プレスリリース 2008.05.14-01

自然とふれあい・まなび・まもる・・・ 日本野鳥の会が子どものために企画する、
「子どもレンジャーワークキャンプ・シマフクロウのすむ森を育てよう!」

2008.5.14

 (財)日本野鳥の会(東京、会長:柳生博、会員・サポーター数約5万1千人)は、夏休みの親子を対象に、日本では北海道にのみ生息し、現在約130羽と絶滅の危機に瀕する世界最大級のフクロウ「シマフクロウ」の生息環境をまもる環境保全ワークキャンプを開催します。特別天然記念物のタンチョウや天然記念物シマフクロウに代表される北海道の雄大な自然とふれあい、その保全活動へ参画することをとおして、全国のこどもたちに生きもの同士の命のつながりや、彼らをはぐくむ環境を保全することの大切さを学んでいただきます。

企画概要

  • 日程:2008年8月2日(土)~4日(月) 2泊3日の宿泊型
  • 会場:北海道根室市 (渡邊野鳥保護区フレシマ 他)
  • 講師・スタッフ:(財)日本野鳥の会レンジャー 他
  • 募集人員・対象:
    小学校4年生~中学校3年生までの子どもとその保護者12組24名(原則子ども1名につき大人1名)先着順
  • 参加費用:親子一組 2万円(根室中標津空港集合・解散、航空券代別)
  • 申し込み受付期間:5月15日(木)~受付開始、定員に達し次第締切
  • プログラム内容:湿原・森の生きもの観察ツアー、森づくり活動への参加 など
    ※詳細は日本野鳥の会HPへ:http://www.wbsj.org
  • 問い合わせ:(財)日本野鳥の会 TEL03-5436-2622
保全活動(植樹)様子
保全活動(植樹)様子
子どもレンジャーの活躍
子どもレンジャーの活躍

【企画】(財)日本野鳥の会   【旅行主催】(株)阪急交通社
【協賛】トヨタ自動車・東亜建設工業・明治乳業 ほか

【本件のプレス関係者様からのお問合せ先】
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
財団法人日本野鳥の会 普及室 電話:03-5436-2622(月~金) FAX:03-5436-2635
担当:岡本裕子  E-mail:[email protected]


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プレスリリース 2008.04.22

福井県あわら市における風力発電施設建設計画に対し設置場所の変更を要望しました

2008.4.22

 (財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博、会員・サポーター数約5万1千人)は、電源開発が福井県あわら市で計画している風力発電計画に対し、国の天然記念物であるマガンとヒシクイが風車に衝突するなどの悪影響を懸念し、設置場所の変更を求める要望書を提出しました。

 本件について、平成18年5月26日付けで環境省、文化庁、経済産業省、資源エネルギー庁、福井県、あわら市、石川県、北陸電力、電源開発へ、当会と福井県支部、石川支部との連名で要望書を提出しました。事業者の契約条件が整わずに計画はいったん延期になりましたが、今年になって条件が整ってきたために、事業者と電力会社で交渉が行われています。事業者は当会などに対し、追加調査に基づき改訂された環境影響評価について簡単な資料と口頭による説明を行ったのみで、具体的な保全措置に関する文書を未だ示していません。当会としては、新しい環境影響評価によっても鳥類へ悪影響のおそれがあるという意見に変更はないため、再度の要望書を提出いたしました。

 建設予定地は2つのIBA(野鳥重要生息地)サイト(片野鴨池:石川県加賀市、ラムサール条約湿地・県の天然記念物にも指定されている、九頭竜川下流域:福井県坂井市周辺)に挟まれ、この2つのサイトの間を往復する天然記念物マガンとヒシクイの毎回の飛行経路にあたっています。当会は2005年と2006年に、この建設予定地を通過するマガンとヒシクイの飛行経路に関して、調査を行いました。その結果、以下の4つのことが分かりました。

  1. 建設予定地を通る頻度は少ないものの、ひとたび通る場合は多数の個体が通過する。
  2. 当会による調査結果を使って事業者が行ったシミュレーションによると、風車を避けると仮定すれば年間で10.3羽が、避けないと仮定すれば年間で87.1羽が衝突する。ガン類は機敏な飛行が苦手であり、海外では実際にガン類が風車に衝突している事例が見つかっているため、風車を避けない可能性を十分に考慮する必要がある。
  3. 悪天候で視界の悪い日には鳥が風車に衝突する危険がさらに高まりますが、当会の調査結果では、採食地へ移動する際、雨や雪の日に建設予定地を多数の個体が通過していた。
  4. 積雪の多い年では積雪の少ない年と比べ、建設予定地を通る回数が増える。

これらのことから、予定地に風車を設置した場合、マガンやヒシクイが風車に衝突するなどの悪影響を与えることが懸念されます。

 地球温暖化防止対策は人にとっても野鳥にとっても大変重要なため、当会は風力をはじめとした再生可能エネルギーの導入には賛成ですが、貴重な動植物や自然を大きく破壊することには同意できません。そのため、片野鴨池に生息するマガンやヒシクイに悪影響を与えない場所に風車の建設位置を変更するよう、立地選択をやり直すことを事業者とその売電先の北陸電力株式会社に求めました。

要望書提出先

北陸電力株式会社 電源開発株式会社

本件に関する問い合わせ先

(財)日本野鳥の会サンクチュアリ室加賀市鴨池観察館:(TEL 0761-72-2200)
(財)日本野鳥の会自然保護室:(TEL 03-5436-2635)

日野鳥発第9号
福井野鳥2号
平成20年4月18日

電源開発株式会社 取締役社長
中垣 喜彦殿

東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
財団法人 日本野鳥の会
会  長 柳生 博

日本野鳥の会 石川支部
支部長 矢田 新平

日本野鳥の会 福井県支部
支部長 柳町 邦光

ラムサール条約湿地片野鴨池および国指定天然記念物
マガン、ヒシクイの保護に関する再度の要望

 平素より本会の環境保全活動に対し、ご理解ご協力をいただいておりますことを深く感謝申し上げます。
さて、福井県あわら市における風力発電施設建設計画に対しまして、平成18年5月26日付けで要望書を提出させていただきましたが、それ以降も私どもは鳥類への影響について、ガン類にしぼって調査を行ってきました。そして、自然環境への影響について検討を加え、御社や関係する自治体、学識経験者の方々とも議論してきました。
現在、御社と北陸電力株式会社との間で協定締結に向けた交渉が行なわれていることを伺っております。先日、私どもは御社より、鳥類に対する環境影響の予測と保全措置に関する説明を受けました。御社の説明は、2ページの簡単な資料と口頭によるものだったため、最終的な環境影響評価書により具体的な環境保全措置の計画を公表していただくことが必要と考えております。環境保全措置の考え方については、以前よりは様々な条件が考慮されていることをうかがえましたが、その根本となる環境影響予測については、マガンやヒシクイの生息環境を悪化させ、ラムサール条約湿地片野鴨池にも影響を与える恐れがあるという意見に変わりはありません。
こうした状況を踏まえ、再度、下記のとおり要望いたします。

風力発電施設の設置がラムサール条約湿地片野鴨池の生態系とそこに飛来する国指定天然記念物マガン、ヒシクイに悪影響を及ぼさないためには、立地選択の変更が必要です。今後、事業を進めるにあたってこのことを十分にご考慮ください。

理由は以下の通りです。

  1. マガンが建設予定地を通過する頻度は少なくても、大きな群が通過することにより多大な影響が生じる恐れがあります。
    私どもの調査では、あわら市北部を通過したガン類は、建設予定地ではなく北潟湖上空を多く通過していました。しかし、通過した群の平均個体数は、建設予定地上空を通過した場合が最も多くなっていました。(別紙図1、2)
    ヘトカー他によれば(文献1の①)、ヨ-ロッパにおいてはヒシクイ、マガンを含むガン類の衝突死の事例が見つかっているため、風力発電施設の設置場所をガン類が通過すれば、衝突死が生じる危険性があります。通過頻度は低くても群の個体数が多ければ、ひとたびマガンが通過した際に大きな影響が出る可能性があります。
  2. その年の積雪量によりマガンが建設予定地上空を通過する頻度が変化する可能性があります。
    ガン類の採食場所とあわら市における飛行経路には、関連性のある可能性があります。過去の観察事例から、積雪の多い冬には、積雪の影響が小さい海側の水田を採食地とすることが分かっており、平成17、18年度の私どもの調査結果はこのことを裏付けています。また、積雪の多い冬にはあわら市を通過する群は北潟湖上ではなく、より海岸側を通過しているという観察例があります。私どもの調査でも、積雪の多い平成17年度には、より多く海岸側(建設予定地上空)を通過していました。
    御社は、雪の多かった平成17年度には十分な回数の調査を実施しておらず、また、平成18年度に行った追加調査の結果を加えて環境影響を予測していますが、積雪が多い年の予測はできていないと考えられます。しかし上記のことから、積雪が多い年はより高頻度に建設予定地上空を飛行する可能性があり、このことを予測に盛り込む必要があります(別紙図3)。
    また、マガンがこれまで採食地としてよく利用していた福井県坂井市川崎周辺の水田は、採食範囲の中では西側の海岸よりに位置しますが、平成15年度から20年度にかけて基盤整備事業が実施されており、この間にマガンはこの区域で採食せず、より内陸側の区域で採食していました。この基盤整備事業が終了し、再び採食地とするようになった場合も同様に、調査実施時よりも高頻度に建設予定地上空を通過する可能性があります。
  3. 当会の調査結果を使用した場合のシミュレーションによる死亡数は、ガン類の保護上において無視できない規模です。
    御社は、環境影響予測において専門家の協力を得て死亡事故の年間発生数のシミュレーションを行っており、事業者のデータに加えて私どもの調査結果を盛り込んだ場合の予測も実施されています。
    マガンは風車を避ける行動をとる場合ととらない場合で、予測死亡数が変化します。私どもの調査結果も含めて推定を行った場合、避けると仮定すれば年間で10.3羽が、避けないと仮定すれば年間で87.1羽が衝突すると予測されました(2007年7月7日 あわら市主催の「風と生き物のシンポジウム」での講演資料より)。御社による説明によれば、マガンが風車を避けないことは考えられないとのご見解でしたが、1.でも述べたように、海外ではガン・ハクチョウ類が風車に衝突している事例が見つかっています(文献1の①)。そのため、影響予測においてはマガンが風車を避けない可能性を十分に考慮する必要があります。推定どおりであれば、マガンの個体群に対するマイナスの影響は多大であると考えます。
  4. 衝突死が少ない場合でも、障壁効果によるマガンの越冬個体数の減少を考慮する必要があります。
    ヨーロッパでは、ガン類が移動時に風力発電を避けるために飛行経路を変更させる「障壁効果」の事例も報告されています。この場合、衝突死は生じませんが、片野鴨池で越冬しているガン類に長期的に与える影響を考慮する必要があります。
    風力発電が鳥類に与える影響について総合的に考察したドレウィット他によれば(文献2)、障壁効果について、「発電所を避けるために渡り鳥が渡り経路を、そして留鳥は飛行経路を変えざるを得ないことも一種の生息地放棄である。これは重要な問題である。立ち並ぶ風車を迂回するために、飛行に費やすエネルギーが増加する可能性だけでなく、採食場所、ねぐら、換羽場所、繁殖場所のつながりが発電所によってとぎれる可能性もあるからである。種、行動様式、飛行高度、風車からの距離、風車の配置、風車の稼動状況、時間、風の強さや向きなどの要因によって、飛行方向、高度、速度のわずかな「手直し」から大きな迂回まで、影響の出方は大幅に変わる。迂回する距離が大きいと、発電所の反対側の地域を利用する鳥の数が減るかも知れない。」としています。採食地との往復に支障をきたした場合に、片野鴨池におけるガン類の越冬数の減少を招く恐れも考えられ、そうなればラムサール条約湿地である片野鴨池の生物学的な機能を間接的に低下させることになります。これはラムサール条約湿地の管理上も由々しき事態であると考えられます。

