(仮称)北海道(道北地区)ウィンドファーム豊富に係る環境影響評価準備書への意見書を提出しました
令和元年12月27日
Looopリニューアブルエナジー合同会社 御中
「(仮称)北海道(道北地区)ウィンドファーム豊富」に係る環境影響評価準備書について
以下のとおり意見書を提出いたします。
特定非営利活動法人サロベツ・エコ・ネットワーク
代表理事 吉村 穣滋
(北海道天塩郡豊富町字豊富東2条5丁目)
風力発電の真実を知る会
代 表 佐々木 邦夫(公印省略)
(稚内市はまなす2丁目7番18号)
道北の自然と再生エネルギーを考える会
代 表 富樫 とも子(公印省略)
(北海道天塩郡幌延町字下沼853番地1)
日本野鳥の会 道北支部
支部長 小杉 和樹 (公印省略)
(北海道利尻郡利尻町沓形字栄浜142 佐藤里恵方)
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一 (公印省略)
(東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル)
■縦覧方法
環境影響評価図書の公開、一般住民への説明、事業に対する理解が不十分なため、事業実施後に混乱が起こる可能性があります。
1.周知
環境影響評価図書の縦覧・住民説明会の開催・意見書募集の周知は、貴社のホームページに限らず、回覧やポスター掲示、チラシ配布、関係機関のHP上掲載などの協力を得ることで、より多くの人に周知するよう努力すべきです。
2.閲覧方法
図書は縦覧期間や縦覧場所が限られており、インターネット上の閲覧ではダウンロードや印刷ができません。数百ページもある環境影響評価図書を縦覧場所やPC上のみで閲覧しながら、または縦覧場所で図書を確認しながら意見書を作成することは現実的な方法ではありません。図書の内容が実際と齟齬がないか精査することは、環境影響評価の信頼性を確保するうえで極めて重要です。このため閲覧期間に限らず地域の図書館などで図書を常時閲覧可能にし、遠方に在住の方向けに随時インターネットで閲覧・ダウンロード・印刷可能にすべきです。地域住民との合意形成を図るためには、透明性と情報に関する公平性が不可欠です。
3.住民説明会
公告から住民説明会までの期間が2日間しかなく、住民が図書縦覧を知り、図書の内容を確認する前に説明会が終了したことが懸念されます。説明会は住民が参加しなければ意味がありません。以後は公告から説明会までに十分に余裕を持って行うべきです。
■植物
6号機周辺の改変工事によりエゾナミキソウの生育環境が失われることが予測されるため、設置箇所を移動するべきです。移動が難しい場合は代償措置を行い、事後調査で生息調査を行うことよりより改変状況等を確認するべきです。
■鳥類
1.海ワシ類(オジロワシ・オオワシ)
(公財)日本野鳥の会の調査によると、11月から12月にサケが遡上する稚内市の増幌川に滞在した海ワシ類が、河川が凍結してサケが獲れなくなる12月下旬頃に御社の結果と同様の経路で多く南下することが明らかになっています(調査結果は御社に提供済み)。その結果によると、海ワシ類は直線的に南下する御社の11月の結果とは若干異なり、やや旋回し時にはタカ柱を形成しながら、少し滞在しながら移動し、より7-8号機に近い上空を移動経路として利用していることが明らかになりました。従って、日本野鳥の会の結果では海ワシへの影響が御社の結果より大きくなっていることが予測されます。この結果を踏まえて、海ワシの渡り経路を阻害しないように風車の位置を西に移動させるべきです。
2.チュウヒ
図書の図の縮尺が小さいことが原因で、繁殖地周辺におけるチュウヒの動きが非常に見づらいので、拡大図を追加すべきです。平成30年の飛翔軌跡は、月別の記録が載せられていないため判断が難しいですが、繁殖していない平成29年の飛翔軌跡と比較しても飛翔軌跡が多く集中しているため、実際には繁殖していた可能性があります。今後も繁殖や餌場として利用する可能性があるため、チュウヒの巣に近い4号機と5号機、中央部のヤードの位置を巣から十分に離れた位置に移動すべきです。Senzaki et al. (2017)によると工事箇所から2km以内で繁殖に負の影響が出るとされています。工事の際には監視員としての調査員を立てたうえで、チュウヒの繁殖や採餌場としての利用に影響がないか細心の注意を払いながら行うべきです。
■両生類
6号機周辺の改変工事によりエゾサンショウウオの繁殖環境であるヨシ湿原が失われることが予測されるため、設置箇所を移動するべきです。移動が難しい場合は代償措置を行い、事後調査で生息調査を行うことにより生息環境が残っているか等を確認すべきです。
■景観
サロベツ湿原センターの西側にある旧ビジターセンター付近はサロベツの国立公園を代表する景観が見られる場所です。海岸方向の利尻山だけでなく、海岸方向から車で移動してきた際に東側の円山方向に広がる広大な景観が魅力の場所です。風車の建設によりこの円山のスカイラインの上から突き出した風車群が累積的に水平見込み角7.2度の範囲で見えることになり、サロベツ国立公園の資質である雄大な景観が大きく損なわれことが懸念されます。サロベツ湿原センターの管理委託を受けているサロベツ・エコ・ネットワークとしては、現状でも天気の良い日は旧ビジターセンター付近から有明よりも遠く離れた既存のサラキトマナイ風車やオトンルイの風車群が見えるため、サロベツ国立公園の景観が損なわれていると感じています。この状況で、さらに近い場所における風車の建設は景観のさらなる悪化だけでなく、観光資源への影響も懸念されます。その景観を保全するために、スカイラインから突き出た風車の建設は避けるべきです。
豊富温泉の北側に広がる大規模草地は独特の丸みを帯びた丘が連なる周氷河地形上に造成された牧草地です。大規模草地の周りには巨大な人工物がない周氷河地形上の牧草地が広がっています。ここは牧草地として利用されているだけでなく、豊富温泉に近いので豊富町の観光の拠点としても利用されてきました。豊富市街地からはサイクリングロードが大規模草地までつながっており、独特の景観を保全するために、送電線を地下に埋め込むなどの特別な配慮が行われてきました。この独特の景観を求めて、全国から多くの人が訪れ、想像していたような北海道の牧草地の風景であるとして高い評価を受けています。例えば、2016年に開催された韓国人のモニターツアーで道北地方を周遊した結果、最も印象に残った場所が大規模草地でした。毎年多くのライダーや自転車乗りが、大規模草地を訪れます。稚内市の宗谷丘陵にも北海道遺産に指定された周氷河地形はありますが、すでに多くの風車が建設されているため、巨大な人工物がない景観ではなくなっています。このため、大規模草地は昔から歴史映画の戦場ロケ地となっています。撮影に訪れた映画製作会社の人は日本にもこのような景観が残っていたことに驚いていました。その美しい景観を利用して自転車レースのスタート地点とゴール地点として毎年利用されています。2009年のツールド北海道では大規模草地がコースとして利用されました。大規模草地は日中だけでなく、星空の観察地としてとして現在も利用されています。大規模草地から水平見込み角16.3度の範囲で風車が累積的に見えることは巨大建築物がない景観を大きく損なわれ、日中だけでなく、航空灯による夜間の星空観察にも影響が懸念されることにより、観光資源が大きく損なわれる可能性があります。以上から大規模草地からの景観を損なう風車の建設は避けるべきです。
景観は環境影響評価で垂直見込み角のみによって評価されていますが、この地方では広々とした風景そのものに価値があるため、圧迫感の有無による評価基準は合いません。視認可能な垂直見込み角1度以内では何本並んでいても1本でしか評価されないという判断基準では地域の景観の価値を適切に評価することができません。風車は水平に複数が並んでいると一体のものとして見えるため、1本1本の高さではなく、ローターを含む球形としての累積的な風車全体水平見込み角によって評価すべきです。景観の評価は難しいため、古い一つの指針に依存するのではなく、地元観光業者や自然保護団体などから意見を聞きながら、協議会などで議論をし、地域の環境と意向を十分に考慮したうえでその影響を評価すべきです。
■累積的影響の評価
現在稼働または計画されている周辺の他事業者との累積的影響について評価すべきです。
■協議会
これらの調査結果の評価は、野鳥保護団体や地元の団体・観光関係者・地元自治体などを含めた開かれた協議会の場で行うべきです。
(仮称)宗谷岬風力発電事業 更新計画 環境影響評価方法書への意見書を提出しました
令和元年12月27日
株式会社ユーラスエナジーホールディングス 御中
「(仮称)宗谷岬風力発電事業 更新計画 環境影響評価方法書」について
以下のとおり意見書を提出いたします。
特定非営利活動法人サロベツ・エコ・ネットワーク
代表理事 吉村 穣滋
(北海道天塩郡豊富町字豊富東2条5丁目)
風力発電の真実を知る会
代 表 佐々木 邦夫(公印省略)
(稚内市はまなす2丁目7番18号)
道北の自然と再生エネルギーを考える会
代 表 富樫 とも子(公印省略)
(北海道天塩郡幌延町字下沼853番地1)
日本野鳥の会 道北支部
支部長 小杉 和樹 (公印省略)
(北海道利尻郡利尻町沓形字栄浜142 佐藤里恵方)
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一 (公印省略)
(東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル)
■縦覧方法
環境影響評価図書の公開、一般住民への説明、事業に対する理解が不十分なため、事業実施後に混乱が起こる可能性があります。
