プレスリリース 2011.11.11_02

 11月11日、当会とWWFジャパン、日本自然保護協会の3団体は、細野豪志環境大臣、輿石東民主党陳情要請対策本部長に対し、自然保護、生物多様性保全に関わる立場から、環境省・地方環境事務所の事務・権限の地方行政組織への移譲に反対する旨の要望書を提出いたしました。

自然保護団体3団体による
地方環境事務所の地方移管に関する要望について

 11月11日、全国的な自然保護団体である世界自然保護基金ジャパン(WWF Japan)、日本自然保護協会、公益財団法人日本野鳥の会の3団体は、細野豪志環境大臣、輿石東民主党陳情要請対策本部長に対し、環境省・地方環境事務所の事務・権限の地方行政組織への移譲に反対する旨の要望書・意見書を提出いたしました。
要望は自然保護、生物多様性保全に関わる立場から、それぞれ、国立公園の管理や野生動物の広域的な保護・管理の業務等について、地方移管をせず、引き続き地方環境事務所で行うことを求めています。それぞれの団体の要望内容は、別紙のとおりです。

記者会見出席者:
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン
(WWF Japan;会長:德川恒孝、個人サポーター数:4万人)

公益財団法人日本自然保護協会(理事長 田畑貞寿、会員数:2万2千人)

公益財団法人日本野鳥の会(理事長 佐藤仁志、会員・サポーター数:約5万1千人)

当会からの要望書

日野鳥発4 6 号
平成 23 年11 月11 日

環境大臣
細野 豪志 様

公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 佐藤 仁志

地方環境事務所の地方移管に関する要望書の提出について

 平素より、当会の活動につきまして、ご理解ご協力をいただき深謝しております。
 さて、国では地方環境事務所の地方移管について、検討が進められていると聞き及んでいます。地域のことは地域に住む住民が責任を持って決め、活気に満ちた地域社会をつくっていくといった地域主権改革については、異議のないところです。
 しかしながら、国が責任を持って対応すべき国立公園や国指定鳥獣保護区等の業務は、単純に地方へ移管すべきものではないと考えます。野生鳥獣は人の決めた行政の境界にかかわりなく生活し、中には国境さえも越えて移動をする種が少なくありません。それらの保護対策は、生息地を共有する諸国の責務であり、その実施に際しては国際連携と国が責任を持って保護するといった法制度の堅持が不可欠です。また、全国的な情報集約や省庁間の連携が重要も重要です。
 従って、地方環境事務所が現在行なっている業務の内、このような観点に照らし合わせ、国としての取り組みが必要な業務については、地方に移管されることなく、引き続き国が責任をもって推進していく体制を維持されるよう、別紙のとおり要望いたします。

(本件連絡先)
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
公益財団法人 日本野鳥の会 自然保護室
葉山 政治
TEL 03-5436-2633 fax 03-5436-2635

日野鳥発4 7 号
平成 23 年11 月11 日

民主党陳情要請対策本部
本部長 興石 東 様

公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 佐藤 仁志

地方環境事務所の地方移管に関する要望書の提出について

 平素より、当会の活動につきまして、ご理解ご協力をいただき深謝しております。
 さて、国では地方環境事務所の地方移管について、検討が進められていると聞き及んでいます。地域のことは地域に住む住民が責任を持って決め、活気に満ちた地域社会をつくっていくといった地域主権改革については、異議のないところです。
 しかしながら、国が責任を持って対応すべき国立公園や国指定鳥獣保護区等の業務は、単純に地方へ移管すべきものではないと考えます。野生鳥獣は人の決めた行政の境界にかかわりなく生活し、中には国境さえも越えて移動をする種が少なくありません。それらの保護対策は、生息地を共有する諸国の責務であり、その実施に際しては国際連携と国が責任を持って保護するといった法制度の堅持が不可欠です。また、全国的な情報集約や省庁間の連携が重要も重要です。
 従って、地方環境事務所が現在行なっている業務の内、このような観点に照らし合わせ、国としての取り組みが必要な業務については、地方に移管されることなく、引き続き国が責任をもって推進していく体制を維持されるよう、別紙のとおり要望いたします。

(本件連絡先)
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
公益財団法人 日本野鳥の会 自然保護室
葉山 政治
TEL 03-5436-2633 fax 03-5436-2635

(別紙)

地方環境事務所の地方移管に係る要望書

現在、地方環境事務所が行なっている以下の業務については、引き続き国の責務として継続し、地方環境事務所が中心となって、国と地域の連携のもとに野生生物の保護行政を推進されたく要望する。

1.ラムサール条約湿地等国際的に重要な野生生物生息地の保護に関する業務

ラムサール条約登録湿地の多くは、国際条約履行の責務として国指定鳥獣保護区に指定されその保護が図られている。また、国指定鳥獣保護区は、国境を超えて移動する渡り鳥の、国際的なネットワークを確保する上でも重要な役割を果たしている。
これら、国際的に重要な生息地の指定・管理・環境の保全等の業務は、引き続き国が責任をもち、地方環境事務所が担っていくべきである。

2.タンチョウやシマフクロウ等広域での取り組みや省庁間の連携のもとに行われている

 希少種の保護対策事業野生生物の種の絶滅を防ぐことは、生物多様性条約に加盟しているわが国の国家的な責務である。絶滅のおそれのある野生動植物種については、種の保存法により希少野生動植物指定や、保護増殖事業、生息地等保護区の設置等が行われている。
 保護増殖事業においては、タンチョウの本州への越冬地分散のように、都道府県をまたぐ広域圏における、利害関係の調整を含む取り組みが必要なものがある。また、シマフクロウのように、農林水産省や国土交通省など複数の省庁の連携のもとに行われている事業もある。こうした事業の円滑な遂行のためには、国としてリーダーシップを発揮できる体制を堅持するとともに、地方環境事務所の機能を最大限に発揮し、地域と密着した保護対策が望まれる。

3.鳥インフルエンザに関する業務

 近年、高病原性鳥インフルエンザの発生頻度が高まってきている。地方自治体においては、養鶏業を守るため防疫を中心とした対応が行われるが、鳥インフルエンザの防疫のためには、野鳥の動態に関する全国的・国際的な情報集約に基づいた素早い対応が必要であり、国レベルの対応が不可欠である。
 野鳥の死亡を受けて設定される野鳥重点監視区域の設定は、環境省が行うこととされており、そのためには地方環境事務所による情報収集や、年々変化していくウイルスの病原性等にも即応した専門的な知見に基づく調査・分析が不可欠である。

4.国立公園の管理や指定に関する業務

 自然公園法に基づく自然公園は、わが国の生物多様性を保全するための屋台骨として極めて重要な役割を担っている。中でも、特にわが国を代表する優れた自然の風景地を国が指定する国立公園は、優れた景観とともに野生動植物の生育・生息地として非常に重要な地域となっている。こうした国家として重要な地域については、科学的データの整備とこれに基づく管理水準の設定・評価を行い、適正な保護管理を行うことが生物多様性国家戦略において求められている。
 また、海洋保護区等の海洋における生物多様性の保全は、昨年開催された生物多様性条約締約国会議における主要なテーマであり、その積極的な追加指定等は、生物多様性条約COP10議長国としての重要な責務である。昨年度新たな制度として設けられた海域公園は、今後国際的・全国的な視野から、従来の海中公園からの変更や追加指定が必要であり、地域と密着した地方環境事務所による業務の推進が望まれる。

