プレスリリース 2010.06.04
日本野鳥の会が知床に広葉樹2,000本の植樹を実施
シマフクロウの森を育てる活動、世界遺産知床からスタートします
2010.06.04
(財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数:約5万人)は、知床地方のシマフクロウ生息地を保全するため、本年6月4日から、2009年に設置した「持田野鳥保護区シマフクロウ知床」へ、ミズナラ・ハルニレ・ヤチダモ・イタヤカエデの4種類の広葉樹の苗木2,000本を植樹します。
この植樹活動は、当会が進める「シマフクロウの森を育てよう!プロジェクト」の一環として、全国の企業や個人から1区画25万円の協賛金を募集して実施している植樹プログラムで、知床地方において今年からスタートします。このプログラムでは、百年先にシマフクロウがすめる森を目指して、伐採後の裸地へ広葉樹の苗木を植えることから始め、継続して適正な管理を行なうことで、豊かな森林環境を復元します。
今年は「生物多様性条約締約国第10回会議(COP10)」が名古屋で開催されることから、自治体や企業、NGO等の生物多様性保全への積極的な参画が求められています。当会では、シマフクロウを代表とする希少な野鳥の生息地の保全を進めるとともに、植樹をはじめとする森づくりを通して、森林内の生物多様性を向上させる活動を推進しています。
シマフクロウの森を育てよう!プロジェクトについて
百年先、シマフクロウが住める森を目指して伐採跡地や放牧跡地へ植樹を行ない、生物多様性に富んだ森をつくります。また、同時に森林を育てることで二酸化炭素を吸収させるという、当会独自のプロジェクトです。
当プロジェクトは、
①森林内の生物多様性の復元
②森林の育成による二酸化炭素吸収の促進
③希少種のシマフクロウの保護
の3つの効果を同時に進めることを目標に、2009年からスタートしたものです。
(詳しくはホームページ http://www.wbsj.org/nature/hogoku/fishowl/index.html)
日本野鳥の会TOP→当会の活動→自然保護→野鳥保護区
→シマフクロウの森を育てよう!プロジェクト
■第三者評価のある協賛型植樹プログラム
当プロジェクトでは、植え付けや植樹後5年間の管理経費を「協賛金」の形で企業や個人から募集し、森づくりを実施しています。この協賛は、区画単位(1区画広葉樹4種計100本)でお願いしており、協賛いただいた区画は、企業名などを特定して管理しています。協賛企業・個人へは、植樹証明書を発行しています。
このプロジェクトは、(社)環境プランニング学会(会長:山本良一、東京大学教授)から第三者評価を受けています。苗木が生物多様性を乱さないよう選択されているか、一連の植樹作業に伴う廃棄物処理・二酸化炭素排出抑制などが適正か、同学会の現地調査を含む監査を依頼。2009年に実施した根室市内での本プロジェクトでは、監査の結果、同学会からの「優良」との評価を得ています。
国内でもさまざまな植樹プログラムが行なわれていますが、このような広範な第三者評価を受けているものは、少ないと思われます。
2010年の植樹について
知床地方のプロジェクト実施地において、2010年6月4日から、植樹を実施します。植樹を行うのは、森林伐採跡の裸地で、当会が2009年に買い取り、保護区とした「持田野鳥保護区シマフクロウ知床」(面積15ha)の一部です。今回の植樹では、この保護区内の裸地1haに、地元網走管内で採種・育苗されたミズナラ・ハルニレ・ヤチダモ・イタヤカエデの4種類の広葉樹を各500本ずつ植樹します。来年以降も、継続して植樹を行ない、森林の回復に取り組む予定です。なお、シマフクロウの保護上、この保護区の位置や植樹場所については公表していません。
野鳥保護区事業について
野鳥の生息地の保全を目的として、当会では「野鳥保護区」を設置しています。これまでに北海道東部を中心に29か所、2,708haを買い取りや協定により確保してきました。これは東京ディズニーランドが54個入る大きさで、国内の自然保護団体が設置した保護区としては最大級の面積になります。この土地の買い取りの財源は、会員をはじめとする方々からの寄付で成り立っています。当会の最初の野鳥保護区は、1987年に根室に設置したタンチョウ営巣地の営巣地8haでした。それ以降、タンチョウ営巣地を中心に順次拡大を続け、タンチョウ保護では一定の成果が得られたため、2004年からシマフクロウの生息地の買い取りも開始しました。野鳥保護区が集中する北海道東部では釧路地区と根室地区に事務所を置き、当会の専従職員を常駐させ、保護区の巡回監視にあたっています。
持田野鳥保護区シマフクロウ知床について