1.周知
環境影響評価図書の縦覧と意見書募集の周知は、貴社のホームページに限らず、回覧やポスター掲示、チラシ配布、関係機関のHP上掲載などの協力を得ることで、より多くの人に周知するよう努力すべきです。
2.閲覧方法
図書閲覧は縦覧期間や縦覧場所が限られており、インターネット上の閲覧ではダウンロードや印刷ができません。数百ページもある環境影響評価図書を、縦覧場所やPC上のみで閲覧しながら意見書を作成することは現実的な方法ではありません。図書の内容が実際と齟齬がないか精査することは、環境影響評価の信頼性を確保うえで極めて重要です。このため閲覧期間に限らず地域の図書館などで図書を常時閲覧可能にし、随時インターネットで閲覧・ダウンロード・印刷可能にすべきです。地域住民との合意形成を図るためには、透明性と公平性が不可欠です。
■関係者への説明
環境影響評価を行う目的の一つは、地元への説明責任を果たし事業に対する合意形成を図ることです。サロベツ・エコ・ネットワークの活動範囲はサロベツ湿原がある豊富町や幌延町だけでなく、稚内市から天塩町までを含みます。合意形成のためには、情報の共有を行うことが不可欠ですので、地元団体の代表としてサロベツ・エコ・ネットワークに図書を提供してくださいますようお願いします。必要であれば、提供された情報に関する守秘義務の覚書を交わします。
■全体的な調査
既存の宗谷丘陵の風車は環境影響評価が現在の制度になる前に建設されたものです。現行の制度と比較すると十分な環境影響評価が行われていないことが予想されますので、過去に行った環境影響評価の方法と結果を明らかにしたうえで、調査計画と比較しながら適切な調査方法を考えるべきです。風車がない状態における調査や影響評価が過去に十分に行われていない以上、現状からの変化ではなく、風車がない状態からの変化を把握し、評価することが不可欠です。従って、既存の風車を取り壊した段階で、その存在による影響を評価するため、1年程度風車がない状態を維持するべきです。
■景観
日本最北の地である宗谷岬は、日本屈指の観光地です。宗谷丘陵は北海道遺産である周氷河地形と宗谷海峡とサハリンが眺望可能な景観がある場所で、風車の存在はそぐいません。風力事業を推進している稚内市は風車を景観の一部として宣伝してますが、既存の風車がなにもない状態からの変化による影響を評価するものと考えます。サロベツと同様に巨大建造物が何もない風景こそが宗谷丘陵の景観的な価値を高めています。このため、この丘陵のスカイラインから突き出た風車の建設は避けるべきです。
景観は環境影響評価で垂直見込み角のみによって評価されていますが、この地方では広々とした風景そのものに価値があるため、圧迫感の有無による評価基準は適切ではありません。「視認可能な垂直見込み角1度以内では何本並んでいても問題ないという判断基準では地域の景観の価値を適切に評価することができません。風車は水平に複数が並んでいると一体のものとして見えるため、1本1本の高さではなく、ローターを含む球形としての累積的な風車全体水平見込み角によって評価すべきです。景観の評価は難しいため、古い一つの指針に依存するのではなく、地元観光業者や自然保護団体などから意見を聞きながら、協議会などで議論をし、地域の環境と意向を十分に考慮したうえでその影響を評価すべきです。
宗谷丘陵フットパスは宗谷丘陵の周氷河地形や景観、サハリンの遠望が魅力の宗谷丘陵の代表的な遊歩道です。
https://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/files/00008500/00008586/ja_p32-33.pdf
パンフレットの写真にも風車が映っていないとおり、この遊歩道周辺に風車の存在はそぐいません。
このため、宗谷岬フットパスの途中にある展望地等の複数を景観調査地点として設定すべきです。実際にすでに眺望点として設定されている宗谷公園よりはるかに景観的価値がある場所です。
事業計画地のかなりの部分が景観上の理由から、稚内市風力発電ガイドラインにより「風車の建設が好ましくない地域」に指定されています。現在風車事業を推進している稚内市の意向に惑わされることなく、そのガイドラインの先見性と普遍的な重要性を理解したうえで、貴社はガイドラインを自主的に遵守し、ガイドライン地域を計画区域から除外すべきです。
計画範囲を既存の範囲より拡大すべきではありません。特に既存の風車が設置されていない新たな北側の計画地は宗谷岬に近く、宗谷岬の周氷河地形や牧草地の景観や、遠くは稚内市やノシャップ岬や利尻山を遠望できる景観を阻害しますので、風車の建設を避けるべき場所です。既存の範囲でも東側の道路沿いの3基の範囲は道路に隣接しており、圧迫感が大きいため設置を避けるべきです。
■地形
宗谷丘陵の周氷河地形は保全すべき地形として「日本の典型地形」に指定されています。その地形に手を加えない状態で保全するために、周氷河地形の部分を事業地域から除外すべきです。特に主要な眺望点である宗谷岬周辺の周氷河地形の景観の保全は重要なため、計画範囲を既存の範囲より拡大すべきではありません。
■植物
宗谷丘陵ササ原草原は重要な植物群落として指定されています。現状のササ群落の範囲を把握したうえで、それらの植物群落を保全するために、事業地域から除外すべきです。
■哺乳類
コウモリによる風車への衝突が懸念されます。既存風車における死骸調査を追加して月2回以上行うべきです。過去に自主調査を行っているのであれば、その結果を公表すべきです。
■鳥類
宗谷岬周辺は、日本とロシア間を渡る鳥類の主要かつ国際的に重要な渡り経路となっています。多くの鳥類が渡ることが予測されるため、風車による小鳥を含む鳥類への影響は大きいことが予測されます。このため、ゾーニングによりあらかじめ風車の建設を避けるべき場所です。
1.オジロワシ・オオワシ
宗谷丘陵はオジロワシ・オオワシが日本とサハリン間を渡る主要な経路です。春は主にオホーツク海側沿岸を北上しますが、日本海側も北上し、秋は丘陵の尾根上も南下することが明らかになっています。また、既存の風車群が海ワシ類に対して、障壁影響を及ぼしていることが懸念されるため、既存の風車を取り壊した後に、風車がない状態で1年程度調査を行うべきです。鳥が風車を避けるのではなく、主要な渡りの経路での風車の建設をゾーニングにより避けることが重要です。周辺にオジロワシの巣があり、繁殖個体への影響も懸念されますので、影響が大きい場所の風車の建設は避けるべきです。希少猛禽類定点調査では冬も含めてすべての定点で調査を行ってください。渡り鳥調査地点に事業地の南部を近くから見渡せる場所が指定されていません。3km程度離れた場所からだと観察による個体の発見率や特に奥行の飛翔軌跡の精度が低下し調査の信頼性が保てないので、事業地南部にも定点を設定すべきです。
2.ガン・ハクチョウ類
ガン・ハクチョウ類は夜間に多く渡るため、レーダー調査や鳴き声・目視調査等による夜間調査を実施すべきです。また、現存する風車群がガン・ハクチョウ類に対して、障壁影響を及ぼしていることが懸念されるため、既存の風車を取り壊した後に、風車がない状態で1年程度調査を行うべきです。希少猛禽類と同様に渡り鳥調査地点に事業地の南部を近くから見渡せる場所が指定されいません。3km程度離れた場所からだと観察による個体の発見率や特に奥行の飛翔軌跡の精度を維持することが困難ですので、事業地南部にも定点を設定すべきです。
3.カモメ類
近年北海道のレッドリストに記載されたオオセグロカモメやウミネコは宗谷丘陵沿岸を生息環境として利用しています。春と秋の渡りの季節にはこれらの種は沿岸だけでなく、内陸部を通過することもあります。カモメ類は風車に対する脆弱性が強いため、渡り鳥調査際に調査対象に加えるべきです。
4.死骸探索調査
既存の風車がありますので全風車における潜在的な影響を評価するために、全鳥類を対象とした死骸調査を鳥類調査員による通年月2回以上の調査を実施すべきです。
5.小鳥渡り調査
秋に小鳥類は夜間に渡る種が多いため、9月から10月にかけても任意定点調査で夜間の鳴き声調査を行うべきです。
■累積的影響の評価
現在方法書まで提出されている宗谷丘陵風力発電事業や天北、道北5事業との累積的影響を評価すべきです。これらは既に実施している道北5事業協議会に追加して協議すべきです。
■協議会
これらの調査結果の評価は、野鳥保護団体や地元の団体・観光関係者・地元自治体などを含めた開かれた協議会の場で行うべきです。
以上
(仮称)常呂・能取風力発電事業 環境影響評価準備書に対する意見書を提出しました
令和2年1月28日
株式会社ユーラスエナジーホールディングス
代表取締役社長 清水 正己 様
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
日本野鳥の会オホーツク支部
支部長 川崎 康弘
紋別郡遠軽町生田原155-29 多賀憲雄方(事務局)
「(仮称)常呂・能取風力発電事業 環境影響評価準備書」
に対する意見書
この度、貴社が作成された「(仮称)常呂・能取風力発電事業」事業に係る環境影響評価準備書について、次のとおり意見を提出します。
記
1.対象事業実施区域で確認されている希少鳥類の生息状況からみた意見
(1)ヒシクイ
貴社が取得したデータから、ヒシクイは主に10月に能取湖西岸を中継地および塒として利用し、日中は対象事業実施区域(以下、計画地と言う)の西側に広がる畑地を採餌場所として、頻繁に計画地内を通過していることが確認できる。
