渡邊野鳥保護区温根内 (わたなべやちょうほごくおんねない)

タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道鶴居村 24.1ヘクタール

2006年、釧路湿原国立公園に隣接していながら法的な保護指定がなされていなかった、釧路湿原に流れ込むオンネナイ川流域に広がる湿原24.1ヘクタールを渡邊士乃武氏のご寄付をもとに買い取った。この野鳥保護区周辺で1つがいのタンチョウが繁殖している。

また、上流域には1990年設置の「早瀬野鳥保護区温根内」、1993年設置の「野鳥保護区古山温根内」が位置する。この3つの野鳥保護区周辺では2つがいが繁殖している。「早瀬野鳥保護区温根内」では、1999年よりヨシ原の復元事業を進めた結果、2002年から再び繁殖をはじめた。

写真
釧路湿原に流れ込むオンネナイ川流域に広がる湿原。
上流部には、野鳥保護区古山温根内と早瀬野鳥保護区温根内がある。

隣接する野鳥保護区

渡邊野鳥保護区チャンベツ(わたなべやちょうほごくチャンベツ)

タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道標茶町 216.3ヘクタール

2004年、ラムサール条約で有名な別寒辺牛湿原の上流部に位置するが、法的指定がなされていない湿原を、渡邊士乃武氏よりの寄付を元に買い取った。3~4つがいのタンチョウが繁殖している。

写真
中央の細い緑の部分がチャンベツ川、この川より上の部分の湿原が野鳥保護区。

写真提供 岡田 操 氏

こと野鳥保護区厚岸トキタイ(ことやちょうほごくあっけしときたい)

タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道厚岸郡厚岸町 106.4ヘクタール

写真

タンチョウを対象とする、厚岸町では7つ目の野鳥保護区。ラムサール条約湿地である厚岸湖に流れ込むトキタイ川河口流域に広がる湿原で、タンチョウ1つがいが繁殖に利用している。
ラムサール条約湿地「厚岸湖・別寒辺牛湿原」に隣接しているが、鳥獣保護区等の法的な保護施策が弱い湿原であったことから、会員からのご寄付を元に買い取り野鳥保護区を設置した。

渡邊野鳥保護区大別川(わたなべやちょうほごくおおべつがわ)

タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道厚岸町 235ヘクタール

1997年、ラムサール条約登録地(国設鳥獣保護区)厚岸湖・別寒辺牛湿原に隣接していて、法的指定がされていない大別川流域に広がる湿原を渡邊士乃武氏からのご寄付を元に買い取った。この野鳥保護区の周囲は3方向を標高80m以下の低い丘陵状の森林地帯に囲まれ、南側は別寒辺牛川の合流点として、開けた湿原になっている。タンチョウ1つがい繁殖しているほか、繁殖期には42種の鳥類が確認されている。厚岸町が運営する厚岸水鳥観察館のほとりを流れる大別川の上流に位置している。一般の方が通れる道はなく、保護区に立ち入ることはできない。

写真
大別川の流域に広がる広大な湿原。

石澤野鳥保護区尾幌川(いしざわやちょうほごくおぼろがわ)

タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道厚岸町 5.0ヘクタール

写真

2006年、ラムサール条約湿地(国指定鳥獣保護区特別保護地区)厚岸湖・別寒辺牛湿原および同地域内にある「早瀬野鳥保護区別寒辺牛湿原」に近接し、国指定鳥獣保護区に隣接していながら法的な保護指定がなされていなかった、別寒辺牛川の支流である尾幌川河口に広がる湿原6.1ヘクタールを、所有者の石澤元勝氏と保護協定を結び、野鳥保護区とした。石澤氏は、「この湿原は思い出深い土地で、1960年代後半まで、祖父たちが牛馬の餌のために草を取っていた場所、その後使われなくなっていたが、自然を大切にする時代になってもう一度この湿原に光が当たり、うれしく思います。」と当会と協定を結ばれた。この周辺でタンチョウ1つがいが繁殖している。

渡邊野鳥保護区尾幌川(わたなべやちょうほごくおぼろがわ)

タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道厚岸町 6.1ヘクタール

尾幌川河口の写真

2006年、ラムサール条約湿地(国指定鳥獣保護区特別保護地区)厚岸湖・別寒辺牛湿原および同地域内にある「早瀬野鳥保護区別寒辺牛湿原」「渡邊野鳥保護区別寒辺牛湿原」に近接し、国指定鳥獣保護区に隣接していながら法的な保護指定がなされていなかった、別寒辺牛川の支流である尾幌川河口に広がる湿原6.1ヘクタールを渡邊士乃武氏のご寄付をもとに買い取った。この周辺でタンチョウ1つがいが繁殖している。

