プレスリリース 2018.06.05
太陽光発電施設建設における環境影響評価等の法制度の整備他について環境省に要望書を提出しました
(公財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数5万人)は、全国に89の連携団体を擁し野鳥・自然環境保の全活動を進めています。近年は、風力発電や太陽光発電に関わる事案が多く自然保護上の大きな課題と認識しています。
例えば、三重県四日市市では、サシバなどが繁殖する100haに及ぶ自然度の高い里山をほぼ皆伐する計画がすすめられていたり、ある日突然住宅地の近くにソーラーパネルが設置されるなど各地で問題を起こしています。
その理由の一つに太陽光発電施設建設が、環境影響評価制度の対象となっていないことがあげられます。法制度の整備と共に、設置場所の限定、ゾーニングに基づく場所の選定と立地規制、地域住民等との十分な合意形成を求める要望書をこのたび環境大臣宛に提出しました。
【問い合わせ先】
(公財)日本野鳥の会
自然保護室 TEL:03-5436-2633 /FAX:03-5436-2635
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル http://www.wbsj.org/
担当:葉山、大畑、浦
日野鳥発第2018-016号
平成30年6月5日
環境大臣 中川 雅治 様
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
太陽光発電施設建設における環境影響評価等の法制度の整備について(要望)
拝啓
日頃より環境行政にご尽力いただき、感謝申し上げます。
さて、地球温暖化は、地球規模の気候変動をもたらし、人間活動や生物多様性に大きな影響を及ぼしています。それを抑制するには、化石燃料由来のエネルギーの使用を抑え、再生可能エネルギーの利用を拡大していく必要があり、太陽光発電等の再生可能エネルギーについては、導入すべきと考えます。
しかしながら、近年、森林や草原、湿地、水面などにおける大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設計画が多数みられるようになり、野鳥をはじめとする自然環境保全上の問題が、各地で発生しています。
そのため本会として以下4点について要望申し上げます。特に太陽光発電に関しても環境影響評価の対象とするよう強く要請するものです。
ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
■要望事項
1.設置場所の限定
大規模太陽光発電施設の設置場所は、整備済工業用地等の未利用地や、大規模な建物の屋根・屋上・壁面・駐車場等、自然環境や生物多様性の保全に悪影響を及ぼさない場所に限るべきである。特に、IBA(重要野鳥生息地)や鳥獣保護区などの野鳥の保護対象地、希少種の生息地、大規模越冬地、渡りの中継・渡来地、主要な採餌地及びその近傍地には、設置すべきでない。
2.ゾーニングに基づく場所の選定と立地規制
国等の行政機関は、風力発電施設の場合と同様に、各種の条件を勘案したうえで、大規模発電施設の設置可能場所のゾーニングを行い、自然保護や景観保全の観点から、設置規制等を行うべきである。その場合、人口が減少していくわが国の社会情勢を前提とした国土及び地域デザインやエネルギー受給量の予測、必要な法制度の整備等を行っていくことが肝要である。
3.地域住民等との十分な合意形成
事業者は、大規模太陽光発電施設の設置に当たって、地域住民や地元有識者、自然環境保全を含む各分野の専門家等と、十分な合意形成を果たしたうえで事業を進めるべきである。また、国等の行政機関は、事業者に十分な合意形成を果たすよう行政指導すべきである。
4.環境影響評価法等の法制度の整備
国等の行政機関は、一定規模以上の発電量や開発面積の太陽光発電施設計画については、環境影響評価法や環境影響評価条例等の法規制の対象とすべきである。また、それを下回る計画についても、事前届出制度や公表の義務付けなど、必要な制度を早急に整備し、トラブルに繋がりそうな計画を早期に把握するとともに、必要な行政指導を行うべきである。
以上
プレスリリース 2018.05.11
北方四島における風力発電の導入に関して要望書を提出しました
(公財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数4万6千人)と日本野鳥の会根室支部(事務局:根室、支部長:加藤義則、会員数81人)は、日露共同経済活動に基づく風力発電の導入に関して希少鳥類への影響を防ぐ取り組みを求める要望書を日本政府に提出いたしました。
概要
2017年9月に行われた日露首脳会談で、北方四島における共同経済活動の優先5項目の一つとして風力発電の導入が取り上げられ、さらに10月に行われた官民合同調査の際に予定地の現地視察がなされています。
一方で、北方四島は、世界自然遺産「知床」に勝るとも劣らぬ優れた自然環境が残された地域であり、これまでに行われた、日露渡り鳥保護条約や日露隣接地域生態系保全協力プログラムにもとづいて進められてきた共同調査や北方四島専門家交流の成果から、北海道と共通する希少な鳥類の生息地であり、生物多様性保全にとって重要な地域であること、鳥類の行き来なども含めて、生物学的にも北海道と密接に関連した地域であることが明らかになっております。
風力発電事業においては、立地選定を慎重に行わないと、バードストライクや生息地放棄などの影響が出ることが国内の事例で明らかとなっています。
国内では風力発電施設の建設に伴う環境影響の研究実績の蓄積が進んできています。北方四島の風力発電事業にあたってはこれらの知見を活かして、環境影響を回避し、生物多様性保全との調和をとるべきと考え要望書を提出しました。
要望事項
要望書では、以下の5項目を要望いたしました。
1.我が国における環境影響評価法に基づくものと同等の環境影響評価を実施すること。その際に、日本国内で培われてきた風力発電施設の建設に伴う環境影響の研究成果を反映させること。
2.発電施設の建設にあたっては、「猛禽類保護の進め方(改訂版)」(環境省 2012)に従い、建設予定地周辺で十分な現地調査を行ない、希少猛禽類であるオオワシ・オジロワシ等への影響を回避すること。特に繁殖を行なう希少猛禽類については、繁殖成功年を含む最低2シーズンの調査を行うこと。
3.希少な鳥獣への影響が回避できない場合は、建設予定地の変更を行なうこと。
4.ロシア政府およびサハリン州が設定している自然保護区には特に配慮し、風力発電事業の対象地としないとともに、隣接地域からも影響を与えることのないように配慮すること。
5.環境影響評価に際しては、両国の生物・環境保全に関する研究者の情報共有・意見交換を促進するとともに、その意見を協力事業に活かすこと。
要望書提出先
外務大臣、経済産業大臣、環境大臣、北方対策担当大臣
本件に関するお問い合わせ先
(公財)日本野鳥の会 自然保護室 葉山
Tel:03-3536-2633 Email:[email protected]
日野鳥発2018-008号
平成30年5月11日
外 務 大 臣 河野 太郎 様
経済産業大臣 世耕 弘成 様
環 境 大 臣 中川 雅治 様
北方対策担当大臣 福井 照 様
公益財団法人日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
品川区西五反田3-9-23
日本野鳥の会根室支部
支部長 加藤 義則
北方四島における風力発電の導入に関する要望書
平素から、地球環境へのご配慮、生物多様性保全にご尽力いただいておりますことに敬意を表します。
さて、2017年9月に行われた日露首脳会談で、北方四島における共同経済活動の優先5項目の一つとして風力発電の導入が取り上げられ、さらに11月17日に根室市で開催された北方領土関係情報提供セミナーにおいて、10月に行われた官民合同調査団の報告がありました。その中で国後島において2ヶ所、択捉島で3ヶ所及び色丹島で風力発電施設建設の候補地の視察が行われたことが紹介されました。
北方四島は、世界自然遺産「知床」に勝るとも劣らぬ優れた自然環境が残された地域であります。これまでも、日露渡り鳥保護条約や日露隣接地域生態系保全協力プログラムにもとづいて進められてきた共同調査や北方四島専門家交流の成果から、北海道と共通する希少な鳥類の生息地であり、生物多様性保全にとって重要な地域であること、鳥類の行き来なども含めて、生物学的にも北海道と密接に関連した地域であることが明らかになっております。
北方四島で風力発電施設を建設するにあたって最も懸念されることは、オジロワシやオオワシのバードストライクおよび各種希少鳥類の生息地放棄が発生することです。特に海ワシ類は国内外で、バードストライクの事例が多く、日本国内におけるオジロワシの死亡要因の最上位となっており、風力発電施設の国内における環境影響評価においても影響の回避や軽減策が求められるところです。
