プレスリリース 2017.04.26
東京都に葛西三枚洲のラムサール条約湿地登録の要望書を提出しました

ラムサール条約登録の1%基準を満たすスズガモの群れ(日本野鳥の会東京提供・鈴木弘行撮影)
葛西三枚洲は、高度経済成長期に埋め立てが進められた東京湾岸において、市民の活動によって残された貴重な自然の干潟と浅海域です。 数万羽のスズガモ、数千羽のカンムリカイツブリの越冬地で、シギ・チドリ類の飛来数も多く、国内でも最大級の水鳥の生息地として、ラムサール条約への登録基準を満たしています。
当地の保全を進めるために2016年から日本野鳥の会東京を中心に本会はじめラムサールネットワーク日本、日本自然保護協会、日本国際湿地保全連合、生態教育センターなどと連絡会議を設け、シンポジウムの開催、地元江戸川区をはじめ東京都関係部署、漁業関係団体、東京湾関係NPOなどへのアプローチを行ってきました。
この結果、2017年2月の江戸川区議会で区長が登録推進を表明し、3月の都議会では小池都知事が前向きに検討すると答弁しました。こうした動きを受け、前述登録推進団体(13団体)で4月26日に要望書を提出してきました。
本会は、関係団体と共に2018年にドバイで開催されるラムサール条約第13回締約国会議での登録をめざすとともに、その後も東京湾の干潟・湿地環境の保全に引き続き取り組んでいきたいと考えています。
<要望書提出先>
東京都
<要望書本文>
「葛西・三枚洲」のラムサール条約登録湿地への推進について(お願い)
<本件に関する問い合わせ先>
・(公財)日本野鳥の会 自然保護室 TEL.03-5436-2633(担当:葉山)、施設運営支援室TEL.03-5436-2635(担当:大畑)
平成29年4月26日
東京都知事 小池 百合子 殿
登録推進団体 代表
日本野鳥の会東京
代表 東 良 一
160-0022 新宿区新宿5-18-16
新宿伊藤ビル3F
「葛西・三枚洲」のラムサール条約登録湿地への推進について(お願い)
貴職が日頃より自然に対する幅広い見識と理解をもって都政推進に当たられていることに敬意を表します。
高度に人工化された東京湾のわずかに残された干潟や浅海域には現在でも多くの動植物が生息しています。東京都内の海岸域においては、1960年代から1970年代にかけて埋め立てが進められた中で、浅海域の保全や自然再生の試みが都民と東京都の活動により行われ、現在に引き継がれています。
葛西海浜公園は、東京湾奥の千葉県境にある東京都側の三枚洲を埋め立てずに残して海上公園とされた地域で、東京湾内の魚類や鳥類など沿岸域の生物多様性保全の中核となっています。そこにはラムサール条約の登録基準を満たすスズガモやカンムリカイツブリが越冬に飛来するだけでなく、絶滅危惧種のコアジサシやクロツラヘラサギも利用し、遠浅の干潟であることによって魚類の産卵場や稚魚の育成の場ともなるなど重要な役割を果たしています。
2020 年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、東京湾岸には選手村をはじめ14の競技施設が集中しています。会場隣接の公園がラムサール条約登録湿地であることにより、大都市における自然との共生の重要性を世界に大きくアピールできます。1996 年に改定されたオリンピック憲章は、IOC の役割のひとつとして、「環境問題に責任のある関心を示すという条件のもとでオリンピック競技大会が開催されるよう配慮するとともに(中略)オリンピックムーブメントにかかわるすべての人々に持続可能な開発の重要性に対する関心を喚起すること」を規定しました。このことが生物多様性への配慮を含むことは言うまでもありません。
ラムサール条約の第13回締約国会議は2018年10月にアラブ首長国連邦のドバイで開催されます。この会議での登録ができれば、2020 年までにラムサール条約が求める賢明な利用と保全のための検討協議を行うことが可能であり、地元としてどのように保全・活用していくか胸を張って説明することができます。
私たちは、この「葛西・三枚洲」が国際的な湿地保全のラムサール条約登録湿地となり、広く内外に東京湾の湿地保全の重要性を示し、将来にわたって保全と持続可能な利活用が進むことを望んでいます。
ラムサール条約への登録には、地元自治体から登録への意向を環境省に示して条約事務局へ申請を行う必要があります。
このことを踏まえ、以下の3項目を要望いたします。
- 2018年のラムサール条約第13回締約国会議において「葛西・三枚洲」が条約登録湿地となるよう、国に要望すること。
- 保全と持続可能な利活用のため、行政・地元住民・漁業関係者・関係団体など関係するすべての主体が参加し議論を行なうための協議会を設置すること。
- 「葛西・三枚洲」を中核とした東京湾奥部の湿地環境の保全を推進すること。
以上
【登録推進団体】
・公益財団法人日本野鳥の会
・公益財団法人日本自然保護協会
・公益財団法人世界自然保護基金ジャパン
・特定非営利活動法人日本国際湿地保全連合
・特定非営利活動法人ラムサールネットワーク日本
・特定非営利活動法人生態教育センター
・特定非営利活動法人リトルターンプロジェクト
・特定非営利活動法人行徳野鳥観察舎友の会
・特定非営利活動法人荒川クリーンエイド・フォーラム
・特定非営利活動法人えどがわエコセンター
・葛西東渚・鳥類園友の会
・西なぎさ発東京里海エイド
・日本野鳥の会東京
プレスリリース 2017.04.20
日本野鳥の会 オリジナル小冊子
『ゼロからわかる バードウォッチングBOOK』 無料プレゼント

