(仮称)宮城山形北部風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書を提出しました
(仮称)宮城山形北部風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
令和元年 7月 4日 提出
項 目 | 記入欄 |
氏 名 | ①日本野鳥の会宮城県支部 支部長 竹丸 勝朗 ②公益財団法人日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一 (公印省略) |
住 所 | ①〒982-0811 宮城県仙台市太白区ひより台20-7 ②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル |
計画段階配慮書についての環境の保全の見地からの意見 |
この度、貴社が作成された(仮称)宮城山形北部風力発電事業に係る計画段階環境配慮書について、次のとおり意見を提出します。 現在、貴社が計画段階環境配慮書(以下、配慮書と言う)を縦覧している(仮称)宮城山形北部風力発電事業について、事業実施想定区域(以下、計画地と言う)に風力発電施設を建設した場合、環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠB類で宮城県の絶滅のおそれのある野生動植物 RED DATA BOOK MIYAGI 2016(以下宮城RDBと言う)にも掲載されているクマタカの生息地と計画地が重なることが予想され、衝突死(以下、バードストライクと言う)または生息地放棄が発生する可能性が高い。また、サシバやハチクマなど希少猛禽類の渡り経路に対しても障壁影響等が発生することが懸念される。 理由 (1)配慮書によると、計画地にクマタカ等の主な生息環境が存在し、その一部が直接改変されることから生息環境の変化に伴う影響が生じる可能性があると予測されている。貴社は、稼働の影響については方法書以降において予想・評価するとしているが、調査結果を待つことなく、バードストライク等の影響が発生することが懸念される。 (2)評価結果について、『直接改変による生息環境の変化に伴う影響が生じる可能性がある。留意事項に留意することにより、重大な影響を回避又は低減できる可能性が高いと評価する』、と述べている。配慮書では、上空を利用する影響などについては方法書以降で適切に調査及び予想・評価を実施するとしているが、鳥類への影響は直接改変だけでない。さらに事業想定区域上空を利用する鳥類についてはバードストライクだけでなく、「渡り経路の変更」および「生息地の放棄(事実上の生息地からの追い出し)」といった影響についても、影響の回避または低減策を計画初期の段階から検討すべきである。 以上の理由から、計画地およびその周辺において、いわゆる発電所アセスのガイドラインにあるような「猛禽類保護の進め方」および「サシバの保護の進め方」に準拠した調査方法を用いた一般的な環境影響評価よりも、利害関係者や専門家とも協議したうえで、さらに詳しい調査の実施を求めるところである。 |