海ワシ類以外にも、シマフクロウの繁殖や、タンチョウの繁殖および北海道との行き来に対しても悪影響を与える可能性があります。また、北方四島では陸生鳥類の78%が渡り鳥であるため(藤巻 2011)、渡りの経路におけるバードストライクや障壁影響の発生も懸念されます。
さらに、コウモリ類は風力発電に対し、回転翼周辺の気圧変化により、内臓損傷を受けるなど脆弱性を持っています(日本野鳥の会 2009)。国後島では少なくとも10種のコウモリ類が確認されており、その中の2種(ウスリホオヒゲコウモリ、ホンドノレンコウモリ)は環境省版レッドリストの掲載種、また7種は北海道レッドデータブックの掲載種です。また択捉島でもウスリホオヒゲコウモリを含む4種が記録されています。これらについても風力発電事業の影響が懸念されます。
他方で、日本では風力発電施設の建設に伴う環境影響の研究実績の蓄積が進んできています。北方四島の風力発電事業にあたってはこれらの知見を活かして、環境影響を回避し、生物多様性保全との調和をとるべきと考えます。
以上の事から、北方四島における共同の風力発電事業において、以下の5項目を要望します。
1.我が国における環境影響評価法に基づくものと同等の環境影響評価を実施すること。その際に、日本国内で培われてきた風力発電施設の建設に伴う環境影響の研究成果を反映させること。
2.発電施設の建設にあたっては、「猛禽類保護の進め方(改訂版)」(環境省 2012)に従い、建設予定地周辺で十分な現地調査を行ない、希少猛禽類であるオオワシ・オジロワシ等への影響を回避すること。特に繁殖を行なう希少猛禽類については、繁殖成功年を含む最低2シーズンの調査を行うこと。
3.希少な鳥獣への影響が回避できない場合は、建設予定地の変更を行なうこと。
4.ロシア政府およびサハリン州が設定している自然保護区には特に配慮し、風力発電事業の対象地としないとともに、隣接地域からも影響を与えることのないように配慮すること。
5.環境影響評価に際しては、両国の生物・環境保全に関する研究者の情報共有・意見交換を促進するとともに、その意見を協力事業に活かすこと。
以上
別紙 絶滅のおそれのある種に関する情報
1.オオワシについて
環境省レッドリスト(2017)で絶滅危惧Ⅱ類に挙げられている。ロシア極東のベーリング海沿岸部、カムチャツカ州、マガダン州海岸部、ハバロフスク地方の海岸部およびアムール川下流域、サハリン北東部で繁殖し、北海道本島と北方四島が主要な越冬地になっている(環境省 2014b)。1990年代以降、日露の共同研究を含め人工衛星を利用した個体追跡、足環やウイングタグ等の標識装着による海ワシ類の渡り経路に関する調査が行われ、オホーツク北部沿岸部、アムール川下流域、サハリンで繁殖するオオワシの多くは、北海道本島と北方四島で越冬することが明らかになっている。両地域で越冬するオオワシは約3,000羽で、個体群のおよそ半分にあたる。
また、1998年~1999年の日露共同プロジェクトによれば、 12月~1月初めには2,000羽程の海ワシ類が国後島、色丹島、歯舞群島などで越冬しており、北海道本島と北方四島の越冬環境の保全は海ワシ個体群の維持に非常に重要といえる(白木ほか 2016)。また、北海道東部で越冬するオオワシが北方四島との間を行き来していることも明らかになっている(McGrady et al 2003)。
2.オジロワシについて
環境省レッドリスト(2017)で絶滅危惧Ⅱ類に挙げられている。ユーラシア北部の広範囲で繁殖するが、北海道および北方四島を含む極東の集団とヨーロッパの集団は遺伝的に異なっており、保全上留意が必要である。また北方四島はカムチャッカで越夏したオジロワシの南下コースであることが知られている(Ueta et al.1998)。
択捉島における調査結果では、知床半島での繁殖密度(0.09 pairs/km)に比べて高密度(0.23 pairs/km)であることが確認されている。(北方四島(国後島)の生態系-陸上動植物相調査-動物から見る北方四島の生態系保全:1999から003年調査結果の概要 北の海の動物センター)
3.タンチョウについて
環境省レッドリスト(2017)で絶滅危惧Ⅱ類に挙げられている。1995~1996年の標識調査で、国後島と北海道東部との間の往来が確認されていたが、さらに2017年にNPO法人タンチョウ保護研究グループ(百瀬邦和理事長)と国後島のクリリスキー自然保護区(アレクサンドル・キスレイコ所長)など3団体の共同プロジェクトで、国後島ケラムイ崎でGPS発振器を装着された個体が北海道別海町や標茶町に飛来していることが確認された。
4.シマフクロウについて
環境省レッドリスト(2017)で絶滅危惧ⅠA類に挙げられている。北海道本島、国後島、色丹島、サハリンなどのオホーツク海沿岸の島々に分布する亜種はエゾシマフクロウ(Ketupa blakistoni blakistoni)と分類され、ロシア沿海地方、マガダン付近にかけてのオホーツク沿岸域、アムール川中流域、レナ川上流、中国東北地方の大陸に分布する亜種はマンシュウシマフクロウ(Ketupa blakistoni doerriesi)とは異なるとされており(竹中2003)、種の保全上留意が必要である。
国後島では1990年代から2000年代初頭に調査が行われており約80羽の生息が推定されている。北海道よりも生息密度が高く、そのため行動圏は、北海道では川沿いで約10kmであるのに対して、国後島では3~5kmと小さくなっている(竹中 2014、Grigoriev 2005)。
色丹島では2013年に巣箱での繁殖が確認されているが、島の面積から、根室や国後島の集団との交流無くしては集団の維持が難しいと考えられている(竹中 2014)。
5.コクガンについて
環境省レッドリスト(2017)で絶滅危惧Ⅱ類に挙げられている。秋季、国後島南部の泊湾やケラムイ湖、北海道東部の野付湾などで最大6,000羽程度の群が確認され、渡りの中継地として重要な場所である。国内での越冬数は2,000羽程度で、その他の個体の越冬地は不明(藤井 2017)。
2017年から開始された衛星追跡で、泊湾、風蓮湖、浜中町琵琶瀬間での移動や往復が確認されている。
6.ヒシクイ(亜種オオヒシクイ)について
環境省レッドリスト(2017)で準絶滅危惧に挙げられている。日本で越冬するオオヒシクイは主にサロベツを経由して繁殖地に渡ることが知られていたが、カムチャッカ半島で2000年に首輪をつけられた個体が、択捉島で回収されている。この個体は国内での観察記録では十勝地方を経由して、山形県や新潟県で確認されている。十勝地方で観察されるオオヒシクイは、現在数が増加しており、カムチャッカ半島の換羽地でのオオヒシクイの数も増加しており、今後北方四島や千島列島は、オオヒシクイにとって重要な渡りのルートと成る可能性がある(呉地正行 私信)。
7.コウモリ類について
2014年に札幌で開催された日露隣接地域生態系保全協力シンポジウムの要旨集によれば、国後島で2010~2013年にかけて行われた調査で、10種のコウモリが記録されている(河合 2014)。そのうち2種が環境省レッドリスト(2017)の掲載種である(ウスリホオヒゲコウモリ、ホンドノレンコウモリ)(河合ほか 2011)。また7種が北海道レッドデータブックに掲載されている。ホンドノレンコウモリについては季節的な移動が示唆されており(河合ほか 2011)、またモモジロコウモリについては知床半島と国後島の海上を飛翔していたことから、国後島と北海道本島の間の移動の可能性が示されている(河合 2014)。
択捉島中部では、ウスリホオヒゲコウモリを含む4種が記録されている(河合ほか 2013)。
国後島記録種:モモジロコウモリ、ウスリドーベントンコウモリ(北海道希少種)、ウスリホオヒゲコウモリ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、北海道希少種)、ヒメホオヒゲコウモリ(北海道絶滅危急種)、ホンドノレンコウモリ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、北海道希少種)、キタクビワコウモリ、チチブコウモリ(北海道希少種)、ニホンウサギコウモリ、テングコウモリ(北海道希少種)、ニホンコテングコウモリ(北海道希少種)
択捉島記録種:ウスリドーベントンコウモリ(北海道希少種)、ウスリホオヒゲコウモリ(環境省絶滅危惧Ⅱ類、北海道希少種)、キタクビワコウモリ、ニホンウサギコウモリ)
引用文献
・Grigoriev, E.M. 2005. 国後島と色丹島におけるシマフクロウの分布と生息数に関する新資料. 極東の鳥類32:50-52
・Ueta,M, Sato,F, Lobkov,E.G, Mita,N. 1998.Migration route fo White-tailed Sea Eagles Haliaeetus albicilla in northeastern Asia. Ibis 140:684-686.