この度、日本野鳥の会は、バードウォッチングのノウハウを紹介する小冊子を制作しました。
2017年4月20日(木)より、ご希望の方への無料プレゼントの受付を開始致します。
野鳥観察を楽しむことで、野鳥や彼らの暮らす自然環境の保全にも興味を広げていただきたいという趣旨でこの冊子を制作しました。これからバードウォッチングを始めてみたい方にぜひご応募をいただきたいと存じますので、本件の告知にご協力くださいますようお願い致します。
「ゼロからわかるバードウォッチングBOOK」
【内容】道具や服装の選び方、野鳥の見つけ方、双眼鏡の使い方など野鳥観察の基本的なノウハウを紹介。ハガキサイズ、全22ページ
【申し込み方法】
- FAX・郵便
①氏名 ②氏名のフリガナ ③性別 ④郵便番号
⑤住所 ⑥電話番号 ⑦メールアドレス
⑧ご覧になった媒体名(新聞・雑誌・番組等の名称)
をご記入の上、「日本野鳥の会バードウォッチングBOOK係」までご送付ください。
【FAX】 03-5436-2635
【郵便】〒141-0031品川区西五反田3-9-23
丸和ビル - インターネット
専用ページよりお申し込みいただけます。
日本野鳥の会HP (http://www.wbsj.org/)
をご覧ください。 日本野鳥の会 で検索
掲載いただけます場合には、お手数ですが、下記担当までご一報くださいますようお願い致します。
以上、ご検討の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
公益財団法人 日本野鳥の会 (会長:柳生博、会員・サポーター数:約5万人、事務所:東京都品川区)
普及室 普及教育グループ [担当:江面(えづら)] まで
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
TEL:03-5436-2622/FAX:03-5436-2635/e-mail:[email protected]
URL:http://www.wbsj.org/
プレスリリース 2017.04.07
種の保存法改正法案への意見書を政府に提出
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の改正法案が、今国会に提出されています。まもなく、国会審議入りとなるのを控えて、NGO6団体は共同で、改正法案に対する意見書をまとめ、7日付で環境省野生生物課に提出いたしました。
意見の項目
Ⅰ.科学委員会および提案制度について
Ⅱ.特定第二種国内希少野生動植物種及び生息地等保護区について
Ⅲ.国際希少動植物種の取引について
Ⅳ.「海洋生物」と海のレッドデータブックについて
Ⅴ.干潟浅海域について
Ⅵ.抜本的な改定について
<意見書提出団体>
WWFジャパン、日本自然保護協会、日本野鳥の会、トラフィック、イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク、野生生物保全論研究会
2017 年4月7日
環境大臣
山本 公一 殿
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対する意見書
WWFジャパン
日本自然保護協会日本野鳥の会トラフィック
イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク野生生物保全論研究会
2013年に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年6月5日法律第75号)」
(以下、種の保存法)が制定後、20 年経って、目的条項に「生物の多様性の確保」が明記され、罰則も大幅に引き上げられるなどの改正がなされた。当時、附則第7条で施行から 3年後の見直しが規定され、
11 項目の附帯決議が付けられた。
その後、環境省は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律あり方検討会を 2016 年
6 月より開始し、現在に至っている。
今回の一部改正案は、1)種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護管理計画などを勧告する専門家による常設の科学委員会の法定を検討したこと、2)希少野生動植物種等の指定に関して、国民による提案制度の法定を検討したことなど、一定の評価ができるが、2013 年の附帯決議から伺われるような抜本的な見直しというにはほど遠い。
私たちは、以下の点について、今国会で充分に時間を取って審議し、改善を求めるものである。
Ⅰ. 科学委員会および提案制度について
Ⅱ.特定第二種国内希少野生動植物種及び生息地等保護区について
1)「野生動植物の種に関し専門の学識経験を有する者」の関与の拡大 2)「認定生息地等保護区
(仮称)」の創設 3)保全のインセンティブ 4)環境影響評価法との横断条項 Ⅲ.国際希少動植物種の取引について
1)国際希少野生動植物種の登録手続き 2)象牙の国内取引 3)ペットショップ、ブリーダー等の管理強化
IV.沿岸海洋について
1)「海洋生物」と海のレッドデータブックについて 2)干潟浅海域について
V.抜本的な改定について
Ⅰ.科学委員会および提案制度について
今回の改正案に種の保存法の指定種を国民から提案する制度が明記されたことおよび、その選定を判定する科学委員会(第 4 条第 7 項:専門の学識経験を有する者の意見を聴かなければならない)が法に位置付けられたことは評価できる。しかし、生息地等保護区の設定や保護管理計画の制定はこれまで通り中央環境審議会の答申を経るというこれまでの仕組みが残された。種の指定が科学的な議論を踏まえ目標の 700 種指定に至ったとしても、保全の実効性を持たせる生息地等保護区の指定や保護管理計画の仕組みがこれまでと変わらなければ、指定だけされて実際の保全の取り組みが進まないということが想定される。環境省の予算や人員に限りがある以上、生息地等保護区の設定や、保護管理計画の立案についても、現場で実際に保全に取り組む自然保護団体等からの提案を受け入れる制度とし、国と自然保護団体等や専門家が一体となって保全活動をしていくことがこうした事態に陥らないようにするためには不可欠と考える。したがって、生息地等保護区の指定および、保護管理計画の立案についても国民からの提案制度を法定化し、その判定を科学委員会において行うようにするべきである。
Ⅱ.特定第二種国内希少野生動植物種及び生息地等保護区について
里地里山の管理放棄(生物多様性国家戦略第2の危機)による絶滅危惧種が多くなっていることから、特定第二種国内希少野生動植物種の指定による里地里山の希少野生動植物種の保全が進むことが期待される。しかし、特定第二種国内希少野生動植物種は、「販売もしくは購入、頒布の目的以外」の場合は、第9条の捕獲等規制や第 12 条の譲渡し等の規制が適用されないことから、第 36 条の生息地等保護区の指定が進まないと保全の実効性が上がらない。
現在、7種9ヶ所のみにとどまっている生息地等保護区の指定推進が重要である。
1) 国内希少野生動植物種の種指定が進まない理由として、環境大臣の諮問に基づき中央環境審議会が答申する形でしか種指定ができないことが問題であった。今改正案では、第 4 条第 7 項において、政令立案にあたって「野生動植物の種に関し専門の学識経験を有する者」に意見を聞くことになったことは評価できる。しかし、第 36 条第4項の生息地等保護区の指定にあたっては、関係行政機関との協議、中央環境審議会・地方公共団体の意見聴取に止まっている。また、第 45 条の保護事業計画の策定にあたっても、中央環境審議会の意見を聞くだけに止まっている。第 36 条、第 45 条でも「野生動植物の種に関し専門の学識経験を有する者」に意見を聞くべきである。
2) 生息地等保護区が進まない理由として、環境省が土地所有者との交渉を行った上で、環境大臣の諮問に基づき中央環境審議会が答申する形でしか地域指定ができないことが問題である。第 36 条の「生息地等保護区」とは別に、土地所有者や管理者の自発的な意思に基づき環境大臣が指定する「認定生息地等保護区(仮称)」の制度を創設すべきである。
3) 生息地等保護区の土地が民間地の場合は、保全に協力することによるインセンティブが必要である。農地を生息地等保護区に指定する場合、英国の環境スチュワードシップ制度のように、優先的に多面的機能支払・環境保全型直接支援等が得られるようにすべきである。また、土地を地方公共団体等に寄付する場合は、管理地区以外でも租税特別措置法の軽減措置が得られるようにすべきである。
4) 環境影響評価法に基づき、配慮書等の早い段階で回避したり、環境保全措置をとったりした生息地については、他の開発によって破壊されることがないよう、環境大臣が第 36 条に基づいて積極的に生息地等保護区に指定するよう環境影響評価法との「横断条項」を設けるべきである。 Ⅲ.国際希少動植物種の取引について
1)国際希少野生動植物種の登録手続き
国際的に協力して種の保存を図ることとされている種、すなわちワシントン条約の附属書Ⅰ掲載種は、条約で国際取引が禁止されているとともに種の保存法で国内取引も禁止されている。しかし、条約・法が施行される前にすでに所有者の元にあったものを例外的に取引可能とする制度である。それが、個体等の登録制度である。個体等登録制度に関しては、今回の改正案で1)2013 年の法改正時に附帯決議に明記された個体識別措置及び2)有効期間の設定が新たに条文に記載された。いずれも対象となる具体的な種名・形態は「環境省令で定める」とされているため、現時点では明らかではないが、「可能かつ必要な種」は手続きの煩雑さではなく、保全の必要性で選定されるべきある。
①規制前取得の登録期限を設けるべきである
今回の改正案で個体等登録の有効期限が設けられる一方で、規制後も新たな登録が際限なく認められるのでは、偽装の防止は不十分である。
そのため個体・器官・加工品すべてにおいて、ワシントン条約附属書Ⅰ掲載により新たに国際希少動植物種に指定された場合、「規制前取得」を申請できる期間(1 年程度)を限定するべきである。種の保存法でも譲受けの届出は 30 日の提出期限が設けられている(第 20 条第 9 項)。
他の法律においても期間内に手続きをしなければ権利が失われることは一般に行われている。外来生物法では、特定外来生物として規制される前から愛がん・観賞目的で飼養等している場合は、規制されてから 6 ヶ月以内に申請を提出し、許可されれば飼養が継続できることになっている(法施行規則 第 2 条第 19 号)。
また国税徴収権は消滅時効 5 年(国通第 72 条)、窃盗罪は公訴時効 7 年(刑事訴訟法 250 条第 2 項 4 号)である。
これらに比べ象牙は、1990 年(アジアゾウの象牙は 1980 年)から輸入が禁止されているにもかかわらず(CITES 条約事務局の管理下で取引された One-off sale を除く)、26 年が過ぎても新たな登録を認めるのは行き過ぎである。
②違法行為の摘発に役立つ登録票の表記を環境省令で定めること
種の保存法違反の立件を難しくしているのは、対象物(個体・器官・加工品)が違法であるかどうかの識別が容易でないためである。
これを改善するためには、販売時に備え付けが義務づけられている「国際希少野生動植物登録票」が対象物および所有者と対応しているか、捜査段階で法執行官に分かりやすくなっている必要がある。
生体の場合、現在の登録票等の情報は、動物愛護法で求めている情報よりも少ない。また登録された情報が迅速に捜査に提供されるべきである。
また、登録する情報の詳細を環境省令で定めるに際しては、裁判の証拠として認められるものであるように留意すべきである。
③返納義務違反の罰則強化
義務付けられている登録票の返納を怠った場合の罰則の低さが専門家に指摘されているにも拘わらず、改正案では何ら変更されていない。国際希少種が高額で取引されていることに鑑み見直しをすべきである。
2) 象牙の国内取引
毎年 3 万頭におよぶアフリカゾウが密猟されている。高い価格で取引される象牙を得ることがその最大の理由とされている。ゾウの密猟と象牙の違法取引撲滅に向け、多くの国々が高いコミットメントを発表する中、古くから象牙を利用してきた日本へ厳しい視線が向けられている。
現在、象牙の国内での売買や譲渡を行うための条件として、全形象牙と呼ばれる牙の形状を保った象牙の取引には、個体等登録という手続きが必須である。そして、全形象牙以外の象牙の断片(カットピース)、ハンコやアクセサリーなど材料としての象牙及び製品の取引を行う事業者には、事前の届出が求められている。象牙の取引業者の管理強化を図るものとして、「特別国際種事業者」制度が改正案に示されている。届出制からより厳しい登録制へ変更し、事業者情報を公開するというもの。象牙取引業者の登録制の導入と情報公開は、かねてから NGO が求めていたことであり、この改正案を歓迎する。
しかし、事業者登録制の導入だけで、日本の市場から違法取引を完全に排除できるとは言えない。過去 5 年間に報道されているだけでも、象牙を扱う事業者による違法事例が 5 件と行政処分が 2 件なされている。こうした事業者は今後事業登録の更新拒否や取消などによって淘汰されることになるが、既に製造・販売した製品については、市場から排除することはおろか追跡することさえできないという問題点は残る。
3) ペットショップ、ブリーダー等の管理強化
国際希少野生動植物種に指定されている野生生物の中にはペットとしての取引が大きな脅威となっているもの多い。法改正で見直しが決まっている登録票の個体識別措置の導入と有効期間の設定は、生きた野生生物の取引強化につながり、歓迎される。しかし、種の保存法では、生体を扱う事業者は規制対象になっておらず、国際的に希少な野生生物、しかもその生体を取引するに拘わらず、動物の愛護及び管理に関する法律でイヌやネコ等愛玩動物の販売・繁殖事業者と同様に管理されるのみである。希少な野生生物はペットとしても需要が高く数百万円という価格で取引される種もいることから、違法取引のターゲットとなり易く、過去 10 年間に事業者による違法事例は 28 件を数える。特別国際種事業の対象を拡大とする等、生体を取扱う事業者の登録要件を定め、コンプライアンスの低い事業者を排除することが必要である。
Ⅳ.沿岸海洋について
1)「海洋生物」と海のレッドデータブックについて
① 附帯決議十への不十分な対応
種の保存法が策定された 1993 年、同法は環境庁(当時)と水産庁で取り交わされた覚書により、海洋生物の取り扱いが限定された。2013 年の法改正時の附帯決議では、「海洋生態系の要となる海棲哺乳類を含めた海洋生物については、科学的見地に立ってその希少性評価を適切に行うこと。また、候補種選定の際、現在は種指定の実績がない海洋生物についても、積極的に選定の対象とすること。(付帯決議十)」と明記されたにもかかわらず、今回の改正のために組織された検討小委員会に、海洋に関する専門家は選ばれず、海生生物に関する議論、検討は一切行われなかった。
一方、海洋生物のレッドリストについては、2010 年に環境省が作成を宣言し、2012 年から環境省及び水産庁でそれぞれ評価が行われ、今年の3月 21 日に公表がなされた。レッドリスト掲載種がそのまま種の保存法の対象とはなるわけでないが、海洋生物のレッドリストが3月 21 日に公表されたことを受け、附帯決議に従って、早急に同法への掲載検討を進めるべきであろう。なお、環境省は、検討小委員会の答申の中で、海洋生物についての記述は「情報が不十分」であること、積極的な検討を行わなかった理由として「レッドリストが公表されていない」ことを挙げてきた。しかし、レッドリスト公表前に改正の検討を行い、答申まで持ち込んだのは環境省自身であり、これは理由として不適当である。
海洋生物の生息する範囲は、排他的経済水域まで含めると 447 万平方キロメートルと広大であり、また陸上と異なり、表面水域だけでなく、深海まで幾層にもおよぶ生物圏が構成されている。
気候変動や海の酸性化、増え続けるプラスティックゴミなど海洋環境の悪化が大きな懸念となり、我々の存在をも脅かす大問題として、国際機関での重要課題として取り上げられている。また、絶滅危惧種をこれ以上増やさないことは、愛知目標の達成項目でもある。種の保存法の目的に照らして、特定種をリストに掲載するだけではなく、どのようにしてその保全が実施されるかは、こうした課題への答えである。
② レッドリスト掲載種選定の信頼性
環境省はレッドリスト策定に向けて 2012 年に検討会を開催した。その中で、レッドリストの選定は、環境省と水産庁が‘手わけ’して行うことになった。