野鳥保護区でのボランティア活動

~貴重な鳥類や生き物のために、一緒に活動しませんか~

日本野鳥の会では、北海道を代表する生き物のタンチョウやシマフクロウの生息地を買い取り、「野鳥保護区」を設置しています。また、「野鳥保護区」では土地の取得にとどまらず、保護区内の調査や多くの管理活動が必要です。このような活動も、皆さまの力が集まれば、レンジャーだけではできない多くの活動が可能になります。

当会では、ボランティア活動イベントを開催したり、企業の社員ボランティアや学生ボランティアの受け入れ等を通して環境管理を進めています。

2010年からもボランティアの方々と一緒に、保護区の自然をより良くする活動を進めていきます。タンチョウを始め様々な生き物が生活する自然の中で、私たちと一緒に自然保護を進めてみませんか。皆様のご参加お待ちしております。

詳細なスケジュール等は、順次お知らせいたします。

ボランティア活動の紹介

ボランティアDay

2008年~2009年には、5月~10月の第2日曜日に、「野鳥保護区ボランティアDay」を開催しました。地元の方をはじめ多くの方のご協力により様々な管理活動が行われました。

・植樹


林内には、伐採後に放置されササ原や裸地になっている部分があります。
このような場所を元の森へと戻すため、植樹を行います。

・シカ柵設置

急増するエゾシカにより、植樹した苗のほとんどが食べられてしまいます。そこで、シカ柵を設置して、苗木を守りながら育てます。
2008年には、どのような形のシカ柵を設置すると効率が良いのかを調べるため、①古い漁網を再利用したシカ柵、②プラスチック製のシカ柵、③金属製のシカ柵、を設置しました。その結果、耐久性・設置のしやすさ、侵入阻止効果等により③金属製のシカ柵が設置には適していることが分かりました。

・苗作り・・・2008年、2009年10月のボランティアDay

生物多様性を考えた植樹を行うためには、地域産の樹種の苗木を確保する必要があります。秋にはミズナラやクルミの実を拾い植えることにより、次年度以降用の苗木を作ります。

前年に植えた実から出てきたミズナラの苗

※北海道へのご旅行やバードウォッチングの際にも、是非ご参加ください。
ボランティアDayの一日の様子」「レンジャーお薦めの旅プラン」はこちら

グリーン・ホリデー

休日には、ちょっと足を伸ばし、北海道の野鳥保護区でボランティア活動をしよう!そんな休日型ボランティア「グリーン・ホリデー」を2009年から開催しています。全国から集まった仲間と一緒に汗を流し、自然保護活動を進めます。
グリーンホリデーのページへ
2009年は…

・ヤナギの挿木(植樹)

森林伐採後に放置され表土が流出している場所には、生長が早いヤナギの挿木を行い、張り出す根により流出を防止します。若い枝を切り取ってきて、20cm程に切りそろえて、地面に挿していきます。

・除間伐・・・2009年5月、9月のGH(グリーンホリデイ)

伐採後に放置された木々からは、たくさんの脇芽が出てきます。保護区内の森林には、この芽が大きくなり、一つの株から何本もの幹が出ている状態の木々が数多く残っています。これでは、太陽の光や養分を取り合ってしまい、なかなか木が大きく育ちません。そこで、幹の本数を減らし、より早く太く大きな木が育つように「除間伐」をします。

・薪割り・・・2009年9月のGH


除間伐で切った幹は短く裁断し、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリの薪ストーブで利用します。

・シカ柵設置・・・2009年5月のGH


エゾシカの食害対策として、植樹地へのシカ柵設置を行いました。

・調査


オジロワシ行動調査


魚類相調査

野鳥保護区に住む生きものたち。何が住んでいるのか、どのように行動しているのか、分からないこともたくさんあります。調査の一部をレンジャーと一緒に行いました。

企業ボランティアの受入れ

・植樹

・巣箱の作成と設置


●三菱UFJ信託銀行株式会社
北海道根室市には、三菱UFJ信託銀行からのご寄付を受けて土地を購入し設置した野鳥保護区「三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽」があります。また当会では、三菱UFJ信託銀行の社員ボランティアも受け入れています。

・巣箱づくりと苗木づくり


FAネットワーク・学生ボランティア

FA(フィールド・アシスタント)ネットワークは、学生が組織する自然保護ボランティアグループです。毎年2回、多くの学生たちが野鳥保護区へやってきて、保護区の自然をより良くするために、様々な活動を行っています。

