鳥インフルエンザと水鳥への給餌中止について

2008年12月24日掲載

高病原性鳥インフルエンザ対策として、水鳥類への給餌中止や自粛が広がっています。この結果、給餌場所で野鳥から人に鳥インフルエンザが容易に感染するかのような印象や、給餌は全て悪いことかのような誤解も生じています。
野鳥から人に鳥インフルエンザが感染したことはありませんし、ニワトリなど家禽への鳥インフルエンザ感染防止は養鶏場などでの防疫措置が重要です。

1.野鳥への給餌についての基本的な認識

(1)野生動物はペットではない
野鳥も含め野生動物は、自然の中で食べ物を探し生活しています。食べ物が見つからなかったり、気候の影響などで食べ物が少なかったりして死んでしまう動物もいますが、それも自然の営みです。日常的に給餌に依存し、まるで飼われているように生活するような状況は、野生動物本来の姿ではありません。

(2)絶滅のおそれがある場合には有効
野生動物にとって給餌が有効なのは、自然状態での採食が困難な場合、食物不足あるいは食物があっても実際に利用が困難な場合です。特に絶滅のおそれのある野鳥がこのような状態に陥っている場合に、保護のための一つの手段として給餌を行うことがあります。

(3)教育目的ではその後のステップが必要
環境教育の目的で、間近に野鳥の採食行動を見る手段として給餌を行う場合、野生動物の本来の生態を理解するための最初のステップと位置づけ、その後の道筋を用意しておくことが必要です。給餌によって野生動物と人の距離が縮まることは、観察が容易になる上に楽しいことでもありますが、給餌自体が目的とならないよう気をつけなければなりません。

(4)衛生管理と季節の限定、給餌量の制限が基本
自宅で個人的に野鳥に親しむための餌台も含め、衛生管理は重要です。野鳥を病気から守るためにも、給餌場所の食べ残しや糞はこまめに掃除し、餌も傷んだりしないように清潔に管理することが必要です。また餌台など野鳥に親しむための給餌は、自然界に食物が乏しくなる冬季に限り、餌の量も過剰にならないよう制限することが基本です。

(5)食害の防除では注意が必要
農作物の食害への対策として、給餌を行う場合があります。廃棄されるような穀物などを与えることで、高価な作物が食べられないようにする効果がありますが、生息密度の増大や人なれを引き起こし、被害を大きくする要因にもなるので注意が必要です。

2.給餌が引き起こす問題

(1)環境負荷の増大
同一の場所で継続的に大量に給餌すると、食べ残しや野鳥の糞により、有機物や栄養塩類の過度な蓄積、水質汚濁を引き起こします。

(2)栄養の偏り
人工的な餌には、自然の餌が備えているべき栄養素が欠けており、これに強く依存することで結果として野鳥が不健康な状態に陥ることがあります。

(3)野鳥の生態をゆがめる
質的・量的な把握や統制ができない場所で行う給餌は、狭い地域に特定の種や個体を集中させてしまい、野鳥の生態、行動をゆがめてしまうおそれがあります。

(4)事故や密猟の増加
給餌を受けた野鳥が、人や人間環境に対する危険認識を低下させるおそれがあります。交通事故の発生や人なれした野鳥が密猟された事例もあります。

(5)感染症のリスク拡大
北海道で2006年冬季に発生したスズメの大量死は、サルモネラ菌の一種の感染が原因である可能性が指摘されており、給餌によってこのような感染症が広がることも懸念されます。

(6)ペット化の進行
給餌する人が野生動物の本来の生態を見失い、野生動物をペットと同一視するようになってしまうおそれがあります。

(7)食害の増大
人を恐れなくなることによって、農地への侵入を容易に起こすことになり、農作物被害が増えることがあります。

3.鳥インフルエンザと野鳥への給餌

(1)鳥インフルエンザは家禽で変異
世界各地で被害が出ている鳥インフルエンザは「強毒の高病原性」タイプで、これはニワトリなど家禽の間で感染を繰り返すうちに突然変異で生じたと考えられています。野生の水鳥などが普通に持っているのは「低病原性」という違うタイプで、これは古来から自然界に存在していたと考えられます。

(2)野鳥から人への感染例はない
野鳥から人へ鳥インフルエンザが感染した例は、世界でもありません。ウイルスと適合するたんぱく質が鳥とは違うため簡単には感染しないのです。尊い人命が失われたのは、ニワトリを飼っていて糞の粉塵を吸い込んだり、食用に処理する時に血液がかかるなどして、ウイルスを大量に取り込んだ特殊な例と考えられています。人への鳥インフルエンザ感染防止として、野鳥への給餌を中止することは意味がありません。

(3)ニワトリなどへの拡大防止は衛生管理で
養鶏場などでニワトリへの鳥インフルエンザ感染防止のためには、その養鶏場での衛生管理、防疫措置が最も重要と考えられます。また給餌場所でも、給餌物や糞が残らないような給餌量制限や清掃、野鳥と人の移動場所を分離して混在しないようにするなどで、ニワトリなどへの感染拡大防止につながります。

稚内大沼での高病原性鳥インフルエンザウイルスの確認について

2010年11月17日掲載

北海道稚内大沼で鳥インフルエンザウイルスがカモの糞の中から見つかりましたが、野鳥の大量死は起きていません。今注意が必要なことは、水辺の野鳥の糞からウイルスを養鶏場などに持ち込まないことです。
通常、鳥インフルエンザが人に感染することはなく、野鳥を恐れる必要はありません。バードウォッチングをお楽しみください。
万一、野鳥の大量死を発見した場合は、手を触れずに。保健所等に通報してください。

稚内大沼で強毒性鳥インフルエンザウイルスが確認されました

10月14日に北海道稚内市大沼で、回収されたカモの糞便から、強毒性の高病原性鳥インフルエンザウイルス確認されました。北海道大学が独自に行なっている調査で、採取された183検体の内、2検体から見つかったものです。10月26日に環境省から公表されました。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13069