今年3月 21 日公表された水産庁のレッドリストでは、対象となる種の 94 魚類、鯨類のうち、93 種がランク外、すなわち、絶滅のおそれが考えられない、あるいは評価するに足る情報がないこととされている。
しかし、例えば鯨類を例にとれば、IUCN では 17 種が情報不足(DD)とされ、スナメリのように絶滅危惧 II 類に分類されている種もある。(注)また、昨年に新種かもしれないと NOAA が発表したオホーツク海のツチクジラ個体群(水産庁による推定個体数 610 頭)に混じっていた「カラス」についての言及はない。ちなみに、鯨類についての日本哺乳類学会の評価(1997 年)では、地域個体群を含めると 11 種が希少とされ、スジイルカの地域個体群は危急、スナメリの地域個体群には絶滅危惧を懸念されている。日本海域のみ絶滅の危険がないとするのであれば、その根拠を水産庁は明確に示さなければならない。
さらに、今回のレッドリストの対象外とされた、国境を広い範囲で移動する大型魚種あるいは大型鯨類については、二国間、多国間の条約等によってすでに評価されているとして選定外になっているが、これは移動性の鳥類が国内レッドリストに含まれることと矛盾している。
さらに、これらのうち、ワシントン条約に掲載されている種について、掲載基準を満たさないとの理由で日本が留保を付していることを考えあわせれば、国内においてもレッドリストの評価を行うべきである。
(注)スナメリに関しては最近、分類的に2つの種に分けている。日本の海域のスナメリは、東アジ
アの Narrow-ridged finless porpoise とされ、研究が進んでいる。同じく絶滅危惧 II 類(VU)である。
http://www.iucnredlist.org/details/41754/0
県別のレッドリストでは、神奈川及び広島の個体群が絶滅危惧IA類(CR)、長崎は絶滅危惧II類(VU)、三重、大阪、岡山、愛媛では絶滅危惧 II 類(VU)となっている。
③ 付帯決議への反映および今後の検討
今回の改正案の閣議決定は、2012 年から評価作業の行われていた海洋生物のレッドリストの公表を待たずに2月末に行われたため、海洋における絶滅危惧種への対応が考慮されていない。本改正案の附帯決議に再度対応の必要性を盛り込むとともに、「希少野生動植物種保存基本方針」および「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」を改定し、海洋における絶滅危惧種への対応を検討するべきである。
④ 情報不足および評価対象種を限定されたもの
環境省担当の海洋生物レッドリストでは、評価を行った種について情報不足のため絶滅危惧種として判定できない、または評価対象種を限定せざるを得なかったという記載が目立っている。第 4 次レッドリストの後の評価は、随時行う体制となっていることから、十分な予算措置を行ない、情報を充実させて再評価を行なうべきであり、人知れず絶滅しているという状態を避けるべきである。
2) 干潟浅海域について
① レッドリストで絶滅のおそれがあるとされた種のなかで、沿岸の浅海域の干潟や砂泥地に生息する種が複数あがっている。特にオオシャミセンガイ(絶滅危惧ⅠA 類)やアリアケカワゴカイ(絶滅危惧ⅠB 類)、ヒガシナメクジウオ(絶滅危惧ⅠB 類)のようにかつては広く分布していたが、浅海域の埋立や干拓、環境悪化で現在は、有明海や瀬戸内海の一部でしか確認されていない種が見受けられる。これらの種の生息地を種の保存法の生息地等保護区で守れるのか。他の法令での対応が必要なのか検討が必要である。
例えば、干潟、浅海域の保全の枠組みとしてラムサール条約湿地への登録を行っての取り組みがある。ラムサール条約は保全と活用という視点を持ち人間活動が活発な干潟,浅海域に適した枠組みである。国内における登録湿地の法的な担保措置として、国指定鳥獣保護区、国立・国定公園の保護地域、河川法での地域指定等があるが、浅海域、干潟に生息する絶滅のおそれのある海洋生物の生息地保全には、新たに海岸法や水産資源保護法などの目的に生物多様性保全を盛り込み、生息地保全に資するための改正が必要と考えられる。
Ⅴ.抜本的な改定について
上記の様々な問題点も含めて、種の保存法は 1992 年に制定され、今年で 25 年になる。この間、希少動植物種をめぐる状況が変化しているため抜本的な改定が必要である。現行法の附則第 7 条および衆参両院の附帯決議 8(2013 年)に示されているとおり、法律全体を見直さなくてはならない。
以上
本件に関する問い合わせ先:
Ⅰ.科学委員会および提案制度について
草刈秀紀 [email protected]、03-3769-1713(WWFジャパン)
辻村千尋 [email protected]、03-3553-4103(日本自然保護協会)
Ⅱ.特定第二種国内希少野生動植物種及び生息地等保護区について葉山政治 [email protected]、03-5436-2634(日本野鳥の会)
辻村千尋 [email protected]、03-3553-4103(日本自然保護協会)
Ⅲ.国際希少動植物種の取引について
若尾慶子 [email protected]、03-3769-1716(トラフィック)
鈴木希理恵 [email protected]、0422-54-4885(野生生物保全論研究会)
Ⅳ.沿岸海洋について
倉澤七生 [email protected]、03-5912-6772(イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク) 葉山政治 [email protected]、03-5436-2634(日本野鳥の会)
Ⅴ.抜本的な改定について
鈴木希理恵 [email protected]、0422-54-4885(野生生物保全論研究会)
プレスリリース 2016.12.16
アユモドキの保全の観点から、亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)の整備計画等に関する意見書京都府知事および亀岡市長に提出
京都府が亀岡市で進めている京都スタジアム(仮称)に関して、計画予定地が種の保全法の国内希少野生動植物種の生息地であることから、亀岡市・京都府および環境大臣および文部科学大臣に意見書を提出してきたところです。
アユモドキの保護に関する要望書
(2014年1月23日)
アユモドキの保全を求める意見書を
環境大臣および文部科学大臣に提出 ~京都スタジアム(仮称)の建設に伴う影響の回避を~
(2016年4月22日)
その後、京都府と亀岡市は、環境保全専門家会議の提言を受け入れ、建設予定地をJR亀岡駅北側の土地区画整理事業用地内への変更を表明しました。11月下旬に公表された「亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)の整備計画の策定にあたり考慮すべき基本方針Ver.2」には、アユモドキ等希少水生生物が生息する集水域の保全を実行するにあたって、さらなる検討および改善が必須な問題点があったことから、京都府知事および亀岡市長あてに日本野鳥の会京都支部ほか56団体の連名で意見書を提出しました。
2016年12月16日
京都府知事 山田 啓二 殿
亀岡市市長 桂川 孝裕 殿
亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)の整備計画等に関する意見書
平素より、アユモドキをはじめとする京都府下での生物多様性の保全にご尽力を頂き敬意を表します。
さて、本年11月下旬、京都府および亀岡市は、環境保全専門家会議での議論および提案された事項を基に作成した「亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)の整備計画の策定にあたり考慮すべき基本方針Ver.2」(以下、基本方針)を公表されました。今後は、この方針に基づいてアユモドキの保全を進められていくと伺っております。
その基本方針を拝見したところ、アユモドキ等希少水生生物が生息する集水域の保全を実行するにあたって、さらなる検討および改善が必須な問題を、複数、見出しました。種の絶滅を防ぎ保全を進めることが、生物多様性条約の下、全世界が合意した愛知目標のひとつであり、京都府・亀岡市において、それに向けた明確な取り組みが行われることを期待します。
つきまして、私たちは、下記の点について必ず検討、改善していただけるよう要請します。
記
(1)基本方針の第1章では、これまでに行われた調査研究の結果等が示されており、それらを記録として公開したことは評価できる。また、その研究結果等に基づいて、第3章では、都市計画公園およびその周辺の水路ネットワークでのアユモドキ等希少生物の生息場所の保全・改善策が具体的に検討され、提言されていることも積極的に評価できる。ただし、
①老朽化した灌漑用ラバーダムの改修は、曽我谷川・農業用水路等の水路ネットワークでのアユモドキの繁殖・産卵・仔稚魚の成育と当地での個体群の存続にとって、極めて重要である。しかしながら、基本方針では、その重要性が指摘されてはいるが、改修を行う主体が示されていない。上桂川用水土地改良区による主体的な改修が望めない現状であるのならば、アユモドキ生息地を保全するという目的で、県、または市、または国が主体となって改修を行うべきである。
②アユモドキをはじめとする様々な水生生物と共存してきた農業の形態(灌漑用ラバーダムの操作等を含む)を維持し、地域の人々の営みと湿地生態系の保全を両立させていくために、地域住民や専門家を含めた協議会を行政が設置すべきである。また、地域の人々の生活と生態系の保全の両立が将来にわたり継続的に可能となる社会的な仕組みづくりを、多様な関係者間の合意形成を図りながらこの協議会が段階的に進めていくことが不可欠である。
③平成28年4月27日に公表された「座長提言」は、地下水保全等が十分に保証されることを前提として、スタジアム建設地を都市計画公園から亀岡駅北土地区画整理事業地に変更することを提言したものである。しかし、基本方針に記された亀岡駅北土地区画整理事業地における地下水保全対策のための調査は、スタジアム建設を前提として行われたものではない。従って、新たにスタジアムを建設する場合の地下水への影響調査と保全対策の検討が不可欠である。アユモドキの越冬地への影響を考えれば、地下水はただ監視すればよいというものではなく、十分な根拠を得た上で、現状の流量や流路を確保できるかどうか、検討すべきである。
④アユモドキの仔稚魚が成育場として利用する事業計画地とその周辺の水路群は、現状の水路ネットワークをただ整備するだけでなく、継続的な維持管理も不可欠である。その維持管理をどのように行っていくのかも明らかにすべきである。
(2)亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)用地の保全整備計画は、それぞれの計画を切り離して考えるのではなく、アユモドキ等の保全の観点から専門家会議の科学的な検討・評価に基づきながら関係機関、関係部局が連携し、一体として検討すべきである。
(3)アユモドキは、「京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例」で「指定希少野生生物」に指定されている。また、同条例に基づいて京都府が平成20年度に策定した「アユモドキ保全回復事業計画」には、各種保全事業を府が主体的に実施する旨が記されている。よって、京都府は、都市計画公園およびその周辺地域を「生息地等保全地区」に指定するなどして、亀岡市、環境省、文化庁等関係機関と連携しつつ、その中心となって積極的に保全対策を行うべきである。また、その保全策の検討・実施にあたっては、京都府、亀岡市、環境省、文化庁それぞれの役割分担を明確にすべきである。
意見書賛同団体;
(公財)世界自然保護基金ジャパン、(公財)日本自然保護協会、(公財)日本野鳥の会、(一社)コンサベーション・インターナショナル・ジャパン、(公財)日本生態系協会、日本生態学会自然保護専門委員会、日本生態学会近畿地区会自然保護専門委員会、日本魚類学会、日本野鳥の会京都支部、全国ブラックバス防除市民ネットワーク(ノーバスネット)、(NPO)宍塚の自然と歴史の会(代表及川ひろみ)、小豆沢勤労者つりの会、呉勤労者釣りの会、(NPO)日本国際湿地保全連合、(NPO)秋田水生生物保全協会、阿武隈生物研究会、生駒の自然を愛する会、(NPO)エコパル化女沼、岡山淡水魚研究会、香川淡水魚研究会、(NPO)かごしま市民環境会議、霞ヶ浦チャネルキャットフィッシュバスターズ、亀成川を愛する会、外来魚問題連絡会in北海道東北ブロック、近畿大学バスバスターズ、(NPO)くすの木自然館、佐渡在来生物を守る会、滋賀県大生き物研究会、(NPO)シナイモツゴ郷の会、城北水辺クラブ、(一社)水生生物保全協会、(NPO)生態工房、生物多様性研究会、生物多様性保全ネットワーク新潟、ゼニタナゴ研究会、田沢湖生物研究会、土浦の自然を守る会、(NPO)鶴岡淡水魚夢童の会、手賀沼水生生物研究会、東海タナゴ研究会、東京勤労者つり団体連合会、ナマズのがっこう、琵琶湖外来魚研究グループ、びわ湖サテライトエリア研究会、琵琶湖を戻す会、ブラックバス問題新潟委員会、ぼてじゃこトラスト、水辺づくりの会鈴鹿川のうお座、(NPO)水辺と生物環境保全推進機構、深泥池水生生物研究会、三ツ池公園を活用する会、(公財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団、宮城大学自然研究部、淀川水系イタセンパラ研究会、渋谷勤労者つりの会、近江ウェットランド研究会
以上、56団体。
本件に関する連絡先:
草刈秀紀(世界自然保護基金ジャパン 03-3769-1711)
志村智子(日本自然保護協会 03-3553-4103)
岩崎敬二(日本生態学会近畿地区会自然保護専門委員会 0742-41-9591)
小林 光(全国ブラックバス防除市民ネットワーク [email protected])
森 誠一(日本魚類学会自然保護委員会 [email protected])
名取洋司(コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 03-5315-4790)
プレスリリース 2016.11.01
2016年11月01日
苫小牧東部開発地域(苫東地域)で、今年も7種の希少鳥類を確認
~タンチョウの飛来は4年連続~
日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリは、今年の繁殖期(4~8月)に実施した苫東地域での調査で、昨年に続き国内レッドリストの絶滅危惧ⅠB類を3種、同Ⅱ類を2種、準絶滅危惧を2種、計7種もの絶滅のおそれのある鳥類の生息を確認しました。中でもタンチョウ(絶滅危惧Ⅱ類)は、同地域において4年連続となる飛来確認です。
このことから、同地域にはウトナイ湖や釧路湿原などのラムサール条約湿地に勝るとも劣らない、重要な野鳥生息地としての環境が残っていることを再確認できました。
当会では毎年、同地域で調査を行い、希少鳥類の生息地としての重要性を訴えており、2014年に同地域の一部は、河道内調整地(遊水地)の予定範囲に含まれることが決定しています。当会では今回の調査結果をもとに、引き続き、同地域の貴重な自然環境の保全について、関係者へより一層の働きかけを行うと共に、同地域がラムサール条約湿地に登録されるよう、今後も活動して参ります。(これまでの保全活動については、別紙資料2をご参照ください。)
なお、情報公表によって希少鳥類の繁殖へ悪影響が及ばないよう、発表をこの時期といたしました。また、詳しい確認位置等の公表は控えさせていただきますのでご了承ください。
確認された希少鳥類について
絶滅危惧ⅠB類のうち、シマクイナは繁殖期に確認されているのが日本国内では釧路湿原や仏沼(青森県)など限られた地域のみ、という非常に希少な鳥類です。苫東地域では5年連続での確認となりました。今回は調査地点において最低でも9羽の声を確認したことから、複数のシマクイナが同地域で毎年繁殖している可能性は非常に高いと考えられます。また、アカモズは3つがい6羽以上を確認しました。昨年に比べて1羽少ないものの、ここ数年記録のなかった場所で、新たに1羽を観察することができたのは成果でした。さらに、絶滅危惧Ⅱ類のタンチョウは、一昨年の若鳥1羽、昨年の成鳥1羽と若鳥1羽に続き、今回は弁天沼周辺において最多で成鳥2羽を確認しました。タンチョウの飛来はこれで4年連続となり、また、4月から5月までの間に姿もしくは声を計9日も弁天沼周辺で確認することができました。このことから、勇払原野は同種の重要な生息地になりうると考えられ、弁天沼周辺が繁殖地となる可能性はますます高まったと言えます。なお、確認した鳥類についての詳細は、別紙資料1をご参照ください。