ヒシクイなどの大型鳥類は空中での飛行操作性が低いことから、悪天候時は風力発電施設(以下、風車と言う)を避けるような行動を取りがたく、風車への衝突リスクが高い種である。また、貴社の取得データによれば、計画地を通過するヒシクイの飛行高度は高度M(風車のローター高)がほとんどである。そして、塒と餌場の行き来はヒシクイの能取湖周辺での滞在中に毎日繰り返される。これらのことから、本計画地におけるヒシクイの生息状況においては、1羽当たりの風車への衝突確率が非常に高くなると考える。一方、ヒシクイなどのカモ科の鳥類では天候の良いときには風車を避けて飛ぶ障壁影響が生じることが知られているが、貴社が風車建設後の保全措置として飛来時期に風車の稼働を止める稼働制限を行っても、この障壁影響を解消することはできない。
これらを鑑みると、計画地に風車を建てるとヒシクイのバードストライクが多く発生すること、また、障壁影響が頻発することで計画地西側の餌場を放棄することが予測され、これらが長年に渡り繰り返されることで、オホーツク海沿岸を通過して根釧地域で越冬するヒシクイの個体群の存続に対し影響を与える可能性がある。
そのため、ヒシクイが利用する場所(北端から数えて10基めまで)での風車の建設を避け、ヒシクイに対する影響を回避すべきである。
(2)マガン
貴社が取得したデータから、マガンは主に10月に能取湖西岸を中継地および塒として利用し、日中は計画地の西側に広がる畑地を採餌場所として、頻繁に計画地内を通過していることが確認できる。
マガンなどの大型鳥類は上記①のヒシクイと同様、空中での飛行操作性が低いことから悪天候時は風車を避けるような行動を取りがたく、風車への衝突リスクが高い種である。また、貴社の取得データによれば、計画地を通過するマガンの飛行高度には高度Mが含まれている。一方、天候の良いときには風車を避けて飛ぶ障壁影響が生じることが知られている。
これらを鑑みると、計画地に風車を建てるとマガンのバードストライクが少なからず発生すること、また、障壁影響が頻発することで計画地西側の餌場を放棄することが予測され、これらが長年に渡り繰り返されることで、オホーツク海沿岸を通過して根釧地域で越冬するマガンの個体群の存続に対し影響を与える可能性がある。
そのため、マガンが利用する場所(北端から数えて3~7基めまで)での風車建設を避け、マガンに対する影響を回避すべきである。
(3)オオジシギ
貴社が取得したデータから、オオジシギは繁殖期に計画地内で生息していることが確認できる。
オオジシギは2000年以降になって本州以南のみならず北海道でも個体数の減少が懸念されており、また、近年の豪州での越冬環境の悪化(宅地開発、異常乾燥、野火等による生息環境の消失)から、急速に個体数が減少することが懸念されている。
オオジシギは繁殖期(4~6月)になわばり周辺の上空でディスプレイフライトを行うが、その際に行う旋回飛行は高度50~100mと高度Mの範囲で行われるため、オオジシギは風車への衝突リスクが高い種と言える。
これらを鑑みると、オオジシギが利用する場所(北端から数えて4~6基めの範囲)での風車建設を避け、オオジシギに対する影響を回避すべきである。
(4)オジロワシ
飛翔図や詳細な調査結果は記載されていないが、貴社のデータによると調査期間中に計画地内外で1,917例の飛翔を、また、5つがいの繁殖を確認している。
国内外の事例をみても、オジロワシは風車への衝突リスクが非常に高い種であり、日本や欧州各国でオジロワシのバードストライク対策が講じられている状況である。
これらを鑑みると、計画地において渡りの時期や越冬期にオジロワシが利用する場所、および繁殖期については営巣地から半径3,000m以内での風車建設を避け、オジロワシに対する影響を回避すべきである。そうしなければ、長年に渡りバードストライクの発生が繰り返されることで、計画地周辺で繁殖するオジロワシおよびオホーツク海沿岸を通過して根釧地域で越冬するオジロワシの個体群の存続に対し影響を与える可能性がある。
また、風車建設後も計画地周辺で繁殖するオジロワシがあれば、その行動や繁殖状況をモニタリングしていく必要がある。
(5)オオワシ
貴社が取得したデータから、オオワシは主に12・2・3月に計画地とその周辺を利用、計画地内を飛翔していることが確認できる。
オオワシにおけるバードストライクの発生はそれほど多くは確認されていないため、風車への衝突リスクが高い種とは言えないが、しかし、貴社のデータでは高度Mでの飛行が多いことから、気象等の条件によっては一定程度のバードストライクが発生する可能性は否定できない。また、当会が2014年11月に北海道・宗谷岬で行った調査の結果から、オオワシにおいては風車を避けて飛ぶ障壁影響が頻繁に生じることが知られている。
これらを鑑みると、計画地に風車を建てるとオオワシのバードストライクが発生する可能性があること、また、障壁影響が頻発することで計画地を渡り経路として放棄することが予測され、これらが長年に渡り繰り返されることで、オホーツク海沿岸を通過して根釧地域で越冬するオオワシの個体群の存続に対し影響を与える可能性がある。
そのため、オオワシが利用する場所(北端から数えて1~12基めまで)での風車建設を避け、オオワシに対する影響を回避すべきである。
(6)チュウヒ
貴社が取得したデータから、チュウヒが9月および4月のおそらく移動期に計画地を通過したことが確認できる。
これまでに国内ではチュウヒにおいてバードストライクが生じている事例は報告されていないものの、生態が非常に近いヨーロッパチュウヒおよびハイイロチュウヒではそれが確認されていることから、現時点では風車への衝突リスクが低い種とは言えない。
貴社の取得データでは両方とも高度Mで計画地を通過していること、また、チュウヒは近年になって国内希少野生動植物種に指定されるなど保護すべき鳥類の種として非常に注目されていることから、チュウヒが利用する場所(北端から数えて4~5および9~10基め)での風車建設を避け、チュウヒに対する影響を回避すべきである。
(7)ハイタカ・オオタカ・クマタカ
貴社が取得したデータから、これら3種の鳥類が繁殖期に計画地内で行動していることが確認できる。
これまでに国内でこれら3種においてバードストライクが生じている事例が報告されていることから、現時点では風車への衝突リスクが低い種とは言えない。
貴社の取得データでは3種とも高度Mで計画地内を飛翔していること、また、これらは保護すべき鳥類の種として注目されていることから、これらが利用する場所での風車建設を避けるなどして、影響を回避すべきである。
(8)クマゲラ
貴社が取得したデータから、少なくとも一つがいのクマゲラが繁殖期に計画地内に生息していることを確認している。
これまでに国内ではクマゲラにおいてバードストライクが生じている事例は報告されていないものの、同じキツツキ科のアカゲラでは確認されていることから、クマゲラが風車への衝突リスクが低い種とは言い切れない。
クマゲラが天然記念物に指定されていることも考えると、クマゲラの繁殖期の行動圏となる営巣木および食痕が多いエリアから半径1kmの範囲での風車建設を避け、クマゲラに対して影響が発生しないように配慮すべきである。
2.事業計画全体について
(1)繁殖期、渡り期に計画地とその周辺を利用する絶滅危惧種の鳥類が非常に多く、計画地に風車を建設すると、これらの鳥類に対しバードストライクおよび障壁影響を含む生息地放棄などの影響を引き起こすと考えられる。そして、そのことが計画地周辺で繁殖する鳥類およびオホーツク海沿岸を通過して根釧地域で越冬する鳥類の個体群の存続に対し影響を与える可能性がある。
それらのことから、風車の配置計画のみならず、事業計画そのものを見直して、風車の建設による当該地域の鳥類およびその個体群への影響を回避すべきである。
(2)準備書にある保全措置はどれも「保全措置を実施で事業者の実行可能な範囲で影響が回避低減される」と一般的なことしか記載されていない。本来であれば種ごとに保全措置を検討すべきであり、複数の専門家に種ごとに予測評価の結果について意見を求めたうえで、十分な影響の回避低減が確認できなければ、事業を抜本的に見直すべきである。
別紙
対象事業計画区域で確認されている主な希少鳥類の保護ランクについて
- ■ヒシクイ(亜種ヒシクイ)
- 文化財保護法 天然記念物指定種
- 環境省 レッドリスト 絶滅危惧Ⅱ類
- 北海道 RDB 留意
- ■マガン
- 文化財保護法 天然記念物指定種
- 環境省 レッドリスト 準絶滅危惧種
- 北海道 RDB 留意
- ■オオジシギ
- 環境省 レッドリスト 準絶滅危惧種
- 北海道 RDB 準絶滅危惧種
- ■オジロワシ
- 種の保存法 国内希少野生動植物種
- 文化財保護法 天然記念物指定種
- 環境省 レッドリスト 絶滅危惧Ⅱ類
- 北海道 RDB 絶滅危惧Ⅱ類
- ■オオワシ
- 種の保存法 国内希少野生動植物種
- 文化財保護法 天然記念物指定種
- 環境省 レッドリスト 絶滅危惧Ⅱ類
- 北海道 RDB 絶滅危惧Ⅱ類
- ■チュウヒ
- 種の保存法 国内希少野生動植物種
- 環境省 レッドリスト 絶滅危惧IB類
- 北海道 RDB 絶滅危惧ⅠB類
- ■ハイタカ
- 環境省 レッドリスト 準絶滅危惧種
- 北海道 RDB 準絶滅危惧種
- ■オオタカ
- 環境省 レッドリスト 準絶滅危惧種
- 北海道 RDB 準絶滅危惧種
- ■クマタカ
- 種の保存法 国内希少野生動植物種
- 文化財保護法 天然記念物指定種
- 環境省 レッドリスト 絶滅危惧IB類
- 北海道 RDB 絶滅危惧種
- ■クマゲラ
- 文化財保護法 天然記念物指定種
- 環境省 レッドリスト 絶滅危惧Ⅱ類
- 北海道 RDB 絶滅危惧Ⅱ類