*強毒性:
ニワトリへ感染すると発症して死にいたるものを言う。ニワトリ以外では発症しない場合がある。
*高病原性鳥インフルエンザ・ウイルス:
A型インフルエンザ・ウイルスのうち、家畜衛生伝染病予防法で定義されている、強毒性になる可能性のあるH5亜型およびH7亜型のウイルス

野鳥では異常は認められません

強毒性ウイルスの検出を受けて、環境省および地元自治体は、大沼周辺で、野鳥に異常がないかの監視を行っていますが、今までのところ鳥インフルエンザが原因と考えられる野鳥の死亡は確認されていません。また、全国的にも監視体制が強化されていますが、現在のところ野鳥の異常な大量死の情報はありません。

人への感染を恐れる必要はありません

鳥インフルエンザは、感染した鳥との濃密に接触する等の特殊な場合をのぞいて、通常人には感染しないと考えられています。現在、稚内大沼周辺は立ち入りが規制されていますが、これは靴底や車などに糞便が付着して、ウイルスがニワトリ等の家禽へ広まることを避ける措置です。
世界的に見ても、野鳥から人へ鳥インフルエンザが感染した例はこれまでにありません。鳥インフルエンザは、「強毒性」であっても人へ簡単には感染しないのです。これは、ウイルスへの適合性があるたんぱく質の種類が鳥と人では違うためです。
アジアでは、鳥インフルエンザが家禽から人へ感染して尊い人命が失われています。これらの感染例は、飼っていたニワトリのフンの粉塵を吸い込んだり、食用に処理する時に鳥の血液がかかるなどして、ウイルスを大量に取り込んでしまった、特殊な例と考えられています。
川や池のカモ、ベランダのハト、庭の餌台に来る小鳥、ゴミ置き場のカラスなど野鳥は身近にいますが、普通に人と野鳥が接している限り、感染につながる大量のインフルエンザウイルスの取り込みはまず考えられません。そのため、世界的にも野鳥から人への感染は発生していないのです。

今、注意しなければならないこと

鳥インフルエンザへの対応で気をつけなければならないことは、アヒルやニワトリなどの家禽への感染です。家禽は狭い場所で高密度に飼育されているため、急速に感染を繰り返し、大量死につながることがあります。また、発生が起こった鶏舎などでは、法律によって家禽が処分されるため、経済的な影響も大きくなってしまいます。
もともとカモ類は鳥インフルエンザに対して耐性がありウイルスを持っていても発症しない場合が多いと考えられます。冬の渡りの初期に当たる現時点で、カモ類の糞便から強毒性の鳥インフルエンザウイルスが見つかったことから、日本全国の水辺に強毒性のウイルスを持ったカモが飛来する可能性があります。
家禽への感染で最も懸念されるのは、人間によるウイルスの運搬です。これを防ぐために、カモ類など水鳥の糞が多量に蓄積しているような場所には、立ち入らないこと、糞を踏んだ場合は、靴底を水洗いするなどの配慮が必要です。
一方で、適度な距離をおいて水鳥を観察するのは、問題ありません。

死んでいる野鳥を見つけたときは

もしたくさんの野鳥が死んでいるのを見つけたときは、死体には触らないで、お近くの警察、家畜保健衛生所、保健所に連絡してください。

野鳥は、食物にありつけなかったり、悪天候というような環境の変化でも死んでしまいます。これは自然の中で起こる普通のことですから、野鳥の死体を発見したからといって、ただちに鳥インフルエンザを疑う必要はありません。
しかし、野鳥が一ヶ所でたくさん死んでいたら、それは何か特別な原因の可能性があります。国内でもこれまでに、農薬などの薬物によるものや、汚れた餌や水による食中毒による大量死のケースが知られています。鳥インフルエンザが発症しやすい鳥が感染した場合には死亡することがありますから、念のため注意してください。

強毒の鳥インフルエンザ感染発生に対して

強毒の鳥インフルエンザ感染発生に対して

2010年12月27日掲載
2011年2月16日修正

10月に北海道の稚内でカモ類の糞から強毒の鳥インフルエンザウイルスが見つかって以来、島根県安来市の養鶏場、鳥取県米子市のコハクチョウ、富山県高岡市のコブハクチョウと感染が起こり、ついに世界最大のナベヅルの越冬地である鹿児島県出水市でナベヅルに感染が起こりました。養鶏業に打撃を与えるだけでなく、野鳥に対する大きな脅威ともなっています。
今回の発生は、隣国での大規模発生に続いて起こった過去の発生とは異なり、周辺各国での大規模発生は無く、野鳥や野外飼育の鳥での発生が主であることが特徴です。強毒性のウイルスでも発症しにくいカモ類が国外から日本各地にウイルスを持ち込んでいることを想定せざるを得ない状況にあります。とは言っても感染は散発的であり、出水市を除いては、長く続くこともありません。ウイルスを持っているとしても、それは多くはないと考えられます。
出水市には、狭い地域に多くのツルたちが生息し、病気が発生すると次々に感染が起こり、深刻な被害が起こることが懸念されていました。強毒性のウイルスがいつ入ってくるかわからない現在、特定の場所に多くの鳥が集中しないようにしてゆかなければなりません。
鳥インフルエンザは、鳥の病気ですので、バードウォッチングなど鳥から離れて観察する場合、人に感染する心配をする必要はありません。ただし、ウイルスを持ち帰らないように、カモなど水鳥が集まる水際はなるべく歩かないようにし、もし歩くようなことがあったら、靴底を洗うことと養鶏場や動物園など鳥を飼っている近くには行かないよう注意してください。

2010年の強毒性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)感染発生の状況

2010年は、東アジア地域で次のように強毒の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)の感染が発生しています。