以上の4点を考え合わせると、より安全な環境保全措置は、片野鴨池に生息する水鳥に影響を与えない場所に風車の建設位置を変更するため、立地選択をやり直すことであると私どもは判断いたします。今回の協議の結果が、ラムサール条約湿地への悪影響といった将来への禍根とならぬよう、くれぐれも慎重なご判断をお願い申し上げます。

以上

日野鳥発第7号
福井野鳥1号
平成20年4月17日

北陸電力株式会社 取締役社長
永原 功殿

東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
財団法人 日本野鳥の会
会  長 柳生 博

日本野鳥の会 石川支部
支部長 矢田 新平

日本野鳥の会 福井県支部
支部長 柳町 邦光

ラムサール条約湿地片野鴨池および国指定天然記念物
マガン、ヒシクイの保護に関する再度の要望

 平素より本会の環境保全活動に対し、ご理解ご協力をいただいておりますことを深く感謝申し上げます。
さて、福井県あわら市における風力発電施設建設計画に対しまして、平成18年5月26日付けで要望書を提出させていただきましたが、それ以降も私どもは鳥類への影響について、ガン類にしぼって調査を行ってきました。そして、自然環境への影響について検討を加え、事業者である電源開発株式会社や関係する自治体、学識経験者の方々とも議論してきました。
現在、御社と電源開発株式会社との間で協定締結に向けた交渉が行なわれていることを伺っております。先日、私どもは事業者より、鳥類に対する環境影響の予測と保全措置に関する説明を受けました。事業者の説明は、2ページの簡単な資料と口頭によるものだったため、最終的な環境影響評価書により具体的な環境保全措置の計画を公表していただくことが必要と考えております。環境保全措置の考え方については、以前よりは様々な条件が考慮されていることをうかがえましたが、その根本となる環境影響予測については、マガンやヒシクイの生息環境を悪化させ、ラムサール条約湿地片野鴨池にも影響を与える恐れがあるという意見に変わりはありません。
こうした状況を踏まえ、再度、下記のとおり要望いたします。

風力発電施設の設置がラムサール条約湿地片野鴨池の生態系とそこに飛来する国指定天然記念物マガン、ヒシクイに悪影響を及ぼさないためには、立地選択の変更が必要です。今後、事業を進めるにあたってこのことを十分にご考慮ください。

理由は以下の通りです。

  1. マガンが建設予定地を通過する頻度は少なくても、大きな群が通過することにより多大な影響が生じる恐れがあります。
    私どもの調査では、あわら市北部を通過したガン類は、建設予定地ではなく北潟湖上空を多く通過していました。しかし、通過した群の平均個体数は、建設予定地上空を通過した場合が最も多くなっていました。(別紙図1、2)
    ヘトカー他によれば(文献1の①)、ヨ-ロッパにおいてはヒシクイ、マガンを含むガン類の衝突死の事例が見つかっているため、風力発電施設の設置場所をガン類が通過すれば、衝突死が生じる危険性があります。通過頻度は低くても群の個体数が多ければ、ひとたびマガンが通過した際に大きな影響が出る可能性があります。
  2. その年の積雪量によりマガンが建設予定地上空を通過する頻度が変化する可能性があります。
    ガン類の採食場所とあわら市における飛行経路には、関連性のある可能性があります。過去の観察事例から、積雪の多い冬には、積雪の影響が小さい海側の水田を採食地とすることが分かっており、平成17、18年度の私どもの調査結果はこのことを裏付けています。また、積雪の多い冬にはあわら市を通過する群は北潟湖上ではなく、より海岸側を通過しているという観察例があります。私どもの調査でも、積雪の多い平成17年度には、より多く海岸側(建設予定地上空)を通過していました。
    御社は、雪の多かった平成17年度には十分な回数の調査を実施しておらず、また、平成18年度に行った追加調査の結果を加えて環境影響を予測していますが、積雪が多い年の予測はできていないと考えられます。しかし上記のことから、積雪が多い年はより高頻度に建設予定地上空を飛行する可能性があり、このことを予測に盛り込む必要があります(別紙図3)。
    また、マガンがこれまで採食地としてよく利用していた福井県坂井市川崎周辺の水田は、採食範囲の中では西側の海岸よりに位置しますが、平成15年度から20年度にかけて基盤整備事業が実施されており、この間にマガンはこの区域で採食せず、より内陸側の区域で採食していました。この基盤整備事業が終了し、再び採食地とするようになった場合も同様に、調査実施時よりも高頻度に建設予定地上空を通過する可能性があります。
  3. 当会の調査結果を使用した場合のシミュレーションによる死亡数は、ガン類の保護上において無視できない規模です。
    御社は、環境影響予測において専門家の協力を得て死亡事故の年間発生数のシミュレーションを行っており、事業者のデータに加えて私どもの調査結果を盛り込んだ場合の予測も実施されています。
    マガンは風車を避ける行動をとる場合ととらない場合で、予測死亡数が変化します。私どもの調査結果も含めて推定を行った場合、避けると仮定すれば年間で10.3羽が、避けないと仮定すれば年間で87.1羽が衝突すると予測されました(2007年7月7日 あわら市主催の「風と生き物のシンポジウム」での講演資料より)。御社による説明によれば、マガンが風車を避けないことは考えられないとのご見解でしたが、1.でも述べたように、海外ではガン・ハクチョウ類が風車に衝突している事例が見つかっています(文献1の①)。そのため、影響予測においてはマガンが風車を避けない可能性を十分に考慮する必要があります。推定どおりであれば、マガンの個体群に対するマイナスの影響は多大であると考えます。
  4. 衝突死が少ない場合でも、障壁効果によるマガンの越冬個体数の減少を考慮する必要があります。
    ヨーロッパでは、ガン類が移動時に風力発電を避けるために飛行経路を変更させる「障壁効果」の事例も報告されています。この場合、衝突死は生じませんが、片野鴨池で越冬しているガン類に長期的に与える影響を考慮する必要があります。
    風力発電が鳥類に与える影響について総合的に考察したドレウィット他によれば(文献2)、障壁効果について、「発電所を避けるために渡り鳥が渡り経路を、そして留鳥は飛行経路を変えざるを得ないことも一種の生息地放棄である。これは重要な問題である。立ち並ぶ風車を迂回するために、飛行に費やすエネルギーが増加する可能性だけでなく、採食場所、ねぐら、換羽場所、繁殖場所のつながりが発電所によってとぎれる可能性もあるからである。種、行動様式、飛行高度、風車からの距離、風車の配置、風車の稼動状況、時間、風の強さや向きなどの要因によって、飛行方向、高度、速度のわずかな「手直し」から大きな迂回まで、影響の出方は大幅に変わる。迂回する距離が大きいと、発電所の反対側の地域を利用する鳥の数が減るかも知れない。」としています。採食地との往復に支障をきたした場合に、片野鴨池におけるガン類の越冬数の減少を招く恐れも考えられ、そうなればラムサール条約湿地である片野鴨池の生物学的な機能を間接的に低下させることになります。これはラムサール条約湿地の管理上も由々しき事態であると考えられます。

以上の4点を考え合わせると、より安全な環境保全措置は、片野鴨池に生息する水鳥に影響を与えない場所に風車の建設位置を変更するため、立地選択をやり直すことであると私どもは判断いたします。今回の協議の結果が、ラムサール条約湿地への悪影響といった将来への禍根とならぬよう、くれぐれも慎重なご判断をお願い申し上げます。