(仮称)白島沖着床式洋上風力発電事業環境影響評価方法書に対する意見書を提出しました
令和2年1月31日
株式会社グローカル
代表取締役会長 奥原征一郎 様
日本野鳥の会北九州支部
支部長 川﨑 実(公印省略)
公益財団法人日本野鳥の会
理事長 遠藤孝一(公印省略)
「(仮称)白島沖着床式洋上風力発電事業環境影響評価方法書」
に対する意見書
1.はじめに(事業計画について)
配慮書に対する当支部からの意見で述べたように、希少な鳥類が多く生息し、北九州市内では類のない生物多様性の高い島嶼地域として重要な白島に近接して計画される本事業は、生息する鳥類に重大な影響を及ぼすおそれがあり、野生生物との共存を図る「第2次北九州市生物多様性戦略」から逸脱する計画と言わざるを得ない。
白島で繁殖および越冬する鳥類に影響を及ぼす前に、早々に事業計画の見直し、もしくは対象事業実施区域の大幅な変更を行うべきである。
2.方法書に記載されている事項について
1)表4.3-6 重要な鳥類への環境影響要因
方法書において、風車へのバードストライクの可能性がないとしている種については、一時的であっても影響(移動経路の遮断・阻害)が生じるのであれば、特に悪天候時にそのことでバードストライクを生じさせる可能性があることから、安易に影響がないと決めつけるべきではない。
また、カラスバトについては、表5.3-1専門家へのヒアリングによって「島嶼間の洋上を移動する事例もある」とのこと、さらに配慮書に対する当支部からの意見でも述べているように、移動経路の遮断・阻害とバードストライクの可能性があるとするべきである。
2)表4.3-8バードストライクの計算結果
そもそも一施設当たりの、衝突確率が何羽以下であれば影響が軽微であるという基準は一切論じられたことは無く、あくまでも事業者独自の見解である。計算係数の回避率についても、環境省の手引きからミサゴ95%、オオミズナギドリ87%としているが、白島西側においては事業実施区域とミサゴ、オオミズナギドリの行動の関係から、この回避率が適切とは考えられない。
さらに、日本国内に生息する鳥類の個体群に対して回避率を算出した報告事例が無いことや、回避率は立地環境や気象に大きく影響を受ける(※「鳥類衝突リスクモデルによる風力発電影響評価~竹内 亨」)ことから、この計算は白島のミサゴとオオミズナギドリには当てはまらない。いかにもバードストライクの確率・衝突数が極めて小さいことを印象付けるための計算といえる。
3)表5.1-3環境要素毎の地域特性の概要
「ハチクマ等の渡りの経路については陸沿いにあり、事業実施区域から外れていると推定された」について渡り鳥について環境省のセンシティビティマップを参考事例としたうえで、事業実施区域を通過するルートが確認されていないとのことだが、それは単に環境省でこれまでそのようなデータをとれていないだけであり、渡りルートがないと断言できるものではない。それは当支部の配慮書に対する意見でも裏付けられる。配慮書に対する意見を真摯に受け止めるべきである。
4)表5.2-5、2-6、2-7動物(鳥類)に係わる調査、予測、および評価手法
国内では、沖合に風力発電施設を設置した場合に発生する環境影響に関する知見がほとんど少ない状況の中であっても、経済産業省が作成した陸上発電施設向けの「発電所アセスの手引き」に従った調査方法は、少なくとも海鳥に対しては適切ではない。知見の多い海外の洋上風力発電計画に対する海鳥調査を参考にし、実施する必要がある(以下参照)。
〈海外の洋上風力発電計画に対する海鳥調査の考え方〉(A.d.Fox et al 2006.I.Ⅿ.D.Maclean et al 2009)
・1年を通して十分長い期間を確保し、一時期(春と秋のみなど)に集中させない。
・最低2年間以上
・船舶は年12回以上(年間を通じて毎月実施)
・季節的な最大個体数を特定(生息地放棄を評価)
・平均個体数を特定できるよう十分な調査頻度を確保
・季節的環境利用パターンを特定
以上、この度の方法書においては、不十分な調査方法、不適切な認識があるため白島の鳥類の実態を把握することは不可能であると考える。また、貴社の判断によって海外における調査方法を参考にされ、綿密な調査を行えば、ますます鳥類への重大な影響を認識することになる。そのため、早々の事業計画の見直し、もしくは大幅な事業実施区域の変更をあらためて求める。
幌延風力発電事業更新計画 計画段階環境配慮書に対する意見書を提出しました
平成31年1月31日
幌延風力発電株式会社 御中
「幌延風力発電事業更新計画 計画段階環境配慮書に対する意見書」について
以下のとおり意見書を提出いたします。
特定非営利活動法人サロベツ・エコ・ネットワーク
代表理事 吉村 穣滋
(北海道天塩郡豊富町字豊富東2条5丁目)
風力発電の真実を知る会
代 表 佐々木 邦夫(公印省略)
(稚内市はまなす2丁目7番18号)
道北の自然と再生エネルギーを考える会
代 表 富樫 とも子(公印省略)
(北海道天塩郡幌延町字下沼853番地1)
日本野鳥の会 道北支部
支部長 小杉 和樹 (公印省略)
(北海道利尻郡利尻町沓形字栄浜142 佐藤里恵方)
北海道ラムサールネットワーク
代 表 小西 敢 (公印省略)
(北海道厚岸郡浜中町琵琶瀬60 NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト内)
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一 (公印省略)
(東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル)
■基本的な考え方
利尻礼文サロベツ国立公園には、どこまでも何もない平原やそこから眺める雄大な利尻山の景観を求めて多くの人が訪れます。また、渡り鳥にとっては国内有数かつ国際的にも重要な渡り経路が存在し、特に水鳥にとって国際的に重要な生息地であるラムサール条約登録湿地やバードライフ・インターナショナルと(公財)日本野鳥の会が指定する重要野鳥生息地(IBA)があることは、この地域がいかに豊かな生態系を有しているかを示しています。
私たちは風力発電施設(以下、風車という)のの導入が地球温暖化対策等に果たす役割や重要性を理解していますが、他の風力発電事業を含め、宗谷地方を覆うような風車建設計画全体に対しては、様々な問題点があると考えます。加えて、現状ではこの地域において、豊かな生態系が織りなす景観の重要性が十分に認識されておらず、また、渡り鳥の生態等について明らかになっていない点が多く存在します。
このような中で、急激な風車建設が宗谷地方に集中することにより、今後、永きに渡って同地域において利用可能な観光資源としての自然環境を大きく損なう恐れがあると懸念します。
風車の建設により、宗谷地域の自然環境にとって大きな影響が懸念されるため、協議会などの開かれた場で、地域住民や関連団体が内容を充分に理解したうえで、十分に時間をかけて風車建設の是非を協議すべきと考えます。
■縦覧方法
環境影響評価図書の公開のあり方、一般住民への説明のあり方などの問題により、事業に対して地域住民による理解が不十分なため、事業実施後に混乱が起こることが懸念されます。
1.周知
環境影響評価図書の縦覧と意見書募集は、貴社のホームページに限らず、回覧やポスター掲示、チラシ配布、関係機関のHP上掲載などの協力を得ることで、より多くの人に周知するよう努めるべきです。
2.縦覧場所
環境影響評価図書の縦覧場所が土日・祝日夜間に閉鎖されている役場等に限られているため、平日の日中に仕事をしている住民などが閲覧する機会がありません。土日・祝日夜間に開館している公共施設を縦覧場所として選択すべきです。
3.オンラインでの閲覧方法
オンラインでの環境影響評価図書の閲覧はブック形式になっていますが、画面が小さいパソコンの場合、拡大しないと大変読みづらくなります。1ページ単位で見るよりもかえって見にくいため、1ページずつ読めるようにすべきです。また、オンラインの閲覧ではパソコン等へのダウンロードや印刷ができません。数百ページもある環境影響評価図書をパソコン上のみで閲覧しながら意見書を作成することは、現実的な方法ではありません。電子閲覧されている図書の内容が、実際の現地の状況と齟齬がないか精査することは、影響を適切に評価するうえで極めて重要です。このため閲覧期間に限らず、随時、公共施設やインターネットで閲覧可能にすべきです。図書の信頼性の確保するためには、透明性・公平性が不可欠です。
■関係者との情報共有
環境影響評価を行う目的の一つである地域住民との合意形成のためには、情報を広く共有することが不可欠です。環境保全団体である私たちは、図書による情報を持っても、その情報の漏洩や環境に悪影響を及ぼすことはありませんので、関係団体にはすべての環境影響評価図書を提供すべきです。
■全体的な調査
既存のオトンルイ風力発電所は、風力発電事業が環境影響評価法の対象事業になる前に建設されたものです。現行のアセス制度と比較すると十分な環境影響評価が行われているとは言い難いので、本件は新規事業としてアセス法の対象事業として扱うべきです。以前に行った自主的な環境影響評価の結果を図書に載せたうえで、現状と比較し、評価を検証すべきです。そして、以前は調査をしなかったすべての項目を評価対象にすべきです。また、既存の風車を取り壊した段階で、その存在による影響を評価するため、1年程度風車がない状態で調査を行うべきです。
■景観