10月14日
北海道稚内大沼 カモ類糞(10月26日確定)
11月26日
韓国イクサン市 マガモ 1羽
韓国ソサン市 ワシミミズク 1羽
11月27日
島根県安来市 養鶏場 (ニワトリ)
11月29日
韓国ソサン市 ワシミミズク 1羽
12月4日
鳥取県米子市安倍 コハクチョウ 1羽
(12月18日 ウイルス確認・発表)
12月10日-18日
富山県高岡市 コブハクチョウ 6羽 高岡古城動物園
濠で飼育 (12月18日 疑い発表 19日 強毒性確認発表)
12月18日
香港 ニワトリ(飼育鳥)
12月15日~24日
鹿児島県出水市 ナベヅル 6羽

東アジア地域の広い範囲で感染が発生し、野鳥からの確認が多いのがこのシーズンの特徴です。強毒のウイルスが広い範囲に拡散していることが推測されます。ただし、感染発生は散発的であり、出水市を除いて終息しています。


2010年に東アジア地域で確認されている鳥類の強毒性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)発生場所
(日付は、その場所・地域で最初に確認された月日)

ウイルスは、どこから来たのか

強毒性の鳥インフルエンザウイルスの感染ルートはまだ解明されていませんが、ロシアや中国、モンゴル、アラスカなどの大陸でウイルス密度が高い地域があり、そこが渡り鳥の飛来ルートと重なった可能性も考えられます。カモ類の国内への飛来は、繁殖地のロシア東部などから①日本海を越える直接ルート、②中国東北部や朝鮮半島などの中継地を経由したルートが想定されます。大陸ではワクチンを家禽に接種している国があるので、鶏やアヒル、ガチョウなどはウイルスに感染しても症状は出ませんから、知らないうちにウイルスが増えて水に流れ出し、渡り鳥も触れるようになった可能性も考えられます。
カモ類は強毒性ウイルスに感染しても症状が現れにくく、ウイルスを持ったまま移動できると考えられます。感染し、体内でウイルスを保持したカモ類の糞に含まれたウイルスに水辺で触れたコブハクチョウやツル類などが感染したという推測ができます。
島根県安来市の養鶏場は、水鳥類の飛来数が多い中の海の湖岸と飯梨川の間に位置していました。養鶏場には、スズメやネズミなど小型の野鳥や小動物が侵入可能な場所があり、ここからウイルスに感染した可能性が検討されています。

ナベヅルへの感染について

絶滅危惧種(絶滅危惧Ⅱ類)であるナベヅル・マナヅルが出水平野に集中して越冬している状況の危険性は、以前から当会でも指摘してきたところです。独自の越冬地分散の取り組みも行っておりますが、成果が出ないうちに懸念していた事態が発生したという状況です。

http://www.wbsj.org/nature/kisyou/crane/index.html

出水では、ツルへの被害の拡大を最小限に努めるとともに、養鶏場などへのウィルスの伝搬を防ぐ両面での対策が必要です。環境省を始めとした関係機関と協議を進めて取り組んでまいります。

人への感染を恐れる必要はありません

鳥インフルエンザの強毒性という意味は、ニワトリにかかるとかなりの確率で死亡するという意味です。感染した鳥との濃密に接触する等の特殊な場合をのぞいて、通常人には感染しないと考えられています。一般的な注意点は、環境省より国民の皆様へということで「野鳥との接し方について」(平成22年12月4日)が出されております。

http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/manual/20101204.pdf

気をつけなければいけないのは、人間によるウイルスの運搬です。これを防ぐために、カモ類など水鳥の糞が多量に蓄積しているような場所には、立ち入らないこと、糞を踏んだ場合は、靴底を水洗いや消毒するなどの配慮が必要です。
一方で、適度な距離をおいて水鳥を観察することは問題ありません。観察の際に、衰弱したり、様子のおかしい個体を発見した際には、お近くの都道府県や市町村役場にご連絡ください。

水鳥類の越冬保全の必要性

強毒性のウイルスは、カモ類など水鳥類が運んできている可能性があります。狭い地域に多くの鳥が集中するような状況では、一度に多くの鳥が感染して強毒性ウイルスが急速に増殖し、野鳥にも家禽にも大きな被害を与える恐れがあります。水鳥類が少数の群れで各地に分散していれば、ウイルスが侵入しても感染個体が少なく、早期に感染が終息することが期待できます。大規模集中渡来から、小規模分散渡来地への移行は、人のインフルエンザ流行時に、学級閉鎖で自宅待機をするようなものです。「ふゆみずたんぼ」など全国で水鳥類の保全活動が進んでいますが、このような保全活動により薄く広く越冬個体が分散して保全されることが、これからはより重要になると言えます。

強毒の鳥インフルエンザ感染発生に対して

2010年12月27日掲載
2011年2月16日修正

10月に北海道の稚内でカモ類の糞から強毒の鳥インフルエンザウイルスが見つかって以来、島根県安来市の養鶏場、鳥取県米子市のコハクチョウ、富山県高岡市のコブハクチョウと感染が起こり、ついに世界最大のナベヅルの越冬地である鹿児島県出水市でナベヅルに感染が起こりました。養鶏業に打撃を与えるだけでなく、野鳥に対する大きな脅威ともなっています。
今回の発生は、隣国での大規模発生に続いて起こった過去の発生とは異なり、周辺各国での大規模発生は無く、野鳥や野外飼育の鳥での発生が主であることが特徴です。強毒性のウイルスでも発症しにくいカモ類が国外から日本各地にウイルスを持ち込んでいることを想定せざるを得ない状況にあります。とは言っても感染は散発的であり、出水市を除いては、長く続くこともありません。ウイルスを持っているとしても、それは多くはないと考えられます。
出水市には、狭い地域に多くのツルたちが生息し、病気が発生すると次々に感染が起こり、深刻な被害が起こることが懸念されていました。強毒性のウイルスがいつ入ってくるかわからない現在、特定の場所に多くの鳥が集中しないようにしてゆかなければなりません。
鳥インフルエンザは、鳥の病気ですので、バードウォッチングなど鳥から離れて観察する場合、人に感染する心配をする必要はありません。ただし、ウイルスを持ち帰らないように、カモなど水鳥が集まる水際はなるべく歩かないようにし、もし歩くようなことがあったら、靴底を洗うことと養鶏場や動物園など鳥を飼っている近くには行かないよう注意してください。