以上

別紙

マガンの飛行経路および坂井平野における採食地調査

調査の概略

 飛行経路に関する調査は、平成17年度3月7日から23日にかけて22回(朝5回夕方17回)、平成18年度11月5日から3月8日にかけて19回(朝14回夕方5回)実施した。調査の際には、建設予定地周辺と鴨池観察館内に調査員を配置し、相互に連絡を取りながら調査を実施した。
調査では8倍の双眼鏡、20倍から60倍の望遠鏡を用いて飛行しているガン類を探索し、発見した場合には地図上に飛行経路、群の個体数と時刻を記録した。調査結果の取りまとめにあたっては、建設予定地周辺を北潟湖上空、北潟湖と建設予定地の間の上空、建設予定地の東側上空、建設予定地の西側上空の4つに分け(図1)、それぞれの区域を通過した群数、個体数を比較した。なお、比較の際には平成17年度、18年度の結果を合わせた。のべ調査時間は約40.5時間、調査員数はのべ73人であった。
福井県の坂井平野におけるマガン採食地の調査は日本野鳥の会福井県支部によって実施され、平成17年度11月3日から3月13日にかけて計51回、平成18年度11月12日から2月11日にかけて計32回実施された。調査の際には採食していたガン類の群の位置、種、個体数を記録した。調査員はのべ108人であった。
調査の際には自動車で水田地帯を走り、採食しているマガンの群が発見された場合にはメッシュコード、個体数、行動、採食場所の環境を記録した。採食場所の図示の際には、年度ごとにそれぞれのメッシュにおいて記録されたのべ個体数を求め、1羽から1000羽、1001羽から5000羽、5001羽から10,000羽の3段階に分けて示した。

結果1.ガン類の飛行経路について

北潟湖上空を通過したマガンは平成17年度(2006年3月に5回)、平成18年度(2006年11月~2007年3月に19回)の調査中、53群を確認し、総通過群数の77.9%を占めた。一方、湖と建設予定地の間、山側の建設予定地、海側の建設予定地はそれぞれ9群(13.2%)、5群(7.4%)、1群(1.5%)であった(図2左)。
建設予定地上空を通過した群れの平均個体数は、湖上から海側の建設予定地の順に434.0羽、436.7羽、1306.8羽、130羽であった(図2右)。
すなわち、調査中にガン類があわら市北部を通過した回数では建設予定地ではない北潟湖上空を多く通過していたが、通過した群の平均個体数では、建設予定地上空を通過した場合が最も大きくなっていた。

結果2.ガン類の採食地と積雪の関係(日本野鳥の会福井県支部の調査結果)

積雪の少なかった年(平成18年度、図3左)と比較して、積雪の多かった年(平成17年度、図3右)では採食地はより西側に分布していた。そして、積雪の多い年においては建設予定地上空を通過する群が、積雪の少ない年より多く観察された。このことから、積雪の多い年にはより高い頻度で建設予定地上空を通過する可能性がある。
また、基盤整備中であったため坂井市川崎周辺の水田では採食群が見られなかったが、工事終了後に採餌が再開された場合、より高い頻度で建設予定地上空を通過する可能性がある。

文献1

Hoetker, H., Thomsen, K.-M. & H. Jeromin 2006. Impacts on biodiversity
of exploitation of renewable energy sources: the example of birds
and bats. Michael-Otto-Institut im NABU, Bergenhusen.
①衝突
ドイツではガン、ハクチョウ類に関して、1989~2004年に以下の衝突事例が見つかっている。
ヒシクイ 1
マガン 1
マガンまたはヒシクイ 1
ハイイロガン 1
カオジロガン 6
オオハクチョウ 1
コブハクチョウ 8
②障壁効果
障壁効果についてはガン類の総計で、影響があるとする研究事例が7、ないとする事例はなく、障壁効果があることが統計的に有意と認められる。
ヒシクイ 1
マガン 3
ハイイロガン 2
カオジロガン 1

文献2

Drewitt,L. & R. H. W. Langston. 2006. Assessing the impacts
of wind farms on birds. Ibis 148: 29-42
(邦訳 野鳥保護資料集第21集「野鳥と風車」9~24ページ)
風力発電所を避けるために、渡り鳥が渡り経路を、留鳥が飛行経路を変えざるを得ないことも一種の生息地放棄である。これは重要な問題である。立ち並ぶ風車を迂回するために、飛行に費やすエネルギーが増加する可能性だけでなく、採食場所、ねぐら、換羽場所、繁殖場所のつながりが発電所によって、とぎれる可能性もあるからである。種、行動様式、飛行高度、風車からの距離、風車の配置、風車の稼動状況、時間、風の強さや向きなどの要因によって、飛行方向、高度、速度のわずかな「手直し」から大きな迂回まで、影響の出方は大幅に変わる。迂回する距離が大きいと、発電所の反対側の地域を利用する鳥の数が減るかも知れない。(14ページ)

 障壁効果が個体群に重大な影響を与えることを示唆する調査報告はないが、間接的に個体群にまで影響の及ぶ可能性は考えられる。例えば、営巣場所と採食場所の往復に利用している飛行経路を発電所が事実上遮断した場合や複数の発電所が相乗的に作用して大きな障壁を作り出し、迂回路が数十kmになり、エネルギー消費の増加を招く場合などがそれに該当する。(15ページ)


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プレスリリース 2008.03.21

野鳥の子育てシーズン、野鳥のヒナへの正しい対処方法を知って欲しい
「ヒナを拾わないで!!」キャンペーン
(財)日本野鳥の会・(財)日本鳥類保護連盟・NPO法人野生動物救護獣医師協会 3団体共催

2008.3.21

 (財)日本野鳥の会・(財)日本鳥類保護連盟・NPO法人野生動物救護獣医師協会 は、野鳥の子育て期間にあたる4月より7月まで、野鳥の巣立ちビナへの適切な対処方法を広く周知するために「ヒナを拾わないで!!」キャンペーンを実施します。野鳥のヒナはまだ上手に飛べない状態で巣立つことが多いのですが、そのようなヒナでも多くは親鳥が食べ物を運んだり安全な場所へ導いたりして育てている最中なのです。明らかにケガや病気とわかるものでないヒナを迷子だと思って拾ってしまうと、親鳥から引き離してしまうことになりかねません。今年で14回目を迎える当キャンペーンでは、期間をとおしてポスター10万部を発行、学校など教育機関や公共の施設等を中心に無償配布を行います。

  • 企画名:「ヒナを拾わないで!!」キャンペーン
  • 目的:巣立ちビナへの適切な対処方法を、キャンペーンポスターをとおして広く伝えることで、
    自然の仕組みや野鳥の生態への理解者を増やしていきます。
  • 内容:キャンペーンポスターを10万部発行し、学校など教育機関や公共の施設を中心に、希望者に無償で配布します。
    マスコミをとおして、キャンペーンの趣旨を告知し、ポスターの配布・掲示への協力を広く呼びかけます。
    ポスターはホームページからもダウンロードできます → http://www.wbsj.org
  • 実施期間:2008年4月1日(火)~7月31日(木)
  • 共催:(財)日本野鳥の会・(財)日本鳥類保護連盟・NPO法人野生動物救護獣医師協会
  • 後援:環境省
  • 協賛:104法人・団体
  • ポスター申し込み・問合せ先:
    (財)日本野鳥の会:TEL 03-5436-2622
    (財)日本鳥類保護連盟:TEL 03-5378-5691
    NPO法人野生動物救護獣医師協会:TEL 042-529-1279
キャンペーンポスター
キャンペーンポスター
学校の授業での活用例
学校の授業での活用例

【本件のプレス関係者様からのお問合せ先】
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル 
財団法人日本野鳥の会 普及室 電話:03-5436-2622(月~金) FAX:03-5436-2635
担当:岡本裕子 E-mail:[email protected]


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プレスリリース 2008.03.25

日本野鳥の会が、三菱UFJ信託銀行からの寄付で「タンチョウ」の生息地34.8ヘクタールを購入

2008.3.25

これまでに設置した野鳥保護区は合計25ヶ所、2202.4ヘクタールに。

(財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数約5万1千人)は、2008年3月10日、三菱UFJ信託銀行からのご寄付をもとに、タンチョウの生息する北海道根室市酪陽(らくよう)の湿原34.8haを購入した。寄付者のお名前を冠した「三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽」とし、恒久的に保全する。今回の保護区を含め、当会が野鳥保護のために設置した保護区は合計25ヶ所、面積は2202.4ha。このうちタンチョウを対象としたものは、19ヶ所、2164.2haとなった。

野鳥保護区を設置した根室市の土地について

 ラムサール条約湿地である風蓮湖に流れ込む別当賀川の下流部に広がる湿原34.8ha。2003年に設置した藤田野鳥保護区酪陽に隣接する場所で、タンチョウ1つがいが繁殖している。藤田野鳥保護区酪陽と合わせると56.9haとなる。
当該地は、ラムサール条約湿地「風蓮湖・春国岱」(同国指定鳥獣保護区特別保護地区)に近接していながら外れている場所である。国指定鳥獣保護区(普通地域)と野付風蓮道立自然公園普通地域に指定されているが、開発等への規制は緩い場所である。

寄付者について

 三菱UFJ信託銀行株式会社(取締役社長 上原治也 以下「三菱UFJ信託銀行」という)は、1977年に、日本野鳥の会の法人特別会員に入会されて以来、当会の活動を支えている。1990年には「バード信託」を共同で開発し、支店ロビーでツルの写真展を開催するなど、ご協力をいただいている。
2007年5月10日からは、幅広いお客さまに野鳥の保護のみならず自然環境の保護もあわせてイメージしていただけるよう「バード信託」(1990年5月10日販売開始)の商品名を「野鳥と緑の信託」に変更した。また、三菱UFJ信託銀行は、「野鳥と緑の信託」の決算時に決算収益金と同額を日本野鳥の会に寄付するマッチング寄付を開始した。

購入費について

 「野鳥と緑の信託」の提携の一環として、マッチング寄付とは別に、タンチョウ生息地の購入と維持管理のために、三菱UFJ信託銀行からご寄付をいただいた。
なお、金額は今後の購入にも関わるので、伏せさせていただきます。

「野鳥と緑の信託」について

 

