JP108 汐川干潟(しおかわひがた)
愛知県:豊橋市、田原市
| 位置 | N 34°41′ E137°18′ |
| 面積 | 900ha |
環境構成【干潟】

写真:藤岡エリ子
砂泥質の干潟とヨシ原、小規模な塩性湿地。干潟は、堤防で囲まれ、陸側には、遊水池、田んぼ、畑、養鰻池跡などが広がっている。豊橋市側の干潟は、砂泥質で、田原市側は、より泥質が強く、カキ礁がある。塩性湿地には、フクド、ハママツナ、シバナ、シオクグなどの貴重な植物が生える。流入する河川は、いずれも小規模。最も大きな汐川には、川沿いにヨシ原が続き、夏にはハマボウが咲く。
選定理由
| A4i | スズガモ・コチドリ・ケリ・キョウジョシギ・トウネン・ハマシギ・キアシシギ・チュウシャクシギ |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
保全への脅威
- 流入赤土による干潟の土壌変化
- 三河湾の富栄養化による赤潮、青潮の影響
- 漂着ゴミ
- 鳥類観察者のマナー(地元住民の反感を招いている)
- 太陽光発電施設の設置
- 津波対策堤防の耐震化工事に伴う、整備道路の設置
保全活動
- 環境教育活動:
探鳥会の実施(日本野鳥の会愛知県支部)
観察会、汐川干潟探鳥会(東三河自然環境ネット)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 516KB)
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JP107 伊川津(いかわづ)
愛知県:田原市
| 位置 | N 34°39′ E 137°08′ |
| 面積 | 870ha |
環境構成【干潟】

写真:藤岡エリ子
砂泥質の干潟と砂礫の浜、新堀川流域、河口部の塩性湿地。海浜植物と塩性湿地に生えるハママツナ、マツナ、ヒロハマツナ、シバナ、フクド、シオクグの宝庫である。後背地は、養鰻池跡と畑、ビニールハウス。
三河湾でも有数の漁場で、冬から春は、海苔養殖。春は、アサリ漁が行われている。
選定基準のキョウジョシギは、春季の満潮時、貝の浜やその後背地の畑をねぐらとして利用している。
選定理由
| A4i | キョウジョシギ |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
<保護指定の内容>
国定公園(三河湾国定公園)、自然環境保全地域
保全への脅威
- 三河湾の富栄養化による赤潮、青潮
- 漂着ゴミ
- 鳥類観察者によるシギ・チドリのねぐらの撹乱
- 鳥類観察者のマナー(漁業者の反感を招いている)
保全活動
- モニタリング調査:実施者(東三河野鳥同好会)
内容:水質調査(年3回)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 439KB)
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JP106 浜名湖・遠州灘(はまなこ・えんしゅうなだ)
静岡県:浜松市、湖西市、磐田市、袋井市、掛川市、御前崎市
| 位置 | N 34°43′ E137°35′ |
| 面積 | 7,800ha |
環境構成【潟湖/砂浜】
遠州灘は、静岡県の御前崎から愛知県の伊良湖岬までの範囲に広がる部分の海域で、天竜川、大井川の大河川が流入している。その海岸は砂丘を含む単調な砂浜が連続し、コアジサシのコロニー、アカウミガメの産卵場となっている。
一方、浜名湖は静岡県西部に位置する手を広げたような形の湖で、南部は遠州灘に通じている汽水湖である。湖の面積は65k㎡、周囲長は114km、平均水深は4.8mで、細江湖、猪鼻湖、松見ヶ浦、庄内湾と4つの水域を持つ。多くの魚類の産卵場、稚魚の生息地であることから、昔から漁業が営まれている一方で、湖周辺の観光開発が進み、レジャーとしての釣り、マリンスポーツ、潮干狩りなど多くの人が訪れる。
選定理由
| A4i | ヨシガモ・ホシハジロ・スズガモ・コアジサシ |
| A4iii | カモ類 |
保護指定
サイトの大部分(50~90%)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
都道府県立自然公園(浜名湖県立自然公園)、自然環境保全地域
保全への脅威
- 湖の富栄養化による水質悪化により貝類、魚類など鳥類の餌となる生物が減少している
- リゾート開発による湖周辺の水田、養鰻池などの減少、護岸のコンクリート化によりこれらの環境を好む鳥類が減少している
- 釣り針放置による鳥類誤食への脅威
- 漁船、水上バイクなどの通過による越冬カモへの脅威
- アオバトの水飲み場となっている湖岸での釣り人の侵入
- 弁天島周辺付近のシギ・チドリ類が利用する干潟への潮干狩りをする人の侵入
- 砂浜のコアジサシ繁殖地への4輪駆動車、犬、猫の侵入
保全活動
- 環境管理:実施者(サンクチュアリジャパン)
内容:コアジサシ繁殖地への保護柵の設置 - 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会遠江)
内容:探鳥会の実施(毎年11月に細江湖一般公開探鳥会、不定期で弁天島探鳥会、不定期で大草山探鳥会を開催) - モニタリング調査:実施者(日本野鳥の会遠江)
内容:毎年1月にガンカモ類、ウ類調査を実施
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 403KB)
※遠州灘の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら
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東海・中部のIBA