タンチョウ(2016年5月1日 北沢宗大氏撮影)
問い合わせ先
日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリ
- 担当:
- 中村 聡(なかむら さとし)
瀧本宏昭(たきもと ひろあき)
電話:0144-58-2505または080-2872-2709
別紙資料
今回の調査で確認された希少鳥類
絶滅危惧ⅠB 類

シマクイナ(ツル目クイナ科 全長12 .5cm)
- シベリア南東部やモンゴルなどで繁殖し,日本には主に冬鳥として水田や湿地に渡来するとされる。アジア周辺には1万羽未満しか生息しないと考えられているが、生息状況はわかっていない。

アカモズ(スズメ目モズ科 全長20cm)
- もともと生息が局所的で個体数が少ないうえに近年減少し、2006年の環境省第3次レッドリストで、準絶滅危惧からランクが上がった。
- 夏鳥として九州~北海道の原野、灌木のある草原、河川敷等で繁殖し、東南アジア等で越冬する。
- 近縁種のモズより自然度の高い場所に生育するため、生息地や個体数が少ない。

チュウヒ(タカ目タカ科 全長:オス48cm、メス58cm)
- 繁殖地のヨシ原が開発等で減少し、現在全国での推定生息つがい数は約30~40。
- 主に夏鳥として、北日本の平地の草原、湖沼や河川敷周辺の湿原で繁殖し、本州中部以南で越冬する。
- 当地域内では2000年代以降6つがい前後が繁殖していると推定され、まとまった繁殖つがい数および生息数を維持していることから、日本の重要な繁殖地のひとつと考えられる。
絶滅危惧Ⅱ類

タンチョウ(ツル目ツル科 全長:140cm)
- 主に北海道東部の湿原で繁殖し、冬は鶴居村などの給餌場に集まる。
- 一時は絶滅したと考えられ、1924年の再発見以来、地元の方々の保護活動が奏功し、現在は約1500羽まで回復している。
- 個体数の回復に伴い、近年は十勝川流域やサロベツ原野でも繁殖するなど、分布域も拡大しつつある.近い将来、苫東地域で繁殖する可能性が高く、同地域は北海道西部における個体数や分布域回復の基盤となる可能性がある。

オジロワシ(タカ目タカ科 全長:オス80cm、メス90cm)
- 北海道の北部や東部などで少数が繁殖するが、多くは冬鳥としてユーラシア大陸東部より渡来し、海岸、河口、湖沼に生息する。
- 近年、苫小牧地方でも周年観察されるようになり、繁殖していると推測される。
準絶滅危惧

マキノセンニュウ(スズメ目センニュウ科 全長12cm)
- 2012年8月の環境省第4次レッドリストで新たに掲載された。
- 繁殖環境である低茎湿生草原が減少する中、苫東地域は道内でも特筆すべき生息密度であると推察される。
- 夏鳥として北海道の海岸草原、湿原、牧草地で繁殖する。越冬地は東南アジア。
オオジシギ(チドリ目シギ科 全長30cm)

- 弁天沼では2001年8月に400羽以上が確認されており、秋の渡りの前に集結し、栄養補給をする場所として知られている。
- 北海道の草原では夏鳥として普通に繁殖するが、国内でも世界的にも分布が局所的で個体数が少ない。越冬地はオーストラリア。
写真提供)
シマクイナ:宮 彰男氏、アカモズ・チュウヒ・オジロワシ・オオジシギ:新谷幸嗣氏、
タンチョウ:ウトナイ湖サンクチュアリ、マキノセンニュウ:渡邉智子氏、
注)写真の無断転載は固くお断りします。使用については、必ずご相談ください。なお、画像はデジタルデータで提供が可能です。
参考
環境省レッドリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)におけるカテゴリー(ランク)の概要 ※環境省HP より
- 絶滅危惧ⅠB 類(EN):近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
- 絶滅危惧Ⅱ類(VU):絶滅の危険が増大している種
- 準絶滅危惧(NT):現時点での絶滅の危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
別紙資料2
日本野鳥の会の、苫東地域での自然環境保全活動
勇払原野は北海道三大原野のひとつとして、釧路湿原、サロベツ原野と並び数えられています。原野を構成する湿原の面積は、過去90 年で約8分の1に著しく減少しているものの、残された自然環境は、ラムサール条約湿地であるウトナイ湖を含み、水鳥、草原性鳥類、絶滅のおそれのある鳥類の生息地として重要な役割を果たしています。一方、同所では1960 年代の高度成長期に、第三次全国総合開発計画の一環として苫小牧東部開発計画がスタートしました。しかし、その後の社会情勢の変化により、当初計画の約1万700ha の土地の多くが未利用地域として残され、また農地として開拓された場所が放置され原野化し、結果として鳥類の良好な生息地となっています。
当会はこの優れた鳥類の生息環境を将来にわたって維持していくために、2000 年度から当該地域において鳥類調査を実施し、その生息状況から生息環境としての特徴を把握し、社会環境を考察して保全構想をまとめ、2006 年に「ウトナイ湖・勇払原野保全構想報告書」を発行しました。以来、希少種の調査や弁天沼周辺での自然観察会を通じ、同所一帯の保全活動を行っています。近年の主な活動は以下の通りです。
- ・2006年
- 苫東地域におけるアカモズ生息状況調査を実施し、同地域がアカモズの国内有数の繁殖地である可能性が明らかになった。
- ・2006年
- 弁天沼周辺のブロッコリー畑等の土地利用の変化が鳥類相に与える影響調査を実施し、同所における耕作地化は、草原性鳥類の繁殖を阻害し個体数を減少させるだけでなく、一帯の鳥類相をも変化させてしまう可能性があることが明らかになった。
- ・2006年~
- 弁天沼周辺での自然観察会を毎年実施。
- ・2007年~
- 苫東地域におけるシマアオジの生息状況調査を毎年実施し、道内各地の生息記録が途絶える中、同地域には継続して渡来していることが明らかになった。
- ・2008年
- 北海道知事宛てに「弁天沼周辺の土地利用に関する要望書」を提出。
- ・2009年
- 勇払原野で衛星電波発信機によるチュウヒの行動圏追跡調査を実施し、同種の繁殖期の行動範囲や生息に重要な環境が明らかになった。
- ・2012年
- 日本野鳥の会3支部との連名で、北海道知事宛てに「苫小牧東部開発地域内の鳥獣保護区指定に関する要望書」を提出。
繁殖期における希少鳥類の生息状況調査を毎年実施。結果を記者発表。
この他、「安平川下流域の土地利用に関する連絡協議会」(北海道主催。2008 年5月設置)委員として、安平川下流域の治水対策としての河道内調整地(遊水地)計画に対し、希少鳥類の生息環境保全の観点から意見を述べています。 2014年秋には、弁天沼周辺約950ヘクタールが河道内調整地(遊水地)となることが決まりました。
以上
プレスリリース 2016.08.22
2016年08月22日
十勝地域初、シマフクロウの野鳥保護区。
日本野鳥の会がシマフクロウを守るため365.2ヘクタールの森林を購入
「持田野鳥保護区シマフクロウ十勝第1」を設置しました
公益財団法人日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数5万3千人)は、十勝地域に広がる365.2ヘクタールの森林を購入し、シマフクロウ(絶滅危惧ⅠA類)の生息地保全を目的とした独自の「野鳥保護区」を設置しました。この森林は、寄付者のお名前を冠した「持田野鳥保護区シマフクロウ十勝第1」として、シマフクロウの生息に適した森林管理をしつつ恒久的に保全します。
シマフクロウは現在、北海道内で約50つがい、140羽程が生息しているのみです。当会では2004年からシマフクロウの生息地保全のための野鳥保護区の設置を開始し、2020年までに13つがいの生息地保全を目標としています。今回の生息地購入により、目標値の77%に相当する10つがい(全つがい数の20%)の生息地保全を達成しました。また、これまで根室、釧路、知床、日高の4地域に野鳥保護区を設置しましたが、当野鳥保護区は十勝地域初であり、シマフクロウの分散を考える上で重要な場所となるだけでなく、当会が設置したシマフクロウの野鳥保護区としては最大の面積になります。この森林を野鳥保護区としたことで、1つがいのシマフクロウが利用する十勝地域の重要な生息地を保全し、さらに、そこに生息する多様な動植物の生息地を保全することができました。
- シマフクロウについて――生息環境の消失により絶滅が危惧されている
シマフクロウは、極東地域の狭い範囲に分布し、日本では北海道の中部から東部にかけて局所的に生息する、翼を広げると約180cm に達する世界最大級のフクロウの仲間です。主に河川の魚を食べ、巨木にできる樹洞で繁殖します。かつては北海道全域に分布していましたが、森林の伐採や河川環境の変化により減少し、現在では知床半島を中心に約50つがい140羽程が生息しているのみとなっています。環境省をはじめ、保護団体、地域の方々の活動により徐々に個体数は増加していますが、未だ絶滅の危機に瀕しており、環境省のレッドリストでは絶滅危惧ⅠA類に指定されています。また、1971年には国の天然記念物に、1993年には国内希少野生動植物種に指定されています。 - 持田野鳥保護区シマフクロウ十勝第1について―北海道西部へのシマフクロウ生息地拡大の足掛かり
購入地は、365.2ヘクタール(3,652,195㎡)の森林で、1つがいのシマフクロウが生息しています。この生息地は、十勝地域から日高地域へと続くシマフクロウの生息域の一部にあたり、近年、つがいでの生息が確認され、今後の繁殖が期待される重要な森林です。また、現在の分布域である十勝地域や日高地域から北海道西部地域へと分布を拡げる際の重要な拠点となる森林です。今回購入した森林は法的な保護がされておらず、開発計画に晒され、シマフクロウの生息が危ぶまれていました。そこで当会では、持田勝郎氏(もちだかつろう・故人)からの寄付金をもとに、土地および立木を購入し、野鳥保護区を設置して保全することとしました。
なお、野鳥保護区の具体的な場所や地名は、シマフクロウの生息かく乱の可能性があることから、公表していません。 - 日本野鳥の会のシマフクロウ保護活動について――国内の全つがい数の20%を保全しています!
当会では、シマフクロウ生息地保全のため、土地を購入したり所有者と協定を結ぶことにより、独自の「野鳥保護区」を設置する活動を2004年から展開しています。2020年までに13つがいの生息地保全を目指し、野鳥保護区の購入を進めてきましたが、今回購入した土地を含め、根室、釧路、知床、日高、十勝地域に合計880ヘクタールの野鳥保護区で、国内の50つがいのうちの10つがい(20%に相当)のシマフクロウの生息地を保全しています。また、十勝地域でのシマフクロウ生息地購入により、現在シマフクロウの分布する全ての主要地域において、野鳥保護区が拡大したことになります。
なお、これらの野鳥保護区では、シマフクロウをはじめ生息するさまざまな生物の調査のほか、森林管理や植樹などを行ない、シマフクロウの生息環境の向上や森林の復元に努めています。さらに、2011年から日高地域の野鳥保護区において、不足する餌を補い繁殖を補助する給餌活動を続けています。今後は、森林の減少に伴い激減した営巣木の代替として巣箱の設置も進めていきます。
- <資料配布先>
- 環境省記者クラブ(霞が関)、道政記者クラブ(札幌)、十勝総合振興局記者クラブ、根室市役所記者クラブ
【問い合わせ先】
(公財)日本野鳥の会 野鳥保護区事業所 http://www.wbsj.org/
北海道根室市東梅115-1 TEL&FAX:0153-25-8911
担当:松本 TEL:080-1179-2786