日本野鳥の会保護区事業

 野鳥の生息地の保全を目的として、当会では、1986年から「野鳥保護区」を拡大しています。これまでに北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に25ヶ所、2202.4haを買い取り等により確保してきました。また、タンチョウ営巣地の買い取りで一定の成果が得られたため、2004年からタンチョウに続き、シマフクロウの生息地の買い取りもはじめました。現在、野鳥保護区の総面積は、東京ディズニーランドが44個入る大きさで、国内の自然保護団体が設置した保護区としては最大の面積です。
買い取り後は、当会職員が、調査や管理、巡回監視に当たっていきます。
なお、土地の買い取りについては会員の方をはじめとする方々からの寄付を財源としています。

(財)日本野鳥の会のタンチョウ保護活動

■概要
タンチョウは、かつて江戸時代までは道内全域に生息していたと言われているが、明治時代の乱獲と生息地である湿原の開発により激減し、一時は絶滅したと考えられていた。大正時代末期に釧路湿原で再発見されて以来、地元農家の冬期給餌などの保護活動が実り、個体数は1000羽を超えるまでになった。国の特別天然記念物にも指定されているが、分布は北海道東部に偏在し、冬期の人為的な給餌に依存している。また生息地である湿原の面積は減少する一方で、残されている湿原も営巣地の約半分は法律による保護指定がなされておらず、いつ開発されてもおかしくないのが現状である。
(財)日本野鳥の会は1987年に全国からの募金をもとに、タンチョウの越冬地である阿寒郡鶴居村の給餌人、伊藤良孝氏(故人)のご理解とご協力を得て「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」を開設した。そこでは日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、タンチョウ保護のために生態調査や自然解説などを行う現地拠点となっている。また繁殖地の保護状況調査をもとに、タンチョウの営巣地でありながら法律で保護指定されていない湿原を購入、あるいは地主と協定を結ぶ等で、野鳥保護区を設置する活動を行っている。土地の購入費用は会員をはじめ、趣旨に賛同する個人、団体からのご寄付が充てられている。

財団法人日本野鳥の会について

 自然と人間が共存する豊かな社会の実現を目指し、野鳥や自然のすばらしさを伝えながら、自然保護を進めている民間団体です。全国5万1千人の会員・サポーターの方が、自然を楽しみつつ、自然を守る活動を支えています。
・創設:1934年  ・創設者:中西悟堂  ・支部:全国89支部

野鳥や自然を大切に思う心を伝える

・ 全国12ヶ所のサンクチュアリやバードプラザを訪れる年間約30万人の方に、野鳥や自然のすばらしさを伝えています。
・ 東京バードフェスティバルなどの大規模イベントへの参加や野鳥図鑑などの発行を通して、バードウォッチングの楽しさを伝えています。
・ バードウォッチングの指導・案内のできる人材の育成を進めています。

野鳥や自然を守る

・ 北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に、土地の買い取りや協定により野鳥保護区として保全しています。現在、保護区の面積は、25ヶ所、2202.4haで、自然保護団体としては国内最大級です。
・ 鳥類の生息地として、保全が急がれる場所を明確にするため、国際的に重要な鳥類等を指標にした重要度の基準(IBA基準)を満たした野鳥の重要な生息地の選定、リストの公表を行い、保全の推進、ネットワーク化を行っています。

特定公益増進法人です

日本野鳥の会は、特定公益増進法人に認定されておりますので、個人や法人が支出した寄付金に対して所得控除や損金算入が設定されています。

同時発表先

環境省記者クラブ、根室記者クラブ

本件についての問合せ先

財団法人日本野鳥の会 野鳥保護区事業所 Tel:0153-25-8911 担当:富岡辰先、有田茂生



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PDF 三菱UFJ信託銀行からの寄付による「タンチョウ」の生息地購入に関するプレスリリース

プレスリリース 2008.01.24

「IBA保護保全ハンドブック」 を出版しました!

2008.1.24

保護指定が全くないサイトは59ヶ所(35%)
ラムサール条約湿地の基準を満たす未登録地は103ヶ所(62%)

(財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数:約50,000人)は、日本のIBA(Important
Bird Area、重要野鳥生息地)の保全レベルを向上させることを目的として、野鳥保護資料集第23集として「IBA保護保全ハンドブック」(A4版、128ページ)を出版しました。

 IBA(Important Bird Areas、重要野鳥生息地)は、国際的な鳥類保護組織BirdLife International(本部、英国・ケンブリッジ)
が、日本野鳥の会を含む世界100ヶ国以上の加盟団体と共同実施しているプロジェクト。「鳥類を指標とした重要な自然環境」を選定し、それらを国際的なネットワークとして、持続的な保全や管理を実現しようとするものです。現在、日本には167ヶ所、アジア全体では、28の国と地域に2,298ヶ所(Important
Bird Areas in Asia, 2004)、世界全体では10,000を超える地域が指定されており、生物多様性のホットスポットとしても注目されています。

 今回の「IBA保護保全ハンドブック」は、(1)IBA基準を可能な限り具体的に紹介すること、(2)自然保護のために土地を担保する法律の解説と日本のIBA(167ヶ所)の法的担保状況の紹介、(3)保護保全活動の成功事例の紹介を通して、まだ法的担保のないIBA及び法的担保が十分でないIBAに対して、保護保全活動を支援するツールを提供することを目的としています。

 (2)の法的担保状況の紹介では、日本のIBA 167ヶ所の保護指定状況の概要を一覧表としてまとめています。その結果、法的担保が全くないサイトが59ヶ所(35%)があること、ラムサール条約湿地との関係では、IBAとラムサール条約湿地が一致するサイト2ヶ所(蕪栗沼、漫湖)、IBAとラムサール条約湿地の一部が一致するサイトが20ヶ所、IBAのうちラムサール条約湿地の登録基準を満たす未登録地が103ヶ所(62%)あることが紹介されています。また、(3)成功事例の紹介では、「藤前干潟」「仏沼」の保全に至るプロセスを取材し、詳しい年表を新たに掲載しています。

頒布価格は一冊1000円(送料別)。
申込みは、当会ホームページ(自然保護>出版・発行物)、email:[email protected]
または fax.03-5436-2635(担当:古南、高井)まで。

  <本件に関する問合せ先>
(財)日本野鳥の会 自然保護室
電話03-5436-2633(担当:高井、古南)

*写真の電子ファイルをご希望の方は、[email protected](高井)まで。


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PDF 「IBA保護保全ハンドブック」出版に関するプレスリリース

プレスリリース 2008.01.08

日本野鳥の会が苫小牧東部工業開発地域弁天沼周辺の土地利用に関する要望書を提出

2008.1.8

 (財)日本野鳥の会(本部:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数5万1千人)は、北海道知事宛に苫小牧東部工業開発地域(以下「苫東地域」)内の弁天沼周辺の土地利用に関する要望書を提出した。弁天沼周辺は工業開発地域にありながら未利用地として残され、かつての勇払原野の面影を残す北海道独特の景観として、また絶滅のおそれのある鳥類の生息地として、生態系保全の観点からも大変重要な地域である。
要望書の概要は以下の3点。現在北海道がこの地域で策定中の安平川河川整備計画における遊水地構想に対しては、治水効果と環境保全の両立を、そして特に現地形を生かしたできる限り大面積での遊水地の設置を要望している。また弁天沼を中心とした低湿地は、絶滅のおそれのある鳥類25種類の生息地として、鳥獣保護区特別保護地区の指定を要望している。

背景

 勇払原野は北海道三大原野のひとつとして、釧路湿原、サロベツ原野と並び数えられている。約3万6千haの原野を構成する湿原の面積は過去50年で著しく減少しているものの、残された自然環境は、ラムサール条約登録湿地であるウトナイ湖を含み、水鳥、草原性鳥類、絶滅のおそれのある鳥類の生息地として重要な役割を果たしている。一方同所では1960年代の高度成長期に、第三次全国総合開発計画の一環として苫小牧東部開発計画がスタートした。しかしその後の社会情勢の変化により、当初計画の約1万700haの土地の多くが未利用地域として残され、また農地として開拓された場所が放置され原野化し、結果として鳥類の良好な生息地となっている。
当会はこの優れた鳥類の生息環境を将来にわたって維持していくために、2000年度から当該地域において鳥類調査を実施し、その生息状況から生息環境としての特徴を把握し、社会環境を考察して保全構想をまとめ、2005年に「ウトナイ湖・勇払原野保全構想報告書」を発行した。

弁天沼周辺の鳥類について

当会の調査結果より、弁天沼周辺がウトナイ湖に匹敵する希少な野生鳥獣の生息域であり、かつての勇払原野の面影を残す景観的にも優れた、豊かな自然環境であることを確認した。具体的には、絶滅のおそれのある希少鳥類が25種類確認された(参考資料1参照)。このうちシマアオジ、チュウヒ、アカモズ、オオジシギにとって重要な繁殖地であること、サンカノゴイについては周年生息し繁殖の可能性もあること、オオワシやオジロワシは合わせて50羽以上が冬期に利用すること、ガン類やオオジシギについてはラムサール条約湿地の登録基準となる生息数を満たしていること、オオジシギの生息個体数は国際的な水鳥保護ネットワークの参加基準を満たしていること等が明らかになっている。

要望書の内容

  1. 安平川河川整備計画において、治水効果とともに原野の環境保全を両立させることを念頭とした計画を策定すること

      苫小牧東部開発新計画(苫小牧東部開発連絡協議会1995)で示された2020年代までの地域全体の開発構想の理念「豊かな自然環境と共生した開発」の具現化には、弁天沼周辺がもともと原野であり、今なお豊かな湿地環境を備えていることを踏まえ、景観面からも弁天沼周辺のみならず、湿地環境を広く一体として緑地に位置づけることが必要不可欠である。
    このことは苫東地域にとっても、他地域には見られない魅力として企業誘致の大きな付加価値となると考える。