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| IBAコード | サイト名 |
| 106 | 浜名湖、遠州灘 |
| 107 | 伊川津 |
| 108 | 汐川干潟 |
| 109 | 矢作川河口 |
| 111 | 藤前干潟 |
| 112 | 鵜の山 |
| 113 | 安濃川、志登茂川河口 |
| 114 | 雲出川、愛宕川、金剛川河口 |
| 115 | 紀伊長島 |
| 116 | 大峰山脈、台高山脈 |
| 169 | 神子元島 |
JP105 能郷白山・伊吹山地(のうごうはくさん・いぶきさんち)
福井県:大野市、池田町、南越前町
岐阜県:関市、本巣市、揖斐川町
滋賀県:長浜市、米原市
| 位置 | N 35°46′ E136°26′ |
| 面積 | 79,000ha |
環境構成【森林】
伊吹山(1,337m)を南に、岐阜県と滋賀県、福井県にわたる県境を北東に辿る能郷白山(1,617m)までの地域で、金糞岳(1,317m)冠山(1,256m)などの1,000m以上の山なみで構成されている。この一帯の森は落葉広葉樹のブナ林帯であるが、戦後の大伐採でまとまった地帯は少なく、一部分は残ってはいるが植林のスギ、ヒノキ林が混在している。また冬は日本海気候の影響で積雪も多く、集落などは少なく人口密度は低い。このため人工物は少なく、多くの野生動物が生息している。特に大型の猛禽類イヌワシ、クマタカは、その食物となる鳥類や哺乳類が豊富であるため、当地域全体に生息している。
選定理由
| A3 | – |
保護指定
サイトの一部(10~49%)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
県指定鳥獣保護区(日坂、伊吹山、平家平)、国定公園、都道府県立自然公園(揖斐関ケ原養老国定公園、揖斐県立自然公園、琵琶湖国定公園)、自然環境保全地域、保護林
保全への脅威
- 徳山ダム完成(平成19年)にともなう、巨大人造湖発生の気象、生物の生活圏などへの影響
- 伊吹山ドライブウェイのマイカーによるオーバーユース(通常の登山者よりも多い入山者数)
- 猛禽類を狙うカメラマンによる餌付け行為
保全活動
- 環境教育活動:
探鳥会(西濃山間地にて年に2回程度)(日本野鳥の会岐阜)
自然観察会(エコミュージアム関ケ原) - その他
平成20年に内啣洞自然環境保全地域にて自然環境変遷動向調査実施(岐阜県)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 679KB)
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近畿のIBA

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| IBAコード | サイト名 |
| 105 | 能郷白山、伊吹山地 |
| 116 | 大峰山脈、台高山脈 |
| 117 | 琵琶湖 |
| 118 | 冠島、沓島 |
| 119 | 大阪南港 |
| 120 | 二津野ダム |
| 121 | 氷ノ山 |
JP104 九頭竜川下流域(くずりゅうがわかりゅういき)
福井県:坂井市、福井市、あわら市
| 位置 | N 36°11′ E 136°11′ |
| 面積 | 7,500ha |
環境構成【河川/水田】