2010年の強毒性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)感染発生の状況

2010年は、東アジア地域で次のように強毒の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)の感染が発生しています。

10月14日
北海道稚内大沼 カモ類糞(10月26日確定)
11月26日
韓国イクサン市 マガモ 1羽
韓国ソサン市 ワシミミズク 1羽
11月27日
島根県安来市 養鶏場 (ニワトリ)
11月29日
韓国ソサン市 ワシミミズク 1羽
12月4日
鳥取県米子市安倍 コハクチョウ 1羽
(12月18日 ウイルス確認・発表)
12月10日-18日
富山県高岡市 コブハクチョウ 6羽 高岡古城動物園
濠で飼育 (12月18日 疑い発表 19日 強毒性確認発表)
12月18日
香港 ニワトリ(飼育鳥)
12月15日~24日
鹿児島県出水市 ナベヅル 6羽

東アジア地域の広い範囲で感染が発生し、野鳥からの確認が多いのがこのシーズンの特徴です。強毒のウイルスが広い範囲に拡散していることが推測されます。ただし、感染発生は散発的であり、出水市を除いて終息しています。


2010年に東アジア地域で確認されている鳥類の強毒性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)発生場所
(日付は、その場所・地域で最初に確認された月日)

ウイルスは、どこから来たのか

強毒性の鳥インフルエンザウイルスの感染ルートはまだ解明されていませんが、ロシアや中国、モンゴル、アラスカなどの大陸でウイルス密度が高い地域があり、そこが渡り鳥の飛来ルートと重なった可能性も考えられます。カモ類の国内への飛来は、繁殖地のロシア東部などから①日本海を越える直接ルート、②中国東北部や朝鮮半島などの中継地を経由したルートが想定されます。大陸ではワクチンを家禽に接種している国があるので、鶏やアヒル、ガチョウなどはウイルスに感染しても症状は出ませんから、知らないうちにウイルスが増えて水に流れ出し、渡り鳥も触れるようになった可能性も考えられます。
カモ類は強毒性ウイルスに感染しても症状が現れにくく、ウイルスを持ったまま移動できると考えられます。感染し、体内でウイルスを保持したカモ類の糞に含まれたウイルスに水辺で触れたコブハクチョウやツル類などが感染したという推測ができます。
島根県安来市の養鶏場は、水鳥類の飛来数が多い中の海の湖岸と飯梨川の間に位置していました。養鶏場には、スズメやネズミなど小型の野鳥や小動物が侵入可能な場所があり、ここからウイルスに感染した可能性が検討されています。

ナベヅルへの感染について

絶滅危惧種(絶滅危惧Ⅱ類)であるナベヅル・マナヅルが出水平野に集中して越冬している状況の危険性は、以前から当会でも指摘してきたところです。独自の越冬地分散の取り組みも行っておりますが、成果が出ないうちに懸念していた事態が発生したという状況です。

http://www.wbsj.org/activity/conservation/endangered-species/crane-hogo/

出水では、ツルへの被害の拡大を最小限に努めるとともに、養鶏場などへのウィルスの伝搬を防ぐ両面での対策が必要です。環境省を始めとした関係機関と協議を進めて取り組んでまいります。

人への感染を恐れる必要はありません

鳥インフルエンザの強毒性という意味は、ニワトリにかかるとかなりの確率で死亡するという意味です。感染した鳥との濃密に接触する等の特殊な場合をのぞいて、通常人には感染しないと考えられています。一般的な注意点は、環境省より国民の皆様へということで「野鳥との接し方について」(平成22年12月4日)が出されております。

http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/manual/20101204.pdf

気をつけなければいけないのは、人間によるウイルスの運搬です。これを防ぐために、カモ類など水鳥の糞が多量に蓄積しているような場所には、立ち入らないこと、糞を踏んだ場合は、靴底を水洗いや消毒するなどの配慮が必要です。
一方で、適度な距離をおいて水鳥を観察することは問題ありません。観察の際に、衰弱したり、様子のおかしい個体を発見した際には、お近くの都道府県や市町村役場にご連絡ください。

水鳥類の越冬保全の必要性

強毒性のウイルスは、カモ類など水鳥類が運んできている可能性があります。狭い地域に多くの鳥が集中するような状況では、一度に多くの鳥が感染して強毒性ウイルスが急速に増殖し、野鳥にも家禽にも大きな被害を与える恐れがあります。水鳥類が少数の群れで各地に分散していれば、ウイルスが侵入しても感染個体が少なく、早期に感染が終息することが期待できます。大規模集中渡来から、小規模分散渡来地への移行は、人のインフルエンザ流行時に、学級閉鎖で自宅待機をするようなものです。「ふゆみずたんぼ」など全国で水鳥類の保全活動が進んでいますが、このような保全活動により薄く広く越冬個体が分散して保全されることが、これからはより重要になると言えます。

出水市西干拓、東干拓での野鳥の観察や撮影は、当面自粛してください

2011年1月14日掲載


現在、鹿児島県の出水市内において高病原性鳥インフルエンザが発生したことに伴い、出水市により西干拓、東干拓の通行制限が行われており、一般の車両は立ち入りができません。ツル観察センターも休館となっています。

