プレスリリース 2008.12.24
日本野鳥の会が、北海道野付郡別海町に「タンチョウ」の生息地 352.4ヘクタールを購入
2008.12.24
タンチョウのために設置した野鳥保護区は合計20ヶ所、2516.6ヘクタールに。
(財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数約5万人)は、2008年12月18日、当会会員の渡邊玲子氏(わたなべれいこ・兵庫県)からの寄付金をもとに、タンチョウの生息する北海道野付郡別海町別海(べつかい)、奥行(おくゆき)の湿原352.4haを購入した。現地は、寄付者のお名前を冠した「渡邊野鳥保護区ヤウシュベツ」とし、恒久的に保全する。今回の保護区を含め、当会が野鳥保護のために設置した保護区は合計27ヶ所、面積は2621.0ha。このうちタンチョウを対象としたものは、20ヶ所、2516.6haとなった。
野鳥保護区を設置した野付郡別海町の土地について
北海道野付郡別海町を流れ、ラムサール条約湿地である風蓮湖に流れ込むヤウシュベツ川河口流域に広がる湿原352.4ha。タンチョウの生息が確認されており、野鳥保護区内で2つがい、近くの上流で1つがいが繁殖している。
当該地は、ラムサール条約湿地「風蓮湖・春国岱」(同国指定鳥獣保護区特別保護地区)と野付風蓮道立自然公園に近接しているが、開発等への規制は緩い場所である。
寄付者のプロフィール
渡邊玲子さん(77歳)は兵庫県在住。当会の会員歴29年。また、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリの活動を支援する賛助会第Ⅰ期「タンチョウ383人の会」および同第Ⅱ期「タンチョウふぁんクラブ」のメンバーとして、1987年よりタンチョウ保護のために資金面での協力をしていただいている。これまで同氏からのご寄付をもとに、9ヶ所1456.3haの野鳥保護区を設置している。
※なお、直接の取材はご本人の希望により固くお断りいたします。
渡邊玲子さんのコメント
「大型の動物を守りたい、大型の動物がすむ環境を守れば、そこに関わる他の動植物も守ることができるとの想いから、これまでもタンチョウの保護に力を入れてきました。今回も、タンチョウ生息地保護にかかわることができ、とてもうれしく思います。これからももっと野鳥保護区が増えることを願うとともに、応援して行きたいと考えています。」
購入費について
渡邊玲子氏より、ご寄付をいただき購入した。
なお、金額は今後の購入にも関わるので、伏せさせていただきます。
日本野鳥の会保護区事業
野鳥の生息地の保全を目的として、当会では、1986年から「野鳥保護区」を拡大しています。これまでに北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に27ヶ所、2621.0haを買い取り等により確保してきました。また、タンチョウ営巣地の買い取りで一定の成果が得られたため、2004年からタンチョウに続き、シマフクロウの生息地の買い取りもはじめました。現在、野鳥保護区の総面積は、山手線内側の40%の大きさで、国内の自然保護団体が設置した保護区としては最大の面積です。
買い取り後は、当会職員が、調査や管理、巡回監視に当たっていきます。
なお、土地の買い取りについては会員の方をはじめとする方々からの寄付を財源としています。
(財)日本野鳥の会のタンチョウ保護活動
■概要
タンチョウは、かつて江戸時代までは道内全域に生息していたと言われているが、明治時代の乱獲と生息地である湿原の開発により激減し、一時は絶滅したと考えられていた。大正時代末期に釧路湿原で再発見されて以来、地元農家の冬期給餌などの保護活動が実り、個体数は1000羽を超えるまでになった。国の特別天然記念物にも指定されているが、分布は北海道東部に偏在し、冬期の人為的な給餌に依存している。また生息地である湿原の面積は減少する一方で、残されている湿原も営巣地の約半分は法律による保護指定がなされておらず、いつ開発されてもおかしくないのが現状である。
(財)日本野鳥の会は1987年に全国からの募金をもとに、タンチョウの越冬地である阿寒郡鶴居村の給餌人、伊藤良孝氏(故人)のご理解とご協力を得て「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」を開設した。そこでは日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、タンチョウ保護のために生態調査や自然解説などを行う現地拠点となっている。また繁殖地の保護状況調査をもとに、タンチョウの営巣地でありながら法律で保護指定されていない湿原を購入、あるいは地主と協定を結ぶ等で、野鳥保護区を設置する活動を行っている。土地の購入費用は会員をはじめ、趣旨に賛同する個人、団体からのご寄付が充てられている。
財団法人日本野鳥の会について
自然と人間が共存する豊かな社会の実現を目指し、野鳥や自然のすばらしさを伝えながら、自然保護を進めている民間団体です。全国約5万人の会員・サポーターの方が、自然を楽しみつつ、自然を守る活動を支えています。
・創設:1934年 ・創設者:中西悟堂 ・支部:全国88支部
野鳥や自然を大切に思う心を伝える
・ 全国11ヶ所のサンクチュアリやバードプラザを訪れる年間約30万人の方に、野鳥や自然のすばらしさを伝えています。
・ 東京バードフェスティバルなどの大規模イベントへの参加や野鳥図鑑などの発行を通して、バードウォッチングの楽しさを伝えています。
・ バードウォッチングの指導・案内のできる人材の育成を進めています。
野鳥や自然を守る
・北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に、土地の買い取りや協定により野鳥保護区として保全しています。現在、保護区の面積は、27ヶ所、2621.0haで、自然保護団体としては国内最大級です。
・鳥類の生息地として、保全が急がれる場所を明確にするため、国際的に重要な鳥類等を指標にした重要度の基準(IBA基準)を満たした野鳥の重要な生息地の選定、リストの公表を行い、保全の推進、ネットワーク化を行っています。
特定公益増進法人です
・日本野鳥の会は、特定公益増進法人に認定されておりますので、個人や法人が支出した寄付金に対して所得控除や損金算入が設定されています。
同時発表先
環境省記者クラブ、根室記者クラブ
本件についての問合せ先
財団法人日本野鳥の会 野鳥保護区事業所 Tel:0153-25-8911 担当:富岡辰先、有田茂生、松本潤慶
| ■渡邊野鳥保護区ヤウシュベツ | |
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![]() 国道244号線 野付郡別海町奥行 万年橋より上流を望む |
![]() 国道244号線 野付郡別海町奥行 万年橋より下流を望む |
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