プレスリリース:プラスチックごみ問題から野鳥を守るために プラスチックによる野鳥の被害状況調査実施と特設ページ開設のお知らせ
2024年7月12日
野鳥の被害状況を知るために
公益財団法人日本野鳥の会(東京都品川区、会長:上田恵介)は、自然環境に流出したプラスチックによって海鳥をはじめとした野鳥が受けている被害を把握するため、7月15日の海の日を機に、より多くの方から情報提供をいただくため、広範囲に調査の協力をお願いすることにいたしました。
また、これまでに会員や関係者の方などから提供いただいた事例についてホームページでの公開を始めます。
野鳥へのプラスチックごみによる被害は、以前から報告がありましたが情報が限られているため、現状を正確に把握するために多くの方からの情報を提供していただくことを目指しています。バードウォッチングや自然散策、海辺でのレジャーなどの際に確認された、野鳥とプラスチックの問題について、写真と詳細情報を募集します。
プラスチック問題を伝えるために
海の日に合わせて、より多くの方にプラスチックの問題を知っていただくため、新たにプラスチックの野鳥や環境への影響をわかりやすく解説する特設ページ「プラスチック汚染から海鳥を守ろう」を作成しました(7月12日公開)。最新情報などをタイムリーに発信する予定です。
組織概要 2024年2月現在
組織名:公益財団法人 日本野鳥の会
会長:上田恵介(立教大学名誉教授)
代表者:理事長 遠藤孝一(日本野鳥の会栃木県支部副支部長)
所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
創立:1934(昭和9)年3月11日
会員・サポーター:約5万人
URL:https://www.wbsj.org/
報道関係者様 問い合わせ先(画像の提供も下記にお問い合わせください)
公益財団法人日本野鳥の会 自然保護室
山本 裕(やまもと ゆたか)・手嶋 洋子(てしま ようこ)
TEL:03-5436-2633
E-mail:[email protected]
〈詳細情報〉
「流出プラスチック類の野鳥への被害状況調査」への協力のお願い(募集要項)
プラスチックによる野鳥の被害(誤食、絡まり、巣材利用等)を観察されたら写真に撮り、専用フォームから情報をお寄せください。過去に撮影された事例も詳細の記録がある場合は、調査対象としています。これまでに「プラスチックを餌と間違えてつついている」「プラスチックが体にはまっている」「プラスチックを巣材として利用している」「プラスチックが体に絡まっている」等の事例が寄せられています。
- 調査期間
- 2024年4月1日~2026年3月31日
- 提供いただきたい情報
-
- 被害状況の写真
- 観察された日
- 観察された場所
- 鳥の種名
- 観察された内容
- 体への絡まり/付着があった
- 巣材として利用
- 誤って食べていた
- 絡まり死んでいた
- 容器にはまり動けなくなっていた
- その他
- お名前
- Eメールアドレス
- 写真使用の可否
※注意事項
- 写真はご自身で撮影されたものに限ります。
- 日付と場所が明らかであれば、調査期間より前に撮影されたものでも構いません。
- 撮影にあたっては、野鳥の生態に影響を与えないよう十分な配慮をお願いします。
これまでに提供があった野鳥の被害状況の例
提供いただいた情報は当会ホームページ「野鳥へのプラスチックごみによる被害の報告」に定期的に掲載する予定です。
事例1.プラスチックが頭部にはまったウミネコ
撮影日・撮影地:2022年2月6日(千葉県銚子市)
コメント:くちばしと頭の間にプラスチックがはまったウミネコの幼鳥。餌が十分に取れていないと思われる。
事例2.ビニールを誤食し、くちばしから外れないウミアイサ
撮影日・撮影地:2023年12月24日(長崎県諫早市)
コメント:誤食したビニールがくちばしに付着し、餌が十分に取れていないと思われるウミアイサのメス。
事例31.バランをつつくオオバン
撮影日・撮影地:2024年1月27日(東京都台東区)
コメント:お弁当のバランを餌の草と間違えて食べようとしていた。右の写真はくわえて振り回している様子。結局、諦めて食べなかった。
特設ページ「プラスチック汚染から海鳥を守ろう」公開のお知らせ
プラスチックごみの野鳥への影響や問題点、当会の活動についてわかりやすく紹介するホームページを公開します。プラスチックが野鳥たちにどのような問題を引き起こしているか、そうした問題を改善するために私たち個人ができることは何かなどを紹介しています。私たちの暮らしと野鳥たちの暮らしを考えるきっかけになる内容となっています。
- 特設ページ「プラスチック汚染から海鳥を守ろう」
日本野鳥の会の海洋プラスチック問題に対する取り組みについて
(公財)日本野鳥の会では、数を大きく減らしている海鳥へのプラスチックの影響を減らすために、普及啓発、海鳥への影響調査、政策提言の活動等を進めています。普及啓発では、プラスチックの問題の理解を深め、正確な情報を多くの方に知っていただき、プラスチックの使用削減や個人の生活の中でできることを伝えるウェビナーを2021年以降開催しており、ごみを出さない暮らしを心がける意識の普及を行なっています。海鳥への影響調査では、伊豆諸島で繁殖するオーストンウミツバメやカンムリウミスズメ等の海鳥への有害化学物質の蓄積の有無、利用海域の把握を研究機関と共同で進めています。政策面では、「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」の一員として、プラスチックの削減やリユースの推進を提言しています。
活動内容の詳細は「海洋プラスチックごみから、海鳥を守ろう」をご覧ください。
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