シマフクロウ

購入した森林。持田野鳥保護区シマフクロウ十勝第1
プレスリリース 2016.07.09
2016年7月9日
三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認
~三宅島で13回目のリーフチェックを実施~
主催:三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
共催:コーラル・ネットワーク
共催:アンバージャックダイビングスクール
2016年7月9日、三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館、コーラル・ネットワークとアンバージャックダイビングスクールが共同で、世界共通のサンゴ調査である「リーフチェック」を実施した。実施した場所は三宅島の南西に位置する富賀浜のテーブル状サンゴ群集である。
調査を実施した結果、富賀浜では、調査範囲の52%程度がサンゴに覆われ、例年と変わらず健全な状態であった。
※リーフチェックとは
サンゴ礁の健康度を測るために世界同一基準で用いられているモニタリング調査で1997年に始まった。アメリカ・カリフォルニアに本部を置く民間団体が推進している。調査は科学者とボランティアダイバーでチームを編成し、サンゴ、魚類、海底の生物など国際基準の調査項目を潜水して調査し、調査結果をインターネットを通じて本部に送る。各地の結果は毎年本部で取りまとめられ、ホームページなどを通じて公表される。
1.三宅島でのリーフチェックの経緯と調査方法

写真1. 調査風景
三宅島では1998年より調査を開始し、05年の帰島以後は、07年以外毎年実施し、今回の調査は13回目となる。
今回はコーラル・ネットワークのリーフチェックコーディネーター1名、アンバージャックダイビングスクールのインストラクター兼三宅島自然ガイド1名、三宅島自然ガイド1名、ボランティアダイバー3名、日本野鳥の会の職員でアカコッコ館のスタッフ1名で、地元の漁船の協力を得て、富賀浜を調査した。
世界共通の調査方法に準じ、サンゴ群集上にメジャーで100mのラインを設置し、ライン直下の構成種を造礁サンゴ、海藻、砂床など10種に分類し記録した。あわせて、ライン周辺の魚やエビ、ウニなどの決められた生き物の数を記録した。なお、例年伊ヶ谷のカタン崎においても同様の調査をおこなっているが、今回は海況不良により未実施である。
2.調査結果

写真2. 富賀浜のテーブルサンゴ状サンゴ群集
テーブル状のサンゴを中心に、52%程度が造礁サンゴに覆われていた。一昨年と比べると微減し(昨年は未実施)、海藻類は増加したが、大きく環境が変化したものではなく、健全な状態を保っており、依然として伊豆諸島最大(世界最北限)のテーブル状サンゴ群集であると思われる。また、被覆状のサンゴが多い区域では、サンゴの成長が見られた。また、今年は台風の発生も遅く、高水温による白化が心配されているが、見られなかった。
オニヒトデやサンゴ食の巻き貝は確認できず、それらによる食痕もみられていない。調査ライン周辺での対象の魚類や無脊椎動物も例年どおり見られ、特に大きな変化は見られなかった。
3.参考リンク
「コーラル・ネットワーク」 http://coralnetwork.jp/
「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」 http://www.wbsj.org/sanctuary/miyake/
「アンバージャックダイビングスクール」 http://www.amberjack-ds.jp/
協力・事前準備
「スナッパー・ダイビングセンター」 http://www.snapper-d.com/
「三宅島ダイビングサービスディープイン」 http://www.deep-in.info/
「北洋丸」
プレスリリース 2016.05.10
もっと知ってほしい、見守ってほしい、ツバメのこと。
身近な夏鳥ツバメの魅力や子育て情報満載の小冊子
『あなたもツバメ子育て応援団』を無料でプレゼント!
春になると日本へ訪れるツバメは、誰もが知っている身近な夏鳥です。古来より巣をかけた家には幸福が訪れるとされ、人々に暖かく迎えられていました。しかし近年、人とツバメのつながりが薄れ、ツバメの巣を人間が落としてしまうケースが多くなっています。
公益財団法人日本野鳥の会(会長:柳生博/会員・サポーター約5万人)は、ツバメの魅力や生態、その子育てを見守るノウハウを広く一般の方々に知っていただこうと、これらの情報を満載した小冊子 「あなたもツバメ子育て応援団」を2016年5月9日(月)にリニューアルし、無料でプレゼントいたします。
当会が2012年から行なっているツバメ全国調査の結果、全国の都市部や市街地でツバメの子育てが難しくなっていること、さらに都市部では「フンが落ちて汚いから」などの理由で人がツバメの巣を落としてしまう割合が、郊外や農村部に比べて約7倍も高いことが明らかになりました。
当会では、将来ツバメが姿を消してしまわないよう、このハンドブックを通して関心をもつ人を増やし、「ツバメの子育てを見守る輪」を広げていきたいと思います。

■ツバメの生態から共存方法まで最新のデータを反映した改訂版
ツバメの生活史や生態の紹介をはじめ、「ツバメのフン対策は?」、「カラスから守る方法は?」、「巣を落とそうとしている人にはどうしたらいい?」など、ツバメの子育てを応援するためのノウハウをまとめており、一般の方にもわかりやすい内容となっています。
2013年に初版を発行して、好評いただいておりましたが、2016年5月、当会のツバメ全国調査の最新結果を反映し、改訂版としてリニューアルいたしました。
フルカラー、全28 ページ。
【お申込み方法】
※下記のいずれかの方法でお申込みください。
- 電話:03-5436-2630(受付時間10:00~17:00土日祝定休)
- FAX:03-5436-2636
- ハガキ:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
日本野鳥の会『ツバメ小冊子』プレゼント係 - 当会ホームページ申し込みフォーム:
https://www.wbsj.org/nature/research/tsubame/booklet.html
※または「日本野鳥の会 ツバメ小冊子」と検索してください。
<ご記入いただく項目>
1. ツバメ小冊子希望/ 2. 氏名(フリガナ) / 3. 生年月日(西暦)/ 4. 性別 / 5. ご住所(郵便番号必須)/ 6. 電話番号/ 7.「ツバメ小冊子」をどこで知ったか?
※お申込み多数の場合は、お届けまでに時間がかかることがあります。ご了承ください。
公益財団法人日本野鳥の会 会員室 担当:亀崎愛
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
電話:03-5436-2630(月~金) FAX:03-5436-2636 Eメール:[email protected]
URL:https://www.wbsj.org/
プレスリリース 2016.05.09
~日本野鳥の会ツバメ全国調査2013-2015~
全国約5,000巣を分析、都市で巣を落とす人は農村の7倍!
全国の都市部・市街地でツバメの子育てが困難に
(公財)日本野鳥の会(会長:柳生博、会員・サポーター数:約5万人)は、近年減少の可能性が示唆されていたツバメの現状を明らかにするため、2012年に全国に呼びかけて調査を開始しました。2012年の調査では、約4割の方が「ツバメが減っている」と感じており、その一因として不衛生を理由に人が巣を落としてしまう例が数多く報告されました(*6)。
この結果を受け、2013年から特設ホームページにツバメの子育ての様子を観察・記録していただく「ツバメの子育て状況調査」を実施し(*3)、2015年までの3年間にのべ2,506名の方々の協力を得て、全国796市区町村(全国の約半数)、のべ5,115巣もの観察情報をお寄せいただきました。この全国規模のデータを詳しく分析した結果、ツバメの子育てを取り巻く日本の現状について、次のことがわかりました。
- 全国の都市部や市街地で、ツバメの子育てが困難に
巣立ちヒナ数と都市化との関係を分析したところ、首都圏や京阪神はもとより全国の地方都市でも巣立ちヒナが少ないことがわかりました。郊外や農村部での巣立ちヒナ数は平均約4.3羽、都市部では平均約3.9羽と1巣あたり約0.4羽分少なくなっていました。ツバメにとって巣立ちヒナ数が4羽以下なることは、将来的にツバメの生息数が減少していく可能性が高まることを示唆しています(*1)。 - ツバメと人のつながりの消失は、都市部で顕著
子育てに失敗した原因について、都市部と郊外や農村部を比較したところ、「人による巣の撤去」の占める割合が都市部では10.6%、郊外や農村部では1.5%と、都市部で約7倍も高い結果となりました。本来、天敵を避けるために人の暮らしの中で命をつないできたツバメですが、特に都市部では人そのものが子育ての脅威になりつつあるという現状が見えてきました(*1)。 - 都市部での子育てに必要なのは、水辺環境と緑地
ツバメの子育てが困難となっている都市部で、より多くのヒナが巣立つために必要な環境を明らかにするため、都市を代表する東京23区で巣立ちヒナ数と巣の周辺環境との関係を分析しました。その結果、一番は巣の近くに水辺環境があること、次いで公園、空き地などの緑地がプラスに働いていることがわかりました。都市部ではエサとなる昆虫が生息する水辺や、巣を作るために必要な土と草を採取できる場所が重要だと考えられます(*1)。
◆ツバメの子育てを優しく見守り、消えつつあるツバメと人のつながりを取り戻そう!
ツバメは農作物の害虫を食べる益鳥として、また巣をかけた家には幸福を招く鳥として古くから親しまれてきました。
しかし、開発やライフスタイルの変化とともに子育てできる環境が減り、ツバメと人のつながりも消えつつあります。環境を改善していくには時間がかかりますが、私たち一人ひとりがツバメの子育てを優しく見守ることはできるはずです。日本野鳥の会は、市民参加によるツバメ全国調査を継続し、ツバメの子育てを見守るノウハウをまとめた小冊子「あなたもツバメ子育て応援団」(*2)の希望者への無料配布などを通じ、ツバメを見守ってくれる人々を増やし、人と自然の共存の象徴であるツバメが、いつまでも日本で子育てできる社会を目指します。
*は補足説明資料の各番号を参照
公益財団法人 日本野鳥の会
担当:自然保護室
葉山政治 [email protected]
荒 哲平 [email protected]
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
TEL:03-5436-2633 FAX:03-5436-2635 URL:http://www.wbsj.org/nature/research/tsubame/
補足資料
*2.子育て見守りハンドブック「あなたもツバメ子育て応援団」について
*3.「ツバメの子育て状況調査」について
*4.ツバメの巣を落とさないで
*5.ツバメについて
*6.日本野鳥の会ツバメ全国調査2012(アンケート調査)の結果
*7.公益財団法人 日本野鳥の会について
*1.ツバメの子育て状況調査2013~2015の結果まとめ
(1)調査にご協力いただいた人数とツバメの巣の数
2013年から全国に広く協力を呼び掛けてスタートした「ツバメの子育て状況調査」は、今年で4年目を迎えます。この3年間でのべ2,506人の方にご参加いただき、日本全体の約46%にあたる796市区町村で調査を行なっていただきました(表1)。情報が寄せられたツバメの巣の数は、のべ5,115巣にものぼります。今回はこれらのデータを用いて、日本におけるツバメの子育ての現状と周囲の環境との関係を詳細に分析しました。
表1.2013~2015年の調査にご協力いただいた人数と得られた情報数
(2)ツバメの分布域は昔と変わったのか?
環境省が1970年代と1990年代に実施した全国の繁殖分布調査の結果と、日本野鳥の会が2012~2015年に実施した調査でツバメの巣が目撃された地域を比較してみました(図1,表2)。その結果、日本国内におけるツバメの分布域はこの約30年では大きな変化はなく、分布域が縮小しているといった傾向はみられませんでした。また、環境省が過去に行なった調査と比べて、日本野鳥の会の調査では北海道の北~東部からも営巣記録が寄せられました。