2008年2月に購入した知床地方の山林、面積15ha(151,476㎡)で、この周辺ではシマフクロウ1つがいの繁殖が確認されています。知床半島は、国内で最も多くのシマフクロウが生息する重要な地域です。半島の先端側の約半分が国立公園や世界自然遺産として保護されているものの、それ以外のほとんどは法的な保護がされていません。当野鳥保護区も、半島内ではありますが法的保護がされてない地域であり、今後もこの地域を対象に野鳥保護区設置を進める計画です。
シマフクロウ Ketupa blakistoni blakistoni について
シマフクロウは極東地域に狭い分布域をもち、我が国では、北海道および北方領土に生息しています。全長70㎝、翼を広げると約180cmの世界最大級のフクロウです。河川および湖沼で魚類やカエルなどを捕食し、広葉樹の大木の樹洞に営巣します。20世紀初頭までは、北海道全域に分布していましたが、森林伐採による営巣木の減少と河川改修によるエサの魚類の減少等により、現在、北海道東部を中心に約40つがい130羽ほどが生息しているに過ぎません。
その約半数が知床に生息し、残りが日高地域、根室、十勝地域に生息しています。知床地域以外では人による、なんらかの手助けにより生息が維持されている状態がほとんどです。釣り人や心ない撮影者などにより、採食や営巣が妨害されている生息地もあります。人間の生活圏に近い場所では交通事故や感電事故に遭って死んだり、生息地が分断・孤立化していることにより、繁殖地から巣立った若い個体がうまく分散できず、近親交配が起こりやすい状態にあります。
<シマフクロウの保護指定状況>
- 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法) 「国内希少野生動植物種」
- 文化財保護法 「天然記念物」
- 改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物‐レッドデータブック‐ 2 鳥類 「絶滅危惧IA類(CR)」
- IUCN(国際自然保護連合)レッドリスト 「EN C2a(i)」
財団法人日本野鳥の会について
自然と人間が共存する豊かな社会の実現を目指し、野鳥や自然のすばらしさを伝えながら、自然保護を進めている民間団体です。全国5万人の会員・サポーターが、自然を楽しみつつ、自然を守る活動を支えています。
<野鳥や自然を大切に思う心を伝えます>
- 全国11か所のサンクチュアリやバードプラザを訪れる、年間約30万人に野鳥や自然のすばらしさを伝えています。
- 東京バードフェスティバルなどの大規模イベントへの参加や野鳥図鑑などの発行を通して、バードウォッチングの楽しさを伝えています。
- バードウォッチングの指導・案内のできる人材の育成を進めています。
<野鳥や自然を守ります>
- 北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に、土地の買い取りや協定により野鳥保護区として保全しています。現在、保護区の面積は29か所、2,708haで、自然保護団体としては国内最大級です。
- 鳥類の生息地として保全が急がれる場所を明確にするため、国際的に重要な鳥類等を指標にした重要度の基準(IBA基準)を満たした野鳥の重要な生息地の選定、リストの公表を行ない、保全の推進、ネットワーク化を行なっています。
<野鳥や自然を守ります>
日本野鳥の会は、特定公益増進法人に認定されており、個人や法人が支出した寄付金に対して所得控除や損金算入が設定されています。
本リリースの配布先
環境省記者クラブ
オホーツク総合振興局記者会
根室市役所記者クラブ
その他一般各紙
財団法人 日本野鳥の会
(本件に関するお問い合わせ)
野鳥保護区事業所
担当:松本 潤慶(まつもと じゅんけい)
〒086-0074 北海道根室市東梅115-1
T E L:0153-25-8911 携帯電話:080-1179-2786
(協賛申し込み先)
サンクチュアリ室
担当:富岡 辰先(とみおか たつゆき)
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
TEL:03-5436-2634 FAX:03-5436-2635 メール:[email protected]
森林内における生物多様性向上のイメージ
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森林伐採後の裸地(植樹実施地)
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持田野鳥保護区シマフクロウ知床
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印刷される方はこちらをご利用ください
[PDF] 「日本野鳥の会が知床に広葉樹2,000本の植樹を実施~シマフクロウの森を育てる活動、世界遺産知床からスタートします!~」に関するプレスリリース