5.広域に移動し時に害を及ぼす恐れのある野生鳥獣対策業務

 カワウやツキノワグマなど、都道府県を越えて広域に移動し、農林水産業へ被害を及ぼす野生鳥獣については、生物多様性国家戦略において、関係都道府県の間の連携と、整合性が図られた保護管理の推進が求められている。関係都道府県間での利害調整や、広域連合の範囲を越えた管理や対策が必要とされることから、広域に移動し時に害を及ぼす恐れのある野生鳥獣については、環境省の出先機関である地方環境事務所が、地域の特性に応じた適切な対応を行うことが望まれる。

以上

プレスリリース 2011.11.11_01

報道関係者各位

2011年11月11日

「国連生物多様性の10年」
 カレンダーで伝える生物多様性
~ 日本野鳥の会オリジナル 2012年版カレンダー 好評販売中 ~

日本野鳥の会 (会長:柳生博、会員・サポーター数:約5万人、事務所:東京都品川区)は、恒例のオリジナルカレンダーの販売を行います。
「ワイルドバード・カレンダー」は、2011年から始まった「国連生物多様性の10年」にちなみ、2011年版に引き続き「生物多様性」をテーマに設定。「多様な風景 多様な野鳥」のタイトルで、日本各地の様々な自然環境とそこで暮らす野鳥の写真で構成しました。多様な自然環境が多様な生物を支えていることを 皆様に感じていただければと思います。
この販売収益は、日本野鳥の会のすすめる様々な自然保護活動に有効に活用されます。
ぜひ、貴誌にてご紹介いただけますようお願い致します。

「ワイルドバード・カレンダー2012」

●テーマは「多様な風景 多様な野鳥」。
海、森、湿地、農耕地など、日本各地の様々な自然環境と野鳥の美しい写真で構成。日本の自然の多様さ・美しさを存分にお楽しみいただけます。

●一般公募の写真で構成。
全国から一般公募で集められた野鳥写真798点から12点を厳選しました。

●「生物季節観測値」を掲載。
その年初めてツバメが飛来した日や、ウグイスが鳴いた日など、身近な生き物の「生物季節」 (データ提供:気象庁) を暦に盛り込みました。

●野鳥の声が聞こえるカレンダー。
音声再生機器「SNGサウンドリーダー」(別売/詳細2枚目)の音声コードを掲載。
写真に登場する野鳥の鳴き声を再生し、聞くことができます。

【仕様】 ペーパーリング製本(廃棄時に分別が不要)/全14枚(表紙・裏表紙含)
【サイズ】 B3判(約51×36cm)
【価格(税込)】 1,470円

鳥の名前 撮影者 撮影地 鳥の名前 撮影者 撮影地
1月 ベニマシコ 石橋孝継 北海道阿寒郡 7月 ケイマフリ 松倉 毅 北海道根室市
2月 クロツラヘラサギ 小園卓馬 鹿児島県南さつま市 8月 ホオアカ 福島千枝子 長野県諏訪市
3月 ムナグロ 土橋隆男 大阪府富田林市 9月 ハチクマ 逆井富士夫 東京都八王子市
4月 マミチャジナイ 上戸鉄雄 北海道札幌市 10月 ノビタキ 青木正男 静岡県浜松市
5月 カンムリウミスズメ 浅見明博 三重県北牟婁郡 11月 ヒレンジャク 吉田幸弘 北海道札幌市
6月 コマドリ 小田憲佳 長野県南佐久郡 12月 カモメの仲間 小澤 宏 神奈川県小田原市

「バーズ・イン・シーズンズ2012 卓上カレンダー12か月を彩る野鳥」

【特徴】
●活躍中の野鳥写真家の写真を集めたカレンダー。
 撮影:石田光史、大橋弘一、福与義憲、江口欣照
●色とりどりの小鳥たちの写真12枚で構成。
●写真部分をポストカードとして再利用可能。

【仕様】
全13枚(表紙含む)/紙製スタンド付
【サイズ】
縦18×横14.8cm
(組立時 高さ17.5×幅14.8×奥行5.5cm)
【価格(税込)】
1,050円


【主な販売場所】
・日本野鳥の会通信販売: 電話:03-5436-2626 (平日10-17時)/FAX:03-5436-2636
・日本野鳥の会オンラインショップ:
http://www.wbsj.org/shopping/shop/online-shopping/
・日本野鳥の会バードプラザ(弊会事務所併設)
・全国書店で取り寄せ
 ほか

【「SNGサウンドリーダー」について】
専用の音声コードをなぞることで音声を再生する機械(写真)です。
サイズ(約):幅9.7×5.8×3.7cm。約112g(電池含)。税込8,925円。
日本野鳥の会 通信販売で販売中です。
詳しくは、下記までお問い合わせ下さい。

【読者プレゼントもできます】
掲載いただける場合、読者の方へのカレンダーのプレゼントも検討させていただきます。
お預かりする個人情報につきましても責任をもって管理致します。

掲載いただけます場合には、お手数ですが、下記担当までご一報くださいますようお願い致します。
以上、ご検討の程、何卒よろしくお願い申しあげます。

この件に関するお問い合わせは
公益財団法人 日本野鳥の会 普及室 販売出版グループ [担当:江面(えづら)、瀬古] まで
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
TEL:03-5436-2623/FAX:03-5436-2636/e-mail:birdshop@wbsj.org
URL:http://www.wbsj.org/

プレスリリース 2011.10.31

2011年10月31日

日本野鳥の会が設置した野鳥保護区が釧路湿原国立公園に登録
早瀬・古山・渡邊野鳥保護区温根内の3か所合わせて56.5haが
釧路湿原国立公園に登録

 公益財団法人 日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数:約5万人)は、北海道阿寒郡鶴居村温根内に買取りと協定により設置した「早瀬野鳥保護区温根内」「古山野鳥保護区温根内」「渡邊野鳥保護区温根内」の3つの野鳥保護区が、2011年9月30日に官報号外で公示された釧路湿原国立公園拡張により、国立公園に指定されたことを報告する。
 これまで当地域は、釧路湿原国立公園に隣接していながらも法的な指定がなされておらず、当会では、1990年から2006年までの間に、買取りや所有者と協定を結び野鳥保護区を設置することで湿原の保全を進めてきた。また、野鳥保護区の設置と並行して、1990年当時から法的保護指定も求めてきた。今回、こうした働きかけが実り、タンチョウの重要な繁殖地であることや、豊富な湧水がある理由から国立公園拡張の範囲に選ばれた。
 かつて当地域は、周辺の森林の開発等により湿原に土砂が流れ込むことで、ヨシ原にハンノキが繁茂し、タンチョウが繁殖できない環境になっていたが、1990年に当会が野鳥保護区を設置し、ハンノキの伐採やヨシ原を復元する事業を進めてきた結果、2002年から再びタンチョウが繁殖するようになった。現在、当野鳥保護区では、3つがいのタンチョウが生息しており、1つがいについては今年度にヒナを育てているのを確認している。
 今後、引き続き当地域がラムサール条約へも登録されるように国に働きかけ、各地に設置した野鳥保護区についても、鳥獣保護区などの見直しに合わせ、国に法的保護指定を働きかけていく。

登録された野鳥保護区について

早瀬(はやせ)野鳥保護区温根内 (19.5ha)
 1990年、釧路湿原国立公園に隣接していながら法的な指定がなされていなかった湿原を、早瀬廣司・富氏からのご寄付をもとに買い取った。
 環境は、ヨシ原とまばらなハンノキ林であり、1993年まではタンチョウが繁殖していたが、ハンノキが繁茂したため繁殖しなくなった。1999年より、タンチョウの営巣環境復元事業を進めた結果、2002年から再び繁殖をはじめた場所である。

古山(こやま)野鳥保護区温根内 (12.9ha)
 1993年、釧路湿原国立公園に隣接していながら法的な指定がなされていなかった湿原を、所有者の古山正勝氏と保護協定を結び、野鳥保護区とした。
 古山氏は「先祖から受け継いだ土地なので手放すことはできないが、この土地の自然環境を守ることは自分の願いでもある」と、当会と協定を結ばれた。