・McGrady et al. 2003. Movements by juvenile and immature Steller’s Sea Eagles Haliaeetus pelagicus tracked by satellite. Ibis 145:318-328.
・大泰司紀之・小林万里. 2002. 北方四島(国後島)の生態系-陸上動植物相調査-. PRO NATURA FUND. http://www.nacsj.or.jp/pn/houkoku/h13/index.html
・河合久仁子・近藤憲久・マキシム アンチピン・大泰司紀之. 2011. 国後島のコウモリ相.根室市歴史と自然の資料館紀要23:63-68.
・河合久仁子・近藤憲久・ビクトル ボイコ・大泰司紀之. 2013. 択捉島中部のコウモリ類.根室市歴史と自然の資料館紀要25:9-20.
・河合久仁子. 2014. 日本と極東ロシアのコウモリ類.日露隣接地域生態系保全協力シンポジウム要旨集(2日目):19-22.
・河合久仁子. 2014. 北方四島のコウモリ類.日露隣接地域生態系保全協力シンポジウムワークショップ要旨集(1日目):16-18.
・川那部真・市田則孝・金井裕・川崎慎二・藤巻裕蔵・佐藤文男. 2002. 北方四島の鳥類相.Strix20:79-100.
・環境省編. 2014a. Red data book2014 1哺乳類.
・環境省編. 2014b.Red data book2014 2鳥類.
・白木彩子. 2014. オホーツク沿岸におけるオオワシ・オジロワシの近年の生息状況と保全の展望.日露隣接地域生態系保全協力シンポジウム要旨集(2日目):9-14.
・竹中健. 2003. 国後島シマフクロウ調査報告.
https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2003/01213/contents/0026.htm
・竹中健.外山雅大.大泰紀之. 2017. 北海道と北方四島の希少鳥類-シマフクロウ・タンチョウ・オジロワシの「今」を知る.知床博物館研究報告39.67-69.
・竹中健. 2014. 日本とロシアのシマフクロウ.日露隣接地域生態系保全協力シンポジウム要旨集(2日目):15-18.
・藤井薫. 2017. 日本におけるコクガンの個体数と分布(2014-2017年).Bird Research vol.13:A69-A77.
・藤巻裕蔵. 2011. 北方四島の鳥類相の特徴.利尻研究30:67-72.
・中川元. 2009. 鳥類:特にオオワシ・オジロワシ調査の成果と今後の動体予測.オホーツク生態系保全・日露協力シンポジウム報告書:81-112.
・ロシア国立クリリスキー自然保護区編. 2002. クリリスキー自然保護区年報「自然の年代記」鳥類編合本(1984-1999年度).野鳥保護資料集15.財団法人日本野鳥の会.
・北方領土・国後と道東往来 発振器装着し確認. 毎日新聞2018年1月8日.
プレスリリース 2018.03.23
2018年03月23日
新しい野鳥保護区が誕生
日本野鳥の会がタンチョウとシマフクロウの生息地、約300haを購入
(公財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博、会員・サポーター数5万人)は、タンチョウ(絶滅危惧Ⅱ類)の生息地保全のため野付郡別海町内、風蓮川河口部に広がる257.1haの湿原と、シマフクロウ(絶滅危惧ⅠA類)の生息地保全のため釧路管内の37.7haの森林を購入しました。当会では、購入地をそれぞれ、「村田野鳥保護区風蓮川」(139.1ha)、「横澤野鳥保護区風蓮川」(118.0ha)、「持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第4」(37.7ha)と名付け、絶滅危惧種の生息地の自然環境を恒久的に保全します。
1.タンチョウ4つがいが繁殖する湿原を新たに守る―村田野鳥保護区風蓮川、横澤野鳥保護区風蓮川
ラムサール条約登録湿地である風蓮湖に流れ込む風蓮川河口には、6つがいのタンチョウが繁殖する湿原が広がっています。この湿原には、国指定鳥獣保護区の特別保護区に含まれない民有地が残されており、開発行為に対しては法的規制が弱い区域でした。そこで当会では、会員の村田陽子(むらたようこ・故人)氏他からの寄付金をもとに、257.1ha(2,571,497㎡)の土地を購入し、野鳥保護区を設置して保全することにしました。これにより風蓮川河口部を利用する4つがいのタンチョウの繁殖地が守られます。

購入した風蓮湖岸の湿原。風蓮川河口部の左岸側(写真奥)に2つの野鳥保護区を設置した。
2.シマフクロウ1つがいが繁殖する森林の保全を強化―持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第4
釧路管内に広がるこの森林には、2011年から2つがいのシマフクロウの生息が確認されています。ミズナラ等の巨木が林立する豊かな河畔林が残されていますが、その大部分が民有林のため、森林伐採をはじめとする開発の恐れがある地域でもありました。そこで当会では、2014年に1つがいが繁殖する森林135.0haを購入し、「杉本野鳥保護区シマフクロウ釧路第2」を設置しましたが、依然として周辺森林の開発の恐れがありました。そのため、持田勝郎(もちだかつろう・故人)氏からの寄付金をもとに、隣接する土地37.7ha(376,607㎡)を購入し、野鳥保護区を設置して保全することにしました。これにより、当森林で繁殖するシマフクロウの生息地保全を強化することができます。なお、詳細な場所や地名は、シマフクロウの生息かく乱の恐れがあるため公表していません。

購入した釧路管内の森林。シマフクロウの生息する河畔林と針広混交林を恒久的に保全した。
<配布先> 環境省記者クラブ(霞が関)、道政記者クラブ(札幌)、釧路総合振興局記者クラブ、根室市役所記者クラブ
【問い合わせ先】 (公財)日本野鳥の会 野鳥保護区事業所 http://www.wbsj.org/
北海道根室市東梅115-1 TEL&FAX:0153-25-8911 担当:松本/080-1179-2786
- 日本野鳥の会 新しい野鳥保護区設置(PDF 459KB)
- 補足資料(PDF 1.27MB)
プレスリリース 2018.02.02
日本自然保護協会と日本野鳥の会が、米原風力発電事業の取り止めの勧告を環境大臣と経産大臣に要望書を提出
公益財団法人 日本自然保護協会と公益財団法人 日本野鳥の会は、「(仮称)米原風力発電事業」(事業者ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社)に関して、2月2日に環境省と経済産業省の両大臣あてに、イヌワシ・クマタカの生息に影響を及ぼし地域絶滅のリスクを高める懸念から、事業者に対して事業の取り止めを行うよう勧告するよう連名の要望書を提出しました。
要望書:(仮称)米原風力発電事業の取り止めの勧告を求める要望書(PDF 134KB)
添付1:「(仮称)米原風力発電事業 計画段階環境配慮書」意見(日本自然保護協会)(PDF 137KB)
添付2:「(仮称)米原風力発電事業 計画段階環境配慮書」意見(日本野鳥の会)(PDF 136KB)
