JP101 片野鴨池(かたのかもいけ)

石川県:加賀市

石川県:加賀市

位置 N 36°19′ E 136°18′
面積 100ha

環境構成【開放水面/湿生草原】

田尻浩伸
写真:田尻浩伸

片野鴨池は海面の低下と陸地の隆起、流水の浸食によって形成された谷に水がたまって出来た場所で、ヒシやマコモ、ヨシといった水生植物が繁茂し、その周辺には松林、竹林等が広がっている。
江戸時代以降、春から夏にかけて水位を落とし、全体の面積の3分の2以上を水田として用いてきたため、湿地としての環境が維持されてきた。しかし、減反と高齢化によって水田耕作が行われなくなり、ヨシやウキヤガラが繁茂するようになった結果、植物遺骸の堆積により池が浅くなり、遷移も進行している。秋にはガンカモ類が利用する開水面を確保するため、地元住民らによる抽水植物の刈り倒しが行われている。
また、周辺からの土砂の流入も、池の水深が浅くなることに拍車をかけている。

選定理由

A1 トモエガモ
A4i マガン

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(片野鴨池)、国定公園(越前加賀海岸国定公園)、自然環境保全地域
<その他>
ラムサール条約登録湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地、県指定天然記念物片野の鴨池

保全への脅威

  • 土砂流入水質汚染
  • 外来生物(アライグマ)による生態系の攪乱
  • マガンの採餌飛行経路付近における風力発電施設建設
  • 周辺の餌場環境(水田環境)の変化

保全活動

  • 環境管理:
    水田環境の維持(加賀市、鴨池観察館友の会)、ヨシの刈り取り(大聖寺捕鴨猟区協同組合)
  • 環境教育活動:
    観察会等の普及活動(加賀市鴨池観察館)、坂網猟の普及(大聖寺捕鴨猟区協同組合)
  • モニタリング調査:
    ガンカモ類の調査(加賀市鴨池観察館、日本野鳥の会石川、日本野鳥の会福井県)
  • その他:
    冬期間の鴨池への立ち入り監視など(大聖寺捕鴨猟区協同組合)、鴨池の保全・活用についての議論(片野鴨池周辺地域保全整備連絡協議会)

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 571KB)

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