渡邊(わたなべ)野鳥保護区温根内 (24.1ha)
 2006年、釧路湿原国立公園に隣接していながら法的な保護指定がなされていなかった湿原を、渡邊玲子氏のご寄付をもとに買い取った。
 当野鳥保護区は、道道53号線の温根内橋から見ることができるオンネナイ川流域に広がる湿原。

野鳥保護区事業について

 野鳥の生息地の保全を目的として、当会では「野鳥保護区」を設置している。これまでに北海道東部を中心に33か所、2938.9haを買取りや協定により確保してきた。これは東京ディズニーランドが59個入る大きさで、国内の自然保護団体が設置した保護区としては最大級の面積である。この土地の買取りの財源は、会員をはじめとする方々からの寄付で成り立っている。当会の最初の野鳥保護区は、1987年に根室に設置したタンチョウ営巣地の営巣地7.6haだった。それ以降、タンチョウ営巣地を中心に順次拡大を続け、2004年からタンチョウ保護と併せて、シマフクロウの生息地の買取りも開始している。野鳥保護区が集中する北海道東部では釧路地域と根室地域に事務所を置き、当会の専従職員を常駐させ、保護区の巡回監視にあたっている。

タンチョウGrus japonensis について

 タンチョウは、かつて江戸時代までは道内全域に生息していたと言われているが、明治時代の乱獲と生息地である湿原の開発により激減し、一時は絶滅したと考えられていた。大正時代末期に釧路湿原で再発見されて以来、地元農家の冬期給餌などの保護活動が実り、個体数は1,300 羽を超えるまでになった。国の特別天然記念物にも指定されているが、分布は北海道東部に偏在し、冬期の人為的な給餌に依存している。また生息地である湿原の面積は減少する一方で、残されている湿原も営巣地の約半分は法律による保護指定がなされておらず、いつ開発されてもおかしくないのが現状である。
 1987 年、(財)日本野鳥の会(現:公益財団法人 日本野鳥の会)は全国からの募金をもとに、タンチョウの越冬地である阿寒郡鶴居村の給餌人、伊藤良孝氏(故人)のご理解とご協力を得て「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」を開設した。そこでは日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、タンチョウ保護のために生態調査や自然解説などを行う現地拠点となっている。また繁殖地の保護状況調査をもとに、タンチョウの営巣地でありながら法律で保護指定されていない湿原を購入、あるいは地主と協定を結ぶ等で、野鳥保護区を設置する活動を行っている。

<タンチョウの保護指定状況>

  • 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法) 「国内希少野生動植物種」
  • 文化財保護法 「天然記念物」
  • 改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物‐レッドデータブック‐ 2 鳥類 「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」
  • IUCN(国際自然保護連合)レッドリスト 「EN C1」

公益財団法人日本野鳥の会について (詳しくはホームページ http://www.wbsj.org

 自然と人間が共存する豊かな社会の実現を目指し、野鳥や自然のすばらしさを伝えながら、自然保護を進めている民間団体である。全国5万人の会員・サポーターが、自然を楽しみつつ、自然を守る活動を支えている。
・創設:1934 年 ・創設者:中西悟堂 ・連携団体:全国90 団体
・2011 年4 月、「財団法人日本野鳥の会」は「公益財団法人日本野鳥の会」へ移行しました。

<野鳥や自然を大切に思う心を伝えます>

  • 全国10 か所のサンクチュアリやバードプラザを訪れる、年間約26 万人に野鳥や自然のすばらしさを伝えている。
  • 東京バードフェスティバルなどの大規模イベントへの参加や野鳥図鑑などの発行を通して、
    バードウォッチングの楽しさを伝えている。
  • バードウォッチングの指導・案内のできる人材の育成を進めている。

<野鳥や自然を守ります>

  • 北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に、土地の買取りや協定により野鳥保護区として保全している。現在、保護区の面積は33 か所、2938.9ha で、自然保護団体としては国内最大級である。
  • 鳥類の生息地として保全が急がれる場所を明確にするため、国際的に重要な鳥類等を指標にした重要度の基準(IBA基準)を満たした野鳥の重要な生息地の選定、リストの公表を行ない、保全の推進、ネットワーク化を行なっている。

<公益財団法人です>
日本野鳥の会は、公益財団法人に認定されており、個人や法人が支出した寄付金に対して所得控除や損金算入が設定されている。

本リリースの配布先

  • 釧路総合振興局記者クラブ
  • 環境省記者クラブ
  • 環境記者会

<本件に関するお問い合わせ>

公益財団法人日本野鳥の会 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
担当:有田 茂生(ありた しげお)
〒085-1205 北海道阿寒郡鶴居村中雪裡南
TEL:0154-64-2620

公益財団法人日本野鳥の会 サンクチュアリ室
担当:富岡 辰先(とみおか たつゆき)、竹前 朝子(たけまえ あさこ)
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
TEL:03-5436-2634

図1:釧路湿原国立公園と、早瀬野鳥保護区温根内・古山野鳥保護区温根内・渡邊野鳥保護区温根内の位置図
参考)今回拡張されたのは、釧路市11ha、釧路町1,440ha、標茶町331ha、鶴居村145ha の合計1,927ha。


2:早瀬野鳥保護区温根内・古山野鳥保護区温根内・渡邊野鳥保護区温根内の位置
参考)今回拡張された126ha のうち、当会野鳥保護区が56.5ha、国有地が48ha、その他個人所有地が21.5ha。


写真:渡邊野鳥保護区温根内の湿原風景

プレスリリース 2011.08.29

2011年8月29日

藤原岳周辺のセメント採掘に関する環境影響評価準備書に対し
日本野鳥の会三重、日本野鳥の会滋賀、日本野鳥の会愛知県支部、
(公財)日本野鳥の会は、主にイヌワシ保全の観点から意見書を提出しました

日本野鳥の会 三重
日本野鳥の会 滋賀
日本野鳥の会 愛知県支部
公益財団法人 日本野鳥の会

 日本野鳥の会三重(事務局:三重県玉城町、代表:平井正志)、日本野鳥の会滋賀(事務局:滋賀県守山市、代表:石井秀憲)、と日本野鳥の会愛知県支部(事務局:名古屋市、支部長:新實豊)、公益財団法人日本野鳥の会(事務局:東京、理事長:佐藤正志、会員・サポーター数約5万1千人)は、8月26日までに、太平洋セメント株式会社に対して、三重県いなべ市における藤原鉱山およびその周辺次期原料山開発事業環境影響評価準備書に対する意見書をそれぞれ提出しました。

 藤原鉱山およびその周辺の新鉱区におけるセメント採掘の事業については、同社により環境影響評価のため各種調査などが進められ、7月19日に準備書が縦覧され、9月1日までの日程で意見の募集が行われています。
この採掘計画については、事業計画地周辺で絶滅の恐れのある猛禽類であるイヌワシ1つがいの生息が確認されていることから、日本野鳥の会三重と(公財)日本野鳥の会はその営巣や採餌への影響を懸念し、営巣地に近い治田(はった)鉱区の事業中止と、重要な採餌地を含むと思われる山頂鉱区における十分な調査・解析と影響回避を求めていました。

 今回は当該のイヌワシの行動圏が広がっていると考えられる滋賀県を活動範囲とする日本野鳥の会滋賀、及び隣接県である日本野鳥の会愛知県支部も加わり、4者で準備書について検討した結果、事業者である太平洋セメントが治田鉱区の事業を当面延期したこと、及び山頂鉱区において失われると考えられる採餌地を代償する環境保全措置を実施することを踏まえ、主に次のような点を述べています。