  2. 遊水地は、現地形を生かし面積をできるだけ大きく設定し湿地環境を保全すること

      遊水地設置にあたり、現地形を生かして築堤や埋立等の新たな土地造成を行わない方法は、 治水と自然環境保全の両立を図る優れた対策と言える。安平川の場合、計画中の道道上厚真苫小牧線を堤防として利用することにより、経済的な負担も軽減できる。
    安平川右岸のいすず自動車の工場南側の湿性草地は、旧安平川の氾濫原だった場所で、シマアオジやチュウヒが生息している。埋立等により乾燥化が進めば、ハンノキ群落の侵入等で草原環境が減少し、繁殖地の消滅が懸念される。遊水地を極力広く設定することは、乾燥化防止とこれらの絶滅危惧種の生息環境も合わせて保全できる。

  3. 弁天沼を中心とした低湿地について、絶滅危惧鳥類の保全策を講じること

      今後の土地利用にあたり、前述した絶滅危惧種の鳥類の生息環境をできる限り改変せず、保全を考慮した計画とすることとして、具体的にはこれらの地域を鳥獣保護区特別保護地区に指定し、狩猟禁止だけでなく環境そのものを保全することも合わせて検討いただきたい。

今後について

 今後はこの要望書や当会の勇払原野保全構想に基づき、安平川の治水計画においても、苫東地域全体の土地利用計画においても、弁天の前浜の豊かな漁場を守るとともに、北海道独特の原野景観とその生態系の保全を目指し、現在ある貴重な財産を失うことのないよう、また新たな価値を付け加えて、産業と自然環境の保全が両立していけるよう、関係者への働きかけを行っていく。




日野鳥発第66号
平成19年12月19日

北海道知事
高橋はるみ様

財団法人 日本野鳥の会
会長 柳生 博

要望書
苫小牧東部工業開発地域弁天沼周辺の土地利用について

 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素より当会の自然保護事業に格段のご理解を賜り厚くお礼申し上げます。
当会では、1981年以来、全国的な野鳥保護についての視点から、ウトナイ湖サンクチュアリを拠点として、地域の自然環境の保全のための活動を行って来ました。そしてラムサール条約湿地であるウトナイ湖の長期的な保全のためには、周辺に残されている勇払原野を一体として保全することが重要との視点に立ち、2000年より保全構想策定のための調査を行いました。この中で、原野を構成する湿原は、過去50年間で著しく減少しているものの、残された自然環境はウトナイ湖以外の地域も水鳥、草原性鳥類、絶滅のおそれのある希少鳥類の生息地として重要な役割を果たしていることが明らかになりました。
現在の勇払原野でウトナイ湖以外に比較的まとまった自然環境が残されているのは、苫小牧東部工業開発地域(以下「苫東地域」)です。苫東地域はご承知のように工業開発地域でありながら、社会情勢の変化により1万700haの土地の多くが未利用地として残されており、これらは私どもの調査によれば多くの部分が鳥類の良好な生息地となっております。
特に安平川を挟む弁天地区は、左岸に弁天沼、右岸にいすず自動車の工場の南側で湿性の草原(以下「いすず南草原」)が広がっており、原野の景観と生態系を代表し、しかも近年減少の著しいシマアオジやチュウヒが繁殖するなど、25種類もの絶滅のおそれのある希少鳥類が確認されています。ガン類やオオジシギの生息数はラムサール条約の登録基準を満たしており、ウトナイ湖に匹敵する野生鳥獣の重要な生息地となっているのは間違いありません。

これらの状況を踏まえ、弁天沼周辺の土地利用に関して、以下の通り要望いたします。

  1. 安平川河川整備計画においては、治水効果とともに原野の環境保全を両立させることを念頭に計画を策定してください。

     1995年に策定された「苫小牧東部開発新計画」(以下「苫東新計画」)で示された2020年代までの地域全体の開発構想の理念には「豊かな自然環境と共生した開発」が掲げられています。この理念の具現化には、この地域がもともと原野であって今なお豊かな湿地環境を備えていることを踏まえて、かつての勇払原野の面影を残す景観的にも優れた地域として、弁天沼の周辺のみならず、湿地環境を広く一体として緑地に位置づけ、保全することが必要不可欠です。
    このことは苫東地域にとっても、他地域には見られない魅力として、企業誘致の大きな付加価値となります。

  2. 遊水地の設置にあたっては、現地形を生かし、面積をできるだけ大きく設定して湿地環境を保全してください。

     遊水地の設置にあたり、築堤や埋め立て等の新たな土地造成を行わない、現地形を生かした方法をとることは、洪水対策と自然環境保全の両立を図る優れた対策といえます。安平川の場合、計画中の道道上厚真苫小牧線を堤防として利用することにより、経済的な負担も軽減することができます。
    いすず南草原の湿性環境は、旧安平川の氾濫原であった場所で、現在は絶滅のおそれのある種であるチュウヒ、シマアオジ等が生息しております。埋め立て等により乾燥化が進めばハンノキ群落の侵入など草原環境が減少し、繁殖地が消滅してしまうことが予想されます。遊水地計画の範囲を極力広く設定することで、遊水地という特性を生かして乾燥化を防止し、これら絶滅のおそれのある種の生息環境も合わせて保全することができます。

  3. 弁天沼を中心とした低湿地について、絶滅のおそれのある鳥類の保全策を講じてください。

     弁天沼の水域は、秋から春にかけては渡り途中のガン類が多数利用するほか、オオワシやオジロワシも50羽前後が利用しています。弁天沼の周辺のヨシ原では、絶滅のおそれのある種としてチュウヒ2つがいが繁殖している可能性が高く、またサンカノゴイは周年生息しています。またその周辺の低木林や草地には、近年減少が著しくレッドリストにおいて絶滅危惧のランクが悪化しているシマアオジとアカモズの繁殖地があります。またオオジシギの繁殖場所は湿地周辺の草地や藪に広く分布しています。こうした多くの絶滅のおそれのある種にとって良好な環境を保つためには、弁天沼の水面だけではなく、ヨシ原や草地、低木林等も合わせて保全する必要があります。今後の土地利用にあたっては、これらの絶滅の恐れのある種の生息環境をできる限り改変せず、保全を考慮した計画とするようお願いいたします。
    これらの地域を鳥獣保護区特別保護地区に指定して、狩猟禁止だけでなく、環境そのものを保全することも合わせてご検討ください。

貴職におかれましては、安平川の治水計画においても、苫東地域全体の土地利用計画においても、弁天の前浜の豊かな漁場を守るとともに、北海道独特の原野景観とその生態系の保全も視野に入れ、現在ある貴重な財産を失うことのないように計画していただきますようお願いいたします。

以上


資料1

苫小牧東部開発地域 弁天地区で記録のある希少鳥類

No 種 名 種の保存法 文化財保護法 環境省 北海道レッドリスト
1 サンカノゴイ     EN EN
2 オオヨシゴイ     EN R
3 コウノトリ 国内希少種 特別天然記念物 CR EN
4 マガン   天然記念物 NT R
5 ヒシクイ   天然記念物   R
(亜種ヒシクイ)※     VU  
6 (亜種オオヒシクイ)※     NT  
7 ミコアイサ       VU
8 ミサゴ     NT VU
9 ハチクマ     NT R
10 オジロワシ 国内希少種 天然記念物 EN EN
11 オオワシ 国内希少種 天然記念物 VU EN
12 オオタカ 国内希少種   NT VU
13 ハイタカ     NT VU
14 ケアシノスリ       R
15 ハイイロチュウヒ       R
16 チュウヒ     EN VU
17 ハヤブサ 国内希少種   VU VU
18 エゾライチョウ     DD R
19 ウズラ     NT R
20 タンチョウ 国内希少種 特別天然記念物 VU EN
21 クイナ       R
22 ヒメクイナ       R
23 オオジシギ     NT R
24 アカモズ     EN R
25 シマアオジ     CR R

CR:絶滅危惧IA類,EN:絶滅危惧IB類,VU:絶滅危惧II類,NT:準絶滅危惧,DD:情報不足, R:希少種
(※環境省レッドリストは亜種によってランクが分かれているため亜種別に記述)

 

資料2


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PDF 苫小牧東部工業開発地域弁天沼周辺の土地利用に関するプレスリリース

プレスリリース 2007.10.12

日本野鳥の会が、バードウォッチャーのバイブルとも呼ばれる野鳥図鑑
『フィールドガイド日本の野鳥 増補改訂版』を10月15日に発行

平成19年10月12日

 財団法人日本野鳥の会(本部:東京、会長:柳生博、会員・サポーター数:5万1千人)は、1982年に初版を発行して以来、多くのバードウォッチャーからバイブルとも呼ばれて親しまれ続ける野鳥図鑑「フィールドガイド日本の野鳥」の増補改訂版をこの10月15日に発行する。これにより今後ますます野鳥を通して自然への興味を持つ人々が増え、ひいては地球環境の未来に貢献できることを期待する。

初版以来24年以上継続発行

 日本のフィールドガイド(野外識別用図鑑)の草分けとして1982年11月に初版を発行して以来、内外から高い評価を得てきた本書は、その出版分野の発展や野鳥の野外識別向上の礎ともなり、いまだ多くのバードウォッチャーや研究者に愛され続けている。若くしてこの世を去った高野伸二(当会理事、1984年逝去、享年59歳)の執筆により、当時の当会の英知を集めて発行した、まさに歴史に残る一冊と言えるものである。のちに同増補版を発行した1989年11月以降も版を重ね、初版から数えると実に24年以上発行が続いており、総発行部数は現在までで17万部以上にのぼる。

増補改訂版、その主な内容

 当会では、高野の著作を活用し、今後も本書を多くの方々に末永く使われるものとしていくために、改めて追記と一部修正を施した『フィールドガイド日本の野鳥 増補改訂版』を編纂し、この度、高野の命日でもある10月15日に発行する。
 増補改訂版では高野の著作の長所を活かし、かつ初心者から指導者まで使えるような図鑑としての機能を備えられるよう考慮し、主に以下のような改訂を行い、総計では614種を扱った。