図1.過去と現在のツバメの分布域の比較
表2.図6におけるツバメ確認数の凡例内訳
ランクA:繁殖を確認した ランクB:繁殖している可能性がある ランクC:生息を確認した
(3)都市と農村で巣立つヒナの数を比較
3年間調査を継続したことで、都市部以外からの情報も多く蓄積することができました。そこで、データを都市部(市街化区域)と郊外や農村部(市街化調整区域や農業区域)に大別し、ツバメのその年1回目の繁殖(1番仔)における平均巣立ちヒナ数を比較しました。その結果、都市部では平均約3.9羽、郊外や農村部では平均約4.3羽と、約0.4羽分巣立ち数が有意に少ないことが分かりました(図2)。ツバメにとって巣立ちヒナ数が4羽以下になることは、生存率の研究事例を基に試算すると、将来的にツバメの生息数が減少していく可能性が高まることを示唆しています(表3)。また、過去に巣立ちヒナ数を調べた文献では、1番仔の平均ヒナ数が4羽を下回る事例はほとんどありませんでした(表4)。

図2.都市部と郊外や農村部におけるツバメの平均巣立ちヒナ数の比較(1番仔)
「都市計画法」と「国土利用計画法」に基づき、都市部:市街化区域、郊外や農村部:市街化調整区域や農業区域の2つに分類。
※全国から集まった巣立ちまで観察情報のある2,427巣のデータで解析。
表3.巣立ちヒナ数の3羽と4羽の違い(1番仔のみで試算)
※実際の個体数予測は繁殖成功率や2番仔の巣立ち数、各年齢の死亡率等を考慮するため、より複雑なものとなる
表4.各年代ごとの巣立ちヒナ数の比較
(過去に全国的に調査を行なった事例はなく、調査地の違いなど誤差は考えられる)
[1]千羽晋示(1972)三重県桑名郡多度町におけるツバメ(Hirundo rustica)の繁殖記録(自然教育園資料のまとめ)
自然教育園報告(3):35-42.
[2]金井郁夫(1960)ツバメの生態(第3報).山階鳥類研究所研究報告 2:30-40.
[3]Mizuta K (1963) Local distribution of two swallows of genus Hirundo, and breeding success of
H. rustica. Res. Popul. Ecol. 5(2): 130-138.
[4]飯嶋良朗(1982)北海道十勝南部におけるツバメの繁殖記録.鳥 31(1):17-21.より記録を独自に算出
(4)ツバメの子育て失敗原因
2013~2015年の調査結果からツバメが子育てに失敗した原因をまとめると、天敵(カラス、ネコ、ヘビ、スズメ等)に襲われた割合が30%と最も高くなりました(図3)。人間が巣を落としたり、巣を作らせなかったりしたケースは8%を占めました。繁殖失敗の原因と割合を都市部と郊外や農村部に分けて見てみると、繁殖失敗率は都市部が23.0%と郊外や農村部の19.8%より高い結果となりました。
さらに、人が巣を落としたり巣作りを妨げたりする行為も、郊外や農村部が全体の1.5%だったのに対し都市部は10.6%と、約7倍も高い値となりました(図4)。糞が汚いなどの理由から人為的に巣が落とされるケースが増えてきていると考えられます。本来、天敵を避けるために人の暮らしの中で命をつないできたツバメですが、特に都市部では人そのものが子育ての脅威となりつつあるという現状が見えてきました。

図3.繁殖の失敗原因と割合(2013~2015年のデータ,計665件)
※「巣やヒナの落下」「巣が壊れる」には自然に落ちたものだけでなく、建物の構造に起因するもの、人や天敵に落とされたものも含まれると推測されます。
図4.土地区分ごとの繁殖失敗原因の内訳
(5)ツバメの子育てに欠かせない環境とは?
3年間の調査で、全国各地でツバメたちがたくましく生き抜いていることが分かったものの、都市部はツバメにとって子育てをする上で非常に厳しい環境であることが改めて浮き彫りとなりました。都市部でたくさんのヒナを育てるためには、どのような環境が必要なのでしょうか。日本を代表する大都市の東京23区内で、巣立ちヒナ数と巣の周辺環境の関係を詳しく分析しました。
その結果、河川や池といった水域が最も重要な環境要素であり、次いで公園や裸地(空地)などの緑地が有効である(巣立ちヒナ数にプラスに作用する)ことが分かりました(図5)。このことから、都市部ではエサとなる小さな昆虫が生息する水辺の環境や、巣を作るために必要な土と草を採取することができる場所が、「子育ての命綱」になっているといえます。
一方で、そのような環境の多い農村部でも人口減少による過疎化が進み、農業が衰退すると、巣をかける家屋もエサや巣材を得る田畑等の環境も失われる恐れがあります。現時点では、農村部は都市部より巣立ちヒナの数が多いものの、今後も子育ては安泰とは言えないかもしれません。

図5.ツバメが好む(巣立ちヒナ数が多い)環境についてモデルを検討した結果
2013~2015年の間にヒナが巣立った巣のある100m四方のメッシュと、その周囲500mの環境要素を解析した(一般化線形混合モデル;GLMM)。当てはまりの良かった上位9つのモデルを示す。表中の+はその説明変数が巣立ちヒナ数へプラスに作用にし、-はマイナスに作用することを意味する。
(6)ツバメと共に生きる未来を!
ツバメは、農作物の害虫を食べてくれる益鳥として古くから親しまれ、ツバメが巣を作った家には幸福が訪れると歓迎されてきました。しかし、開発やライフスタイルの変化とともに子育てできる環境が減り、ツバメと人のつながりも消えつつあります。
地域全体の環境を改善していくには長い時間と労力が必要です。しかし、私たち一人ひとりが今年も日本にやって来るツバメたちを温かく出迎え、1羽でも多くのヒナが巣立てるよう優しく見守ることはできるはずです。日本野鳥の会は今後も市民参加による調査を継続し、日本のツバメの現状をより詳細に明らかにしていきます。また、ツバメが安心して子育てできる町を増やすため、引き続きツバメを見守る方法を発信して、人とツバメが共存できる社会を目指していきます。
*2.子育て見守りハンドブック「あなたもツバメ子育て応援団」について

写真1.子育て見守りハンドブック
※今年度改訂予定
ツバメの子育てを見守ってくれる方を増やしてくため、子育て見守りハンドブック「あなたもツバメ子育て応援団」を無償で配布しています。
このハンドブックは、ツバメの生態や、ツバメが現在直面している問題、また「カラスから守る方法は?」、「巣を落とそうとしている人には、どうしたらいい?」などツバメの子育を応援するために役立つ情報について、かわいいイラストや写真を使用して、分かりやすく解説しています。このハンドブックを手に、ぜひあなたのまわりの方々にも声をかけ、たくさんの方に巣を落とさずに子育てを見守っていただければと思います。
報道関係の皆様におかれましては、告知・報道へのご協力をお願い申し上げます。
①住所 ②氏名 ③電話番号
*可能であれば、④どこでこのプレゼント企画をご覧になったかを明記して、次のいずれかの方法で「ツバメ子育て見守りハンドブックプレゼント」係
にお申し込みください。
・電話:03-5436-2630
・FAX:03-5436-2636
・ハガキ:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
公益財団法人日本野鳥の会 「ツバメ子育て見守りハンドブックプレゼント」係
・インターネット:当会ホームページ(https://www.wbsj.org/)のツバメ特設ページより
*3.「ツバメの子育て状況調査」について
◇調査の概要
2012年のアンケート結果で多くの方が感じているツバメの減少を、ツバメの繁殖の状況を調べることによって明らかにするため、日本野鳥の会では2013年からインターネット上に専用サイト「ツバメの子育て状況調査」を立ち上げ、調査を実施しています。
このサイトでは、より多くの方に参加いただけるようにスマートフォンやタブレット等にも対応させ、参加者に継続して同じ巣を観察いただき、子育ての様子を観察日記のように記録していただくことが可能です。また、巣立ったヒナの数や、繁殖に失敗した場合はどの繁殖ステージで失敗したのか、失敗の原因は何かといった情報を収集し、それを基にツバメが減少傾向にあるのかを調べます。
参加者はツバメの子育て情報を記録して共有することができ、ツバメの子育てを見守りつつ、保護のための情報を蓄積することができます。
◇調査の特徴
・観察する巣が地図上に登録されるため、正確な位置がわかり、周辺環境との関係を見ることができます。
・1巣あたりの巣立ちヒナ数を全国的に把握することができます。
・繁殖に失敗した場合の原因や、そのステージを知ることができます。
・パソコンからはもちろん、スマートフォンやタブレットでも気軽に参加でき、全国からの情報を収集しやすくしています。
・楽しんで参加いただけるように、全国から寄せられたツバメの巣の情報をリアルタイムで共有することができます。
●URL:https://tsubame.torimikke.net/
●検索:「日本野鳥の会 ツバメ」または「ツバメの子育て状況調査」