  1. イヌワシの営巣地保護のための治田鉱区の採掘延期を評価する。
  2. 山頂鉱区に関しては、現時点ではその影響を過小評価している可能性がある。評価あるいは工法の見直しが必要である。
  3. 環境保全措置においては、上記を踏まえ、最新の知見を踏まえたデータ収集を行い、専門家を交えた詳細な検討体制を設置して、モニタリング結果を踏まえながら実施する必要がある。

 三重県と滋賀県の県境の鈴鹿山脈においては、かつて6つがいのイヌワシが生息していましたが、現在は3つがいしか生息していません。そのうち、計画中の鉱区の直ぐそばで営巣するつがいは、もっとも繁殖成績の良いつがいであり、他の2つがいは、近年ヒナを巣立ちさせることができていません。また当該つがいは、三重県内で繁殖する唯一のつがいです。その意味で、このつがいの現在の生息環境を維持できなければ、鈴鹿山脈に生息するイヌワシ全体が危機にさらされると判断されます。
この指摘に対し、イヌワシの保全について前向きな姿勢を示した事業者を評価すると共に、生息・繁殖状況について影響を与える藤原岳山頂付近の平坦な草原環境の消失について、最新の知見を生かした保全措置を求めました。

藤原鉱山およびその周辺次期原料山開発事業環境影響評価準備書に対する意見書

プレスリリース 2011.07.21

2011年7月21日

報道関係各位

公益財団法人日本野鳥の会(東京、会長:柳生博、会員・サポーター数:約5万人)は、夏休み、自然についていろいろな疑問をいだく子どもたちが、専門家に気軽に電話で質問できる『鳥のこと自然のことecoのこと、子どもなんでも電話でQ!!』を、期間限定で実施します。
子どもたちが疑問に思っていることに専門家が直接電話で答えることで、「問題を解決する力」を育み、「自然への興味」を拡大させることができればと考えています。期間は、8月23、24、25日です。 つきましては、広く告知にご協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。

【企画名】:『鳥のこと自然のことecoのこと、子どもなんでも電話でQ!!』
~これで、自由研究も完全制覇!?~

 夏休みは、少しだけ時間があり身近なことをじっくり考えることができます。
いろいろなことが気になったり疑問に思ったりする季節です。
「今年は特に暑い日が続いているけど、鳥はどうしているの?」
「鳥って、何年くらい生きるのかな?」
「カブトムシを捕まえて育てたい。どうすればいいの?」
「鳥がしゃべっているのをテレビで見たけど、どうして人の言葉を話すの?」
「エコのために、窓のそばに植物を植えようって、大人は言うけどほんとにエコなの?」
こんなことが頭に浮かんだら、『電話でQ!!』
鳥、虫をはじめ自然のことやエコのことならなんでも知っている日本野鳥の会の安西さんがずばりお答えします。


「なんでも教えてくれる安西さん!!」

【日 時】:8月23、24、25日、各日9:30~12:00
(電話相談時間、一人10分間程度)
【募集人数】:30名(各日10名)
【対 象】:全国の小・中学生
【事前申込制】:
●①~⑧をご記入のうえ、ハガキでお申込みください。
①氏名(よみがな)、②性別、③生年月日(学年)、④住所、
⑤電話番号(日中連絡可能なもの)、⑥保護者の署名(直筆)、
⑦第一希望日、第二希望日(8/23,24,25のいずれかを選択)、⑧質問したいこと
★ハガキの送付先★
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
(公財)日本野鳥の会普及室 こども電話相談 係
※電話での相談時間は一人10分程度となります。通話料はお申込者のご負担となります。
※お申込み多数の場合、抽選となります。
当選された方には、日本野鳥の会からご連絡をさせていただきます。
●応募者全員に『ミニミニ野鳥図鑑』『シマフクロウのポストカード』をプレゼントします。


身近な野鳥がわかる『ミニミニ野鳥図鑑』

デザインがかわいい『シマフクロウポストカード』

講師紹介

「なんでも教えてくれる安西さん!!」=安西英明(あんざい ひであき)・プロフィール
1956年生まれ。1981年(財)日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ初代レンジャーとして着任
後、野鳥や自然観察、環境教育などにたずさわる。現在、(公財)日本野鳥の会理事・主席研究員、
(社)日本環境教育フォーラム理事など。解説を担当した野鳥図鑑は30万部以上の発行。
NHKラジオ『季節の野鳥』は、10年以上続いている。著書に『新山野の鳥』『新水辺の鳥』『バードウォッチング案内人の手引き』『見る読むわかる野鳥図鑑』(日本野鳥の会)、『スズメの少子化、カラスのいじめ』(ソフトバンク新書)、『野鳥eco図鑑』(東洋館出版)など。教師向け情報誌『教育ジャーナル』で連載執筆中。「全国こども電話相談室」(TBSラジオ)、「こども科学相談室」(NHKラジオ)の解説経験もあり。

この件のお問合せ先

(公財)日本野鳥の会普及室  担当:林山・岡本・田中・渡邉
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
TEL:03-5436-2622  FAX:03-5436-2635  Eメール:[email protected]

プレスリリース 2011.07.10

2011年7月10日

三宅島のサンゴ、今年も良好な状態を確認
~三宅島で8回目のリーフチェックを実施~

主催:三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
共催:コーラル・ネットワーク
共催:スナッパー・ダイビングセンター

2011年7月9日、三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館とコーラル・ネットワークとスナッパー・ダイビングセンターは共同で、世界共通のサンゴ調査である「リーフチェック」を実施した。実施した場所は三宅島の西側に位置する富賀浜のテーブル状サンゴ群集と、伊ヶ谷のカタン崎のサンゴ群集である。
調査を実施した結果、富賀浜では、調査範囲の50%以上がサンゴに覆われていた。調査範囲の南側で昨年よりサンゴが若干減少していたが、調査範囲の北側にあるテーブル状のサンゴ群集は例年と変わらず良好な状態であった。カタン崎では、調査範囲において帰島後の調査で最高の40%以上がサンゴに覆われ、例年よりも良好な状態であった。
また、富賀浜とカタン崎の両方で部分的に死んだサンゴが見られたので、今後の推移を見守っていく必要があるが、オニヒトデの大発生をすぐに心配する状況ではなかった。

※リーフチェックとは
サンゴ礁の健康度を測るために世界同一基準で用いられているモニタリング調査で1997年に始まった。アメリカ・カリフォルニアに本部を置く民間団体が推進している。調査は科学者とボランティアダイバーでチームを編成し、サンゴ、魚類、海底の生物など国際基準の調査項目を潜水して調査し、調査結果をインターネットを通じて本部に送る。各地の結果は毎年本部で取りまとめられ、ホームページなどを通じて公表される。

1.三宅島でのリーフチェックの経緯と調査方法


調査ライン上のサンゴを記録(富賀浜)

三宅島では1998 年より調査を開始し、以後99 年、05年、06年、08年、09年、10年と7回調査が行われ、今回の調査は8回目となる。
今回はコーラル・ネットワークのリーフチェックコーディネーター1名、スナッパー・ダイビングセンターのインストラクター1 名、東京大学海洋研究会の大学生2名、日本野鳥の会の職員でアカコッコ館のスタッフ3名で、地元の漁船の協力を得て、富賀浜と伊ヶ谷のカタン崎を調査した。
世界共通の調査方法に準じ、サンゴ群集上にメジャーで100mのラインを設置し、ライン上のサンゴの状態を観察した。あわせて、周辺の魚やエビ、ウニなどの決められた生き物の数を記録した。