※添付資料は、環境影響評価続きにおける縦覧期間に事業者あてに提出した意見書
本リリースに関するお問合せ
(公財)日本自然保護協会 自然保護室 辻村・自然のちから室 大野
Tel: 03-3553‐4101 Email: [email protected]
(公財)日本野鳥の会 自然保護室 葉山・浦
Tel: 03-5230‐2633 Email: [email protected]
プレスリリース 2018.01.22
輪島市に計画されている産業廃棄物処理場の建設許可取り消しを要望
国際的にも絶滅が懸念される希少鳥類のミゾゴイなど、貴重な野生生物が息づく石川県輪島市の里山で今、産業廃棄物の処分場が建設されようとしています。この問題について、日本野鳥の会は2018年1月22日、日本野鳥の会石川など5つの自然保護団体と連名で、県知事に対し建設許可を取り消し、地域一帯の自然環境の重要さを認識して、その保全を推進するよう強く要望しました。
要望書の提出の後、県の廃棄物対策課と意見交換を行い、能登地方を中心に里地・里海を守ることを標榜し、世界農業遺産への登録を推進している県の姿勢と矛盾すること。ミゾゴイやサシバなど里山の生物多様性を指標する種が生息している場所であり、廃棄物処理法の機械的な運用ではなく、しっかりとした環境影響への回避策が必要なことを主張し、建設許可の再考を求めました。
2018年1月22日
石川県知事
谷本 正憲 殿
(公財)世界自然保護基金ジャパン
(公財)日本自然保護協会
(公財)日本野鳥の会
日本鳥類保護連盟石川県支部
日本野鳥の会石川
森の都愛鳥会
門前クリーンパークの産業廃棄物最終処分場建設事業の許可取消しに関する要望書
平素より、県下での生物多様性の保全にご尽力を頂いておりますことに敬意を表します。
さて、今般、石川県輪島市門前町大釜に門前クリーンパークが計画している産業廃棄物最終処分場(以下、処分場)に関し、石川県廃棄物処理施設専門委員会(以下、専門委員会)が11月21日に処分場の建設による自然環境への影響について「適正な配慮がなされている」との結論を出しました。知事は、専門委員会の結論をもとに、県環境審議会の議論を経ず、11月28日に許可の決定をされました。
私ども自然保護6団体は、去る8月17日に「門前クリーンパーク建設事業に係る自然・環境の保全に関する意見書(1)」を、11月14日に「絶滅のおそれのある動・植物の保護施策について(要望)(2)」を貴県に対し提出しました。しかしながら意見内容や要望は、考慮されておらず適正な配慮がされたとは言えません。
また、能登の里山里海は、世界農業遺産に認定されています。指定に向けての知事の御努力は、高く評価しますが、今回の処分場の建設を許可したことは、世界農業遺産の価値を大きく損ねることになります。
このような許可の決定は遺憾であり、処分場が建設されれば、県にとって深い禍根を残すことになります。
私たちは、門前クリーンパーク建設事業の許可を取消すことを強く要望します。
以上
(1)「門前クリーンパーク建設事業に係る自然・環境の保全に関する意見書」(添付)
(2)「絶滅のおそれのある動・植物の保護施策について(要望)」(添付)
本件に関する問い合わせ先:
(公財)世界自然保護基金ジャパン 自然保護室 草刈 秀紀 ([email protected]/03-3769-1713)
(公財)日本自然保護協会 自然保護室 辻村 千尋([email protected]/03-3553-4103)
(公財)日本野鳥の会 自然保護室 葉山 政治([email protected]/03-5436-2633)
日本鳥類保護連盟 石川県支部 支部長 林 哲([email protected])
日本野鳥の会石川 代表 中村 正男([email protected])
森の都愛鳥会 会長 辻村 澄([email protected])
【以下、これまでの要望書】
2017年8月22日付意見書 https://www.wbsj.org/activity/press-releases/press-2017-08-22/
平成29年11月14日
石川県知事 谷本正憲 殿
日本鳥類保護連盟石川県支部
支部長 林 哲
日本野鳥の会石川
代表 中村正男
森の都愛鳥会
会長 辻村 澄
絶滅のおそれのある動・植物の保護施策について(要望)
日ごろから野鳥保護の普及啓発について、ご協力を賜り御礼申し上げます。
去る5月26日、県知事あてに輪島市大釜地域に計画されている「門前グリーンパーク」の建設予定地に生息している多数の絶滅危惧種の保護について県の考え方ならびに環境審議会または第三者委員会等での審議を要望いたしましたが、県の担当課からの回答は今日に至ってもありません。
また、県環境審議会(環境影響評価部会)においても(議事録;平成27年6月9日、7月30日、9月3日)、大釜地区に多数生息している絶滅危惧種の保護について、ほとんど議論されておりません。このことは県の絶滅危惧種保護の*基本指針に鑑みても、その対応はきわめて不適切であります。
よって、県当局の絶滅危惧種の保護について、再度下記のとおり要望します。
回答は11月30日までに書面でお願いします。
記
1 輪島市大釜地区に確認されている「いしかわレッドデータブック」における絶滅危惧種(*特に絶滅危惧Ⅰ・Ⅱ類の動物30種、植物35種)の保護に対して、早急に会議を開催し、審議・検討してください。
2 県はいしかわレッドデータブックの基本指針を遵守し、生物多様性保護を進める立場から大釜地区の絶滅危惧種の保護について、どのような検討・議論をしてきたのか。その回数、時期、内容など示してください。
3 本年、大釜地区及び周辺地区で絶滅危惧種(絶滅危惧Ⅰ類及び準絶滅種)のミゾゴイ、ノスリの*繁殖が確認されたことについて、その保護対策は必須であり、その指導指針を示してください。
*いしかわレッドデータブックに係る絶滅危惧種保護の基本指針(2000年;県策定)
①絶滅の危機が迫っている種類を守り、②絶滅の危機にある種を救うために活動し、③その種の保全の実を挙げる。
*『門前クリーンパークの建設事業にかかる環境影響評価準備書』(株式会社門前クリーンパーク、平成25年発行)には、「石川県の絶滅のおそれのある野生生物 いしかわレッドデータブック 2009」に記載されている鳥類32種、両生・爬虫類5種、魚類1種、昆虫・クモ類22種、淡水貝類4種、海域生物10種 計74種(うち絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類30種)、植物は種子植物など62種(絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類35種)、すなわち動植物合計136種(絶滅危惧Ⅰ、Ⅱ類合計65種)が掲載されている。
*ミゾゴイ保護の進め方(2016;環境省)
*ミゾゴイ、ノスリの繁殖状況写真(添付)
プレスリリース 2017.11.20
北海道知事宛に
美々川・ウトナイ湖の保全にかかる要望書を提出しました
日本野鳥の会(財団事務所:東京)は、当会の第1号サンクチュアリであり、ラムサール条約湿地でもある「ウトナイ湖」と、湖に流入する「美々川流域」の保全にかかる要望書を北海道知事宛に提出しました。