既存のオトンルイ風力発電所の風車は海岸沿いに建っているため、サロベツ湿原等から利尻山を眺める場合においては特に、景観への影響が極めて大きくなっています。現状でも利尻山の景観の中に音類風車が入っているところがあります。例えば、国道40号線北川口付近(幌延町・豊富町ドライブマップ:国道40号幌延~豊富共同型道路マネジメント会議 参照)やその西側の農道、振老沼の西側の天塩川築堤から利尻山を眺めると、風車が利尻山の景観の前にかかっています。音類は周囲を国立公園に囲まれており、利尻山の景観だけでなく海岸砂丘と砂丘林の景観に価値があります。ここは、第3回自然環境保全基礎調査により自然景観資源、日本の典型地形に指定されており、風車がなければ、巨大人工物が何もない広大な風景が広がっていたはずです。風力発電事業を推進している幌延町はオトンルイ風力発電所の景観を観光資源として宣伝していますが、サロベツと同様に巨大建造物が何もない風景が音類にある砂丘の比類ない景観的な価値を高めます。道道106号線のオトンルイ風力発電所の前にあるトイレからの景観はまさに海岸砂丘の風景の前に風車が立ちはだかる圧迫感のある状態になっています。また幌延ビジターセンター展望台やパンケ沼から海岸を眺めると海岸砂丘林の上に林立する風車群が、景観の障害となっています。このため、この砂丘のスカイラインから突き出た風車の建設は避けるべきです。
景観は環境影響評価で垂直見込み角のみによって評価されていますが、この地方では広々とした風景そのものに価値があるため、人口密集地を基準に作られた圧迫感の有無による評価基準は適切ではありません。「視認可能な垂直見込み角1度以内では何本か並んで一体として見えても水平見込み角は無視してよい」という判断基準は風車が複数並んでいることを想定しておらず、この地域の景観の価値を無視しています。風車は水平に複数が並んでいると一体のものとして見えるため、1本1本の高さではなく、全体的な水平見込み角によって評価すべきです。水平見込み角により評価すれば、各眺望点からは風車の存在は広々とした景観に対して重大な影響を及ぼしていることが明らかになるはずです。景観の評価は難しいため、古い一つの指針に依存するのではなく、地元観光業者や自然保護団体などから意見を聞きながら、協議会などで議論をし、地域の環境と意向を十分に勘案したうえで、その影響を評価すべきです。
景観調査のおいて調査地点は眺望点からのフォトモンタージュによって評価されていますが、この地域の景観は移動しながら楽しむものであるため、景観法にある眺望道路と同様に連続的な景観として評価すべきです。眺望道路として、幌延ビジターセンターからパンケ沼にかけての木道と、シーニックバイウェイの「萌える天北オロロンルート」に指定されている道道106号線を評価対象にすべきです。尚、景観の面で考えると北側のサロベツ(サロベツ湿原センターや幌延ビジターセンター)に近いほど風車による影響が大きくなると考えられます。サロベツ湿原センターの木道からは既存の音類風車が視認可能で、大型化すればさらに大きく見え、サロベツの主要な観光地における何もない広大な景観に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
■地形
音類の砂丘は日本の典型地形に指定されており、その地形に手を加えない状態で保全するために、事業区域から除外すべきです。
■鳥類
サロベツ地方は、日本とロシアの間を渡る渡り鳥の主要かつ国際的に重要な渡り経路となっています。ここは多くの鳥類が渡ることが予測されるため、猛禽類のみならず水禽類や小鳥類などが風車により受ける影響は大きいと予測します。このため、ゾーニング等を実施すれば明らかに風車の建設を避けるべき場所です。影響の評価に当たっては、レーダーを含む調査を行い、その影響を適切に評価すべきです。
1.オジロワシ・オオワシ
音類は日本海側を春に北上するオジロワシ・オオワシの個体群がサハリンに渡る際の主要な経路になっており、3月の多い時にはタカ柱が発生することもあります。また冬季には餌の漂着物があると、砂丘林で越冬しているオジロワシ・オオワシが海岸に集まります。このため、バードストライクが起きやすいオジロワシ・オオワシの渡りの経路や越冬地における風車の建設を避けるべきです。また、周辺にオジロワシの巣があり、繁殖個体への影響も懸念されますので、影響が大きい場所の風車の建設は避けるべきです。この地域でオジロワシの風車への衝突は確認されただけで2件ありました。建て直しにより風車の数は減りますが、大型化するため、一基ごとの影響は大きくなることが懸念されます。これらのことを考慮して風車の建設や配置を検討すべきです。
2.ガン・ハクチョウ類
ガン・ハクチョウ類はロシアと日本の間を渡り、音類も通過します。夜間にも渡るためレーダー調査を含む十分な調査を行った上で評価すべきです。また、現存する風車群がガン・ハクチョウ類に対して、障壁影響を及ぼしていることが懸念されるため、既存の風車を取り壊した後に、1年程度調査を行い、その影響を評価すべきです。
3.カモメ類
近年、北海道のレッドリストに記載されたオオセグロカモメやウミネコは音類沿岸を生息環境として利用しています。春と秋の渡りの季節にはこれらの種は沿岸だけでなく、やや内陸部を通過することもあります。カモメ類はその飛行高度等から風車に対する脆弱性が高く、大きな影響の発生が懸念されるので、環境影響評価にあたっては十分に調査を行ったうえで評価すべきです。
4.チュウヒ
チュウヒは音類周辺を餌場として高頻度で利用しており、繁殖の可能性もあり、風車に衝突する高度で飛翔することもあります。このため、十分な調査を行ったうえで、その影響を評価すべきです。また、現存する風車群がチュウヒに対して、障壁影響を及ぼしていることが懸念されるため、既存の風車を取り壊した後に、1年程度調査を行い、その影響を評価すべきです。
5.死骸探索調査
配慮書にはオジロワシのみ過去の衝突記録がありますが、他地域の調査で多様な種が衝突していることがわかっています。このため、オジロワシだけでなくのすべての鳥類を対象に、専門の調査員が十分な回数を調査し、影響評価すべきです。
■累積的影響の評価
準備書まで進んでいる道北7事業や浜里の風車事業との累積的影響を評価すべきです。
■協議会
これらの調査結果の評価は、法アセスだけでなく、野鳥保護団体や地元の団体・観光関係者・地元自治体などを含めた開かれた協議会の場で行うべきです。
以上
盛岡市玉山地区の「姫神ウインドパーク」事業の建設区域周辺 における希少猛禽類の保全に関する緊急要望書を提出しました
日野鳥発第2018-084号
平成31年 2月12日
環境大臣 原田義昭 様
日本野鳥の会もりおか
代表 佐賀耕太郎
公益財団法人日本野鳥の会
理事長 遠藤孝一
盛岡市玉山地区の「姫神ウインドパーク」事業の建設区域周辺
における希少猛禽類の保全に関する緊急要望書
日頃より日本野鳥の会の自然保護活動にご理解とご協力を賜り、深く感謝申し上げます。
さて、岩手県の盛岡市玉山地区から岩手町川口地区にまたがる地域において稼働開始を控えている「姫神ウインドパーク」事業(以下、対象事業という)について、風車の建設区域およびその周辺(以下、当該地域という)に飛来するイヌワシの生息環境を保全するため、対象事業の稼働開始を延期して建設区域でイヌワシに特化した詳細な生息状況調査を実施し、その結果に基づいて対象事業の実施のあり方を再検討するよう、事業者であるエコ・パワー株式会社に対して行政指導をしてくださいますように強く要望いたします。
1. 要望内容
(1)稼働を約2ヶ月後に控えた対象事業の当該地域周辺において、複数のイヌワシによる採餌活動が頻繁に観察されている現状に鑑み、対象事業において事業者が作成した環境影響評価準備書に対して、環境省が平成24年9月21日付けで公表した環境省意見の「項目5. 動物及び植物について」の趣旨に沿って、環境影響を可能な限り回避・低減する観点からイヌワシ等の大型希少猛禽類に特化した生息状況調査を稼働開始に先立って実施するよう、事業者に対し行政指導をしてください。
(2)環境省意見の「項目7. 事後調査結果の公表について」の趣旨に沿って上記(1)にある生息状況調査の結果を事業者に公表させ、イヌワシの生息環境への影響の回避・低減の観点から、調査結果に基づいて事業実施形態の再検討および必要に応じた稼働制限や発電設備の形状の変更等を検討するよう、事業者に対し行政指導をしてください。
2.要望の背景
岩手県盛岡市北部の玉山地区から岩手町川口地区にかけては山林・牧野・農耕地・河川・湖水等が混在する豊かな自然環境が存在し、特に当該地域は姫神山南麓の標高900m前後の尾根に位置し、外山早坂高原県立自然公園にも隣接しています。従って、この地域では一年を通して多様な野鳥が観察されますが、中でも我が国の天然記念物であるイヌワシをはじめとする希少猛禽類の生息が定常的に観察されている点がおおいに注目されます。そしてこの事は、すでに事業者により実施された環境影響評価によっても詳細が明らかにされております。実際に当該地域は複数のイヌワシが定期的に採餌等の活動を行う重要な場所であり、対象事業の設置工事が完了した現段階においても、施設から至近のところで頻繁にイヌワシの姿を確認しております。(平成30年11月末には風力発電施設のすぐそばを「つがい」と思われる2羽のイヌワシが飛翔している様子も写真撮影されております)。
イヌワシは環境省によるレッドリスト2018の中で「絶滅危惧IB類」に指定され、かつ絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律でも国内希少野生動植物種に指定されている鳥類であり、日本全国でおよそ400羽が生息すると推定されています。そして、自然環境の豊かな岩手県にはそのうちの約20%の生息が確認されており、岩手県内のイヌワシの生息地保全は日本国内のイヌワシの種の維持のためにも重要かつ不可欠です。しかし、山の稜線沿いの比較的低空を滑空することを主とするイヌワシの行動様式は、風力発電施設における風車の設置場所やブレードの高度と重なり合います。実際に2008年9月には岩手県の釜石広域ウインドファームでバードストライクによるイヌワシ成鳥1羽の死亡が確認されており、この事故はイヌワシが風力発電施設を回避しながら生息しうる可能性が低いことを示唆しています。