2.調査結果


富賀浜のテーブル状サンゴ群集

(1)富賀浜
テーブル状のサンゴを中心に、50%以上が造礁サンゴに覆われていた。調査範囲の北側にあるテーブル状のサンゴ群集は例年と変わらず良好な状態を保っていたものの、調査範囲の南側で若干サンゴが減少し、海藻類が増加していた。
部分的に死んでいるサンゴが何箇所かで見られたが、昨年より少なかった。オニヒトデと疑われる食害が1箇所見つかった。しかし、オニヒトデやサンゴ食の巻き貝は今年の調査では確認されなかった。これらのことからオニヒトデがいたとしても数は多くないと考えられる。さらに腫瘍のあるサンゴが1箇所で見つかった。サンゴ周辺の生き物ではチョウチョウウオ類が昨年同様多く確認できた。また、ガンガゼ類が例年と比べて少なかった。



カタン崎の造礁サンゴ群集と調査ライン

(2)カタン崎
テーブル状のサンゴを中心に、帰島後の調査結果の中では最高の40%以上が造礁サンゴに覆われ、良好な状態にあった。カタン崎は三宅島の中でもサンゴの種類は多いと考えられ、サンゴの生育環境としては安定して良好に保たれていると考えられる。サンゴ食の巻貝の仲間やオニヒトデは全く見られなかったが、オニヒトデと疑われる食害が1箇所でみられた。
サンゴ周辺の生き物ではチョウチョウウオ類が昨年同様多く確認できた。また、ガンガゼ類が例年と比べて少なかった。



3.総評(コーラル・ネットワーク リーフチェックコーディネーター 土川 仁氏コメント)

富賀浜の調査範囲の北側にあるテーブル状サンゴ群集は例年通り良好な状態で保たれており、依然として伊豆諸島最大のテーブル状サンゴ群集であると思われる。しかし、調査範囲の南側で若干サンゴが減少しているため、今後もその推移を見守っていく必要がある。カタン崎の造礁サンゴ群集の状態は昨年より良くなっている。これは数年前に見られた泥状の沈殿物が見られなくなっており、サンゴの良好な生息環境として安定してきているためと考えられる。
オニヒトデやサンゴ食の巻き貝は、どちらも調査の範囲でも確認されず一安心であった。ただし、富賀浜とカタン崎でそれぞれ1箇所オニヒトデの食害らしきものを含め、何箇所かでサンゴの部分的な死亡が見られたので、今後の推移を見守っていきたい。

4.参考リンク

「コーラル・ネットワーク」 http://coralnetwork.jp/
「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」 http://www.wbsj.org/sanctuary/miyake/

プレスリリース 2011.07.06

報道関係各位
2011年7月6日

★★環境ボランティアツアー”グリーン・ホリデー” 参加者大募集★★
in加賀「ガンやカモがやってくる湿地を守ろう」(9月2~4日)
in釧路「タンチョウの冬の食事場所を整えよう」(9月23~25日)

(公財)日本野鳥の会(東京、会長:柳生博、会員・サポーター数約5万人)は、タンチョウやシマフクロウ、ガンやカモなどの希少な野鳥が生息する森・湿地を保全する2泊3日のボランティア・プログラム、”グリーン・ホリデー”を、加賀市鴨池観察館(石川県加賀市)、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ(北海道釧路)で開催します。
加賀では、ラムサール条約登録湿地でマガンやヒシクイが越冬する、加賀市鴨池観察館で、地域の猟師とともに、マコモを刈り取ります。この作業は、江戸時代から続いており、今年で333回目です。
釧路では、国の特別天然記念物・タンチョウが冬の間も自然の中で食べ物を採れるよう、水路を掘ります。
「グリーン・ホリデー」を通じて、多くの方に、気軽に環境保全ボランティアに参加していただきたく、広く告知くださいますよう、お願い申し上げます。

グリーン・ホリデーIn加賀・釧路実施概要


タンチョウの食事場所となる水路を掘る
  1. グリーン・ホリデーin加賀
    「ガンやカモがやってくる湿地を守ろう」

    • 日程:2011年9月2日(金)~4日(日)
    • 会場:加賀市鴨池観察館
    • 集合/解散:2日 14:10 / 4日 11:30
      加賀市鴨池観察館
    • 宿泊場所:セミナーハウスアイリス
  2. グリーン・ホリデーin釧路
    「タンチョウの冬の食事場所を整えよう」

    • 日程:2011年9月23日(金・祝)~25日(日)
    • 会場:鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
    • 集合/解散:23日 15:00 / 25日 11:30
      鶴居村合宿研修所
    • 宿泊場所:鶴居村合宿研修所

≪3日間のながれ≫
1日目:オリエンテーション・周辺観察 2日目:保全活動 3日目:活動の続き、まとめ、解散
◎対象(定員):高校生以上の一般(10名、先着順)
◎参加費:1名10,000円(※プログラム中の移動交通費、食費、宿泊費が含まれます。)

お申込み、お問い合わせ

◆ホームページからオンラインで申込みできます。また、希望者には、申込み用紙の付いた案内パンフレットをお送りします。
http://www.wbsj.org/event/greenholiday.html
「日本野鳥の会」「グリーン・ホリデー」でも検索できます。
◆パンフレットの希望、その他お問い合わせは日本野鳥の会 普及室 TEL:03-5436-2622へ

【企画】(公財)日本野鳥の会  
【旅行企画・実施】メープル・ツアーズ
【本件のプレス関係者様からのお問合せ先】
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
公益財団法人日本野鳥の会 普及室 電話:03-5436-2622(月~金) FAX:03-5436-2635
担当:岡本裕子  E-mail:[email protected]  http://www.wbsj.org

補足資料①ガンやカモがやってくる湿地の保全(グリーン・ホリデーin加賀)


ラムサール条約登録湿地・加賀市鴨池には、マガンやヒシクイなど多くの水鳥がやってきて越冬します。鴨池のほとりにある加賀市鴨池観察館は、鴨池の環境保全の拠点施設として、
1984年に加賀市によって建設されました。以来、(公財)日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、運営しています。
池や沼などの湿地は、土砂の流入や枯れた植物が堆積して徐々に浅くなり、草原から森林へと遷移します。鴨池も例外ではなく、水田耕作が行われなくなった1970年代以降、マコモなどの植物が繁茂し、それらが堆積して一部はハンノキ林になりました。このまま放置していると、池がなくなってしまうかもしれません。そこで、「坂網猟(*坂(丘)の上で行われる投げ網による伝統的なカモ猟)」の猟師さんたちがマコモを刈り払い、環境管理をするようになりました。
しかし、猟師さんの人数も減少し、作業の負担が大きくなってきたため、2010年“グリーン・ホリデー”で全国からボランティアを募集し、330年におよぶ鴨池の歴史上初めて、参加者の皆さん、加賀市役所、鴨池観察館友の会の皆さんの総勢40名で草刈りをしました。
草を刈った後の湿地には、早速たくさんのガンやカモが飛来し、エサを採る姿が確認されました。また、機械ではなく手刈りで作業を行うことで、希少な植物(ミズアオイ)を刈り残すことができました。
今後も、定期的に手を入れていくことで、貴重な鴨池の湿地環境を守っていきます。

*昨年の活動の様子

マコモ(イネ科植物)を皆で刈り取る
ヒシクイ

草刈り後の湿地にやってきたカモ
レンジャーによる周辺ガイドツアー



補足資料②タンチョウの保護と、冬季採食地の創出(グリーン・ホリデーin釧路)