写真:柳町邦光
九頭竜川は福井県内最大の河川で、2番目に大きい日野川が合流する地点から下流域では中州が無く、開放水面のまま日本海に流れている。河口部にはヨットハーバーも建設されている。両岸にはヨシが茂り疎らな樹木林もあるが、河川敷の水田や畑が約50%を占める。この農耕地は海抜1m程度のため、冬期間は湿田になりガン、ハクチョウ類の採餌、休息場にもなっている。また、冬期には猛禽類も渡来する。しかし、流域の水田地帯も用水路のパイプライン化、圃場整備による乾田化により秋期~冬期の湿地環境が激減している。
湿田になっている河口部に近い河川敷の水田の大部分が耕作禁止となり、残された水田は秋期のシギ・チドリ類の中継地となっており、周辺では貴重な場所となっている。
流域の水田地帯では、道路や住宅、工場等の進出により、10年前に比してガン類の採餌場が狭められて、特に近年は採餌・休息個体数が一極集中化している。乾田化や麦・大豆・ソバ等の二毛作、また秋耕による二番穂の減少等がガン類の採餌環境をも狭めている。採餌物は晩秋から初冬期は落穂や蕎麦の実、二番穂等が主であるが、厳冬から早春期は麦葉が主となっているようだ。
選定理由
| A4i | マガン |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
<保護指定の内容>
県指定鳥獣保護区(加戸)
保全への脅威
- 水田の乾田化および大麦や大豆・ソバ等への転作により、餌の二番穂が少なくなっている。また大麦のロゼット葉が食い荒らされないように防鳥用の糸を張っている麦畑もある。
- 農耕地が工場や住宅地化しており、採餌する場所が狭められている。
- 道路の敷設で農耕地が分断され、マガン等が利用する場所が減少している。
*マガンとヒシクイは加賀市片野の鴨池をねぐらにしているため、毎朝日の出時刻ごろに採餌のためこのエリアに飛来する。
- このエリアは道路の敷設や建物の増設により採餌場所が狭められている。
- 餌となる二番穂が秋耕や刈り入れ期が遅くなっているため二番穂の育ちが遅く、餌が少なくなっている。
- 圃場整備により乾田化が進み、冬季の雪が消えにくくなった。また大麦の栽培が増え、ガンにより食害を防ぐため防鳥糸を張るところも出て来るようになった。結果として、ガン類が飛来する場所も狭くなり、飛来数も減少している。また、パイプライン化により冬季の水田の湛水ができず、休耕田も激減して、シギ・チドリはほとんど飛来できず、8月下旬の秋の渡り時期での確認は皆無に近くなった。
- 九頭竜川の堤防補強工事により、2015年より堤防の拡幅工事が進められたため、堤内地での水田耕作が禁止されて、耕作放棄地となり、ヨシおよび低木の繁茂により、マガンやコハクチョウ等の飛来が無くなった。チュウヒ等の猛禽類は増えたように思われる。
保全活動
- 環境管理:実施者(土地所有者 および 農業者)
- モニタリング調査:実施者(日本野鳥の会福井県)
飛来数の定期的なカウント
ガンカモ類の個体数一斉調査(年一回)
ガン類の飛来コースの調査
ガン・ハクチョウ類の採餌、休息場の場所と個体数の調査 - 環境教育活動:探鳥会の実施
ガン類の探鳥会(地元中学校の環境学習、日本野鳥の会福井県)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 839KB)
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JP103 白山(はくさん)
富山県:南砺市
石川県:金沢市、白山市
福井県:勝山市、大野市
岐阜県:郡上市、高山市、飛騨市、白川村
| 位置 | N 36°09′ E 136°46′ |
| 面積 | 119,000ha |
環境構成【森林】