そのような過去の教訓が生かされないまま当該地域で風力発電施設の稼働が開始された場合は、当該地域に定常的に生息するイヌワシの採餌活動や繁殖活動の阻害要因となり、さらには衝突死等の事故の要因ともなりうるなど、様々な影響の発生が懸念されます。
私ども日本野鳥の会は、これからの日本のエネルギー資源として風力や太陽光等の自然エネルギーの積極的利用を基本的に賛成していますが、それらの設置や運用が自然環境に大きな負荷を与える恐れがある場合には、その負荷を可能な限り回避、低減するように設備の内容や稼働形態・稼働期間等を見直すべきであると考えております。そのような観点に基づき、日本野鳥の会もりおかは対象事業の実施者であるエコ・パワー株式会社に対し、本年春にも予定されている対象事業の稼働開始の一時延期および当該地域周辺のイヌワシの詳細な生息状況調査の早急な実施を求めるとともに、引き続きその調査結果にもとづいて風力発電施設の存在する状況のもとでも十分なイヌワシの生息環境の保全措置が講じられよう、稼働制限や設備の形状の変更等の検討を含む事業実施形態の見直しを強く求めています。
「幌延風力発電事業更新計画 計画段階環境配慮書に対する意見書」を提出しました
平成31年2月13日
幌延風力発電株式会社 御中
「幌延風力発電事業更新計画 計画段階環境配慮書に対する意見書」
について以下のとおり意見書を提出いたします。
特定非営利活動法人サロベツ・エコ・ネットワーク
代表理事 吉村 穣滋
(北海道天塩郡豊富町字豊富東2条5丁目)
風力発電の真実を知る会
代 表 佐々木 邦夫(公印省略)
(稚内市はまなす2丁目7番18号)
道北の自然と再生エネルギーを考える会
代 表 富樫 とも子(公印省略)
(北海道天塩郡幌延町字下沼853番地1)
日本野鳥の会 道北支部
支部長 小杉 和樹 (公印省略)
(北海道利尻郡利尻町沓形字栄浜142 佐藤里恵方)
北海道ラムサールネットワーク
代 表 小西 敢 (公印省略)
(北海道厚岸郡浜中町琵琶瀬60 NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト内)
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一 (公印省略)
(東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル)
利尻礼文サロベツ国立公園には、どこまでも何もない平原やそこから眺める雄大な利尻山の景観を求めて多くの人が訪れます。また、渡り鳥にとっては国内有数かつ国際的にも重要な渡り経路が存在し、特に水鳥にとって国際的に重要な生息地であるラムサール条約登録湿地やバードライフ・インターナショナルと(公財)日本野鳥の会が指定する重要野鳥生息地(IBA)があることは、この地域がいかに豊かな生態系を有しているかを示しています。
私たちは風力発電施設(以下、風車という)の導入が地球温暖化対策等に果たす役割や重要性を理解していますが、他の風力発電事業を含め、宗谷地方を覆うような風車建設計画全体に対しては、様々な問題点があると考えます。加えて、現状ではこの地域において、豊かな生態系が織りなす景観の重要性が十分に認識されておらず、また、渡り鳥の生態等について明らかになっていない点が多く存在します。
このような中で、急激な風車建設が宗谷地方に集中することにより、今後、永きに渡って同地域において利用可能な観光資源としての自然環境を大きく損なう恐れがあると懸念します。
風車の建設により、宗谷地域の自然環境にとって大きな影響が懸念されるため、協議会などの開かれた場で、地域住民や関連団体が内容を充分に理解したうえで、十分に時間をかけて風車建設の是非を協議すべきと考えます。
■縦覧方法
環境影響評価図書の公開のあり方、一般住民への説明のあり方などの問題により、事業に対して地域住民による理解が不十分なため、事業実施後に混乱が起こることが懸念されます。
1.周知
環境影響評価図書の縦覧と意見書募集は、貴社のホームページに限らず、回覧やポスター掲示、チラシ配布、関係機関のHP上掲載などの協力を得ることで、より多くの人に周知するよう努めるべきです。
2.縦覧場所
環境影響評価図書の縦覧場所が土日・祝日夜間に閉鎖されている役場等に限られているため、平日の日中に仕事をしている住民などが閲覧する機会がありません。土日・祝日夜間に開館している公共施設を縦覧場所として選択すべきです。
3.オンラインでの閲覧方法
オンラインでの環境影響評価図書の閲覧はブック形式になっていますが、画面が小さいパソコンの場合、拡大しないと大変読みづらくなります。1ページ単位で見るよりもかえって見にくいため、1ページずつ読めるようにすべきです。また、オンラインの閲覧ではパソコン等へのダウンロードや印刷ができません。数百ページもある環境影響評価図書をパソコン上のみで閲覧しながら意見書を作成することは、現実的な方法ではありません。電子閲覧されている図書の内容が、実際の現地の状況と齟齬がないか精査することは、影響を適切に評価するうえで極めて重要です。このため閲覧期間に限らず、随時、公共施設やインターネットで閲覧可能にすべきです。図書の信頼性の確保するためには、透明性・公平性が不可欠です。
■関係者との情報共有
環境影響評価を行う目的の一つである地域住民との合意形成のためには、情報を広く共有することが不可欠です。環境保全団体である私たちは、図書による情報を持っても、その情報の漏洩や環境に悪影響を及ぼすことはありませんので、関係団体にはすべての環境影響評価図書を提供すべきです。
■全体的な調査
既存のオトンルイ風力発電所は、風力発電事業が環境影響評価法の対象事業になる前に建設されたものです。現行のアセス制度と比較すると十分な環境影響評価が行われているとは言い難いので、本件は新規事業としてアセス法の対象事業として扱うべきです。以前に行った自主的な環境影響評価の結果を図書に載せたうえで、現状と比較し、評価を検証すべきです。そして、以前は調査をしなかったすべての項目を評価対象にすべきです。また、既存の風車を取り壊した段階で、その存在による影響を評価するため、1年程度風車がない状態で調査を行うべきです。
■景観
既存のオトンルイ風力発電所の風車は海岸沿いに建っているため、サロベツ湿原等から利尻山を眺める場合においては特に、景観への影響が極めて大きくなっています。現状でも利尻山の景観の中にオトンルイ風力発電所の風車が入っているところがあります。例えば、国道40号線北川口付近(幌延町・豊富町ドライブマップ:国道40号幌延~豊富共同型道路マネジメント会議 参照)やその西側の農道、振老沼の西側の天塩川築堤から利尻山を眺めると、風車が利尻山の景観の前にかかっています。音類は周囲を国立公園に囲まれており、利尻山の景観だけでなく海岸砂丘と砂丘林の景観に価値があります。ここは、第3回自然環境保全基礎調査により自然景観資源、日本の典型地形に指定されており、風車がなければ、巨大人工物が何もない広大な風景が広がっていたはずです。風力発電事業を推進している幌延町はオトンルイ風力発電所の景観を観光資源として宣伝していますが、サロベツと同様に巨大建造物が何もない風景が音類にある砂丘の比類ない景観的な価値を高めます。道道106号線のオトンルイ風力発電所の前にあるトイレからの景観はまさに海岸砂丘の風景の前に風車が立ちはだかる圧迫感のある状態になっています。また幌延ビジターセンター展望台やパンケ沼から海岸を眺めると海岸砂丘林の上に林立する風車群が、景観の障害となっています。このため、この砂丘のスカイラインから突き出た風車の建設は避けるべきです。
景観は環境影響評価で垂直見込み角のみによって評価されていますが、この地方では広々とした風景そのものに価値があるため、人口密集地を基準に作られた圧迫感の有無による評価基準は適切ではありません。「視認可能な垂直見込み角1度以内では何本か並んで一体として見えても水平見込み角は無視してよい」という判断基準は風車が複数並んでいることを想定しておらず、この地域の景観の価値を無視しています。風車は水平に複数が並んでいると一体のものとして見えるため、1本1本の高さではなく、全体的な水平見込み角によって評価すべきです。水平見込み角により評価すれば、各眺望点からは風車の存在は広々とした景観に対して重大な影響を及ぼしていることが明らかになるはずです。景観の評価は難しいため、古い一つの指針に依存するのではなく、地元観光業者や自然保護団体などから意見を聞きながら、協議会などで議論をし、地域の環境と意向を十分に勘案したうえで、その影響を評価すべきです。
景観調査のおける調査地点は眺望点からのフォトモンタージュによって評価されていますが、この地域の景観は移動しながら楽しむものであるため、景観法にある眺望道路と同様に連続的な景観として評価すべきです。眺望道路として、幌延ビジターセンターからパンケ沼にかけての木道と、シーニックバイウェイの「萌える天北オロロンルート」に指定されている道道106号線を評価対象にすべきです。尚、景観の面で考えると北側のサロベツ(サロベツ湿原センターや幌延ビジターセンター)に近いほど風車による影響が大きくなると考えられます。サロベツ湿原センターの木道からは既存の音類風車が視認可能で、大型化すればさらに大きく見え、サロベツの主要な観光地における何もない広大な景観に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