(公財)日本野鳥の会は、タンチョウとその生息環境を守るため、湿原を買い取りや協定などの方法で「野鳥保護区」とし、永続的に保全しています。その面積は、北海道東部を中心に現在21か所、2584.8ha にのぼります。また、1987年より、地元で長年タンチョウの給餌活動を続けてこられた伊藤良孝さん(故人)のご理解を得て協定を結び、日本全国より寄せられた募金で”鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ”を開設、タンチョウの保護を進める拠点として、繁殖行動、湿地利用などの調査や生息地の買い取り、普及教育活動などを行っています。
タンチョウの個体数は1300羽に回復したものの、特に冬期、自然の中で食べ物を採れる環境は十分でなく、人工給餌に頼っています。タンチョウは本来、冬でも凍らない湿原の湧水や河川で小魚や水生昆虫などを食べていましたが、こうした環境は湿原や周囲の森の開発により減少してしまいました。
そこで、当会では、タンチョウ保護の次のステップとして、冬の間も自然のエサを採れるよう、凍らない湿地(冬期自然採食地)を守り、増やしていく活動に取り組み始めました。
2009年より”グリーン・ホリデー”で全国からボランティアを募集し、冬期自然採食地の創出・整備をすすめています。2010年冬には、整備した水辺に最大20羽のタンチョウがやってくる姿が確認されました。今後も、冬期自然採食地を増やしていき、将来、タンチョウが給餌に頼りすぎず、本来の生きもののつながりの中で食べものを得られるような、湿地・水辺環境の保全を目指します。


*昨年の活動の様子


水路を掘って拡げる

食事の様子

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリの位置

プレスリリース 2011.06.10

2011年6月10日

日本野鳥の会が知床地域に、”千人の森”の植樹を実施!
~Tシャツを買って、シマフクロウのすむ森を育てよう!~

 公益財団法人 日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数:約5万人)は、知床地域のシマフクロウ生息地を保全するため、本年6月1日~10日の期間、当会が設置した「持田野鳥保護区シマフクロウ知床(2009年設置)」内の1区画(500㎡)を「千人の森」と名付け、広葉樹の苗木を植樹しました。
この「千人の森」は、当会が販売する「寄付つきTシャツ千人の森」を購入することで、1枚につき250円を当会の「シマフクロウの森を育てよう!プロジェクト」に寄付できるしくみです。1,000人の方がこのTシャツを購入すると、ちょうど1区画分(25万円)の植樹とその後の管理をすることができます。Tシャツを通じて集まった「千人」の想いが、シマフクロウが生息する未来の知床の「森」を育てていきます。現在、400名以上の方がTシャツを購入されており、引き続き、1,000人を目指して賛同をお願いしたいと考えております。なお、「千人の森」は、2009年から進行中である「シマフクロウの森を育てよう!プロジェクト」の一環であり、「千人の森」区画を含め、2011年度は合計20区画に広葉樹の苗木2,000本を新たに植樹しています。
当会では、シマフクロウを代表とする希少な野鳥の生息地の保全を進めるとともに、植樹をはじめとする森づくりを通して、森林内の生物多様性を向上させる活動を推進しています。百年先にシマフクロウがすめる森を目指して、森林伐採跡の裸地へ広葉樹の苗木を植えることから始め、継続して適正な管理を行なうことで、豊かな森林環境を復元します。

シマフクロウの森を育てよう!プロジェクトについて

 百年先、シマフクロウが住める森を目指して伐採跡地や放牧跡地へ植樹を行ない、生物多様性に富んだ森をつくります。また、同時に森林を育てることで二酸化炭素を吸収させるという、当会独自のプロジェクトです。
当プロジェクトは、
①森林内の生物多様性の復元
②森林の育成による二酸化炭素吸収の促進
③希少種のシマフクロウの保護
の3つの効果を同時に進めることを目標に、
2009年からスタートしたものです。
(詳しくはホームページ
http://www.wbsj.org/nature/hogoku/fishowl/index.html
日本野鳥の会TOP→当会の活動→自然保護→野鳥保護区→シマフクロウの森を育てよう!プロジェクト

「千人の森」キャンペーンについて
~1000人の想いを集めて、シマフクロウの森を育てよう~

 当会が販売する「寄付つきTシャツ千人の森」1枚につき250円を、「シマフクロウの森を育てよう!プロジェクト」に活用し、購入者1000人で同プロジェクト1区画分(100本植樹/25万円)の植樹を達成しようというキャンペーンです。1000人の想いを集めて、シマフクロウの森を育てよう!というコンセプトのもと、Tシャツの右裾についているシリアルナンバータグには、0001~1000までの固有の番号が記されています。
今回のキャンペーンでは、「シマフクロウの森を育てよう!プロジェクト」の1区画分(500㎡)を「千人の森キャンペーン区画」とし、広葉樹の苗木100本を植樹、キャンペーンを象徴するTシャツ型の看板を設置しています。

●「千人の森」のイメージ
●「千人の森キャンペーンTシャツ」
寄付つきTシャツ「千人の森」 販売価格:2,980円(税込)
左)男女兼用(グリーン)、右)婦人用ネイビー
Tシャツのイラストは、日本野鳥の会のシマフクロウ保護事業のシンボルマーク。子どもから大人まで人気の絵本作家の村上康成氏の作品です。

Tシャツの右すそに付いている
シリアルナンバータグ


●「千人の森キャンペーン」と「Tシャツ」についてのお問い合わせは
公益財団法人 日本野鳥の会 普及室 販売出版グループ
TEL:03-5436-2626  FAX:03-5436-2636  メール:[email protected]

第三者評価のある協賛型植樹プログラム

 当プロジェクトでは、植え付けや植樹後5年間の管理経費を「協賛金」の形で企業や個人から募集し、森づくりを実施しています。この協賛は、区画単位(広葉樹100本/区画)でお願いし、協賛いただいた協賛企業・個人へは、植樹証明書を発行しています。現地に駐在するレンジャーが、定期的な巡回による細やかな観察のもと、植樹後の管理を継続して行っています。
このプロジェクトは、(社)環境プランニング学会(会長:山本良一、東京大学教授)から第三者評価を受けています。苗木が生物多様性を乱さないよう選択されているか、一連の植樹作業に伴う廃棄物処理・二酸化炭素排出抑制などが適正か、同学会の現地調査を含む監査を依頼しています。2010年に実施した根室市内、及び、知床地域での本プロジェクトは、監査の結果、同学会からの「優良」との評価を得ています。
国内でもさまざまな植樹プログラムが行なわれていますが、このような広範な第三者評価を受けているものは、少ないと思われます。

2011年の植樹について

 知床地域のプロジェクト実施地において、2011年6月1日~6月10日に植樹を実施しました。植樹を行ったのは、当会が2009年に設置した「持田野鳥保護区シマフクロウ知床」(面積15ha)の一部に残された森林伐採跡の裸地です。今回の植樹では、この保護区内の裸地1haに、地域内で採種・育苗されたミズナラ・ハルニレ・ケヤマハンノキ・イタヤカエデ・カツラの5種類の広葉樹を各400本ずつ植樹します。当会では、来年以降も継続して植樹を行ない、森林の回復に取り組む予定です。なお、シマフクロウの保護上、保護区の位置や植樹場所については公表していません。

野鳥保護区事業について

 野鳥の生息地の保全を目的として、当会では「野鳥保護区」を設置しています。これまでに北海道東部を中心に33か所、2938.9haを買い取りや協定により確保してきました。これは東京ディズニーランドが59個入る大きさで、国内の自然保護団体が設置した保護区としては最大級の面積になります。この土地の買い取りの財源は、会員をはじめとする方々からの寄付で成り立っています。当会の最初の野鳥保護区は、1987年に根室に設置したタンチョウ営巣地の営巣地7.6haでした。それ以降、タンチョウ営巣地を中心に順次拡大を続け、タンチョウ保護では一定の成果が得られたため、2004年からシマフクロウの生息地の買い取りも開始しました。野鳥保護区が集中する北海道東部では釧路地区と根室地区に事務所を置き、当会の専従職員を常駐させ、保護区の巡回監視にあたっています。

