。
※なお、直接の取材はご本人の希望により固くお断りいたします。
■渡邊玲子さんのコメント
「 大型の動物を守りたい、大型の動物がすむ環境を守れば、そこに関わる他の動植物も守ることができるとの想いから、これまでもタンチョウの保護に力を入れてきました。今回は
タンチョウ の最大の生息地である釧路湿原の保護に関わることができ、うれしく思います。これからももっと野鳥保護区が増えることを願うとともに、引き続き応援していきたいと思います」
■購入費について
渡邊玲子氏より、ご寄付をいただき購入した。
なお、金額は今後の購入にも関わるので、伏せさせていただきます。
■日本野鳥の会保護区事業
野鳥の生息地の保全を目的として、当会では、 1986年から「野鳥保護区」を設置・拡大しています。これまでに北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に18ヶ所、1658.3haを買い取り等により確保してきました。また、タンチョウ営巣地の買い取りで一定の成果が得られたため、2004年からはタンチョウに続き、シマフクロウの生息地の買い取りも始めました。
現在、野鳥保護区の総面積は、東京ディズニーランドが 33個入る大きさで、国内の自然保護団体が設置した保護区としては最大の面積です。土地の買い取りについては会員の方をはじめとする方々からの寄付を財源としています。
買い取り後は、当会職員が、調査や管理、巡回監視に当たっていきます。今回設置した「渡邊野鳥保護区温根内」のオンネナイ川上流部に位置する「早瀬野鳥保護区温根内」では、
1999年からタンチョウ生息環境復元の実験(周辺開発による土砂流入等で、ヨシ原に増加したハンノキを除去する)に着手しました。2002年には8年ぶりに営巣を確認し、以降毎年営巣が確認されています。
(財)日本野鳥の会のタンチョウ保護活動
■概要
タンチョウは、かつて江戸時代までは道内全域に生息していたと言われているが、明治時代の乱獲と生息地である湿原の開発により激減し、一時は絶滅したと考えられていた。大正時代末期に釧路湿原で再発見されて以来、地元農家の冬期給餌などの保護活動が実り、個体数は1000羽を超えるまでになった。国の特別天然記念物にも指定されているが、分布は北海道東部に偏在し、冬期の人為的な給餌に依存している。また生息地である湿原の面積は減少する一方で、残されている湿原も営巣地の約半分は法律による保護指定がなされておらず、いつ開発されてもおかしくないのが現状である。
(財)日本野鳥の会は1987年に全国からの募金をもとに、タンチョウの越冬地である阿寒郡鶴居村の給餌人、伊藤良孝氏(故人)のご理解とご協力を得て「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」を開設した。そこでは日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、タンチョウ保護のために生態調査や自然解説などを行う現地拠点となっている。また繁殖地の保護状況調査をもとに、タンチョウの営巣地でありながら法律で保護指定されていない湿原を購入、あるいは地主と協定を結ぶ等で、野鳥保護区を設置する活動を行っている。土地の購入費用は会員をはじめ、趣旨に賛同する個人、団体からのご寄付が充てられている。
■財団法人日本野鳥の会について (詳しくはホームページ http://www.wbsj.org)
自然と人間が共存する豊かな社会の実現を目指し、野鳥や自然のすばらしさを伝えながら、自然保護を進めている民間団体です。全国5万2千人の会員・サポーターの方が、自然を楽しみつつ、自然を守る活動を支えています。
・創設:1934年 ・創設者:中西悟堂 ・支部:全国89支部
<野鳥や自然を大切に思う心を伝える>
- 全国12ヶ所のサンクチュアリやバードプラザを訪れる年間約30万人の方に、野鳥や自然のすばらしさを伝えています。
- 東京バードフェスティバルなどの大規模イベントへの参加や野鳥図鑑などの発行を通して、バードウォッチングの楽しさを伝えています。
- バードウォッチングの指導・案内のできる人材の育成を進めています。
<野鳥や自然を守る>
- 北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に、土地の買い取りや協定により野鳥保護区として保全しています。現在、保護区の面積は、17ヶ所、1634.2haで、自然保護団体としては国内最大級です。
- 鳥類の生息地として、保全が急がれる場所を明確にするため、国際的に重要な鳥類等を指標にした重要度の基準(IBA基準)を満たした野鳥の重要な生息地の選定、リストの公表を行い、保全の推進、ネットワーク化を行っています。
<特定公益増進法人です>
日本野鳥の会は、特定公益増進法人に認定されておりますので、個人や法人が支出した寄付金に対して所得控除や損金算入が設定されています。
同時発表先
「渡邊野鳥保護区温根内」で柳生博会長が記者発表 ・ 環境省記者クラブ
- <本件についての問合せ先>
- 財団法人日本野鳥の会 野鳥保護区事業所 Tel 0153-25-8911 担当:富岡辰先
〃 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ Tel 0154-64-2620 担当:音成(おとなり)邦仁
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PDF 渡邊野鳥保護区温根内プレスリリース