図6.「ツバメの子育て状況調査」の画面
左:パソコンの画面 右:スマートフォンの画面
*4.ツバメの巣を落とさないで
◆巣を落とすことは法律により禁じられています
ツバメなどの野鳥は、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(略称:鳥獣保護管理法)」により保護されており、都道府県知事の許可がなければ、卵やヒナが中にいる巣を落とすことは禁じられています。これに違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
もし、卵やヒナのいる巣を落とそうとしている人を見かけた時などは、各都道府県の鳥獣保護関連部署などにご相談ください。
◆鳥インフルエンザ感染と野鳥について当会の見解
2009年、高病原性鳥インフルエンザの国内被害がニュースで取りあげられた際、ツバメの巣が落とされるという事件がありました。鳥の病気である鳥インフルエンザが、ツバメから人間に直接感染することは考えられません※1。もし鳥インフルエンザに感染したツバメがいたとしても、繁殖期にはつがいでの生活となり、他の鳥にうつす機会がないうちに抗体ができて、ツバメの体内のウイルスも消滅していくと考えられます。鳥インフルエンザウイルスは、気温が高くなると寿命が短くなり、糞などで体外に排出され、感染力を失います。ツバメが玄関先に巣を作ったからといって、脅威を感じる必要は全くありません。
※1 過去に、ツバメが高病原性インフルエンザにかかった事例は、海外で1例(H5N1亜型)のみで、人間への感染例はありません。
◆放射性物質の影響について
東日本大震災にともなう福島第一原発の事故以降、放射性セシウムを含むツバメの巣が確認されました。これは、福島県を中心に高濃度汚染地区(ホットスポット)の土を巣材に利用したことに起因します。放射性物質の飛散予測で汚染が高かったとされる一部の地域では、濃度の高い巣がある可能性もありますが、全国の巣が汚染されているということではありません。また、環境省は「高濃度の放射線物質に汚染された巣であっても、50㎝以上離れれば自然放射線量と同等になり、人体に影響はない」※2と正式に発表しています。さらに5年が経過したことにより、空間線量が低下し、ツバメの巣に含まれる放射性セシウム濃度も事故当時より低下していると考えられます。
これらの理由からツバメの巣を落としたりしないよう、お願いします。
※2 放射線量は、放射線を発する物体からの距離の二乗に反比例して低下します。
例)距離5cm地点での線量に対して、50cm離れると100分の1、5m地点では1万分の1になる。
*5.ツバメについて
ツバメは、全長17㎝程度、長く切れ込みの入った尾羽が特徴。ユーラシア大陸と北米の広い範囲で繁殖して、冬には熱帯に渡って過ごします。日本では種子島以北の日本全土に夏鳥として渡来します。北海道では南部をのぞき、数は少ない傾向があります。
ツバメは(ハチ、ハエ、アブ、トンボなどの)昆虫を飛びながら空中で捕食するので、巣材を集める時以外に地上に降りる姿を見かけることは稀です。また、飛びながら水面をひっかくように口を開けて水を飲みます。
繁殖期は4月から8月で、おもに一夫一妻で年に1~2回(多い時は3回)繁殖をします。人家の軒下などに泥と藁でできた巣を作ります。ヒナは巣立ち後、数日間は巣の近くにいて、親鳥から餌をもらいます。2週間ほどたつと、親鳥から離れて、水辺のヨシ原などで、集団で夜を過ごすようになります。この集団ねぐらは数千~数万羽の規模になることもあります。東京近郊では6月中旬ごろから集団ねぐらに集まるようになり、7月下旬~8月上旬が最大になります。8月頃から10月頃に東南アジアに渡っていきます。

写真2.水田を飛翔しているツバメ(写真/佐藤信敏)
*6.日本野鳥の会ツバメ全国調査2012(アンケート調査)の結果

(1)ツバメの全国分布は大きな変化なし
回答者の99%がツバメを確認
全国すべての都道府県から8,402件の情報が寄せられ、そのうち一般目撃調査の回答者の99%がツバメを確認し、86%が営巣を確認していました(図7)。この結果を鳥類繁殖分布調査(環境省2004)と比較したところ、分布が縮小している傾向は認められませんでした。

(2)ツバメの数は減少?
回答者の39%が減少と感じる
しかし、有効回答者6,866人のうち39%は、ここ10年間でツバメが減少したと回答しており、分布は変わらないものの、多くの地域で個体数が減少している可能性が示唆されました(図8)。
表5.ツバメの減少要因(自由表記)
(3)ツバメ減少の要因は、カラスによる影響、人による巣の撤去が上位に
ツバメ減少の要因として、回答のあった933件の情報のうち、カラスによる影響が296件、また糞で汚れるなどの理由から巣が人の手で落とされる事例が216件寄せられ、上位を占めました(表5)。
人による巣の撤去はもちろん、カラスも人が出すゴミで増加していると言われており、いずれも私たちの生活様式の変化や、受け入れる人の心の変化によって、ツバメの子育てが難しくなっていると思われます。
*7.公益財団法人 日本野鳥の会について
※詳しくは当会ホームページをご参照ください https://www.wbsj.org/about-us/summary/
・自然と人が共存する豊かな社会の実現を目指し、野鳥や自然のすばらしさを伝えながら、自然保護を進めている民間団体です。全国約5万人の会員・サポーターが、自然を楽しみつつ、自然を守る活動を支えています。
・会長:柳生博
・会員、サポーター約5万人
・創設:1934年
・創始者:中西悟堂
・連携団体:全国90団体
・1970年 財団法人に改組
・2011年「公益財団法人日本野鳥の会」として登記
◇野鳥や自然を大切に思う心を伝える普及活動
・自然観察の森など、全国8か所の自然系施設に訪れる、年間約22万人のビジターに対して野鳥や自然の大切さを伝えています。
・野鳥図鑑や雑誌、小冊子を発行し、野鳥や自然の素晴らしさを伝えています。
◇野鳥や自然を守る保護活動
・タンチョウ、シマフクロウ、カンムリウミスズメなど絶滅の恐れのある野鳥の保護と生息地の保全を行なっています。
・北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に、土地の買い取りや協定により野鳥保護区として生息地の保全を進めています。現在、野鳥保護区の面積は36か所、3205.4haで、自然保護団体としては国内最大級です。
・ツバメやヒバリなど身近な鳥類を対象とした調査を市民参加の形で広く呼びかけて行ない、その結果を種の保護や都市の生物多様性の保全につなげていく活動を行なっています。
◇公益財団法人に登記
・日本野鳥の会は、内閣総理大臣より「公益財団法人」に認定されており、個人や法人が支出した寄付金に対し、「特定公益増進法人」として税制上の優遇措置が設定されています。
公益財団法人 日本野鳥の会
担当:自然保護室
葉山政治 [email protected]
荒 哲平 [email protected]
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
TEL:03-5436-2633 FAX:03-5436-2635 URL:http://www.wbsj.org/nature/research/tsubame/
プレスリリース 2016.04.22
アユモドキの保全を求める意見書を
環境大臣および文部科学大臣に提出
~京都スタジアム(仮称)の建設に伴う影響の回避を~
京都府亀岡市のJR亀岡駅北側に建設が予定されている京都スタジアム(仮称)をめぐって、別紙のとおり、意見書を関係56団体(日本生態学会、日本魚類学会を含む)でとりまとめ、4月22日付で、環境大臣および文部科学大臣宛に提出しました。
種の保存法所管の環境大臣、文化財保護法所管の文部科学大臣に対する意見要旨
(詳しくは意見書の控えをご覧下さい)
- アユモドキは、安易な移植や人為的な生息地の造成では、保護増殖の十分な効果が保障されない。野生下での生息場所の維持・改善を確実にすること。
- 京都スタジアム(仮称)を含む都市公園整備計画は、文化財保護法第125条に規定される天然記念物の「その保存に影響を及ぼす行為」に該当すると考えられることから、文部科学大臣は天然記念物の「現状変更の許可」をすべきでないこと。
- 地域住民や専門家を含めた協議会を行政が設置し、この協議会が将来にわたり継続的に保全できる社会的な仕組みづくりを進めていくこと。
- 「淡水魚保全のための検討会」による「二次的自然を主な生息環境とする淡水魚保全のための提言」を尊重し、岡山県と京都府におけるアユモドキの保全策を検討・実施するための調査をおこない、提言に盛り込まれた内容に早急に取り組むべきこと。
- 京都スタジアム(仮称)のみならず、亀岡駅北地区区画整理事業の造成に対しては、環境大臣意見が出されている(平成26年1月21日)。区画整理事業が、この意見を踏まえているか確認すべきこと。また、京都スタジアム(仮称)建設に関わるアクセス道路などの付帯施設の工事がおよぼす影響も考慮し、環境影響評価を厳密に行うべきこと。
2016年4月22日
環境大臣 丸川 珠代 殿
文部科学大臣 馳 浩 殿
種の保存法指定種および文化財保護法の天然記念物
アユモドキの保全に関する意見書
時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より自然環境及び文化財の保全にご尽力を賜り誠にありがとうございます。
およそ40 億年前に地球に生命が誕生して以来、5回の生物の大量絶滅があったと言われており、現代は、第6の大量絶滅時代と言われています。現代の大量絶滅は、人間活動による影響が主因とされ、その速度は著しさを増しています。
2010 年5 月に生物多様性条約事務局が公表した「地球規模生物多様性概況第3 版(GBO3)」では、生物多様性を構成する生態系、種、遺伝子のすべてについて、損失が継続しており、損失を引き起こしている直接的な要因として、生息地の損失と劣化が指摘され、このまま損失が続き、生態系が「ある臨界点」を超えると、生物多様性が劇的に損なわれ、それに伴い広範な生態系サービスが失われる危険性が高いと警鐘が鳴らされました。
同年10 月に開催された生物多様性条約第10 回締約国会議で世界が合意した愛知目標の12 では、「2020 年までに、既知の絶滅危惧種の絶滅が防止され、また、それらのうち、特に最も減少している種に対する保全状況の改善が達成、維持される」ことが求められています。
2013 年2 月に環境省が発表した第4 次レッドリストでは、評価対象となった約400 種の汽水・淡水魚類のうち42%が絶滅のおそれのある種に選定されました。この割合は、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類等の他の分類群をしのいで非常に高いものとなっています。
さらに、2015 年11 月に改訂されたIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストは、国際的な基準に基づく評価の結果、アユモドキを絶滅危惧種(CR)という、絶滅のおそれの最も高いランクに記載しました。
アユモドキは、東アジアモンスーン気候下にある我が国の特に水田周辺の生態系で人間活動と共生してきた学術的にも貴重な淡水魚ですが、伝統的な農業の衰退や土地利用の改変、開発、外来種の影響等の結果、その存続は今や風前の灯となっています。
今般、京都府亀岡市において計画されている京都スタジアム(仮称)は、国際的にも希少であり、日本国内の3 カ所(岡山県に2 カ所、京都府亀岡市に1 カ所)にしか生息しておらず、特に保全の必要性が高い種とされるアユモドキの生存に脅威を及ぼすものと考えられます。
以上の現状を踏まえ、私たちは、世界的に貴重であり、学術的に価値があり、特に高い優先度で保全すべき種とされるアユモドキの保全のために、同魚種を保全すべき種に指定している種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)および文化財保護法の所管官庁である環境省および文部科学省に対して、下記の通り要求致します。
記
- アユモドキは、亀岡市の河川氾濫原湿地生態系や水田耕作等による湿地の環境を利用し、適合した特異な生活史を持つために、安易な移植や人為的な生息地の造成では十分な効果が保障されていない。まして新たな造成地で永続的な繁殖を期待することは困難であることから、何よりも野生の環境下で生息する場所を確実に維持・改善した上で、生息地の造成や増殖は行うべきものである。(環境省および文部科学省)
- 天然記念物であるアユモドキは、世界的に貴重で、学術的に価値があり、特に高い優先度で保護すべき魚種である。予定されている京都スタジアム(仮称)を含む都市公園整備計画は、文化財保護法第125 条に規定される天然記念物の「その保存に影響を及ぼす行為」に該当すると考えられる。将来にわたり当該種の存続が学術的かつ社会的に保障されないかぎり、天然記念物の「現状変更の許可」はすべきでない。(文部科学省)
- アユモドキをはじめとする様々な水生生物と共存してきた農業の形態(灌漑ダムの操作等を含む)を維持し、地域の人々の営みと湿地の生態系の保全を両立させていくため、地域住民や専門家を含めた協議会を行政が設置し、同協議会が将来にわたり継続的に保全できる社会的な仕組みづくりを、合意形成を図りながら段階的に進めていくことができるように地元自治体や関係者と共に取り組むべきである。(環境省および文部科学省)
- 里地里山などの二次的自然環境や河畔環境のように変動・攪乱が大きい環境に生息・生育する攪乱依存種(アユモドキ(CR)など)では、継続的なモニタリングを含む長期的な視点に立った保全施策の実施が特に重要となる。環境省が設置した「淡水魚保全のための検討会」の「二次的自然を主な生息環境とする淡水魚保全のための提言」を尊重し、岡山県と京都府におけるアユモドキの的確な保全方策を検討・実施するための調査を行い、提言に盛り込まれた内容に早急に取り組むべきである。(環境省および文部科学省)
- 建設予定の京都スタジアム(仮称)のみならず、亀岡駅北地区区画整理事業の造成に対しては「南丹都市計画に係る区域区分の変更に対する環境大臣意見(平成26 年1 月21 日)」が提出されている。環境省意見【[1]専門家会議の意見を実施計画に反映すること、[2]実施計画が策定されるまで駅北地区及びその周辺の自然環境の保全に努めること、[3]事業実施による影響に配慮すること、[4]工事中や事業後にモニタリングを実施すること等】の4項目を条件として、南丹都市計画に係る駅北地区の区域区分変更が認められた。区画整理事業の造成は、専門家会議の意見を十分に反映した形で進められているのか確認すべきである。
また、京都スタジアム(仮称)建設に関わるアクセス道路などの付帯施設によるアユモドキに対する影響も慎重に考慮する必要がある。場合によっては、これらの付帯施設工事の途上でアユモドキの存続にとって致命的な影響が生じかねない。このような付帯する関連事業の複合的な影響も含めてアユモドキをはじめとする生態系に及ぼす環境影響評価を厳密に行うべきである。アユモドキの生息地に影響を及ぼすおそれのある工作物の設置や土地の造成は、生息に深刻な影響を及ぼし、これまでの地元の保護活動を無に帰す結果を招きかねない。そのようなことにならないように、所管官庁として事業者を指導すべきである。(環境省および文部科学省)
以上
意見書賛同団体:
(公財)世界自然保護基金ジャパン、(一社)コンサベーション・インターナショナル・ジャパン、(公財)日本自然保護協会、日本生態学会自然保護専門委員会、日本生態学会近畿地区会自然保護専門委員会、日本魚類学会、(公財)日本野鳥の会、日本野鳥の会京都支部、全国ブラックバス防除市民ネットワーク(ノーバスネット)、(公財)日本生態系協会、認定NPO 法人 宍塚の自然と歴史の会(代表及川ひろみ)、小豆沢勤労者つりの会、呉勤労者釣りの会、(NPO)日本国際湿地保全連合、(NPO)秋田水生生物保全協会、阿武隈生物研究会、生駒の自然を愛する会、(NPO)エコパル化女沼、岡山淡水魚研究会、香川淡水魚研究会、(NPO)かごしま市民環境会議、霞ヶ浦チャネルキャットフィッシュバスターズ、亀成川を愛する会、外来魚問題連絡会in 北海道東北ブロック、近畿大学バスバスターズ、(NPO)くすの木自然館、佐渡在来生物を守る会、滋賀県大BASSER’S、(NPO)シナイモツゴ郷の会、城北水辺クラブ、(一社)水生生物保全協会、(NPO)生態工房、生物多様性研究会、生物多様性保全ネットワーク新潟、ゼニタナゴ研究会、田沢湖生物研究会、土浦の自然を守る会、(NPO)鶴岡淡水魚夢童の会、手賀沼水生生物研究会、東海タナゴ研究会、東京勤労者つり団体連合会、ナマズのがっこう、琵琶湖外来魚研究グループ、びわ湖サテライトエリア研究会、琵琶湖を戻す会、ブラックバス問題新潟委員会、ぼてじゃこトラスト、水辺づくりの会 鈴鹿川のうお座、(NPO)水辺と生物環境保全推進機構、深泥池水生生物研究会、三ツ池公園を活用する会、(財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団、宮城大学自然研究部、淀川水系イタセンパラ研究会、渋谷勤労者つりの会、近江ウェットランド研究会
以上、56団体。
★アユモドキについて
学名:Parabotia curtus (Temminck and Schlegel、1846)
分類群:淡水魚類
目名:コイ目
科名:ドジョウ科
亜科名:アユモドキ亜科