持田野鳥保護区シマフクロウ知床について

 2009年2月に購入した知床地域の山林、面積15ha(151,476㎡)で、この周辺ではシマフクロウ1つがいの繁殖が確認されています。知床半島は、国内で最も多くのシマフクロウが生息する重要な地域です。半島の先端側の約半分が国立公園や世界自然遺産として保護されているものの、それ以外のほとんどは法的な保護がされていません。当野鳥保護区も、半島内ではありますが法的保護がされてない地域であり、今後もこの地域を対象に野鳥保護区設置を進める計画です。

シマフクロウ Ketupa blakistoni blakistoni について

シマフクロウの生息分布
この他、大陸に亜種マンシュウ
シマフクロウが生息している

 シマフクロウは極東地域に狭い分布域をもち、我が国では、北海道および北方領土に生息しています。全長70㎝、翼を広げると約180cmの世界最大級のフクロウです。河川および湖沼で魚類やカエルなどを捕食し、広葉樹の大木の樹洞に営巣します。20世紀初頭までは、北海道全域に分布していましたが、森林伐採による営巣木の減少と河川改修によるエサの魚類の減少等により、現在、北海道東部を中心に約50つがい140羽ほどが生息しているに過ぎません。
また、現生息数の約半数が知床に生息し、残りが日高地域、根室、十勝地域に散在して生息しています。知床地域以外では人による、なんらかの手助けにより生息が維持されている状態がほとんどです。釣り人や心ない撮影者などにより、採食や営巣が妨害されている生息地もあります。人間の生活圏に近い場所では交通事故や感電事故に遭って死んだり、生息地が分断・孤立化していることにより、繁殖地から巣立った若い個体がうまく分散できず、近親交配が起こりやすい状態にあります。

<シマフクロウの保護指定状況>
・絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法) 「国内希少野生動植物種」
・文化財保護法 「天然記念物」
・改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物‐レッドデータブック‐ 2 鳥類 「絶滅危惧IA類(CR)」
・IUCN(国際自然保護連合)レッドリスト 「EN C2a(i)」


公益財団法人 日本野鳥の会について (詳しくはホームページ http://www.wbsj.org

 自然と人間が共存する豊かな社会の実現を目指し、野鳥や自然のすばらしさを伝えながら、自然保護を進めている民間団体です。全国5万人の会員・サポーターが、自然を楽しみつつ、自然を守る活動を支えています。

・創設:1934年  ・創設者:中西悟堂  ・連携団体:全国90団体
・2011年4月、「財団法人日本野鳥の会」は「公益財団法人日本野鳥の会」へ改称しました。

<野鳥や自然を大切に思う心を伝えます>

  • 全国10か所のサンクチュアリやバードプラザを訪れる、年間約30万人に野鳥や自然のすばらしさを伝えています。
  • 東京バードフェスティバルなどの大規模イベントへの参加や野鳥図鑑などの発行を通して、バードウォッチングの楽しさを伝えています。
  • バードウォッチングの指導・案内のできる人材の育成を進めています。
  • <野鳥や自然を守ります>

  • 北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に、土地の買い取りや協定により野鳥保護区として保全しています。現在、保護区の面積は33か所、2938.9haで、自然保護団体としては国内最大級です。
  • 鳥類の生息地として保全が急がれる場所を明確にするため、国際的に重要な鳥類等を指標にした重要度の基準(IBA基準)を満たした野鳥の重要な生息地の選定、リストの公表を行ない、保全の推進、ネットワーク化を行なっています。
  • <公益財団法人です>

  • 日本野鳥の会は、内閣総理大臣より「公益財団法人」に認定されており、個人や法人が支出した寄付金に対し「特定公益増進法人」として所得控除や損金算入等の税制上の優遇措置が設定されています。

  • 本リリースの配布先

    ・環境省記者クラブ
    ・環境記者会
    ・オホーツク総合振興局記者会

    公益財団法人日本野鳥の会
    (本件に関するお問い合わせ)
    野鳥保護区事業所
    担当:松本 潤慶(まつもと じゅんけい) 小畑 拓也(おばた たくや)
    〒086-0074 北海道根室市東梅115-1 TEL/FAX:0153-25-8911  携帯電話:080-1179-2786
    メール: [email protected]
    (協賛申し込み先)
    サンクチュアリ室
    担当:富岡 辰先(とみおか たつゆき) 竹前 朝子(たけまえ あさこ)
    〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル TEL:03-5436-2634 FAX:03-5436-2635
    メール:[email protected]


    図.森林内における生物多様性向上のイメージ


    図. 千人の森キャンペーン区画に設置したTシャツ型看板
    ※プレス用に以下のサイトに掲載されている写真をお使いいただけます。
    >>画像ダウンロード先 URL: http://yacho-hogoku.seesaa.net/


    図.森林伐採跡の裸地(植樹実施地)


    図.持田野鳥保護区シマフクロウ知床
    • 2011年4月、「財団法人日本野鳥の会」は「公益財団法人日本野鳥の会」へ改称しました。

    プレスリリース 2011.05.18

    報道関係各位
    2011年5月18日

    夏休みに親子で参加しよう!グリーン・ホリデー
    シマフクロウの森をまもろう 参加者募集

    (公財)日本野鳥の会(東京、理事長:佐藤仁志、会員・サポーター数約5万人)は、国際森林年を機に、夏休みに、絶滅危惧種「シマフクロウ」のための森づくりに取り組む、親子対象ボランティア・ツアーを実施します。
    日本では北海道にのみ生息する、世界最大のフクロウ・シマフクロウは、森林の減少等により、現在約130羽と絶滅が心配されています。彼らが生きていくには、”うろ”のできる大木が育つ森や、沢山の魚が生息する水辺が必要です。「グリーン・ホリデー」では、日本野鳥の会のレンジャーとともに、北海道の野鳥保護区の森を探検し、100年後シマフクロウが暮らせる森を目指して、ミズナラの苗木を植えます。
    体験を通じて、子どもたちに、生きもの同士の命のつながりや彼らをはぐくむ環境を保全することの大切さを学んでいただきたいと考えております。広く報道くださいますよう、お願いします。

    企画概要

    • 日程:2011年8月5日(金)~7日(日) 2泊3日の宿泊型
    • 会場:北海道根室市 (渡邊野鳥保護区ソウサンベツ 他)
    • 講師・スタッフ:(公財)日本野鳥の会レンジャー 他
    • 対象/定員:小学校4年生以上の子どもとその保護者/10組20名
      ※先着順に受付、定員に達し次第締め切り。最少催行人数6組12名
    • 宿泊:民宿たかの
    • 参加費用:親子一組 2万円(根室中標津空港集合・解散、航空券代別)
      <行程>
      8月5日 根室中標津空港に集合(13:30)、オリエンテーション
      8月6日 シマフクロウの森を探検&どんぐり苗の移植 他
      8月7日 活動のまとめ、根室中標津空港で解散(13:30)
    • 詳細・お問合せ:日本野鳥の会 TEL03-5436-2622

    写真①ミズナラの植樹

    写真②レンジャーと森を探検


    【プログラム実施】(公財)日本野鳥の会
    【旅行企画・実施】株式会社インフィックス
    【協賛】トヨタ自動車株式会社・株式会社明治
    【本件のプレス関係者様からのお問合せ先】
    〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
    公益財団法人日本野鳥の会 普及室 電話:03-5436-2622(月~金) FAX:03-5436-2635
    担当:岡本裕子  E-mail:[email protected]

    補足資料① 2010年の活動記録写真(2010年7月31日~8月2日)