道央圏において、原始河川の姿を今なお残す貴重な自然として道民にも広く知られた美々川は、近年、特に最上流域での水質悪化が危惧されています。
現在、最上流域には養豚施設が存在し、今後は畜産クラスター事業による大規模肥育施設の建設も予定されており、ますます懸念しているところです。
今回提出した要望書は、北海道に対して水質悪化への監視や改善を求めるとともに、道の自然環境保全条例による保護担保措置、自然再生事業(進行中)による美々川・ウトナイ湖の保全、さらには、ラムサール条約湿地の範囲を、すでに登録指定済の「ウトナイ湖」から拡大し、美々川流域も含めるという当会の活動について、理解や協力をお願いするものとなっています。詳細につきましては、要望書(本文)をご参照ください。

水質悪化が懸念される美々川
問い合わせ先
*公益財団法人 日本野鳥の会 保全プロジェクト推進室(東京事務所)
担当:田尻浩伸(たじり ひろのぶ)
電話:03-5436-2634
*公益財団法人 日本野鳥の会 保全プロジェウト推進室(ウトナイ湖サンクチュアリ)
担当:中村 聡(なかむら さとし)
電話:0144-58-2505または080-2872-2709
日野鳥発第2017-056号
平成29年11月20日
北海道知事
高橋 はるみ 様
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
美々川・ウトナイ湖の保全についての要望
(特に、美々川源流域で懸念される水質悪化について)
日頃より北海道の自然環境保全行政にご尽力いただき、心より感謝申し上げます。特に美々川自然再生事業では、各種調査とともに子どもを対象にした環境学習などが実施されており、幅広い活動に深く敬意を表します。
さて、本会は苫小牧市および地域住民の皆さまのご理解のもと、1981年にウトナイ湖に日本で第1号のサンクチュアリを設置し、ウトナイ湖をはじめ周辺地域の自然環境保全活動を推進してまいりました。
ウトナイ湖に流入する美々川の流域は、道央圏において原始河川の姿を今なお残す貴重な場所として道民にも広く知られています。そのため、1980年代より北海道の「自然環境保全地域」指定が検討され、苫小牧市からも毎年、北海道への要望事項として取り上げられてきましたが、現在においてもなお、指定には至っておりません。一方で、この約40年の間、流域では様々な形での土地利用が進み、源流域での水質悪化など、急激な環境の変化が危惧されます。
美々川源流域には、以前から多数の養鶏施設が存在し、高濃度の窒素による影響が確認されていたものの、2004年に「家畜排せつ物法」が本格施行されて以降は、改善の兆しも見られていました。しかし、その後2011年頃より、再び窒素濃度の増加が起きています1)。
現在は(有)山中畜産による養豚施設があり、また、今後は畜産クラスター事業による大規模肥育施設が建設されると伺い、非常に懸念しているところです。
美々川やウトナイ湖は北海道の貴重な財産であり、また、新千歳空港にも近く、観光資源としての可能性も大いに秘めています。つきましては、美々川流域の保全について、以下のとおり要望いたしますので、ご対応のほどよろしくお願い申し上げます。
記
- 美々川源流域において、(有)山中畜産の所有する養豚場から排出される糞尿が、適正に処理されているかどうか、調査すること。
- 美々川源流域において、畜産クラスター事業による大規模肥育施設が水質悪化等環境汚染につながらないよう、厳しく監視および指導すること。
- 美々川流域を北海道自然環境保全条例に基づく「自然環境保全地域」に指定すること。
- 美々川自然再生事業を継続し、美々川やウトナイ湖の保全活動をより一層推進すること。
- ラムサール条約湿地である「ウトナイ湖」の登録地を拡大し、今後「美々川流域」も対象範囲に含めるべきという本会の提案について、検討すること。
以上
1)リバーフロント研究所報告第26号2015年9月 美々川・ウトナイ湖における自然再生の取り組み
プレスリリース 2017.11.10
苫小牧東部開発地域(苫東地域)で、
今年もアカモズ、シマクイナ、チュウヒなど7種の希少鳥類を確認
日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリは、今年の繁殖期(4~8月)に実施した苫東地域での調査で、昨年に続き国内レッドリストにある絶滅危惧ⅠB類を3種、同Ⅱ類を2種、準絶滅危惧を2種、計7種もの絶滅のおそれのある鳥類の生息を確認しました(別紙資料1参照)。このことから、同地域に希少鳥類の生息環境が残されていることが再確認されました。
絶滅危惧ⅠB類のチュウヒは、9月21日に種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)の一部が改正されたことで、国内希少野生動植物種に加わりました。その理由としては、開発などによる環境悪化により、繁殖が確認されなくなった場所が増えていることが挙げられています。繁殖個体は国内に約90つがいのみと推測されている中で、苫東地域では今年も数つがいの繁殖行動を3カ所で確認し、複数が繁殖しているものと考えられ、これは同地域の自然環境を保全する意義を裏付けるものと言えます。
当会では毎年、苫東地域で調査を行ない、希少鳥類の生息地としての重要性を訴えており、今回の調査結果をもとに、2014年に河道内調整地(遊水地)となることが決定している同地域の一部も含め、ラムサール条約湿地に登録されるよう、今後も保全活動を進めて参ります。(これまでの活動については、別紙資料2をご参照ください。)
なお、情報公表によって希少鳥類の繁殖へ悪影響が及ばないよう、発表をこの時期といたしました。また、詳しい確認位置等の公表は控えさせていただきますのでご了承ください。
確認された希少鳥類について
絶滅危惧ⅠB類のシマクイナは、昨年と同じ調査範囲において、6年連続で昨年と同数の少なくとも9羽の声を確認しました。アカモズは、昨年と同じ場所に2つがい、昨年は観察されなかった1か所でも繁殖行動が確認され、最大3つがい6羽が生息していることがわかりました。
準絶滅危惧のオオジシギついては、当会の保護調査プロジェクトの一環として勇払原野で5月に行なった調査の結果、個体数が2000年と比較して約3割減少していることがわかりました。その原因の一つは、繁殖場所である草地の消失や樹林化が挙げられます。
今回確認された希少鳥類7種のうちオオジシギを含む6種は、湿地または草地に生息する鳥類であり、これら希少鳥類の生息環境を将来にわたり保全していく必要があります。なお、確認した鳥類についての詳細は、別紙資料1をご参照ください。
問い合わせ先

アカモズ(新谷幸嗣氏撮影)
日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリ
担当:中村 聡(なかむら さとし)
瀧本宏昭(たきもと ひろあき)
電話:0144-58-2505または080-2872-2709
今回の調査で確認された希少鳥類
絶滅危惧ⅠB 類
シマクイナ(ツル目クイナ科 全長13cm)

- 繁殖期にはシベリア南東部やモンゴル,勇払原野や青森県仏沼などで観察記録がある。日本では主に湿地や水田に渡来するとされている。アジア周辺には1万羽未満しか生息しないと考えられているが、生息状況はわかっていない。
アカモズ(スズメ目モズ科 全長20cm)