【改訂内容】

  1. 「日本鳥類目録改訂第6版」(日本鳥学会.2000年発行)に準拠し、分類や名前などを改訂。
  2. 解説文中の生息状況や分布の記載が古くなっているものを更新(分布図の修正を含む)。
  3. 高野による執筆当時以降に明らかになった知見に基づき、解説や図版の一部を加筆修正。
  4. 1989年の増補版発行以降、2006年までに日本野鳥の会、日本鳥学会、山階鳥類研究所が発行した学術誌に論文や短報が掲載された種、「日本鳥類目録改訂第6版」で新たに掲載および検討中とされた種で今後も観察されそうな種を中心に計38種を追加掲載
  5. 野生化した飼い鳥などとして、外来種4種および野生化した家禽3種、計7種を外来種問題の記述と共に追加掲載。
  6. 行動、痕跡(古巣、卵)、羽の見分け方を新たに執筆して追加掲載。
  7. カラーインデックスの導入、観察頻度、レッドデータ、フィールドマナーの記載など、全体への新たな工夫を追加。

増補改訂版執筆者

 増補改訂・追加部分の解説執筆は、当会普及室主任研究員・安西英明、叶内拓哉氏(野鳥写真家)、田仲謙介氏(ジスコボルネオ旅行社)が、イラストは谷口高司氏(野鳥イラストレーター)と、いずれもそれぞれの分野の第一線で活躍する執筆陣が担当した。

『増補改訂版』追加掲載の38種、外来種4種および家禽3種(掲載順)は以下のとおり。

(野鳥)38種
ナキハクチョウ、ミカヅキシマアジ、ヒメウミスズメ、マダラシロハラミズナギドリ、チャガシラカモメ、ワライカモメ、クロワカモメ、キアシセグロカモメ(モンゴルカモメ)、ニシセグロカモメ(ホイグリンカモメ)、アイスランドカモメ、コウライクイナ、セイケイ、アメリカムナグロ、コシジロウズラシギ、ヨーロッパチュウヒ、バンケン、アオショウビン、コウテンシ、タイワンショウドウツバメ、マキバタヒバリ、シロビタイジョウビタキ、ヨーロッパコマドリ、ハイイロチャツグミ、イナダヨシキリ、ヒメウタイムシクイ、コノドジロムシクイ、キタヤナギムシクイ、チフチャフ、モリムシクイ、マダラヒタキ、ウィルソンアメリカムシクイ、チャキンチョウ、ズアオアトリ、ゴシキヒワ、イエスズメ、バライロムクドリ、ハイイロオウチュウ、カンムリオウチュウ
(外来種)4種
ガビチョウ、カオグロガビチョウ、カオジロガビチョウ、ソウシチョウ
(家禽)3種
アヒル、バリケン、ガチョウ
フィールドガイド日本の野鳥 増補改訂版の写真

■ 『フィールドガイド日本の野鳥 増補改訂版』
■ 著者/高野伸二
■ 増補改訂部分/解説:安西英明(当会普及室主任研究員)、叶内拓哉、田仲謙介
イラスト:谷口高司
■ B6変形判、374ページ
■ 定価:¥3,570(税込)

『フィールドガイド日本の野鳥 増補改訂版』のご注文・お求めは、

①全国最寄りの書店で
または
②日本野鳥の会 普及室 通信販売係
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
TEL:03-5436-2626 FAX:03-5436-2636
http://www.wbsj.org

【本件のプレス関係者様からのお問い合わせ先】
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
財団法人日本野鳥の会 普及室 担当:小林篤六、笹川泰次
TEL:03-5436-2622・23 FAX:03-5436-2636
E-mail atsumu@wbsj.org  http://www.wbsj.org

【財団法人 日本野鳥の会】
日本野鳥の会は、1934年(昭和9年)に中西悟堂により創設され、1970年に財団化。「野の鳥は野に」の精神から引き継がれた「野鳥も人も地球のなかま」を合言葉に、野鳥や自然に親しみながら、自然を守る活動を続けているNGO。会の多岐に渡る活動は全国89の支部と約51,000人の会員・サポーターに支えられている。会長:柳生 博。

執筆者プロフィール

【高野伸二】(たかの しんじ)
1926年~1984年。1953年、東京教育大学理学部卒業。日本野鳥の会理事、日本野鳥の会常務理事などを歴任。植物からクモに至るまでの幅広く豊富な知識と謙虚な態度で、全国のナチュラリストが師と仰ぎ、敬愛して来た。野鳥やクモの生態写真のパイオニアでもあった。「野鳥識別ハンドブック」(日本野鳥の会)、「日本産鳥類図鑑」(東海大学出版会)、「A FIELD GUIDE TO THE BIRDS OF JAPAN(英文)」(共著・日本野鳥の会)、「写真集 野の鳥の四季」(小学館)、「野鳥を友に」(朝日新聞社)など著書多数。
【安西英明】(あんざい ひであき)
財団法人日本野鳥の会普及室主任研究員。1981年、(財)日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリに初代レンジャーとして着任後、野鳥や自然観察、環境教育などをテーマに講演、ツアー講師などで全国や世界各地を巡る。解説を担当した野鳥図鑑は30万部以上発行、NHKラジオ「季節の野鳥」は10年以上続いている。おもな著書として、「スズメの少子化、カラスのいじめ」ソフトバンク新書(2006年)、「新・山野の鳥」・「新・水辺の鳥」日本野鳥の会(1998年)、「バードウォッチング案内人の手引き」日本野鳥の会(1998年)、「旅のついでのバードウォッチング」人類文化社(1999年)など。
【叶内拓哉】(かのうち たくや)
野鳥写真家。1946年、東京生まれ。子どもの頃から動植物に興味を持つ。東京農業大学農学部卒業。卒業後9年間、造園業に従事し、のちに野鳥写真家として独立して現在に至る。著書・共著書に「鳥に出会うたび」(世界文化社)、「野鳥写真マニュアル」(東海大学出版会)、「花見鳥」「鳥華抄」(文一総合出版)、「鳥景色」(講談社)、「どこ いくの?」「落としたのはだれ?」(福音館書店)、「フィールドブックス野鳥」「山渓ハンディ図鑑日本の野鳥」(山と渓谷社)など多数。
【田仲謙介】(たなか けんすけ)
小学5年生の時、日本野鳥の会レンジャーが常駐する横浜自然観察の森(神奈川県)で虫採りをしていたことがきっかけで鳥にも興味を広げ、同観察の森のジュニアレンジャーになる。やがて、海外青年協力隊でボルネオに渡り、山階鳥類研究所の指導を得ながら鳥類標識調査を始め、サラワク州のラムサール条約関係の調査や環境教育プロジェクトにも従事した。現在、ジスコボルネオ旅行社に勤務。
【谷口高司】(たにぐち たかし)
野鳥イラストレーター。1947年東京杉並・善福寺生まれ。早稲田大学卒業。日本野鳥の会発行ハンディ図鑑「新・山野の鳥」・「新・水辺の鳥」、「さわる図鑑①②」をはじめ、アジア各国の自然保護団体等から出版された「台湾野鳥図鑑」、「アジア水鳥図鑑」、「原色野鳥図鑑 韓国の鳥」、「モンゴル野鳥図鑑」の図版を担当。図鑑イラストレーターの第一人者として活躍中。そのほか「空に広がる動物園」、「絶滅危惧種 日本の野鳥」、「”タマゴ式”鳥絵塾」など著書も多数。

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『フィールドガイド日本の野鳥 増補改訂版』発行に関するプレスリリース

プレスリリース 2007.07.18

日本野鳥の会と明治乳業(株)が野鳥保護に関する協定を締結
タンチョウなど野鳥の生息地約467haで野鳥保護の活動を行う

2007年7月18日

報道関係各位

財団法人日本野鳥の会
明治乳業株式会社

日本野鳥の会と明治乳業(株)が野鳥保護に関する協定を締結
タンチョウなど野鳥の生息地約467haで野鳥保護の活動を行う

 財団法人日本野鳥の会(会長:柳生 博)と明治乳業株式会社(社長:浅野 茂太郎)は、明治乳業が所有する自然環境保全区に「明治乳業野鳥保護区槍昔」および「明治乳業野鳥保護区牧の内」を共同で設置し、野鳥保護活動にあたることで合意し協定を締結いたしました。
明治乳業は、根室市内の社有地のうち、槍昔地区(231.8ha)および牧の内地区(牧草地を除く235.5ha)の合計467.3haを、明治乳業における自然環境保全区と認定し、自然環境保全区の管理に関する規則に基づき管理を行っています。
当該地は、国の天然記念物であり、絶滅危惧種でもあるタンチョウやオジロワシの生息地であり、野鳥をはじめとした自然環境を保護する重要性が高いことから、今後は共同活動計画を策定し野鳥の保護に努めてまいります。

■ 協定を締結した土地について

槍昔地区

 明治乳業が牧場用地等として戦前から根室市内に所有する土地で、ラムサール湿地、「春国岱・風蓮湖」に近接する。(財)日本野鳥の会の渡邊野鳥保護区ソウサンベツ(2002年設置)の隣接であり、タンチョウ1つがいが営巣する湿原を含む。面積は、231.8ha(2,318,089㎡)。協定により、渡邊野鳥保護区ソウサンベツと合わせると約600ha(5,998,975㎡)のまとまった保護区となる。

牧の内地区

 明治乳業が戦前から根室市内に所有する土地で、根室市街地の東側に位置し、道指定鳥獣保護区であり、道指定鳥獣保護区特別保護地区に隣接する。古くからのタンチョウの営巣地である。面積は、235.5ha(2,355,818㎡)。

■ 明治乳業自然環境保全区について

 明治乳業は創立90周年にあたり、社有地の中で、特に自然環境を保全する価値を持つ土地を自然環境保全区とする制度を設けた。未来の世代のために貴重な自然環境を永く保全することにより、生物多様性の維持に努めるとともに、環境配慮型経営の象徴として、様々な情報を発信してゆきたいと考えている。

