プレスリリース 2012.11.28

2012年11月28日

日本野鳥の会のツバメ全国調査2012 結果報告
~消えつつあるのは人とツバメのつながりでした~

 (公財)日本野鳥の会(会長:柳生博,会員・サポーター数:約5万人)は、近年減少傾向にあるといわれているツバメの現状を明らかにし、その背景にどのような原因があるのか把握することを目的に、今年のバードウィーク(5月10日~16日)を機に広く全国にツバメの目撃情報の協力を呼びかけました。その結果、全国から合計8,402件の情報が寄せられ、ツバメの現状について次のことが分かりました。

  1. ツバメの全国分布は大きな変化なし―回答者の99%がツバメを確認
     
    全国すべての都道府県から8,402件(一般目撃調査:6,867件、詳細調査:1,535件)の情報が寄せられ、そのうち一般目撃調査の回答者の99%がツバメを確認し、86%が営巣を確認していました。この結果を鳥類繁殖分布調査(環境省2004)と比較したところ、現時点では特に分布が縮小している傾向は認められませんでした。

  2. 都市でもたくましく生きるツバメ、しかし数は減少?―回答者の39%が減少と感じる
    ツバメ生息の情報は首都圏、京阪神などから多く寄せられ、都市部でもたくましく生きているようです。しかし、回答者のうち39%は、ここ10年間でツバメが減少したと回答しており、分布は変わらないものの、多くの地域で個体数が減少している可能性が示唆されました。

  3. ツバメ減少の要因は、カラスによる影響、人による巣の撤去が上位に
     ツバメ減少の要因として、自由表記で回答のあった933件の情報のうち、カラスによる影響が296件、また糞で汚れるなどの理由から巣が人の手で落とされる事例が216件寄せられ、上位を占めました。地図でみると、2つの要因は都市近郊で多く見られました。


 今年の調査の結果、ツバメは全国でたくましく生きているものの、多くの地域で減少している可能性があることがわかりました。減少要因としてカラスの影響や人が巣を撤去する報告が多く寄せられたことから、これらによってツバメの繁殖が阻害され、減少の一因になっている可能性が考えられます。
人による巣の撤去はもちろん、カラスも人が出すゴミで増加していると言われており、いずれも私たちの生活様式の変化や、受け入れる人の心の変化によって、ツバメの子育てが難しくなっていると思われます。「人と自然の共存を象徴する野鳥」であるツバメが、いつまでも日本で子育てを続けられるように、私たちはライフスタイルや身近な自然について考える必要があるのではないでしょうか。


 当会では、今年の調査結果を踏まえて、来年の春も広く全国に呼びかけ、ツバメの繁殖の成功率や失敗要因を、より詳細に把握する調査を行ないます。また、ツバメの子育てを見守る方法などをホームページやリーフレットなどを通じて普及していきます。これらの取り組みは2014年度までの3年間、継続していきます。

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