プレスリリース 2008.05.20

生物多様性基本法案に対する(財)日本野鳥の会からのコメント

2008.5.20

 (財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数:約51,000人)は本日、与野党の共同提案により、生物多様性基本法案が衆議院環境委員会を通過し、5月22日(国際生物多様性の日)に衆議院本会議に上呈される運びとなったことについて、以下のようにコメントを発表します。


 当会は包括的な野生生物に関する保護法制定の必要性を1992 年から提唱し、また1999 年からは「野生生物保護法制定をめざす全国ネットワーク」に加わって、他NGOと共に市民版の野生生物保護基本法要綱案の作成に携わってきました。

 今回、この市民案の流れを受けた「生物多様性基本法」が成立することになったことは、まことに喜ばしいことです。市民案成立にご助力いただいた民主党の皆様をはじめ、本法案作成にご尽力いただいた与野党の皆様に感謝するところです。

この法律は、「野生生物保護法制定をめざす全国ネットワーク」の声明にあるように、「施策の形成過程における市民参加」、「戦略的環境アセスメント」、「生物多様性の観点からの個別法の改正」、「地方自治体における多様性戦略の策定」といった画期的な項目を含んでいます。このことに加え、以下のような点が優れていることを、当会は高く評価しています。

  • 生物多様性とその保全の重要性について、またわが国の国際的な役割と未来世代への継承について明確に位置づけたこと。(前文)
  • 生物多様性の保全が国土の利用や自然資源の利用に関する政策の基本に置かれたこと。(第3条)
  • 持続可能な利用は生物多様性の保全を基本とすることが明記されたこと。(第2条)
  • 生物多様性国家戦略が法律の中に位置づけられたこと。(第11条)

 なお民主党要綱案のパブリックコメントにおいて当会は、生物多様性の確保に影響を及ぼすおそれのある要因として「人間活動に由来する事故と疾病」を挙げこれによる支障の防止を法案に含めるように要望いたしましたが、これは本法案には明記されていません。しかし附則第2条の「生物の多様性の保全に係る法律の施行状況の検討」に挙げられた必要な措置を講ずることを通じ、実現されることを希望しています。

当会は、この法律を基盤として野鳥とその生息地の保全をはじめとする生物多様性の保全を骨格とした社会が、国レベルでも地方自治体レベルでも実現するよう、NGOとして一層の努力を行っていく所存です。

以上

 本件に関するお問い合せ先:
(財)日本野鳥の会自然保護室TEL.03-5436-2633(古南:こみなみ)


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