■ 日本野鳥の会の野鳥保護区事業

 野鳥の生息地の保全を目的として、日本野鳥の会では、1986年から「野鳥保護区」を拡大している。今回の協定締結で北海道東部のタンチョウの営巣地を中心に24ヶ所、2167.6haを買い取りや協定により確保している。この面積は、東京ディズニーランドが43個入る大きさで、国内の自然保護団体が設置した保護区としては最大の面積である。土地の買い取りについては会員の方をはじめとする方々からの寄付を財源としている。野鳥保護区設置後は、調査や管理、巡回監視に当たっていく。
企業との協定によりまとまった面積を野鳥保護区とするのは今回が初めてである。

同時発表

  1. 農政クラブ(農水省内)
  2. 東商クラブ(東京商工会議所内)
  3. 北海道経済記者クラブ(札幌市内)
  4. 環境省記者クラブ
  5. 根室市役所記者クラブ

以上

(本件に関するお問い合わせ)
○財団法人日本野鳥の会  サンクチュアリ室  TEL:03-5358-3517
○明治乳業株式会社     広報室        TEL:03-5653-0300

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PDF 日本野鳥の会と明治乳業(株)の野鳥保護協定に関するプレスリリース

プレスリリース 2007.07.02

日本野鳥の会と三菱UFJ信託銀行との遺贈等に関する提携について

平成19年7月2日

各位

財団法人日本野鳥の会
三菱UFJ信託銀行株式会社

日本野鳥の会と三菱UFJ信託銀行との遺贈等に関する提携について

 財団法人日本野鳥の会(会長 柳生博 以下「日本野鳥の会」という)と三菱UFJ信託銀行株式会社(取締役社長 上原治也 以下「三菱UFJ信託銀行」という)は、遺贈等に関する提携について合意いたしました。(なお、本提携は、「日本野鳥の会と三菱UFJ信託銀行との自然環境保護を目的とした提携」(平成19年5月10日)における各種施策の一環として行うものです。)

これに伴い、本日より、日本野鳥の会は、同会への寄付または遺贈のお申出があった方のうち、遺言、相続等に関するご相談をご希望される方を、三菱UFJ信託銀行に紹介いたします。また、三菱UFJ信託銀行は、日本野鳥の会に寄付・遺贈を希望される資産が不動産・有価証券であった場合には、日本野鳥の会に対して、売却の可否・方法等についてのコンサルティングを行います。

 日本野鳥の会は、本提携を通じ、これまで寄付を受けることが困難であった不動産や有価証券などの資産についても寄付を受けることが可能となり、野鳥の保護をはじめとする自然環境保護活動の一層の推進が図れます。
三菱UFJ信託銀行は、日本野鳥の会の会員約5万人および日本野鳥の会への寄付等をお考えの皆さまの遺贈等のニーズに対して、三菱UFJ信託銀行がこれまで相続関連業務で培ってきた専門的なコンサルティングサービスを提供することが可能となります。

今後とも、日本野鳥の会と三菱UFJ信託銀行は、自然環境保護を目的とした各種提携施策を推進してまいります。

以 上


【遺贈提携の仕組み】

「野鳥と緑の信託」商品スキーム

<照会先>
財団法人日本野鳥の会    会員室         (03-5358-3510)
三菱UFJ信託銀行株式会社 経営企画部広報室  (03-6214-6044)

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PDF 三菱UFJ信託銀行との提携に関するプレスリリース

プレスリリース 2007.06.13

 日本野鳥の会は、タンチョウを主人公に、自然や生命の大切さを伝えるアニメーション映画を製作し、この度完成した。
本作品は、遺贈をもとでに製作され、子供たちに夢や希望を与える事業として、DVD化し、全国の児童福祉施設や児童館などに無償配布する。
配布に先がけ、試写会(東京)および上映会(札幌)を開催する。

 (財)日本野鳥の会(本部:東京、会長:柳生博、会員・サポーター数5万1千人)は、1987年よりタンチョウの保護区を設置するなどタンチョウの保護に力を入れているが、一時は絶滅したとされるタンチョウが現在は1,000羽と、「千羽鶴」といえるまでに回復してきたことを機に、タンチョウを主人公にしたアニメーション映画『ワイルド・バード・シンフォニー第1番「白いファンタジア」』を製作した。
会では、「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」を拠点に、タンチョウについてのインタープリテーションや教育教材「タンチョウ・ティーチャーズガイド」の製作などの環境教育活動も行っているが、本作品は広く全国の子供たちにもタンチョウのことを知ってもらいたいという思いからアニメーション映画として製作した。
映画の内容は、北海道を舞台にタンチョウと少女とのふれあいを通じて、自然や生命の大切さを伝えるもので、今後はDVD化し、全国児童養護施設協議会、全国母子生活支援施設協議会、および財団法人児童健全育成推進財団の協力を得て、全国の児童福祉施設(児童養護施設:約560カ所、母子生活支援施設:約280カ所)および児童館(約3,000カ所)などに無償配布し、子供たちに夢と希望を与えたいと考えている。 
また、本作品は遺贈をもとでに製作されたもので、故人の野鳥や自然を愛する思いを、未来を担う子供たちに繋ぐことができればと考えている。

 映画の完成を記念して、試写会(東京)および上映会(札幌)を以下の通り行う。お孫さんやお子さま連れで、是非見に来てほしい。
また、一般へのDVDの実費頒布も10月より行う。

試写会 (東京) 

日 時: 2007年7月28日(土) 開演14:00 (16:00終了予定)
会 場: ニューピアホール 
東京都港区海岸1-11-1 ニューピアノースタワー1階
参加費: 無料
応募方法: 往復ハガキに郵便番号、住所、代表者氏名、年齢、電話番号、希望人数(4名までの大人・小人それぞれの人数)を明記の上、応募いただく。なお、応募者多数の場合には抽選、座席は全席指定。
応募締切: 2007年7月10日(火)必着
応募先: 〒151-0061 東京都渋谷区初台1-47-1 小田急西新宿ビル1階
(財)日本野鳥の会  会員室メディアグループ「白いファンタジア」東京試写会係

上映会 (札幌) 

日 時: 2007年9月30日(日) 開演18:30 (20:30終了予定)
会 場: 北海道道立道民活動センター(かでる2・7) 
札幌市中央区北2条西7丁目 道民活動センタービル
参加費: 無料
応募方法: 往復ハガキに郵便番号、住所、代表者氏名、年齢、電話番号、希望人数(4名までの大人・小人それぞれの人数)を明記の上、応募いただく。なお、応募者多数の場合には抽選、座席は全席指定。
応募締切: 2007年9月12日(水)必着
応募先: 〒151-0061 東京都渋谷区初台1-47-1 小田急西新宿ビル1階
(財)日本野鳥の会 会員室メディアグループ「白いファンタジア」札幌上映会係

※詳細は、(財)日本野鳥の会ホームページhttp://www.wbsj.org/event/wbs.htmlでもご確認いただけます。
※試写会及び上映会に関するお問い合わせ先は以下の通りです。
(財)日本野鳥の会 会員室 メディアグループ
TEL:03-5358-3510 FAX:03-5358-3608 e-mail:[email protected]

同時発表先

環境省記者クラブ     (13:00より記者会見)
厚生労働省記者クラブ  (資料配布)
東京都庁記者クラブ   (資料配布)

プレスリリースに関するお問い合わせは
財団法人 日本野鳥の会
担当:会員室 メディアグループ チーフ 安藤 康弘  [email protected]
五十嵐 真  [email protected]
井出 恵美  [email protected]
〒151-0061 東京都渋谷区初台1-47-1 小田急西新宿ビル1階
TEL:03-5358-3512 FAX:03-5358-3608   http://www.wbsj.org

補足説明資料

  1. 本作品のシナリオ(概要)
  2. 本作品のスタッフ・キャスト
  3. (財)日本野鳥の会のタンチョウ保護活動について
  4. 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリについて
  5. 『タンチョウ・ティーチャーズガイド』について
  6. 全国児童養護施設協議会・全国母子生活支援施設協議会について
  7. 財団法人 児童健全育成推進財団について
1.本作品のシナリオ(概要)

 西暦3087年、タンチョウロボットが未来から現在の世界へとやって来ます。タンチョウロボットがいる未来は、既に鳥たちを始め多くの動植物たちが絶滅しています。このロボットは、生物のDNAを採取し、自らを絶滅した生物の標本とするために作られた生物ロボットなのです。
タンチョウロボットは、現在の世界で少女に出会い、彼女に見守られながら、未だ絶滅していないタンチョウの生態を学んで仲間に入ろうと一生懸命努力します。しかし、ある時、自らの正体をふと少女に吐露してしまい、少女は人間のこれから犯す過ちに気づいてしまいます。
タンチョウロボットは少女とのふれあいを通して、ともに生きることの意味に気づきます。今に生きることの大切さを思い、そして少女も、今のままであってくれることを願ったその刹那、一瞬の閃光が全体を包みます。
タンチョウロボットは虹色に輝き、新しい姿となって、生命のシンフォニーが奏でられます。

2.本作品のスタッフ・キャスト

<スタッフ>
原作・監督・脚本・プロデューサー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 宇井 孝司
■プロフィール
演出家・脚本家。1961年 埼玉県生まれ
<主な作品>
映画・アニメーション「森の伝説」監督(手塚治虫と共同)・音響監督(1988)
(ザグレブ国際アニメーションフェスティバル青少年映画賞、毎日映画コンクール、大藤信朗賞等受賞)
テレビシリーズ・アニメーション「ジャングル大帝」監督、脚本(1989~90) (文化庁芸術祭優秀子供番組賞受賞)
CD「銀河鉄道の夜」演出・「ゼルマの詩集」演出、脚本(1996)
映画・アニメーション「ゼノ かぎりなき愛に」監督、脚本(1998)
ビデオ・アニメーション「たれぱんだ」監督(2000) (文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞)
映画・アニメーション「葉っぱのフレディ」監督、脚本(2002)

