プレスリリース 2018.06.05

太陽光発電施設建設における環境影響評価等の法制度の整備他について環境省に要望書を提出しました

 (公財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数5万人)は、全国に89の連携団体を擁し野鳥・自然環境保の全活動を進めています。近年は、風力発電や太陽光発電に関わる事案が多く自然保護上の大きな課題と認識しています。
 例えば、三重県四日市市では、サシバなどが繁殖する100haに及ぶ自然度の高い里山をほぼ皆伐する計画がすすめられていたり、ある日突然住宅地の近くにソーラーパネルが設置されるなど各地で問題を起こしています。
 その理由の一つに太陽光発電施設建設が、環境影響評価制度の対象となっていないことがあげられます。法制度の整備と共に、設置場所の限定、ゾーニングに基づく場所の選定と立地規制、地域住民等との十分な合意形成を求める要望書をこのたび環境大臣宛に提出しました。

【問い合わせ先】
(公財)日本野鳥の会
自然保護室 TEL:03-5436-2633 /FAX:03-5436-2635
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル http://www.wbsj.org/
担当:葉山、大畑、浦


日野鳥発第2018-016号
平成30年6月5日

環境大臣 中川 雅治 様

公益財団法人 日本野鳥の会
理事長  遠藤 孝一

太陽光発電施設建設における環境影響評価等の法制度の整備について(要望)

拝啓

 日頃より環境行政にご尽力いただき、感謝申し上げます。
 さて、地球温暖化は、地球規模の気候変動をもたらし、人間活動や生物多様性に大きな影響を及ぼしています。それを抑制するには、化石燃料由来のエネルギーの使用を抑え、再生可能エネルギーの利用を拡大していく必要があり、太陽光発電等の再生可能エネルギーについては、導入すべきと考えます。
 しかしながら、近年、森林や草原、湿地、水面などにおける大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設計画が多数みられるようになり、野鳥をはじめとする自然環境保全上の問題が、各地で発生しています。
 そのため本会として以下4点について要望申し上げます。特に太陽光発電に関しても環境影響評価の対象とするよう強く要請するものです。
 ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

■要望事項

1.設置場所の限定
 大規模太陽光発電施設の設置場所は、整備済工業用地等の未利用地や、大規模な建物の屋根・屋上・壁面・駐車場等、自然環境や生物多様性の保全に悪影響を及ぼさない場所に限るべきである。特に、IBA(重要野鳥生息地)や鳥獣保護区などの野鳥の保護対象地、希少種の生息地、大規模越冬地、渡りの中継・渡来地、主要な採餌地及びその近傍地には、設置すべきでない。

2.ゾーニングに基づく場所の選定と立地規制
 国等の行政機関は、風力発電施設の場合と同様に、各種の条件を勘案したうえで、大規模発電施設の設置可能場所のゾーニングを行い、自然保護や景観保全の観点から、設置規制等を行うべきである。その場合、人口が減少していくわが国の社会情勢を前提とした国土及び地域デザインやエネルギー受給量の予測、必要な法制度の整備等を行っていくことが肝要である。

3.地域住民等との十分な合意形成
 事業者は、大規模太陽光発電施設の設置に当たって、地域住民や地元有識者、自然環境保全を含む各分野の専門家等と、十分な合意形成を果たしたうえで事業を進めるべきである。また、国等の行政機関は、事業者に十分な合意形成を果たすよう行政指導すべきである。

4.環境影響評価法等の法制度の整備
 国等の行政機関は、一定規模以上の発電量や開発面積の太陽光発電施設計画については、環境影響評価法や環境影響評価条例等の法規制の対象とすべきである。また、それを下回る計画についても、事前届出制度や公表の義務付けなど、必要な制度を早急に整備し、トラブルに繋がりそうな計画を早期に把握するとともに、必要な行政指導を行うべきである。

以上