これは、高病原性鳥インフルエンザのウイルスが人の通行により他地域へ拡散され、養鶏業等に被害が発生するのを防止するための措置です。
しかし、残念なことに、交通規制区域への出入りの際に行う消毒のためのポイント以外の道から、規制区域内に侵入する観光、バードウォッチング、撮影目的らしき人の車両がたびたび目撃されているとのことです。
鳥インフルエンザは、人間に感染するリスクはほとんどありませんが、車や靴底にウイルスが付着し、これが区域外に持ち出されると、ニワトリ等への感染により、周辺の養鶏業に大打撃を与える恐れがあります。特に出水市は国内有数の養鶏業地帯であり、128戸で400万羽近くのニワトリが飼育されています。ニワトリに高病原性鳥インフルエンザが発生すれば、これらが処分されることになってしまいます。こうした事態は絶対に避けなければいけません。
一部の人の心無い行為が、地域社会を大混乱に陥れるおそれがあります。交通規制区域内での野鳥の観察や撮影は、当面自粛ください。

なお交通規制の詳しい区域の地図や今後の規制解除のお知らせについては、出水市のホームページをご覧ください。

出水市「通行をご遠慮ください」


関係者等で許可を得て規制区域に出入りする車両には、念入りな消毒が行われています。

北海道における当会の鳥インフルエンザへの対応について

2011年1月25日掲載

10月に北海道稚内(大沼)でカモ類の糞から強毒性の鳥インフルエンザウィルスが確認されて以降、当会レンジャーを配置している北海道内のウトナイ湖(苫小牧市)、雪裡川周辺(釧路地方鶴居村)、風蓮湖周辺(根室市他)の3地域について、独自に巡回調査を行っています。
ウトナイ湖や風蓮湖は、ガン、カモ、ハクチョウ類の重要な中継地となっており、現在も越冬個体がいるため、鳥インフルエンザが発生した場合、深刻な被害が起こることが懸念されます。また、鶴居村(釧路地方)は、400羽を超えるタンチョウの越冬地になっているため、こちらも大きな問題に発展する可能性があります。

巡回調査の対象は、ハクチョウ類、カモ類、タンチョウの水鳥に加えて、ワシ類、カラス等ですが、これまでのところ衰弱個体等は出ていません。

なお、環境省の発表のとおり、北海道浜中町で、衰弱して回収されたオオハクチョウ等から1月22日に強毒性の鳥インフルエンザウィルスが確認されたため、今後も継続して現地レンジャーによる巡回調査を行います。

巡回調査をおこなっている地域

  • ウトナイ湖(苫小牧市)
    当会直営のウトナイ湖サンクチュアリのレンジャーが、ウトナイ湖北岸一帯を巡回調査しています。
  • 雪裡川他(せつりがわ・鶴居村)
    当会直営の鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリのレンジャーが、鶴居村内のタンチョウのねぐらとなっている河川周辺を巡回調査しています。
  • 風蓮湖他(ふうれんこ・根室市、別海町)
    春国岱原生野鳥公園に配置している当会レンジャーが、風蓮湖の巡回調査をしています。また、当会のタンチョウを対象とした野鳥保護区の巡回調査もおこなっています。

鳥インフルエンザと餌台について

2011年2月1日掲載

鳥インフルエンザ 餌台の野鳥を怖がる必要はありません

全国で、水鳥などの野鳥やニワトリで高病原性の鳥インフルエンザの発生が続いていますが、家の庭などの餌台での野鳥から人への感染を恐れる必要はありません。

鳥インフルエンザは、「強毒の高病原性」であっても人へ簡単に感染することはありません。これは、ウイルスへの適合性があるたんぱく質の種類が鳥と人では違うためです。
アジアでは、鳥インフルエンザがニワトリなどの家禽から人へ感染して尊い人命が失われています。これらの感染例は、飼っていたニワトリのフンの粉塵を吸い込んだり、食用に処理する時に鳥の血液がかかるなどして、ウイルスを大量に取り込んでしまった特殊な例と考えられています。
川や池のカモ、ベランダのハト、庭の餌台に来る小鳥、ゴミ置き場のカラスなど、野鳥は私たちの身近にいますが、通常の生活において、人と野鳥が接する中で、感染につながるような大量のウイルスの取り込みはまず考えられません。

餌台は清潔に

今シーズンは、複数の地点において野鳥からも高病原性の鳥インフルエンザのウイルスが見つかっています。ウイルスが見つかっている野鳥は現状ではすべて水鳥ですが、小鳥などがウイルスを持っている可能性も否定できません。もし鳥インフルエンザのウイルスを持った個体が餌台にやってきた場合、衛生管理が不十分な環境下では、野鳥間で感染を引き起こす可能性もあります。
2005年から2006年にかけて北海道で発生したスズメの大量死において、餌台でのサルモネラ菌への感染が原因であった可能性が指摘されているように、鳥インフルエンザに限らず、食べ残しの餌やたまった糞を介して野鳥の間で感染症が起こる可能性もあります。
こうした事態を防ぐためにも、日頃から餌台を清潔に保つ必要があります。

■具体的な餌台の管理について
http://www.wbsj.org/activity/conservation/infection/inf-birdfeeder
※なお、餌台の清掃等で、糞などに触れた場合には、うがいと手洗いを十分行うようにしてください。

近隣で鳥インフルエンザが発生した場合

もし、ご自宅の近く(10キロ圏内が目安)で、野鳥から高病原性鳥インフルエンザが確認された場合、給餌を自粛することが望ましいと考えられます。これは、人間の間でもインフルエンザが流行った際に、極力人ごみに出ないようにすることが推奨されるのと同様で、野鳥の場合も近くで鳥インフルエンザが発生している場合は、むやみに鳥を集めないほうが野鳥のために安全だからです。

注)鹿児島県出水市で高病原性鳥インフルエンザの発生後も、ツルへの給餌が継続されている理由は、給餌の中止により、逆にウイルスを持っている可能性のあるツルを分散させて感染を拡大させてしまうことが心配されているためです。

もし、餌台で死んだ鳥などを見つけた場合

餌台で、野鳥の死体を発見した場合には、素手では触らないようにしてください。野生の動物は、様々な病原菌や寄生虫を保持している場合があります。また、複数の個体が原因不明で死亡した場合は、お近くの都道府県や市町村役場にご連絡ください。