鳥・動物キャラクターデザイン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 村上 康成
■プロフィール
絵本作家。1955年 岐阜県生まれ
ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞(1986・88・89)、ブラティスラヴァ世界絵本原画ビエンナーレ金牌(1991)、
日本絵本大賞受賞(2003)
<主な作品>
絵本「星空キャンプ」(講談社)(1994)
絵本「さかなつりにいこう!」(理論社)(1996)
絵本「ピンクのいる山」(徳間書店)(2000)
絵本「よだかの星」(岩崎書店)(2005)他多数

音楽 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
渡辺 俊幸 
■プロフィール
作曲家。1955年 愛知県生まれ。
洗足学園大学 音楽・音響デザイン科 客員教授。
<主な作品>
テレビドラマ「大地の子」(NHKドラマ)(1996)
テレビドラマ「毛利元就」(NHK大河ドラマ)(1997)
映画「モスラ」「モスラ2」「モスラ3」(1996~1998)
映画・アニメーション「葉っぱのフレディ」(2002)
テレビドラマ「利家とまつ」(NHK大河ドラマ)(2002)
テレビドラマ「どんど晴れ」(NHK朝の連続テレビ小説)(2007)他多数

<キャスト>
ミス・リード(タンチョウロボット)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 子安 武人
■プロフィール
声優。1967年 神奈川県生まれ
<主な出演作品>
テレビアニメ「楽しいムーミン一家」スナフキン役(テレビ東京他)(1990~92)
テレビアニメ「十二国記」景麒役(NHK)(2002)
テレビアニメ「機動戦士ガンダムSEED」ムウ・ラ・フラガ役(MBS・TBS他)(2002~03)
テレビアニメ「メジャー」本田茂治役(NHK)(2004)
テレビアニメ「地球へ…」キース・アニアン役(MBS・TBS他)(2007)他多数

老人 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
柳生 博
■プロフィール
俳優。1937年 茨城県生まれ
財団法人日本野鳥の会会長(2004年~)
<主な出演作品・著書>
テレビドラマ「いちばん星」(NHKドラマ)(1977)
テレビ「生き物地球紀行」(NHK)(1992~2000)
書籍「森と暮らす森に学ぶ」(講談社)(1994)

3.(財)日本野鳥の会のタンチョウ保護活動について

 国の特別天然記念物に指定されているタンチョウは、江戸時代までは北海道全域に生息していたと言われていますが、明治時代以降、乱獲と生息地である湿原の開発により激減し、一時は絶滅したと考えられていました。その後、大正時代末期に釧路湿原で再発見され、地元農家による冬季の給餌活動など地道な保護活動によって、現在は約1000羽まで回復してきています。しかし、タンチョウを取り巻く環境は依然厳しく、分布は北海道東部に限られており、冬季の人為的な給餌に依存し、生息地である湿原は減少する一方です。
また、営巣地(約300か所)の約半分は法律による保護指定が行われていないという状況が続いています。
(財)日本野鳥の会では、1987年に全国からの募金をもとに、タンチョウの越冬地である阿寒郡鶴居村で、地元の伊藤良孝氏(故人)のご理解とご協力を得て「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」を開設しました。そこでは、タンチョウ保護のために日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、生態調査や自然解説などの他に、タンチョウ営巣地でありながら法律で保護指定されていない湿原を購入等により、野鳥保護区を設置する活動を行なっています。
また、購入した土地の環境変化のモニタリングや、周辺部で起きる開発への対策、巡回監視などの保全活動を続けています。保護区の買い取りと維持には会員を始めとして、趣旨に賛同する個人、団体からのご寄付が充てられています。
1999年からは、タンチョウの生息環境を復元する実験を開始しました。これは湿原周辺の開発による土砂の流入や水量の減少などによって、ヨシ原に増加したハンノキを除去し、タンチョウ本来の繁殖環境を復元するという事業です。当事業によって、2002年4月には、早瀬野鳥保護区温根内内の実験区で8年ぶりに繁殖が始まり、以降4年連続でヒナが育っています(または「6年連続で営巣が確認されています」:2006,2007年はヒナの姿こそ確認されていませんが、営巣は確認されています)。また、2004年には、タンチョウを素材とした学習プログラム集「タンチョウ・ティーチャーズガイド」を作成し、一般の方のタンチョウへの関心と理解が進むよう努めています。2005年からは、「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」にインターネットカメラを設置し、タンチョウ魅力あるライブ映像をお茶の間に配信しています。

■タンチョウ保護のために設置された日本野鳥の会野鳥保護区一覧(2007年4月現在)

  名   称 所在地 設置(年) 所有する面積
(ha)
協定等による面積
(ha)
タンチョウ利用状況
1. 持田野鳥保護区東梅 北海道根室市 1987 7.6   1つがい繁殖
2. エクソンモービル石油
野鳥保護区・春国岱
北海道根室市 1994 110.1   自然採食地
3. 藤田野鳥保護区酪陽 北海道根室市 2003 22.1   1つがい繁殖
4. 渡邊野鳥保護区ソウサンベツ 北海道根室市 2002 368.1   2つがい繁殖
5. 渡邊野鳥保護区飛雁川 北海道別海町 2006 15.3   5.6で1つがい繁殖
6. 永野野鳥保護区飛雁川 北海道別海町 2006   15.6  
7. 渡邊野鳥保護区フレシマ 北海道根室市 2004     1つがい繁殖
8. 渡邊野鳥保護区別寒辺牛湿原 北海道厚岸町 2006 35.3    
9. 早瀬野鳥保護区別寒辺牛湿原 北海道厚岸町 1993 284.6 80.8 3つがい繁殖
10. 渡邊野鳥保護区大別川 北海道厚岸町 1997 235.0   2つがい繁殖
11. 渡邊野鳥保護区尾幌川 北海道厚岸町 2006 6.1   11.12で1つがい繁殖
12. 石澤野鳥保護区尾幌川 北海道厚岸町 2006   5.0  
13. 渡邊野鳥保護区チャンベツ 北海道標茶町 2004 216.3   4つがい繁殖
14. 渡邊野鳥保護区温根内 北海道鶴居村 2006 24.1   1つがい繁殖
15. 古山野鳥保護区温根内 北海道鶴居村 1993   12.9 自然採食地
16. 早瀬野鳥保護区温根内 北海道鶴居村 1990 19.5   1つがい繁殖
      合計 1662.1 18つがい繁殖
+自然採食地

4.鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリについて

 1987年、日本野鳥の会は、全国からの募金により、タンチョウとその生息地を守る拠点を阿寒郡鶴居村に作りました。1966年より給餌活動などのタンチョウ保護活動に努力された伊藤良孝さん(故人)の協力を得て協定を結び、給餌場を含めた13ヘクタールをサンクチュアリとしました。観察場や暖かいネイチャーセンターから、多いときには300羽を超えるタンチョウをゆっくりと見ることができます。また、レンジャーが生態や保護の話などの解説も行っています。鶴居村はタンチョウの越冬地ですので、開館しているのは、10月~3月。タンチョウのいない4月~9月は閉館となっています。
また、2007年は、開設20周年の年となります。タンチョウの生息数も1,000羽を超え、今後のタンチョウ保護のあり方が問われる時期とも重なります。当会では、タンチョウ保護の推進を目指し、これからのタンチョウ保護のあり方を提言し、活動への理解と支援を得るための記念事業を計画しています。

■鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ 開設20周年記念事業
【事業の目的】
これまでのタンチョウ保護活動を振り返るとともに、これからのタンチョウ保護活動のあり方を提案し、
多くの方々の理解をいただく

【主な事業】
1) シンポジウムの開催
11月に鶴居村で開催するほか、釧路市、東京近郊でもプレシンポジウムを開催します。

2) オリジナル切手の製作
オリジナル写真を使った記念切手を製作し、ご支援をいただいた方々に差し上げます。

3) 子ども向け体験ツアーの実施
首都圏の子どもを対象とした、タンチョウ保護活動体験ツアーを実施します。

■現地 : 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
〒085-1205 北海道阿寒郡鶴居村字中雪裡南
(担当:レンジャー 音成邦仁)
TEL 0154-64-2620  FAX 0154-64-2239  http://www.wbsj.org
e-mail  [email protected]

5.『タンチョウ・ティーチャーズ・ガイド』について

 『タンチョウ・ティーチャーズ・ガイド』は、その美しさから古くより日本人に親しまれてきたタンチョウを通じて、おもに子どもを対象に、人間と野生動物の関わりや、野生動物とそのすみかである自然環境とのつながりを学ぶことをねらいとした体験学習プログラム集です。
このプログラム集を普及するための指導者向け講習会を各地で実施し、学校や屋外活動など、さまざまな機会にタンチョウ学習を進めています。

6.全国児童養護施設協議会・全国母子生活支援施設協議会について

児童養護施設は、家庭の事情や虐待を受け保護者と生活できない子どもたち(原則として3歳から18歳まで)が利用する福祉施設で、約3万人の子どもが生活しています。全国児童養護施設協議会は、全国の児童養護施設約560か所が加入する全国組織です。
母子生活支援施設は、原則として18歳未満の子どもを養育している母子家庭、生活困窮やDV被害の状況にある、約4,100世帯、11,000人の母子が生活しています。全国母子生活支援施設協議会は、全国の母子生活支援施設約280か所が加入する全国組織です。

■所在地
〒100-8980 
東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル
社会福祉法人 全国社会福祉協議会 児童福祉部内
TEL 03-3581-6503

7.財団法人児童健全育成推進財団について

児童の心身の健全な育成を図るため、児童館の活動を支援するとともに、地域組織活動の援助、児童福祉に関する調査研究、情報の提供など児童福祉関連の事業を推進し、以って児童福祉の向上に資することを目的としています。

■所在地
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前5丁目53番1号 
TEL 03-3486-5141


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