・土砂流出防止作業


崩落し土壌が流出してしまった場所にヤナギ等の植栽をして、植生を復元させます。

・除間伐

・シカ柵設置

・立木調査


フクロウが住めるような巨木が、保護区内にどのくらいあるのかを調べます。

ボランティアDayの様子

9:30

春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターに集合。
今日の活動について説明します。

9:45 身支度やお手洗いなどを済ませてから、当会の自動車に分乗して野鳥保護区へ移動します。
10:15

野鳥保護区の概要や活動を聞いた後、実際の作業を始めます。

<活動例>

5~6月
植樹

7~8月
シカ柵設置や草刈

9~10月
どんぐりの植付け

12:00

昼食。
昼食は、野鳥保護区の景色の良い場所でとります。

13:00 引き続き、作業を行います。
14:00 作業終了。春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターへ移動。
14:30 ネイチャーセンター着。後片付けをします。
15:00 解散。

※天候や現地の状況により変更する場合があります。
※野鳥保護区内にはお手洗いはありません。現地ではスタッフが最寄のお手洗いまでご案内します。
※昼食は野鳥保護区内の景色が良い所でとります。イス等はございませんので敷物があると便利です。
※野鳥保護区およびネイチャーセンター周辺には、コンビニエンスストア等はございませんので、昼食は事前にご用意ください。

◆お泊りは根室市内の当会協定旅館が便利です。

◆交通案内(春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターまで)

  • 公共交通機関
    • JR根室本線根室駅→根室交通厚床行バス乗車→東梅停留所下車 徒歩2分
    • 中標津空港→根室バスターミナル行バス乗車→東梅停留所下車 徒歩2分
  • 自動車
    • 根室方面から
      国道44号線を釧路方向に進み、温根沼大橋から1kmほど先の右手
      ※所要 根室駅から約20分 (約14km)
    • 釧路方面から
      国道44号線を根室方向に進み、道の駅「スワン44」から4kmほど先の左手
      ※所要 釧路駅から約140分 (約115km)

レンジャーお薦めの旅プラン(東京発着、2泊3日の旅)

1日目
11:35 羽田空港発(全日空:根室中標津空港行き)
13:15 根室中標津空港着
13:20 根室中標津空港発(根室交通:根室行きバス)
14:42 東梅停留所下車
14:50 春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター見学
~徒歩で春国岱を散策~
春国岱は、海岸から森林の環境までが凝縮されているため、鳥の種類も多いのが特徴です。バードウォッチングの前にはネイチャーセンターにお立ち寄りください。最新の情報を得ることができます。
17:22 東梅停留所発(根室交通:根室行きバス)
17:40 根室駅ターミナル着
~宿泊施設へ~
※協定旅館のレイクサンセットは、ネイチャーセンターから徒歩15分です。
2日目
※ネイチャーセンターの開館時間は9時~17時です。
宿泊施設等で送迎サービスがある場合もございますので、ご相談ください。
07:20 根室駅ターミナル発(根室交通:中標津空港行き)
07:33 東梅停留所着
~春国岱や、ネイチャーセンターに隣接する学習林を散策~
鳥たちはとても早起きです。ネイチャーセンター周辺の林を歩いてバードウォッチングをお楽しみください。
09:30 野鳥保護区ボランティアDayに参加
野鳥保護区の雄大な自然の中で、体を使った活動を行います。レンジャーと一緒に自然保護を進めましょう。
14:42 東梅停留所発(根室交通:根室行きバス)
※乗車には予約が必要です。行事の前にスタッフまでご連絡ください。
14:55 根室駅ターミナル着
※根室市内のお勧めスポット
・根室は海産物に恵まれています。宿のお食事はもちろん、街に出てのお食事もお勧めです。
『回転寿司花まる』・・・根室地方の旬の魚介類を手軽に楽しむことができます。
根室市花園町9丁目35番地 / TEL:0153‐24‐1444
  ~宿泊施設へ~
3日目
09:00 地元の自然ガイドと共に、根室の自然を探訪
~落石岬や根室半島など、根室の貴重な自然を満喫することができます。2時間から1日まで様々なコースがございますので、下記までご相談ください。~
自然ガイド『ねむろ自然ガイド・ラクル』
TEL:090-1648-5575
E-mail:[email protected]
コース例:落石岬~海霧(ラクル)が育む断崖の上の湿原~(2時間コース・1名の場合)・・・3500円
根室半島・最東端ニムオロ大地探訪(3時間コース・1名の場合)・・・5000円
※3時間以上はオプションコースとなります。料金等は、お問い合わせください。
12:24 根室駅発(JR:釧路駅行き)
14:49 釧路駅着
駅から徒歩5分の「和商市場」には釧路地方でとれる魚介類が集まっています。お土産などのお買い物に最適です。
『和商市場』
釧路市黒金町13-25 TEL:0154-22-3226 / URL:http://www.washoichiba.com/
15:50 釧路駅前発(阿寒バス:釧路空港行きバス)
16:35 釧路空港着
17:10 釧路空港発(全日空:羽田空港行き)
18:55 羽田空港着