- もともと生息が局所的で個体数が少ないうえに近年減少し、2006年の環境省第3次レッドリストで、準絶滅危惧からランクが上がった。
- 夏鳥として九州~北海道の原野、灌木のある草原、河川敷等で繁殖し、東南アジア等で越冬する。
- 近縁種のモズより自然度の高い場所に生育するため、生息地や個体数が少ない。
チュウヒ(タカ目タカ科 全長:オス48cm、メス58cm)

- 主に、北日本の草原、湖沼や河川敷周辺の湿原のヨシ原などで繁殖し、本州中部以南で越冬する。国内繁殖数は90つがいのみと推定され、著しく少ない状況にある。
- 当地域内では2000年代以降6つがい前後が繁殖していると推定され、日本の重要な繁殖地のひとつと考えられる。
- 平成29年に「国内希少野生動植物種」に指定され、種の保存法の法令に基づき保護される対象種となった。
絶滅危惧Ⅱ類
タンチョウ(ツル目ツル科 全長:140cm)

- 主に北海道東部の湿原で繁殖し、冬は鶴居村などの給餌場に集まる。
- 一時は絶滅したと考えられ、1924年の再発見以来、地元の方々の保護活動が奏功し、現在は約1800羽まで回復している。
- 個体数の回復に伴い、近年はサロベツ原野やむかわ町周辺で繁殖するなど、分布域も拡大しつつある.近い将来、苫東地域で繁殖する可能性が高く、同地域は北海道西部における個体数や分布域回復の基盤となる可能性がある。
- 平成5年に「国内希少野生動植物種」に指定され、保護増殖事業が進められている。
オジロワシ(タカ目タカ科 全長:オス84cm、メス94cm)

- 北海道の北部や東部などで少数が繁殖するが、多くは冬鳥としてユーラシア大陸東部より渡来し、海岸、河口、湖沼に生息する。
- 近年、苫小牧地方でも周年観察されるようになり、繁殖していると推測される。
- 平成5年に「国内希少野生動植物種」に指定されている。
準絶滅危惧
マキノセンニュウ(スズメ目センニュウ科 全長12cm)

- 2012年8月の環境省第4次レッドリストで新たに掲載された。
- 繁殖環境である低茎湿生草原が減少する中、苫東地域は道内でも特筆すべき生息密度であると推察される。
- 夏鳥として北海道の海岸草原、湿原、牧草地で繁殖する。越冬地は東南アジア。
オオジシギ(チドリ目シギ科 全長31cm)

- 繁殖期における勇払原野での個体数調査では、2000年には108個体が確認されたが、2017年の調査では77個体となり、約3割数が減少していた。
- 弁天沼では2001年8月に合計400羽以上が確認されており、秋の渡りの前に集結し、栄養補給をする場所として知られている。
- 北海道の草原では夏鳥として普通に繁殖するが、国内でも世界的にも分布が局所的で個体数が少ない。越冬地はオーストラリア。
写真提供)シマクイナ:宮 彰男氏、アカモズ・チュウヒ・オジロワシ:新谷幸嗣氏、タンチョウ・オオジシギ:ウトナイ湖サンクチュアリ、マキノセンニュウ:渡邉智子氏
注)写真の無断転載は固くお断りします。使用については、必ずご相談ください。なお、画像はデジタルデータで提供が可能です。
参考)
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)
○環境省レッドリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)
カテゴリー(ランク)の概要 ※環境省HP より
- 絶滅危惧ⅠB 類(EN):近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
- 絶滅危惧Ⅱ類(VU):絶滅の危険が増大している種
- 準絶滅危惧(NT):現時点での絶滅の危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
日本野鳥の会の苫東地域での自然環境保全活動
勇払原野は北海道三大原野のひとつとして、釧路湿原、サロベツ原野と並び数えられています。原野を構成する湿原の面積は、過去90 年で約8分の1に著しく減少しているものの、残された自然環境は、ラムサール条約湿地であるウトナイ湖を含み、水鳥、草原性鳥類、絶滅のおそれのある鳥類の生息地として重要な役割を果たしています。一方、同所では1960 年代の高度成長期に、第三次全国総合開発計画の一環として苫小牧東部開発計画がスタートしました。しかし、その後の社会情勢の変化により、当初計画の約1万700ha の土地の多くが未利用地域として残され、また農地として開拓された場所が放置され原野化し、結果として鳥類の良好な生息地となっています。
当会はこの優れた鳥類の生息環境を将来にわたって維持していくために、2000 年度から当該地域において鳥類調査を実施し、その生息状況から生息環境としての特徴を把握し、社会環境を考察して保全構想をまとめ、2006 年に「ウトナイ湖・勇払原野保全構想報告書」を発行しました。以来、希少種の調査や弁天沼周辺での自然観察会を通じ、同所一帯の保全活動を行っています。近年の主な活動は以下の通りです。
- 2006年 苫東地域におけるアカモズ生息状況調査を実施し、同地域がアカモズの国内有数の繁殖地である可能性が明らかになった。
- 2006年 弁天沼周辺のブロッコリー畑等の土地利用の変化が鳥類相に与える影響調査を実施し、同所における耕作地化は、草原性鳥類の繁殖を阻害し個体数を減少させるだけでなく、一帯の鳥類相をも変化させてしまう可能性があることが明らかになった。
- 2006年~ 弁天沼周辺での自然観察会を毎年実施。
- 2007年~ 苫東地域におけるシマアオジの生息状況調査を毎年実施し、道内各地の生息記録が途絶える中、同地域には継続して渡来していたことが明らかになった。しかし、2012年の1羽を最後に、それ以降確認されていない。
- 2008年 北海道知事宛てに「弁天沼周辺の土地利用に関する要望書」を提出。
- 2009年 勇払原野で衛星電波発信機によるチュウヒの行動圏追跡調査を実施し、同種の繁殖期の行動範囲や生息に重要な環境が明らかになった。
- 2012年 日本野鳥の会3支部との連名で、北海道知事宛てに「苫小牧東部開発地域内の鳥獣保護区指定に関する要望書」を提出。繁殖期における希少鳥類の生息状況調査を毎年実施。結果を記者発表。
- 2014年 弁天沼周辺約950ヘクタールが河道内調整地となることが決定
- 2016年 弁天沼で行った調査でオオジシギの渡りルートの一部を解明
- 2017年 勇払原野でオオジシギの個体数調査を実施。2000年と比較し、個体数が約3割減少していた。減少している場所は多くが樹林化しており、草地を維持していく必要があることが分かった
この他、「安平川下流域の土地利用に関する連絡協議会」(北海道主催。2008 年5月設置)委員として、安平川下流域の治水対策としての河道内調整地(遊水地)計画に対し、希少鳥類の生息環境保全の観点から意見を述べています。
以上
プレスリリース 2017.08.22
公益財団法人日本野鳥の会は、公益財団法人WWF-ジャパン、公益財団法人日本自然保護協会と連名で、石川県知事に輪島市門前町大釜で計画されている産業廃棄物処理施設である、「門前クリーンパーク建設事業」について、自然環境の保全の見地から意見書を提出しました
2017年8月22日
石川県知事
谷本 正憲 殿
門前クリーンパーク建設事業に係る自然・環境の保全に関する意見書