高病原性鳥インフルエンザの発生状況(2011年2月27日現在)

2011年3月1日掲載

農林水産省と環境省の情報によれば、高病原性鳥インフルエンザは、家禽や飼育鳥も含めて20道府県で発生が確認されています。野鳥では14道府県において強毒の高病原性ウイルスが確認されています。ウイルスが確認されている種類は下記のとおりで、種名まではっきりしているのは13種です。前回更新以降、鳥取県と宮崎県で新たな感染の確認がありました。また、確定検 査中ですが新たな種としてカンムリカイツブリでH5亜型への感染例が出ています。

強毒の高病原性ウイルス(H5N1亜型)が確認された種

カイツブリ 兵庫県、宮崎県
アオサギ 大分県
オオハクチョウ 北海道
コハクチョウ 福島県、鳥取県
オシドリ 高知県、長崎県、大分県、宮崎県
オナガガモ 北海道
ホシハジロ 兵庫県、鳥取県
キンクロハジロ 福島県、鳥取県、島根県、山口県
スズガモ 北海道
ハヤブサ 栃木県、京都府、長崎県、宮崎県、鳥取県
ナベヅル 鹿児島県
ユリカモメ 鳥取県
フクロウ 徳島県
種不明のスズガモ属 北海道
種不明のカモ類(糞) 北海道
<野外で逃げ出したものが観察されることもある飼育種>
*コブハクチョウ 富山県、兵庫県
*コクチョウ 山口県

なおハシブトガラス(大分県)は2月9日に高病原性(H5亜型)と発表されていましたが、その後の詳細検査の結果、陰性であることが確認されています。

【詳しい情報は環境省、各道県のホームページでご確認ください。】

高病原性鳥インフルエンザの野鳥、屋外飼育鳥における発生状況(2010-2011年)

更新日:2011年2月28日
(環境省、農林水産省、道府県の情報をもとに日本野鳥の会が作成)

都道府県 市町村等 種類(*は屋外飼育鳥) 死亡個体数等 回収日 H5亜型
確認
H5N1亜型
確認
備考
北海道 稚内市大沼 カモ類糞   10月14日   10月26日  
鳥取県 米子市安倍 コハクチョウ 1 12月4日   12月18日  
富山県 高岡市高岡古城動物園 *コブハクチョウ 6 12月10日 12月19日 12月21日 12/10~12/18で6羽死亡
鹿児島県 出水市東干拓 ナベヅル 1 12月15日 12月20日 12月24日  
鹿児島県 出水市東干拓 ナベヅル 1 12月18日 12月20日 12月24日  
鹿児島県 出水市江内柳ヶ水橋下 ナベヅル 1 12月20日 12月20日 12月27日  
鹿児島県 出水市西干拓 ナベヅル 1 12月20日 12月21日 12月27日  
鹿児島県 出水市荒崎ねぐら ナベヅル 1 12月21日 12月21日 12月27日  
鹿児島県 出水市東干拓ねぐら近く ナベヅル 1 12月24日 12月20日 1月12日  
福島県 郡山市豊田町浄水場 キンクロハジロ 1 1月4日 1月13日 1月19日  
福島県 郡山市豊田町浄水場 キンクロハジロ 2 1月5日 1月13日 1月19日 1羽のみ確認済み
福島県 郡山市豊田町浄水場 キンクロハジロ 1 1月7日   1月21日  
福島県 郡山市豊田町浄水場 キンクロハジロ 3 1月10日   1月20日 1羽のみ確認済み
北海道 浜中町丸山散布・火散布 オオハクチョウ 1 1月12日   1月23日  
兵庫県 伊丹市瑞ヶ池 ホシハジロ 1 1月12日   1月28日  
島根県 松江市玉造 キンクロハジロ 1 1月14日 1月21日 1月25日  
北海道 浜中町丸山散布・火散布 スズガモ属 1 1月17日   1月23日  
北海道 浜中町丸山散布・火散布 オオハクチョウ 1 1月18日   1月23日  
北海道 浜中町丸山散布 オオハクチョウ 1 1月19日   1月22日  
北海道 浜中町丸山散布・火散布 オナガガモ 1 1月19日   1月23日  
鳥取県 米子市赤井手 ユリカモメ 1 1月19日   2月1日  
福島県 郡山市豊田町浄水場 キンクロハジロ 1 1月23日   1月31日  
鳥取県 米子市夜見町 キンクロハジロ 1 1月24日   2月1日  
兵庫県 伊丹市瑞ヶ池 カイツブリ 1 1月25日 1月25日 1月28日  
高知県 仁淀川町 オシドリ 1 1月25日   1月31日  
北海道 浜中町琵琶瀬(新川) オオハクチョウ 1 1月28日   2月1日  
長崎県 長崎市宮崎町川原大池公園 オシドリ 2 1月31日 2月4日 2月6日  
鳥取県 米子市車尾 キンクロハジロ 1 1月31日 2月20日   遺伝子検査の結果A型陽性
宮崎県 延岡市北川町大字川内名水無谷川 オシドリ 1 2月1日 2月5日 2月12日  
鳥取県 大山町所子 キンクロハジロ 1 2月1日 2月20日 2月28日  
宮崎県 西都市穂北 ハヤブサ 1 2月2日 2月2日 2月12日  
北海道 浜中町火散布 オオハクチョウ 1 2月3日   2月8日  
鳥取県 米子市西町(中海護岸) ホシハジロ 1 2月3日 2月20日 2月28日  
鳥取県 境港市米川町 キンクロハジロ 1 2月4日 2月20日   遺伝子検査の結果A型陽性
山口県 宇部市常盤公園 キンクロハジロ 1 2月6日   2月12日  
鳥取県 米子市東福原 ハヤブサ 1 2月6日 2月20日 2月28日  
北海道 浜中町丸山散布 スズガモ 1 2月7日   2月14日  
大分県 中津市耶馬溪町 オシドリ 1 2月7日 2月9日 2月17日  
鳥取県 米子市車尾 オナガガモ 1 2月7日 2月20日   遺伝子検査の結果A型陽性
大分県 中津市耶馬溪町 オシドリ 2 2月8日 2月9日 2月17日  
徳島県 那賀町臼ケ谷の那賀川支流 フクロウ 1 2月8日 2月9日 2月17日  
宮崎県 東臼杵郡諸塚村大字家代字南川 カイツブリ 1 2月8日 2月9日 2月17日  
山口県 宇部市常盤公園 *コクチョウ  1 2月9日   2月16日  
大分県 大分市緑が丘付近のため池 オシドリ 1 2月9日 2月9日 2月20日  
福島県 福島市宮下町 県立橘高校屋上 コハクチョウ 1 2月10日 2月10日 2月15日  
大分県 中津市耶馬溪町 オシドリ 1 2月10日 2月11日    
兵庫県 加東市木梨状ヶ池公園 *コブハクチョウ 1 2月11日 2月11日 2月16日  
宮崎県 宮崎市大字熊野 宮崎県総合運動公 ハヤブサ 1 2月11日 2月12日 2月20日  
大分県 豊後大野市千歳町 オシドリ 1 2月11日 2月12日    
長崎県 諫早市有喜町 ハヤブサ 1 2月12日 2月14日 2月20日  
鹿児島県 出水市荒崎ねぐら ナベヅル 1 2月13日 2月14日 2月20日  
栃木県 宇都宮市徳次郎町 ハヤブサ 1 2月14日 2月19日 2月21日  
宮崎県 日南市瀬貝2丁目の市道 オシドリ 1 2月14日 2月18日 2月22日  
宮崎県 延岡市平原3丁目 ハヤブサ 1 2月15日 2月16日 2月22日  
大分県 大分市上戸次の採石場内にある池 アオサギ 1 2月16日 2月16日 2月22日  
京都府 精華町京阪奈記念公園 ハヤブサ 1 2月16日 2月16日 2月22日  
北海道 厚岸町奔渡 オオハクチョウ 1 2月17日   2月21日  
宮崎県 宮崎市加江田 オシドリ 1 2月18日 2月19日 2月25日  
兵庫県 西宮市今津西浜町 カンムリカイツブリ 1 2月22日 2月24日    

