プレスリリース 2011.05.10_02

2011年5月10日

日本野鳥の会 会員が書いた野鳥の論文集
『Strix(ストリクス) vol.27』を、愛鳥週間(初日5/10)に発行します

 公益財団法人日本野鳥の会(本部:東京、理事長:佐藤仁志、会員・サポーター数:5万人)は、5/10から始まる愛鳥週間の初日に、日本野鳥の会会員による論文集「Strix(ストリクス)vol.27」を発行します。Strixは、日本野鳥の会の会員が日頃楽しんでいるバードウォッチングに留まらず、長期的、計画的な観察や分析を行うことで、より科学的な視点をもって、すばらしい野鳥の世界を明らかにしようという論文誌で、古代ギリシャの智恵の象徴である、女神アテナの従者フクロウにちなんでこの誌名がつけられています(Strixはフクロウの学名)。今回は、22本の論文を収録しています。

収録論文の内容(一部)

  • 新たな分布の記録 →(積雪期の札幌市におけるギンムクドリの観察記録、青森県におけるワライカモメの観察記録)
  • 身近な野鳥の意外な生態 →(秋田県大潟村でみつかったスズメの9卵巣、高山(亜高山帯)におけるヒヨドリの出現)
  • 昆虫と野鳥の関係についての新しい発見 →(コマルハナバチによるカラ類の巣の乗っ取り、フクロウの巣から発見されたシラホシハナムグリ)
  • 絶滅の恐れのある野鳥の行動・生態の記録 →(石垣島大浜海岸で観察されたクロツラヘラサギの摂餌生態、仏沼におけるチュウヒの育雛期のヒナの行動と餌内容の一例、岩手県沿岸南部におけるオオセッカの越冬状況、熊本市金峰山における非常に遅いハチクマの繁殖例)
  • 自然保護に関する問題提起 →(茨城県下のハス田における防鳥ネットによる野鳥羅網被害の状況)
  • 重要野鳥生息地における鳥類相の記録 →(小笠原群島父島の鳥類相―15年前との比較)

論文の編集を担当した上田恵介教授(立教大学)のコメント

Strixは日本野鳥の会が約30年前に刊行をはじめた会員による研究論文誌です。Strixは日本の鳥類の自然史研究に大きな足跡を残してきました。鳥であれ、他の動物であれ、自然史研究はその大きな部分をアマチュアの観察記録に依っています。かのダーウィンも、南方熊楠も、ファーブルも、シートンも偉大な自然観察家でありました。自然界には私たちの知らない新しい現象がいっぱい眠っています。それを掘り起こすのが自然観察であり、発見を公表することによって私たちの自然に対する理解は深まっていきます。Strixがその一助になることを願っています。

■書 名:『Strix vol.27』
■編集長:上田恵介教授(立教大学)
■仕 様:B5判 180ページ
■定 価:¥3,570(税込)

●『Strix vol.27』のご注文・お求めは、
①全国最寄りの書店で
 または
②日本野鳥の会 普及室 通信販売係
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
TEL:03-5436-2626 FAX:03-5436-2636
http://www.wbsj.org

掲載タイトル

(原著論文)
北海道における繁殖期の潅木草原性鳥類の調査時期の検討 ~藤巻裕蔵
クマノミズキとウラジロエノキの結実様式の違いが鳥類の採食樹選択に与える影響~石黒雄大ほか
石垣島大浜海岸で観察されたクロツラヘラサギの摂餌生態 ~小菅丈治
コマルハナバチによるカラ類の巣の乗っ取り ~三上かつらほか
神奈川県横浜市の住宅地における人工物を利用したハッカチョウの集団営巣例 ~三科康人ほか
(短報)
仏沼におけるチュウヒの育雛期のヒナの行動と餌内容の一例 ~多田英行
コハクチョウによるオオバタネツケバナ採食の記録 ~渡辺朝一
フクロウの巣から発見されたシラホシハナムグリ(鞘翅目,コガネムシ科) ~那須義次ほか
秋田県大潟村でみつかったスズメの9卵巣 ~松井 晋ほか
岩手県沿岸南部におけるオオセッカの越冬状況 ~千葉一彦ほか
北海道におけるヤブサメおよびセンダイムシクイへの赤色卵の托卵例 ~上沖正欣ほか
高山(亜高山帯)におけるヒヨドリの出現 ~森本 元
(報文)
2008年度関東地方におけるシラコバトの個体数と個体数密度 ~小荷田行男ほか
茨城県下のハス田における防鳥ネットによる野鳥羅網被害の状況 ~明日香治彦ほか
ハイイロガン12羽の観察記録 ~吉田敬太郎
東京都青梅市におけるアオバズクの生息及び繁殖状況 ~山口 孝
積雪期の札幌市におけるギンムクドリの観察記録(2009~2010年) ~泉 敏彦
熊本市金峰山におけるヒナの形態異常例 ~井上賢三郎ほか
熊本市金峰山における非常に遅いハチクマの繁殖例 ~井上賢三郎ほか
青森県におけるワライカモメの観察記録 ~吉岡俊朗
小笠原群島父島の鳥類相―15年前との比較 ~栄村奈緒子
オオヒシクイに根元食で採食された植物種の訂正 ~渡辺朝一

【公益財団法人 日本野鳥の会】
日本野鳥の会は、1934年(昭和9年)に中西悟堂により創設され、1970年に財団化。「野の鳥は野に」の精神から引き継がれた「野鳥も人も地球のなかま」を合言葉に、野鳥や自然に親しみながら、自然を守る活動を続けているNGO。会の多岐に渡る活動は全国90の支部と約50,000人の会員・サポーターに支えられている。2011年4月に公益財団法人になる。

【バードウィーク(愛鳥週間)】
 野鳥と親しみ、野鳥を通じて自然を大切にする心をはぐくむために設けられた一週間で、1894年アメリカのペンシルバニア州で4月10日を「バードデー」としたことが始まり。日本では戦後間もない1947年4月10日に第一回「バードデー」が実施され、各地で野鳥と親しむイベントなどが開催された。その後、北海道など北国では4月上旬にまだ雪が残っていること、より多くの方に親しんでもらうことを考慮し、1950年から期間を5月10日から16日までとし、「バードウィーク」と改めた。

【本件のプレス関係者様からのお問い合わせ先】
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公益財団法人 日本野鳥の会 普及室 担当:瀬古
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E-mail seko@wbsj.org http://www.wbsj.org