公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン
公益財団法人 日本自然保護協会
公益財団法人 日本野鳥の会
平素より、石川県下での生物多様性の保全にご尽力を頂き敬意を表します。
さて、門前クリーンパーク建設事業については、環境影響評価書の縦覧が終了し、石川県による開発許可の段階に進んでいます。地域住民による反対の署名活動がなされるなど、地域との合意形成が十分とはいえない状況であるとも認識しております。私共自然保護3団体は、以下に示す理由により、当該事業の認可はするべきではないと考えます。
なにとぞご高配の上、慎重にご判断いただきたくお願い致します。
能登半島に広がる豊かな自然には、様々な生物がおりなす豊かな生物多様性が認められ、里には、里山の恵みを受けた暮らしと、人々が受け継ぎ守ってきた日本の原風景が残されています。また、能登の里山里海は、棚田やため池等で形成される里山の景観と、海女(あま)漁、揚げ浜式製塩や里海の資源を活用した伝統技術が受け継がれていることから、世界的に重要な農林水産業の仕組みとして世界農業遺産に認定されています。
更に富山県にまたがる能登半島国定公園は、日本海側最大の半島である能登半島の変化に富んだ長い海岸線を主体とする公園となっており、優れた海岸景観や温泉等の豊かな自然環境は観光資源として大変重要なものです。
石川県が策定した「石川県生物多様性戦略ビジョン」では、この自然環境の特徴を踏まえ、里山里海に人を呼び戻し、適切に利用することが同県の生物多様性の保全につながるとの認識のもと「7つの重点戦略」に基づき、幅広い分野で生物多様性の保全に向けて取り組むとしています。里山里海における新たな価値の創造は、過疎高齢化が進行し荒廃しつつある里山里海に人の手を戻し、活用することで、新たな価値や魅力を創造するとしています。そして、その価値や魅力が更に人を呼び戻すという好循環を形成する、新しい里山里海づくりを推進していくとしています。
しかしながら、門前クリーンパーク建設事業においては、生物多様性が豊かな里山を破壊するのみならず、能登の景勝地のひとつである、ふるさとの富士とされる「能登富士」(正式名:高爪山)の山腹を破壊するものです。
さらに、建設事業地周辺の住民から建設事業反対の意見書が提出されているなど、地域住民との合意が得られないままに建設許可の申請が進められています。
以上のような背景を踏まえ、自然保護3団体は、当該事業の許可をすべきでない理由を次のように申し述べます。
1)事業対象地域の生物多様性は豊かであり保全すべきであるため。
能登半島の自然・環境は、前述した通り、世界からも評価された豊かな生物多様性を有しており、当該事業の環境影響評価の手続きの中でも明らかにされています。現地での環境調査の結果、生態系の上位種である、ミゾゴイ、サンコウチョウ、ミサゴ、ハチクマ、サシバの5種が確認されています。いずれも里地・里山を生息環境として依存する種です。それぞれが単独で生息していても豊かな自然のつながりが現存する証左ですが、それが5種確認されるという事は、当該地域が、如何に自然度の高い生物多様性豊かな地域であるかを表しています。言い換えれば、こうした種が依存する餌資源である両生類や甲殻類、小型鳥類、昆虫類といった様々な種が、とても密度高く存在していることも示しています。日本の中でもこうした場所は非常に希少になっています。水路の人工化などの圃場整備が行われると有意に両生類などの生息数が減少し、これらに依拠する猛禽類の生息数が減少することが知られています。
したがって、このような場所に産業廃棄物の最終処分場を建設することは、世界から評価された農業遺産の価値を失うことになります。この観点から、建設を認可することは許容することができません。石川県が策定した「石川県生物多様性戦略ビジョン」とも整合性をとることができないと考えます。
<参考>
ミゾゴイ保護の進め方
猛禽類保護の進め方
サシバの保護の進め
里地里山の保全
2)国際的に希少であるミゾゴイの生息域内保全が最も重要であるため。
ミゾゴイは、世界でも日本の山林でのみ繁殖する、固有種に準じた渡り鳥の一種であり、IUCNのレッドリストで「EN(絶滅危惧種)」に指定されている国際的に希少な鳥類の一種です。従って、同種の生息域内保全が最も重要です。
ミゾゴイの生息環境の適地は、高い広葉樹に覆われた湿潤な谷地であり繁殖に不可欠な環境です。能登半島の中で大釜地区は山岳信仰の対象であった高爪山に守られる形で、なだらか谷地形にケヤキ、スダジイ、ホオノキ等の広葉樹の巨木の影が湿潤で土壌生物の豊富な環境を形成しています。従って、ミゾゴイの生息・繁殖環境としては極めて好適な環境を保ってきたと考えられます。
【平成29年輪島市大釜地区におけるミゾゴイ調査、日本鳥類保護連盟・田谷樹】
3)当該地域は、過疎高齢化が進行し、荒廃しつつある里山であるが、人の手を戻し、活用し、新たな価値や魅力を創造すべき場所であるため。
「里山創成ファンド(仮称)」の活用によって、里山里海資源を掘り起こし、持続可能な形で利活用する新たな取組を創出すべきです。
【「石川県生物多様性戦略ビジョン」】
4)ふるさと石川の環境を守り育てる条例は、適切に運用すべきであるため。
開発許可の根拠条例として「ふるさと石川の環境を守り育てる条例」を上げているが、前文の「私たちは、今、様々な環境問題に直面している。廃棄物の処理、生物の多様性の維持への懸念、地球温暖化やオゾン層の破壊など生活環境、自然環境そして地球環境の問題などである。以下省略。」
産業廃棄物最終処分場の建設で生物多様性を破壊しながら、生物の多様性の維持をうたうのは本末転倒です。
【ふるさと石川の環境を守り育てる条例(平成16年3月23日,条例第16号)】
5)伝統的な景観の破壊は慎むべきであるため。
能登の景勝地のひとつである「能登富士」(正式名:高爪山)の山腹を破壊してはならない。
6)石川県は、特に生物多様性の保全について高い意識をもつべきであるため。
2010年に生物多様性条約第10回締約国会議(CBD・COP10)が愛知県名古屋市で開催されました。同年以降、国内の生物多様性の意識が高まりつつあります。同年は、国際生物多様性年であり、そのクロージングイベントを開催した石川県は、生物多様性の保全を他の都道府県よりも強く意識した施策を講じるべきです。
以上のことから、計画されている廃棄物処分場は、当該地域において相応しくないと考えます。自然保護3団体は、石川県の生物多様性保全に対する真摯な対応を強く求めます。
<本件に関する問い合わせ先>
(公財)世界自然保護基金ジャパン 自然保護室 草刈秀紀([email protected]/03-3769-1713)
(公財)日本自然保護協会 自然保護室 辻村千尋([email protected]/03-3553-4103)
(公財)日本野鳥の会 自然保護室 葉山政治([email protected]/03-5436-2633)
プレスリリース 2017.07.08
2017年07月08日
三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認
~三宅島で14回目のリーフチェックを実施~
主催:三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