写真:酒井輝夫
日本有数の豪雪地帯に位置し、人間の通年定住を許さなかった厳しい環境が、近年まで原生的な自然を保持し得た理由であり、山稜を覆う広大なブナ林をはじめとした原植生は、多様な動植物たちを育んできた。
植生の特徴は白山の頂上から登山口まで垂直に高山帯、亜高山帯、ブナ帯に分けて見られる。
白山の頂上、御前峰(ごぜんがみね 2702.2m)から標高2,300mの弥陀ヶ原、南龍ヶ馬場附近までが高山帯である。ここは環境が特に厳しく、ハイマツ帯、風衝地、雪田、高茎草原が点在する。
標高2,300mから1,500mは亜高山帯でダケカンバやアオモリトドマツが低木状に生育しており、急斜面では高茎草原やチシマザサ草原が見られる。標高1,500m以下登山口の1,000m附近は白山を特徴付けるブナ帯でブナ、ミズナラ、イタヤカエデ、オオカメノキ、チシマザサが生い茂り、豊かな落葉広葉樹林を形成している。
選定理由
| A3 | – |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
県指定鳥獣保護区(初河、三ノ峰、願教寺)、国立公園(白山)、都道府県立自然公園(白山一里野県立自然公園)、自然環境保全地域、保護林
保全への脅威
- 不十分な森林管理
- 大規模土木工事(砂防工事、林道、河川工事)
- 観光/リクリェーション施設拡充による生態系破壊
- 外来生物の蔓延
保全活動
- 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会石川)
内容:探鳥会 - モニタリング調査:実施者(日本野鳥の会石川)
内容:鳥類生息調査 - その他
保護活動(要望書の提出)(日本野鳥の会石川)
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JP102 小舞子海岸(こまいこかいがん)
石川県:白山市、能美市、小松市
| 位置 | N 36°29′ E 136°29′ |
| 面積 | 170ha |
環境構成【砂浜】
汀線に手取川河口から運ばれた礫が混ざる独特の海岸環境。手取川より西へ約2kmの範囲を総称する。砂丘にはハマナスなどの海岸植物も多く、後背にはクロマツ林が広がる。汀線によせる波の音の美しさから日本の渚百選にも選ばれた海岸。海水浴場として整備されており、夏は人でにぎわう。
選定理由
| A4i | ミユビシギ |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
保全への脅威
- 海岸の浸食
保全活動
- モニタリング調査:実施者(日本野鳥の会石川)
内容:シギチドリ類カウント、調査活動
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JP101 片野鴨池(かたのかもいけ)
石川県:加賀市
| 位置 | N 36°19′ E 136°18′ |
| 面積 | 100ha |
環境構成【開放水面/湿生草原】

写真:田尻浩伸
片野鴨池は海面の低下と陸地の隆起、流水の浸食によって形成された谷に水がたまって出来た場所で、ヒシやマコモ、ヨシといった水生植物が繁茂し、その周辺には松林、竹林等が広がっている。
江戸時代以降、春から夏にかけて水位を落とし、全体の面積の3分の2以上を水田として用いてきたため、湿地としての環境が維持されてきた。しかし、減反と高齢化によって水田耕作が行われなくなり、ヨシやウキヤガラが繁茂するようになった結果、植物遺骸の堆積により池が浅くなり、遷移も進行している。秋にはガンカモ類が利用する開水面を確保するため、地元住民らによる抽水植物の刈り倒しが行われている。
また、周辺からの土砂の流入も、池の水深が浅くなることに拍車をかけている。
選定理由
| A1 | トモエガモ |
| A4i | マガン |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(片野鴨池)、国定公園(越前加賀海岸国定公園)、自然環境保全地域
<その他>
ラムサール条約湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地、県指定天然記念物片野の鴨池
保全への脅威
- 土砂流入水質汚染
- 外来生物(アライグマ)による生態系の攪乱
- マガンの採餌飛行経路付近における風力発電施設建設
- 周辺の餌場環境(水田環境)の変化
保全活動
- 環境管理:
水田環境の維持(加賀市、鴨池観察館友の会)、ヨシの刈り取り(大聖寺捕鴨猟区協同組合) - 環境教育活動:
観察会等の普及活動(加賀市鴨池観察館)、坂網猟の普及(大聖寺捕鴨猟区協同組合) - モニタリング調査:
ガンカモ類の調査(加賀市鴨池観察館、日本野鳥の会石川、日本野鳥の会福井県) - その他:
冬期間の鴨池への立ち入り監視など(大聖寺捕鴨猟区協同組合)、鴨池の保全・活用についての議論(片野鴨池周辺地域保全整備連絡協議会)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 416KB)