    ①槍昔の森を観察 ②小鳥の巣箱を観察
       
    ③魚の調査 ④ミズナラ・クルミの移植
       
    ⑤ネズミの隠れ場所づくり ⑥牧の内の湿原を観察
       

    補足資料②(公財)日本野鳥の会が取り組むシマフクロウの保護活動

    ①シマフクロウの暮らす北海道東部の森を買い取って野鳥保護区とし、その生息環境を守っています。面積は現在337ヘクタール、タンチョウの保護区なども含めると、32箇所2871ヘクタールになります。
    *野鳥保護区:シマフクロウやタンチョウの生息地を守るために土地の買い取りや、土地所有者と保全協定を結んだ場所を野鳥保護区と呼んでいます。


    ②シマフクロウの生態や置かれている危機的な状況を伝え、保護の必要性を広く知ってもらえるよう、普及活動を行っています。

    *小冊子の発行 *イベントでの普及:シマフクロウを頂点とした生態系を折り紙で表現

    ③将来、シマフクロウがすめる森をつくるため、ボランティアとともに植樹活動を行っています。また、フクロウが生息できない環境には、シマフクロウは生息できないため、まずはフクロウの巣箱を設置し、あわせてネズミやカエルなど、エサとなる生き物の調査を行っています。シマフクロウは森の中のアンブレラ種です。シマフクロウが棲む森は、シマフクロウを頂点に、たくさんの生き物が棲んでいます。生物多様性を考えるとき、この地域で最終目標となるのは「シマフクロウがすむことのできる森」です。

    *ボランティア・プログラム「グリーン・ホリデー」 *シマフクロウの棲む森

    プレスリリース 2011.05.10_02

    2011年5月10日

    日本野鳥の会 会員が書いた野鳥の論文集
    『Strix(ストリクス) vol.27』を、愛鳥週間(初日5/10)に発行します

     公益財団法人日本野鳥の会(本部:東京、理事長:佐藤仁志、会員・サポーター数:5万人)は、5/10から始まる愛鳥週間の初日に、日本野鳥の会会員による論文集「Strix(ストリクス)vol.27」を発行します。Strixは、日本野鳥の会の会員が日頃楽しんでいるバードウォッチングに留まらず、長期的、計画的な観察や分析を行うことで、より科学的な視点をもって、すばらしい野鳥の世界を明らかにしようという論文誌で、古代ギリシャの智恵の象徴である、女神アテナの従者フクロウにちなんでこの誌名がつけられています(Strixはフクロウの学名)。今回は、22本の論文を収録しています。

    収録論文の内容(一部)

    • 新たな分布の記録 →(積雪期の札幌市におけるギンムクドリの観察記録、青森県におけるワライカモメの観察記録)
    • 身近な野鳥の意外な生態 →(秋田県大潟村でみつかったスズメの9卵巣、高山(亜高山帯)におけるヒヨドリの出現)
    • 昆虫と野鳥の関係についての新しい発見 →(コマルハナバチによるカラ類の巣の乗っ取り、フクロウの巣から発見されたシラホシハナムグリ)
    • 絶滅の恐れのある野鳥の行動・生態の記録 →(石垣島大浜海岸で観察されたクロツラヘラサギの摂餌生態、仏沼におけるチュウヒの育雛期のヒナの行動と餌内容の一例、岩手県沿岸南部におけるオオセッカの越冬状況、熊本市金峰山における非常に遅いハチクマの繁殖例)
    • 自然保護に関する問題提起 →(茨城県下のハス田における防鳥ネットによる野鳥羅網被害の状況)
    • 重要野鳥生息地における鳥類相の記録 →(小笠原群島父島の鳥類相―15年前との比較)

    論文の編集を担当した上田恵介教授(立教大学)のコメント

    Strixは日本野鳥の会が約30年前に刊行をはじめた会員による研究論文誌です。Strixは日本の鳥類の自然史研究に大きな足跡を残してきました。鳥であれ、他の動物であれ、自然史研究はその大きな部分をアマチュアの観察記録に依っています。かのダーウィンも、南方熊楠も、ファーブルも、シートンも偉大な自然観察家でありました。自然界には私たちの知らない新しい現象がいっぱい眠っています。それを掘り起こすのが自然観察であり、発見を公表することによって私たちの自然に対する理解は深まっていきます。Strixがその一助になることを願っています。

    ■書 名:『Strix vol.27』
    ■編集長:上田恵介教授(立教大学)
    ■仕 様:B5判 180ページ
    ■定 価:¥3,570(税込)

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    http://www.wbsj.org

    掲載タイトル

    (原著論文)
    北海道における繁殖期の潅木草原性鳥類の調査時期の検討 ~藤巻裕蔵
    クマノミズキとウラジロエノキの結実様式の違いが鳥類の採食樹選択に与える影響~石黒雄大ほか
    石垣島大浜海岸で観察されたクロツラヘラサギの摂餌生態 ~小菅丈治
    コマルハナバチによるカラ類の巣の乗っ取り ~三上かつらほか
    神奈川県横浜市の住宅地における人工物を利用したハッカチョウの集団営巣例 ~三科康人ほか
    (短報)
    仏沼におけるチュウヒの育雛期のヒナの行動と餌内容の一例 ~多田英行
    コハクチョウによるオオバタネツケバナ採食の記録 ~渡辺朝一
    フクロウの巣から発見されたシラホシハナムグリ(鞘翅目,コガネムシ科) ~那須義次ほか
    秋田県大潟村でみつかったスズメの9卵巣 ~松井 晋ほか
    岩手県沿岸南部におけるオオセッカの越冬状況 ~千葉一彦ほか
    北海道におけるヤブサメおよびセンダイムシクイへの赤色卵の托卵例 ~上沖正欣ほか
    高山(亜高山帯)におけるヒヨドリの出現 ~森本 元
    (報文)
    2008年度関東地方におけるシラコバトの個体数と個体数密度 ~小荷田行男ほか
    茨城県下のハス田における防鳥ネットによる野鳥羅網被害の状況 ~明日香治彦ほか
    ハイイロガン12羽の観察記録 ~吉田敬太郎
    東京都青梅市におけるアオバズクの生息及び繁殖状況 ~山口 孝
    積雪期の札幌市におけるギンムクドリの観察記録(2009~2010年) ~泉 敏彦
    熊本市金峰山におけるヒナの形態異常例 ~井上賢三郎ほか
    熊本市金峰山における非常に遅いハチクマの繁殖例 ~井上賢三郎ほか
    青森県におけるワライカモメの観察記録 ~吉岡俊朗
    小笠原群島父島の鳥類相―15年前との比較 ~栄村奈緒子
    オオヒシクイに根元食で採食された植物種の訂正 ~渡辺朝一

    【公益財団法人 日本野鳥の会】
    日本野鳥の会は、1934年(昭和9年)に中西悟堂により創設され、1970年に財団化。「野の鳥は野に」の精神から引き継がれた「野鳥も人も地球のなかま」を合言葉に、野鳥や自然に親しみながら、自然を守る活動を続けているNGO。会の多岐に渡る活動は全国90の支部と約50,000人の会員・サポーターに支えられている。2011年4月に公益財団法人になる。

    【バードウィーク(愛鳥週間)】
     野鳥と親しみ、野鳥を通じて自然を大切にする心をはぐくむために設けられた一週間で、1894年アメリカのペンシルバニア州で4月10日を「バードデー」としたことが始まり。日本では戦後間もない1947年4月10日に第一回「バードデー」が実施され、各地で野鳥と親しむイベントなどが開催された。その後、北海道など北国では4月上旬にまだ雪が残っていること、より多くの方に親しんでもらうことを考慮し、1950年から期間を5月10日から16日までとし、「バードウィーク」と改めた。

    【本件のプレス関係者様からのお問い合わせ先】
    〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
    公益財団法人 日本野鳥の会 普及室 担当:瀬古
    TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636
    E-mail seko@wbsj.org http://www.wbsj.org

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