■地形
音類の砂丘は日本の典型地形(国土地理院)に指定されており、その地形に手を加えない状態で保全するために、事業区域から除外すべきです。
■鳥類
サロベツ地方は、日本とロシアの間を渡る渡り鳥の主要かつ国際的に重要な渡り経路となっています。ここは多くの鳥類が渡ることが予測されるため、猛禽類のみならず水禽類や小鳥類などが風車により受ける影響は大きいと予測します。このため、ゾーニング等を実施すれば明らかに風車の建設を避けるべき場所です。影響の評価に当たっては、レーダーを含む調査を行い、その影響を適切に評価すべきです。
1.オジロワシ・オオワシ
音類は日本海側を春に北上するオジロワシ・オオワシの個体群がサハリンに渡る際の主要な経路になっており、3月の多い時にはタカ柱が発生することもあります。また冬季には餌の漂着物があると、砂丘林で越冬しているオジロワシ・オオワシが海岸に集まります。このため、バードストライクが起きやすいオジロワシ・オオワシの渡りの経路や越冬地における風車の建設を避けるべきです。また、周辺にオジロワシの巣があり、繁殖個体への影響も懸念されますので、影響が大きい場所の風車の建設は避けるべきです。この地域でオジロワシの風車への衝突は確認されただけで2件ありました。建て直しにより風車の数は減りますが、大型化するため、一基ごとの影響は大きくなることが懸念されます。これらのことを考慮して風車の建設や配置を検討すべきです。
2.ガン・ハクチョウ類
ガン・ハクチョウ類はロシアと日本の間を渡り、音類も通過します。夜間にも渡るためレーダー調査を含む十分な調査を行った上で評価すべきです。また、現存する風車群がガン・ハクチョウ類に対して、障壁影響を及ぼしていることが懸念されるため、既存の風車を取り壊した後に、1年程度調査を行い、その影響を評価すべきです。
3.カモメ類
近年、北海道のレッドリストに記載されたオオセグロカモメやウミネコは音類沿岸を生息環境として利用しています。春と秋の渡りの季節にはこれらの種は沿岸だけでなく、やや内陸部を通過することもあります。カモメ類はその飛行高度等から風車に対する脆弱性が高く、大きな影響の発生が懸念されるので、環境影響評価にあたっては十分に調査を行ったうえで評価すべきです。
4.チュウヒ
チュウヒは音類周辺を餌場として高頻度で利用しており、繁殖の可能性もあり、風車に衝突する高度で飛翔することもあります。このため、十分な調査を行ったうえで、その影響を評価すべきです。また、現存する風車群がチュウヒに対して、障壁影響を及ぼしていることが懸念されるため、既存の風車を取り壊した後に、1年程度調査を行い、その影響を評価すべきです。
5.死骸探索調査
配慮書にはオジロワシのみ過去の衝突記録がありますが、他地域の調査で多様な種が衝突していることがわかっています。このため、オジロワシだけでなくすべての鳥類を対象に、専門の調査員が十分な回数を調査し、影響評価すべきです。
■累積的影響の評価
準備書まで進んでいる道北7事業や浜里の風車事業との累積的影響を評価すべきです。
■協議会
これらの調査結果の評価は、法アセスだけでなく、野鳥保護団体や地元の団体・観光関係者・地元自治体などを含めた開かれた協議会の場で行うべきです。
以上
(仮称)宗谷岬風力発電事業 更新計画 計画段階環境配慮書を提出しました
平成30年12月26日
株式会社ユーラスエナジーホールディングス 御中
「(仮称)宗谷岬風力発電事業 更新計画 計画段階環境配慮書」について以下のとおり意見書を提出いたします。
特定非営利活動法人サロベツ・エコ・ネットワーク
代表理事 吉村 穣滋
(北海道天塩郡豊富町字豊富東2条5丁目)
風力発電の真実を知る会
代 表 佐々木 邦夫(公印省略)
(稚内市はまなす2丁目7番18号)
道北の自然と再生エネルギーを考える会
代 表 富樫 とも子(公印省略)
(北海道天塩郡幌延町字下沼853番地1)
日本野鳥の会 道北支部
支部長 小杉 和樹 (公印省略)
(北海道利尻郡利尻町沓形字栄浜142 佐藤里恵方)
北海道ラムサールネットワーク
代 表 小西 敢 (公印省略)
(北海道厚岸郡浜中町琵琶瀬60 NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト内)
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一 (公印省略)
(東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル)
■基本的な考え方
利尻礼文サロベツ国立公園と宗谷丘陵には、どこまでも何もない平原やそこから眺める雄大な利尻山や遠くに見えるサハリンの景観を求めて多くの人が訪れます。また渡り鳥にとっては国内有数かつ国際的にも重要な渡り経路となっています。特に水鳥にとっての国際的に重要な中継地であるラムサール条約登録湿地や重要野鳥生息地(IBA)があります。
私たちは風力発電施設(以下、風車という)の重要性は理解していますが、他の事業を含めると全体として宗谷地方を覆うような風車建設計画には様々な問題点があると考えます。加えて、現状ではこれらの地域において、渡り鳥の生態等について明らかになっていない点が多いです。
このような中で、急激な風車建設の集中により、今後永きにわたり、宗谷地方における自然環境の観光資源を含めた資質を損なう恐れが大きいと懸念します。
風車の建設により、地域の自然環境にとって大きな影響が懸念されるため、協議会などの開かれた場で、地域住民や関連団体が内容を充分に理解したうえで、時間をかけて風車建設の是非を協議すべきと考えます。
■縦覧方法
環境影響評価図書の公開、地元環境保全団体への説明、一般住民への説明、事業に対する理解が不十分なため、事業実施後に混乱が起こることが懸念されます。
1.周知
環境影響評価図書の縦覧と意見書募集の周知は、貴社のホームページに限らず、回覧やポスター掲示、チラシ配布、関係機関のHP上掲載などの協力を得ることで、より多くの人に周知するよう努力すべきです。
2.縦覧場所
環境影響評価図書の縦覧場所が土日・祝日夜間に閉鎖されている役場等に限られているため、平日の日中に仕事をしている住民などが閲覧する機会がありません。土日・祝日夜間に開館している公共施設を縦覧場所として選択すべきです。
3.オンラインの閲覧方法
縦覧期間のみのインターネット上の閲覧はインターネットエクスプローラーだけでなく、他のブラウザでも可能となった点では以前と比較して改善されました。しかしながら、依然としてダウンロードや印刷ができません。数百ページもある環境影響評価図書を、PC上のみで閲覧しながら、意見書を作成することは、現実的な方法ではありません。電子閲覧が図書の内容が実際と齟齬がないか精査することは、影響を適切に評価するうえで非常に重要です。このため閲覧期間に限らず随時、公共施設やインターネットで閲覧可能にすべきです。図書の信頼性の確保するためには、透明性・公平性が不可欠です。
■関係者への説明
環境影響評価の専門員や現場担当者が、地域の自然環境に詳しいサロベツ・エコ・ネットワークに事業内容について個別に説明すべきです。環境影響評価を行う目的の一つは、地元への説明責任を果たし、事業に対し理解を得ることです。合意形成のためには、情報の共有を行うことが不可欠ですので、私たちに図書を提供してくださいますようお願いします。
■全体的な調査
既存の宗谷丘陵の風車は環境影響評価が現在の制度になる前に建設されたものです。現行の制度と比較すると十分な環境影響評価が行われていませんので、新規事業の同等のものとして扱うべきです。そのときに行った環境影響評価の結果を図書に載せたうえで、現状と比較し、評価を検証すべきです。そして、そのときに調査をしなかったすべての項目を評価対象にすべきです。また、既存の風車を取り壊した段階で、その存在による影響を評価するため、1年程度風車がない状態で調査すべきです。
■景観
日本最北の地である宗谷岬は、日本屈指の観光地です。宗谷丘陵は北海道遺産である周氷河地形と宗谷海峡とサハリンが眺望可能な素晴らしい景観がある場所で、風車の存在はそぐいません。風力事業を推進している稚内市は風車を景観の一部として宣伝してますが、サロベツと同様に巨大建造物が何もない風景こそが宗谷丘陵の景観的な価値を高めます。このため、この丘陵のスカイラインから突き出た風車の建設は避けるべきです。
景観は環境影響評価で垂直見込み角のみによって評価されていますが、この地方では広々とした風景そのものに価値があるため、圧迫感の有無による評価基準は適切ではありません。「視認可能な垂直見込み角1度以内では何本並んでいても問題ない」という判断基準は科学的根拠に乏しい主観的な指針に過ぎず、この地域の景観の価値を無視しています。風車は水平に複数が並んでいると一体のものとして見えるため、1本1本の高さではなく、全体的な水平見込み角によって評価すべきです。水平見込み角によって評価すれば、各眺望点からは風車の存在は広々とした景観に対して重大な影響を及ぼしていることが明らかになるはずです。景観の評価は難しいため、古い一つの指針に依存するのではなく、地元観光業者や自然保護団体などから意見を聞きながら、協議会などで議論をし、地域の環境と意向を十分に考慮したうえで、その影響を評価すべきと考えます。