周辺国における高病原性鳥インフルエンザの発生状況(2011年2月27日現在)

2011年3月1日掲載

国際獣疫事務局(OIE)および農林水産省の情報によれば、高病原性鳥インフルエンザは、国内だけでなく、近アジア8ヶ国においても家禽や野鳥で発生が確認されています。野鳥では、韓国および香港から高病原性の鳥インフルエンザが確認されています。

2010年11月以降強毒性の鳥インフルエンザが確認された国

バングラデシュ 家禽
ミャンマー 家禽
カンボジア 家禽
インドネシア 家禽
ベトナム 家禽
香港 家禽・野鳥
韓国 家禽・野鳥
日本 家禽・野鳥

【詳しい情報は環境省、各道県のホームページでご確認ください。】

高病原性鳥インフルエンザのアジアの野鳥における発生状況(2010年11月以降)

国名 発生日* 場所 死亡数
韓国 2010/11/29 忠清南道瑞山(ソサン)市 ワシミミズク 2
韓国 2010/11/29 全羅北道益山(イクサン)市 マガモ 1
韓国 2010/12/22 全羅南道海南(ヘナム)郡 マガモ 20
韓国 2010/12/22 全羅南道海南(ヘナム)郡 トモエガモ* 74
韓国 2010/12/26 慶尚南道泗川(サチョン)市 マガモ 1
韓国 2010/12/30 慶尚南道泗川(サチョン)市 オシドリ 1
韓国 2010/12/31 慶尚南道泗川(サチョン)市 マガモ 1
香港 2011/1/17 Fairview Park, Yuen Long シキチョウ 1
香港 2011/1/18 Tai O, Lantau Island ハシブトガラス 1
香港 2011/1/24 Lantau Island ユリカモメ 1

*発生日はOIE発表資料によった。
*トモエガモの情報は、OIEでは未掲載

高病原性鳥インフルエンザの発生状況(2011年3月4日現在)

2011年3月4日掲載

農林水産省と環境省の情報によれば、高病原性鳥インフルエンザは、家禽や飼育鳥も含めて19道府県で発生が確認されています。野鳥では15道府県において強毒の高病原性ウイルスが確認されています。ウイルスが確認されている種類は下記のとおりで、種名まではっきりしているのは16種です。前回更新以降、カンムリカイツブリでH5N1亜型への感染が確認されました。また、鳥取県でA型陽性が出ていた6件のうち3件でH5N1亜型が検出され、3件では検出されませんでした。
そろそろ、冬鳥が繁殖地に向かって移動を始めています。新たな場所での感染が起こる可能性がありますので、監視を強める必要があります。

強毒の高病原性ウイルス(H5N1亜型)が確認された種

カンムリカイツブリ 兵庫県
カイツブリ 兵庫県、宮崎県
アオサギ 大分県
オオハクチョウ 北海道
コハクチョウ 福島県、鳥取県
オシドリ 高知県、長崎県、大分県、宮崎県
オナガガモ 北海道
ホシハジロ 兵庫県、鳥取県
キンクロハジロ 福島県、鳥取県、島根県、山口県
スズガモ 北海道
ハヤブサ 栃木県、京都府、長崎県、宮崎県、鳥取県
ナベヅル 鹿児島県
ユリカモメ 鳥取県
フクロウ 徳島県
種不明のスズガモ属 北海道
種不明のカモ類(糞) 北海道
<野外で逃げ出したものが観察されることもある飼育種>
*コブハクチョウ 富山県、兵庫県
*コクチョウ 山口県

高病原性鳥インフルエンザの野鳥、屋外飼育鳥における発生状況(2010-2011年)