共催:コーラル・ネットワーク
共催:アンバージャックダイビングスクール
2017年7月8日、三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館、コーラル・ネットワークとアンバージャックダイビングスクールが共同で、世界共通のサンゴ調査である「リーフチェック」を実施した。実施した場所は三宅島の西側に位置する富賀浜のテーブル状サンゴ群集と、伊ヶ谷のカタン崎沖のサンゴ群集である。
調査を実施した結果、富賀浜では、調査範囲の60%程度がサンゴに覆われ、カタン崎においても、44%程がサンゴに覆われており、ともに前回(富賀浜2016年、カタン崎2015年)実施した際よりも増加していた。
※リーフチェックとは
サンゴ礁の健康度を測るために世界同一基準で用いられているモニタリング調査で1997年に始まった。アメリカ・カリフォルニアに本部を置く民間団体が推進している。調査は科学者とボランティアダイバーでチームを編成し、サンゴ、魚類、海底の生物など国際基準の調査項目を潜水して調査し、調査結果をインターネットを通じて本部に送る。各地の結果は毎年本部で取りまとめられ、ホームページなどを通じて公表される。
1.三宅島でのリーフチェックの経緯と調査方法

写真1. 調査風景(富賀浜)
三宅島では1998年より調査を開始し、05年の帰島以後は、07年以外毎年実施し、今回の調査は14回目となる。
今回はコーラル・ネットワークのリーフチェックコーディネーター1名、アンバージャックダイビングスクールのインストラクター1名、ボランティアダイバー5名、日本野鳥の会の職員でアカコッコ館のスタッフ1名で、地元の漁船の協力を得て、富賀浜と伊ヶ谷のカタン崎を調査した。
世界共通の調査方法に準じ、サンゴ群集上にメジャーで
100mのラインを設置し、ライン直下の構成種を造礁サンゴ、海藻、砂床など10種に分類し記録した。あわせて、ライン周辺の魚やエビ、ウニなど世界共通の対象種および三宅島独自対象種の生き物の数を記録した。
2.調査結果
(1)富賀浜

写真2. 富賀浜のテーブルサンゴ状サンゴ群集
テーブル状のサンゴを中心に、60%程度が造礁サンゴに覆われ、依然として伊豆諸島最大のテーブル状サンゴ群集であると思われる。また、調査コース後半での被覆状のサンゴの成長が、昨年と比べすぐわかるほど顕著であった。オニヒトデは確認できず、それらによる食痕もみられていない。サンゴ食の巻き貝は数個体確認され、食痕も見られたが、早急に駆除すべき状況ではないと考えられる。調査ライン周辺での対象の魚類は例年どおり見られ、無脊椎動物ではナガウニが例年と比べ多く確認された。
(2)カタン崎

写真3. 調査風景(カタン崎)
テーブル状のサンゴを中心に、44%程が造礁サンゴに覆われていた。一昨年と比べると増加し(昨年は未実施)健全な状態にあった。オニヒトデおよびサンゴ食の巻き貝は全く見られず、食痕も確認されなかった。
サンゴ周辺の生き物では、調査対象の魚類や無脊椎動物は特に目立った変化がなかった。
3.総評(コーラル・ネットワーク リーフチェックコーディネーター 土川 仁氏コメント)
富賀浜の調査範囲の造礁サンゴ群集は、増加していた。依然として伊豆諸島最大のテーブル状サンゴ群集であると思われる。一方、昨年調査できなかったカタン崎においても2年前と比べて造礁サンゴ群集は増えていた。
オニヒトデは、どちらも調査の範囲でも認められなかった。サンゴ食の巻貝は富賀浜においては確認されたが、数も少なく早急な駆除は必要ないと思われる。両地点ともサンゴの生育環境として健全な状態を保たれていると考えられる。今後の推移を見守っていきたい。
4.参考リンク
「コーラル・ネットワーク」 http://coralnetwork.jp/
「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」 http://www.wbsj.org/sanctuary/miyake/
「アンバージャックダイビングスクール」 http://www.amberjack-ds.jp/
協力・事前準備
「スナッパー・ダイビングセンター」 http://www.snapper-d.com/
「三宅島ダイビングサービスディープイン」 http://www.deep-in.info/
「北洋丸」
プレスリリース 2017.05.30
有害鳥獣駆除における指導の徹底等について、要望書を提出
島根県においてウノトリの誤射事件が起こったことを受け、今後、コウノトリに限らず誤射の再発を防止するため、環境大臣および島根県知事あてに以下3項目の要望をしました。
要望項目
- 狩猟免許取得者の野鳥識別能力の向上について
- 有害鳥獣駆除手法のあり方について
- 射撃にかかる指導の徹底について
※要望書の写しを本プレスリリースに添付しております。詳細についてはそちらをご覧ください。
※写しは、環境大臣あてですが、同じ内容のものを島根県知事あてに郵送しております。
日野鳥発第 2017-014 号
平成 29 年 5 月 29 日
環 境 大 臣 山本 公一 殿
公益財団法人 日本野鳥の会理事長
佐藤 仁志
有害鳥獣駆除における指導の徹底等について
すでにご承知のとおり、去る5月19日、島根県雲南市において営巣子育て中の特別天然記念物・国内希少野生動植物種でもあるコウノトリのメスの親鳥が、サギの駆除に当たっていた地元猟友会員の誤射により死亡したという悲しい事件が発生しました。
この事件発生の背景には、狩猟者の野鳥識別技能の問題や、駆除手法の問題など、狩猟にかかる行政指導上の課題が散見されることから、下記事項について指導の徹底等を図っていただきたく、要望します。
記
- 狩猟免許取得者の野鳥識別能力の向上について
このたびの誤射の原因の一つは、駆除班メンバーの野鳥識別能力の著しい欠如があることが明らかである。そもそも駆除対象であったサギ類とコウノトリの区別は容易であり、基礎的な野鳥識別能力が掛けていたと言わざるをえない。狩猟免許取得時における識別能力の厳正なチェックはもとより、既免許取得者への識別能力向上のための継続的研修の実施等について、検討・実施されたい。とりわけ、駆除班メンバーへの周知徹底については、早急に対応されたい。 - 有害鳥獣駆除手法の改善について
このたび島根県において行われているサギ等の有害鳥獣駆除期間は、4 月から 9 月の長期間であると聞き及んでいる。これは、イノシシ等の他の有害鳥獣駆除該当種をまとめて手続きを行ったためのようであるが、有害鳥獣毎に被害状況を十分把握し、種別に駆除期間、羽数(頭数)を設定するよう指導されたい。
また、このたびの誤射時には、猟友会員が 1 人で駆除に当たっていたとのことであるが、原則として 2 人以上で駆除に当たるよう指導されたい。 - 射撃にかかる指導の徹底について このたびの誤射による射殺は、水田に飛来していたコウノトリを、比較的近距離で水平撃ちにより行われたものと思われる。水平方向の射撃は、安全上の観点等から行わないよう指導されているはずである。指導を司る監督官庁においては、射撃にかかるマナーの徹底等をしっかり図っていただきたい。
以上
この件に関しての問い合わせ先
公益財団法人日本野鳥の会
自然保護室 葉山政治
Tel.03-5436-2633
メール:[email protected]