稚内フットパスは宗谷丘陵の周氷河地形や景観、サハリンの遠望を楽しむために設置された遊歩道です。このため、途中にある展望地を中心に全経路を景観調査地点として設定すべきです。また、調査地点として、宗谷丘陵の半島が一望できる稚内公園も調査対象に加えるべきです。
事業計画地のかなりの部分が景観上の理由から、稚内市風力発電ガイドラインにより「風車の建設が好ましくない地域」に指定されています。現在風車事業を推進している稚内市の意向に関係なく、そのガイドラインの先見性と普遍的な重要性を理解したうえで、貴社はガイドラインを自主的に遵守し、ガイドライン地域を計画区域から除外すべきです。
■地形
宗谷丘陵の周氷河地形は保全すべき地形として「日本の典型地形」に指定されています。その地形に手を加えない状態で保全するために、周氷河地形の部分を事業地域から除外すべきです。
■植物
宗谷丘陵ササ原草原は重要な植物群落として指定されています。それらの植物群落を保全するために、事業地域から除外すべきです。
■鳥類
宗谷岬周辺は、日本とロシア間を渡る鳥類の主要かつ国際的に重要な渡り経路となっています。多くの鳥類が渡ることが予測されるため、風車による小鳥を含む鳥類への影響は大きいことが予測されます。このため、ゾーニングによりあらかじめ風車の建設を避けるべき場所です。影響の評価に当たっては、レーダーを含む調査を行い、その影響を適切に評価すべきです。
1.オジロワシ・オオワシ
宗谷丘陵はオジロワシ・オオワシが日本とサハリン間を渡る主要な経路です。春は主にオホーツク海側沿岸を北上しますが、日本海側も北上し、秋は丘陵の尾根上も南下することがわかっています。鳥が風車を避けるのではなく、主要な渡りの経路での風車の建設をゾーニングにより避けるべきです。また、周辺にオジロワシの巣が複数あり、繁殖個体への影響も懸念されますので、影響が大きい場所の風車の建設は避けるべきです。配慮書に記載された表3.1-32および図3.1-33によると、計画地周辺でのオジロワシの衝突は、事業予定範囲の西側に集中しています。風車の数は減りますが、大型化するため、一つ一つの影響は大きくなることが懸念されます。これらのことを考慮して風車の配置を検討すべきです。
2.ガン・ハクチョウ類
配慮書では事業計画地に生息環境がないため、調査対象外と評価されていますが、ガン・ハクチョウ類は宗谷岬を中心に春と秋の渡りの際に、渡りの経路として利用しており、宗谷丘陵の横断も確認されています。このため、ガン・ハクチョウ類も調査対象とし、夜間に渡るためレーダー調査を含む十分な調査を行った上で評価すべきです。また、現存する風車群がガン・ハクチョウ類に対して、障壁影響を及ぼしていることが懸念されるため、既存の風車を取り壊した後に、1年程度調査を行い、その影響を評価すべきです。
3.カモメ類
近年北海道のレッドリストに記載されたオオセグロカモメやウミネコは宗谷丘陵沿岸を生息環境として利用しています。春と秋の渡りの季節にはこれらの種は沿岸だけでなく、内陸部を通過することもあります。カモメ類は風車に対する脆弱性が強く影響が懸念されるので環境影響評価にあたっては十分に調査を行ったうえで評価すべきです。
4. 死骸探索調査
配慮書にはオジロワシのみ過去の衝突記録がありますが、オジロワシだけでなくのすべての鳥類を調査し、影響評価の対象に加えるべきです。
■累積的影響の評価
現在方法書まで提出されている宗谷丘陵風力発電事業や天北、道北7事業との累積的影響を評価すべきです。これらは既に実施している道北7事業協議会に追加して協議すべきです。
■協議会
これらの調査結果の評価は、法アセスだけでなく、野鳥保護団体や地元の団体・観光関係者・地元自治体などを含めた開かれた協議会の場で行うべきです。
以上
(仮称)新浜田ウインドファーム発電事業に係る環境影響評価方法書についての意見書
日野鳥発2018-083号
平成31年2月5日
株式会社グリーンパワーインベストメント御中
日本野鳥の会島根県支部 支部長 佐藤仁志
〒693-0212 島根県出雲市馬木町141
電話 0853-48-0409
公益財団法人日本野鳥の会 理事長 遠藤孝一
〒141-0031 品川区西五反田3-9-23
電話 03-5936-2633(自然保護室)
(仮称)新浜田ウインドファーム発電事業に係る環境影響評価方法書についての意見書
(仮称)新浜田ウインドファーム発電事業に係る環境影響評価方法書(以下「方法書」という。)3.1-61ページ(3)動物の注目すべき生息地には、環境省アセスメントデータベース・センシティブマップ・クマタカの生息分布(方法書3.1-44ページ、図3.1-21(2))に生息地として示されているにもかかわらずクマタカが明記されておらず、方法書3.1-62ページ図3.1-23「動物の注目すべき生息地」にも記述されていない。
日本野鳥の会島根県支部および認定NPO法人西中国山地自然史研究会の調査では、別添の「5つがいのクマタカの推定行動圏」に示すように、当該計画地一帯はクマタカの主要な生息地となっており、動物の注目すべき生息地として取り上げられていないことは、当該方法書の信頼性にもかかわる大きな問題である。方法書4.3-37ページ3.評価(2)評価結果においても、「環境省の調査指針に基づいて生息状況を調査し、予測評価を行えば、直接改変による重大な影響を回避し又は低減できる可能性が高いと考える」とされている。しかし、「5つがいのクマタカの推定行動圏」に示すように、当該対象事業実施区域内には環境省レッドデータブック(以下「環境省RDB」という。)で絶滅危惧ⅠB類に選定されている5つがいのクマタカが生息しており、うち1つがいは2017年に繁殖し巣立ちも確認している。そのため、この貴重な生息地の北側尾根には、既設の風力発電機29基が存在しており、その南側尾根に新たに17基の風力発電機が設置されると、5つがいのクマタカの行動圏が46基の風力発電機で囲いこまれる状況となることは必至で、クマタカの生息存続が極めて困難となることが予測される。
このことから、準備書作成に向けた現地調査において、われわれの調査結果の妥当性が確認された場合には、クマタカの保護を図るために当該地域における風力発電施設の建設を断念することを強く要望する。
なお、配慮書にある当該事業想定区域内においては、環境省RDBで絶滅危惧ⅠB類に選定されているイヌワシも確認されており、島根県のレッドデータブック(以下「島根県RDB」という。)準絶滅危惧種に選定されているオシドリの繁殖が2017年と2018年に確認されている。
さらに、環境省RDB絶滅危惧ⅠB類のヤイロチョウ、同絶滅危惧Ⅱ類のミゾゴイ、同準絶滅危惧のハチクマとオオタカ、島根県RDB絶滅危惧Ⅱ類のヤマセミなども繁殖期に確認されている。これらのほか、国内では八幡高原と大分県九重町のみに渡来し越冬する希少な鳥類、シラガホオジロの渡りの経路ともなっている。
対象事業実施区域では、2017年8月の線状降水帯による集中豪雨で甚大な沢崩れ等が発生しており、要因の一つに尾根筋へ建設された既設の風力発電施設29基にともなう森林の保水機能消失が考えられる。また、2018年には沢崩れの対策のために公共工事として実施された砂防ダム建設工事により、近隣のクマタカつがいの繁殖が認められなかった。このような事例から、その南側尾根に新たに17基の大型風力発電施設設置のための敷地造成や道路開削が行われ、森林が破壊されれば、さらなる沢崩れの発生を助長する可能性があり、当該事業による直接影響はもとより、間接的な影響も懸念される。
以上述べたように、当該事業実施区域一帯には優れた自然が多く存在しており、方法書に示されたような調査及び予測・評価を行うまでもなく、風力発電施設を設置することは環境省が推進する生物多様性保全の観点からきわめて損失が大きいと考えられることから、(仮称)新浜田ウインドファーム発電事業については中止されることを併せ要望する。
(仮称)新浜田ウィンドファーム発電事業に係る計画段階配慮書に係る意見を提出しました
平成30年8月17日
株式会社グリーンパワーインベストメント御中
日本野鳥の会島根県支部 支部長 佐藤仁志
〒693-0212 島根県出雲市馬木町141
電話 0853-48-0409
公益財団法人日本野鳥の会 理事長 遠藤孝一
〒141-0031 品川区西五反田3-9-23
電話 03-5936-2633(自然保護室)
(仮称)新浜田ウィンドファーム発電事業に係る計画段階配慮書に係る意見
(仮称)新浜田ウィンドファーム発電事業の計画地一帯は、専門家等へのヒアリング結果にも記されているように、クマタカをはじめとする絶滅の恐れのある希少で貴重な鳥類の生息地であり、「動物の注目すべき生息地」となっている。当該計画地内においては、日本野鳥の会島根県支部会員によってクマタカ4ペアが確認されており、繁殖も確認している。また、オオタカやハチクマ、ヤイロチョウ、ミゾゴイ、ヤマセミ、オシドリなどの絶滅の恐れのある希少な鳥類も確認されており、この内ミゾゴイ、ヤマセミ、オシドリについては繁殖も確認している。
当然のことながら、これらの生息地は「動物の注目すべき生息地」として記述され図示されるべきであるが、配慮書第4.3-4図等には広島県側の湿地等が記されているだけで、島根県側の「動物の注目すべき生息地」が記載されておらず、当該配慮書は不備と言わざるをえない。
また、予測結果をもとに行われている評価結果(4.3-37)では、「直接改変による重大な影響を回避又は低減できる可能性が高いと評価する」とされているが、これらの優れた自然の保全は、配慮書で述べられている環境保全措置等で対応できるとは考えられず、評価は適切ではない。
以上のことから、このかけがえのない優れた自然に配慮し、(仮称)新浜田ウィンドファーム発電事業は現段階で断念し、計画を撤廃すべきと考える。