©青雅一
<法令による規制措置>
- 天然記念物(文化財保護法) 文化庁 S52~
*現状変更及びその保存に影響を及ぼす行為の規制 - 国内希少野生動植物種(種の保存法) 環境省 H16~
絶滅危惧IA類 *個体の捕獲・殺傷及び個体等の譲渡し等の禁止 - 指定希少野生生物(府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例)京都府 H20~
絶滅寸前種 *個体の捕獲・殺傷、個体の譲渡し・広告等の禁止
<IUCNレッドデータリストによる指定> IUCN Red List of Threatened Species™
CR(Critically Endangered) 2015年~
http://www.iucnredlist.org/details/11661/0
(以下の情報は『京都府レッドデータブック2015』(京都府、2015年)などに基づく)
<形態>
体長13cm程度に達する。頭部、腹部ともに側扁し、尾鰭は深く二叉する。側線は完全で、頭部に眼下棘がある。口は下面にあり、ひげは3対で2対が吻端、残りの1対が口辺にある。体側鱗はきわめて細かく、頭部まで鱗に覆われる。
<分布>
桂川水系(保津川)(京都府)。吉井川水および旭川水系(岡山県)。
<生態的特性>
食性:稚魚期には小型の浮遊生物や付着藻類を摂食するが稚魚期以降は底生動物食に変化する。繁殖:6~9月に河川の増水や水田の灌漑によって一時的に生じる水域に侵入し産卵する。1~複数尾のオスがメスを追尾した後、体側をこすりあわせながら放卵、放精にいたる。
生息場所:河川中流~下流の遮蔽物の多い砂礫底・岩場も見られる砂泥底の環境を好み、崩壊状態にあるコンクリート護岸に生息する場合もある。生息場所の水質は貧腐水性、水温は夏場でも30度を超えることはない。
(1)アユモドキ産卵場付近(左) ©WWFジャパン

(2)生息地(右) ©草刈秀紀

(3)農業用灌漑ダム(左) ©草刈秀紀

以下は、「亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)に係る環境保全専門家会議(第1回)(平成25年5月1日開催)」資料による
http://www.city.kameoka.kyoto.jp/suisin/kurashi/kyoiku/leisure/sports-jigyo/sutajiamusenmonkakaigi.html

「淡水魚保全のための検討会」(環境省設置)による「二次的自然を主な生息環境とする淡水魚保全のための提言」(2016年4月7日公表)参考資料3より
種名 アユモドキ
学名 Parabotia curtus

1.基礎情報
(1)分類・形態等
全長15~20cm。ドジョウ類に近縁だが、頭部と胴部が側偏し、尾びれの後縁は深く切れ込む。直線部で基部背縁に小棘を持つ眼下棘がある。口ひげは3対。背から体側部は黄褐色で腹部は乳白色。尾びれ基底中央に一つの黒色斑がある。体側に暗色黄帯が7~11 個あり、成長とともに不明瞭となる。
(2)法律、条例に基づく位置づけ
国内希少野生動植物種(種の保存法)、国指定天然記念物(文化財保護法)
野生生物保全条例指定種:京都府
(3)レッドリスト
- 環境省
- CR
- IUCN
- CR
- 都道府県
- EX(広島県)、CR+EN(滋賀県、京都府、大阪府、岡山県)、DD(奈良県)
2.分布及び生息状況とその変遷
| 分布状況 (下図) |
現在毎年繁殖が確認されているのは、岡山県の2か所、京都府の1か所、計3か所の個体群のみとなっている1。 |
| 個体数の変化 | 京都府の個体群については、1,000 個体以下と推定されており、将来予測においても個体群が脆弱であることが示唆されている2。岡山県の2つの個体群についてもそれぞれ1,000 個体程度と推定されている3。 |

アユモドキ分布図
3.生活史及び生息環境

| 生息環境 | |
| 仔稚魚 | 一時的水域や休耕田等の植物が繁茂し、流れのほとんどない泥底の環境を隠れ家や餌生物供給源として利用する。一時的水域は低酸素となることがある不安定な環境であるが、適応し利用している。遊泳力が低いため、泥底のような止水環境を利用する4、5、6。 |
| 未成魚期 | 成長に伴い、一時的水域から移動し、河川支流や水路を生息環境として利用する。隠れ家として巨礫の下や石垣の間隙などを好んで利用する。生活排水の流入や農薬などによる水質汚濁によって影響を受ける4、5。 |
| 成魚期 | 河川支流や水路を生息環境として利用する。隠れ家として巨礫の下や石垣の間隙などを好んで利用する。生活排水の流入や農薬などによる水質汚濁によって影響を受ける4、5。 |
| 繁殖期 | 河川から河川支流、水路へ移動し、降雨等による水位の上昇とともに産卵のために一時的水域や休耕田等へ移動する。移動した成魚は、増水によって新たにできた氾濫原環境の植物が茂った場所においてばらまき型で産卵を行う6。産卵後、成魚はふたたび河川支流や水路へ移動する4、5。 |
4.保全活動
| 活動主体 | 主な取組み内容 |
| 国 | 文化庁:天然記念物に指定。 環境省・農林水産省・国土交通省:アユモドキ保護増殖事業計画に基づき、生息地周辺に生息する外来種(オオクチバス等)の駆除、密漁監視のためのパトロール、その他生息環境の改善を実施。 |
| 都道府県 | 京都府:野生生物保全条例指定種に指定。アユモドキ保全回復事業計画を策定。 大阪府:水生生物センターにて人工受精による繁殖の試験・研究を実施。 |
| 市町村 | 岡山市:アユモドキの生息に配慮した工事実施マニュアルを策定。 |
| 地域住民 | 岡山市の生息地:地域住民が生息環境の維持活動などを実施。 |
| 保護団体等 | NPO 法人岡山淡水魚研究会:岡山県の旭川水系にある休耕田を借り上げ産卵場所の創出及び維持管理を実施。 http://fields.canpan.info/organization/detail/1567631146 NPO 法人亀岡人と自然のネットワーク:亀岡の生息地にて休耕田に魚道を設置、産卵場所の設置や外来魚駆除(オオクチバスなど)を実施。 http://ayumodoki.net/katudouhoukoku.html |
5.主な参考文献
- 岩田明久(2015)アユモドキ.環境省編「Red Data Book2014 汽水・淡水魚類 日本の絶滅のおそれのある野生生物」,pp50-51,ぎょうせい,東京.
- 渡辺勝敏ほか(2014)琵琶湖・淀川水系のアユモドキ個体群の存続可能性分析.魚類学雑誌61:69-83.
- 湯浅卓雄(2005)アユモドキ-産卵生態の解明と産卵場の創出-希少淡水魚の現在と未来-積極的保全のシナリオ-pp177-185,信山社,東京.
- 岩田明久(2006)アユモドキの生存条件について水田農業の持つ意味.保全生態学研究,11:133-141.
- 阿部 司(2012)アユモドキ(Parabotia curta)の氾濫原環境への適応と繁殖場所の保全・復元.応用生態工学,15:243-248.
- Abe, T et al. (2007) Spawning behavior of kissing loach (Leptobotia curta) in temporary waters. Zool Sci 24:850-853.