更新日:2011年3月4日
(環境省、農林水産省、道府県の情報をもとに日本野鳥の会が作成)

都道府県 市町村等 種類(*は屋外飼育鳥) 死亡個体数等 回収日 H5亜型
確認
H5N1亜型
確認
備考
北海道 稚内市大沼 カモ類糞   10月14日   10月26日  
鳥取県 米子市安倍 コハクチョウ 1 12月4日   12月18日  
富山県 高岡市高岡古城動物園 *コブハクチョウ 6 12月10日 12月19日 12月21日 12/10~12/18で6羽死亡
鹿児島県 出水市東干拓 ナベヅル 1 12月15日 12月20日 12月24日  
鹿児島県 出水市東干拓 ナベヅル 1 12月18日 12月20日 12月24日  
鹿児島県 出水市江内柳ヶ水橋下 ナベヅル 1 12月20日 12月20日 12月27日  
鹿児島県 出水市西干拓 ナベヅル 1 12月20日 12月21日 12月27日  
鹿児島県 出水市荒崎ねぐら ナベヅル 1 12月21日 12月21日 12月27日  
鹿児島県 出水市東干拓ねぐら近く ナベヅル 1 12月24日 12月20日 1月12日  
福島県 郡山市豊田町浄水場 キンクロハジロ 1 1月4日 1月13日 1月19日  
福島県 郡山市豊田町浄水場 キンクロハジロ 2 1月5日 1月13日 1月19日 1羽のみ確認済み
福島県 郡山市豊田町浄水場 キンクロハジロ 1 1月7日   1月21日  
福島県 郡山市豊田町浄水場 キンクロハジロ 3 1月10日   1月20日 1羽のみ確認済み
北海道 浜中町丸山散布・火散布 オオハクチョウ 1 1月12日   1月23日  
兵庫県 伊丹市瑞ヶ池 ホシハジロ 1 1月12日   1月28日  
島根県 松江市玉造 キンクロハジロ 1 1月14日 1月21日 1月25日  
北海道 浜中町丸山散布・火散布 スズガモ属 1 1月17日   1月23日  
北海道 浜中町丸山散布・火散布 オオハクチョウ 1 1月18日   1月23日  
北海道 浜中町丸山散布 オオハクチョウ 1 1月19日   1月22日  
北海道 浜中町丸山散布・火散布 オナガガモ 1 1月19日   1月23日  
鳥取県 米子市赤井手 ユリカモメ 1 1月19日   2月1日  
福島県 郡山市豊田町浄水場 キンクロハジロ 1 1月23日   1月31日  
鳥取県 米子市夜見町 キンクロハジロ 1 1月24日   2月1日  
兵庫県 伊丹市瑞ヶ池 カイツブリ 1 1月25日 1月25日 1月28日  
高知県 仁淀川町 オシドリ 1 1月25日   1月31日  
北海道 浜中町琵琶瀬(新川) オオハクチョウ 1 1月28日   2月1日  
長崎県 長崎市宮崎町川原大池公園 オシドリ 2 1月31日 2月4日 2月6日  
宮崎県 延岡市北川町大字川内名水無谷川 オシドリ 1 2月1日 2月5日 2月12日  
鳥取県 大山町所子 キンクロハジロ 1 2月1日 2月20日 2月28日  
宮崎県 西都市穂北 ハヤブサ 1 2月2日 2月2日 2月12日  
北海道 浜中町火散布 オオハクチョウ 1 2月3日   2月8日  
鳥取県 米子市西町(中海護岸) ホシハジロ 1 2月3日 2月20日 2月28日  
山口県 宇部市常盤公園 キンクロハジロ 1 2月6日   2月12日  
鳥取県 米子市東福原 ハヤブサ 1 2月6日 2月20日 2月28日  
北海道 浜中町丸山散布 スズガモ 1 2月7日   2月14日  
大分県 中津市耶馬溪町 オシドリ 1 2月7日 2月9日 2月17日  
大分県 中津市耶馬溪町 オシドリ 1 2月8日 2月9日 2月17日  
徳島県 那賀町臼ケ谷の那賀川支流 フクロウ 1 2月8日 2月9日 2月17日  
宮崎県 東臼杵郡諸塚村大字家代字南川 カイツブリ 1 2月8日 2月9日 2月17日  
山口県 宇部市常盤公園 *コクチョウ  1 2月9日   2月16日  
大分県 大分市緑が丘付近のため池 オシドリ 1 2月9日 2月9日 2月20日  
福島県 福島市宮下町 県立橘高校屋上 コハクチョウ 1 2月10日 2月10日 2月15日  
兵庫県 加東市木梨状ヶ池公園 *コブハクチョウ 1 2月11日 2月11日 2月16日  
宮崎県 宮崎市大字熊野 宮崎県総合運動公 ハヤブサ 1 2月11日 2月12日 2月20日  
長崎県 諫早市有喜町 ハヤブサ 1 2月12日 2月14日 2月20日  
鹿児島県 出水市荒崎ねぐら ナベヅル 1 2月13日 2月14日 2月20日  
栃木県 宇都宮市徳次郎町 ハヤブサ 1 2月14日 2月19日 2月21日  
宮崎県 日南市瀬貝2丁目の市道 オシドリ 1 2月14日 2月18日 2月22日  
宮崎県 延岡市平原3丁目 ハヤブサ 1 2月15日 2月16日 2月22日  
大分県 大分市上戸次の採石場内にある池 アオサギ 1 2月16日 2月16日 2月22日  
京都府 精華町京阪奈記念公園 ハヤブサ 1 2月16日 2月16日 2月22日  
北海道 厚岸町奔渡 オオハクチョウ 1 2月17日   2月21日  
宮崎県 宮崎市加江田 オシドリ 1 2月18日 2月19日 2月25日  
兵庫県 西宮市今津西浜町 カンムリカイツブリ 1 2月22日 2月24日 3月2日  

【詳しい情報は環境省、各道県のホームページでご確認ください。】