早瀬野鳥保護区別寒辺牛湿原(はやせやちょうほごくべかんべうししつげん)

タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道厚岸町 365.4ヘクタール

1994年3月、ラムサール条約登録地(国設鳥獣保護区)厚岸湖・別寒辺牛湿原に隣接し、国設鳥獣保護区とラムサール条約指定からもれた湿原を早瀬廣司・富氏のご寄付を元に284.6ヘクタールを当会が、80.8ヘクタールを厚岸町が町の予算で買い取った。2005年11月、登録地の拡張によって、ラムサール条約登録地になった。ヨシ原とハンノキ林が、チライカリベツ川に沿って広がっている。近年では、2001年にタンチョウ1つがいが繁殖した。
この野鳥保護区は、JR根室本線の糸魚沢(いといざわ)駅の南側に位置し、糸魚沢林道を通り訪れることができる。また、糸魚沢駅の北側の高台から、野鳥保護区全体を見渡すことができる。近くには厚岸町が運営する厚岸水鳥観察館があり、別寒辺牛湿原等の自然や野鳥についての展示がある。
厚岸水鳥観察館

写真
厚岸湖にそそぐチライカリベツ川の流域に広がる湿原。
糸魚橋の上から撮影。

保護区への行き方

釧路方面より国道44号線を根室方面に向かい、厚岸水鳥観察館を過ぎて約6kmでJR釧網線糸魚沢駅。糸魚沢駅を過ぎて次の角を右折、約1kmで「糸魚(いとい)橋」。徒歩だと駅から20分程度。
糸魚橋から見えるチライカリベツ川の上流部と下流部の見渡す限りが保護区。保護区内の道はこの糸魚橋前後の林道のみで、ここ以外には保護区内に入れない。
保護区の全景を見るには、JR糸魚沢駅をはさんで反対側(北側)の高台に登る。駅から徒歩10分程度。この高台から見える湿原のほとんどが野鳥保護区である。

  • 鉄道は1日に5往復程度しかありませんので、ご注意ください。
  • ネイチャーセンター等の施設はありません。トイレは糸魚沢駅にあります。
  • 道からはずれ湿原内に立ち入らないでください。

地図
地図

渡邊野鳥保護区別寒辺牛湿原(わたなべやちょうほごくべかんべうししつげん)

タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道厚岸町 52.5ヘクタール

別寒辺牛湿原(空撮)

2006年、ラムサール条約登録地(国指定鳥獣保護区)厚岸湖・別寒辺牛湿原および同地域内にある「早瀬野鳥保護区別寒辺牛湿原」に隣接し、国指定鳥獣保護区とラムサール条約登録地からもれた湿原を渡邊士乃武氏のご寄付を元に35.3ヘクタールを買い取った。2023年、渡邊士乃武氏のご寄付を元に隣接した土地を買い取り、保護区を拡張した。

この野鳥保護区には、ヨシ原とハンノキ林が、チライカリベツ川に沿って広がっており、JR根室本線の糸魚沢(いといざわ)駅の北側の高台から、保護区全体を見渡すことができる。近くには厚岸町が運営する厚岸水鳥観察館があり、別寒辺牛湿原等の野鳥や自然についての展示がある。

保護区への行き方

隣接する「早瀬野鳥保護区別寒辺牛湿原」を参照。

持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第1(もちだやちょうほごくシマフクロウくしろだい1)

シマフクロウ保護のための野鳥保護区
北海道釧路地域 32.5ヘクタール

シマフクロウを対象とした、釧路地域では最初の野鳥保護区。
当地域の湿原については、法的な保護がされているが、山林に関しては法的な保護がされていない民有地が残っていた。また、釧路地域の東部に位置し、根室地域から釧路地域へと続くシマフクロウの分散ルートに位置する重要な山林である。そこで、2009年に会員持田勝郎氏からのご寄付を元に買い取りを行ない、野鳥保護区を設置した。「持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第1」では、シマフクロウ1つがいの繁殖も確認されている。なお、シマフクロウの保護上、この保護区の位置は公表していない。

写真