(仮称)白石鉢森山風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書を提出しました

日 野 鳥 発 第2018-034号

(仮称)白石鉢森山風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書

平成30年 7月31日 提出

項目 記入欄
氏名 ①日本野鳥の会宮城県支部 支部長 竹丸 勝朗
②公益財団法人日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一
 (公印省略)
住所 ①〒982-0811 宮城県仙台市太白区ひより台20-7
②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
計画段階配慮書についての環境の保全の見地からの意見

 

 この度、貴社が作成された(仮称)白石鉢森山風力発電事業に係る計画段階環境配慮書について、次のとおり意見を提出します。

 現在、貴社が計画段階環境配慮書(以下、配慮書と言う)を縦覧している(仮称)白石鉢森山風力発電事業について、事業実施想定区域(以下、計画地と言う)に風力発電施設(以下、風車と言う)を建設した場合、アカシアリニューアブルズ社の計画地とほとんどが重複することになる。この計画地は環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠB類で宮城県の絶滅のおそれのある野生動植物 RED DATA BOOK MIYAGI 2016(以下宮城RDBと言う)にも掲載されているクマタカの生息地と重なることが予想され、過度に設置された風車による衝突死(以下、バードストライクと言う)または生息地放棄が発生する可能性が極めて高い。また、サシバやハチクマなど希少猛禽類の渡り経路に対しても障壁影響等が発生することが懸念される。
 配慮書は専門家へのヒアリングの結果を掲載していないにもかかわらず、希少猛禽類への影響を評価しているが、日本野鳥の会会員の情報でも計画地の鉢森山周辺から雨塚山周辺にかけての白石市小原の広範囲においてクマタカの生息を確認しており、また、計画地全域周辺でも同種の生息の可能性が高いことから、影響評価に係る現地調査ではクマタカが繁殖しているものとして、慎重を期して計画地を選定すべきである。
 また、サシバの渡りルートは花房山の南山麓やコツカタ山を通り、南に飛翔する。このコースはサシバばかりでなくハチクマの南下飛翔も観察されている。このように計画地周辺は希少猛禽類にとって主要な渡りコースにもなっている。
 国内では過去にクマタカのバードストライク事例があることから、計画地に多数の風車を建設した場合、バードストライクが起こる可能性が高いと考える。そのため、クマタカの生息状況の確認および猛禽類の渡りに係る調査について、質、量とも十分なものを求める。

理由

(1)配慮書によると、クマタカについて詳細な評価はされていないが、風力発電施設の設置エリアに生息環境が存在し、影響を受ける可能性があると予測されている。貴社は、稼働の影響については方法書以降において予想・評価するとしているが、調査結果を待つことなく、バードストライク等の影響が発生することが懸念される。
 当会会員の情報によると計画地に隣接する鉢森山(標高561㍍)の南1㌔にある四保山(標高550㍍)および小原中北地区の上空だけでなく、北西3㌔のコツカタ山(標高387㍍)でもクマタカを確認しており、計画区域周辺に複数つがいが生息している可能性が高い。クマタカは行動範囲が広く、なわばり範囲が重なる場合があるため、風車建設により複数個体のクマタカでバードストライクが発生する危険性が高い。
(2)配慮書によると、第4.3.3-3重要な動物への影響の予測結果があるが、これには国内でバードストライクが多数発生しているオジロワシが入っていない。オジロワシも計画区域およびその周辺に生息している希少鳥類であり、実際に当会会員により冬期に観察されている。風車の建設は飛翔移動する、オジロワシを含む猛禽類にとってバードストライクまたは障壁影響による渡り経路の変更といった影響を及ぼす可能性が高い。
(3)配慮書によると、鳥類の重要種としてイヌワシ(宮城県RDB絶滅危惧Ⅰ種)など16種の鳥類をあげているが、これら以外でオジロワシ、夏鳥のアカショウビン、ノジコ(要注目種)などがあがっていない。
 それらのことから、計画地での風車の建設は、これら希少な鳥類の生息に対しても少なからず影響を及ぼすものと考える。
(4)評価結果について、『直接改変により生息環境の一部消失の影響や施設稼働によりバードストライクの影響が生じる可能性があると考えられる。今後の方法書手続き以降において環境保全措置を検討する。よって留意事項に留意することにより、地形改変および施設の存在ならびに施設の稼働による重大な影響を回避また低減できる可能性が高いと評価した』、と述べている。このように配慮書では、風力発電機稼働による影響の可能性は方法書以降において予想・評価するとしているが、鳥類への影響は直接改変だけでない。さらに事業想定区域上空を利用すること鳥類についてはバードストライクだけでなく、「渡り経路の変更」および「生息地の放棄(事実上の生息地からの追い出し)」といった影響についても、影響の回避または低減策を計画初期の段階から検討すべきである。

 以上の理由から、計画地およびその周辺において、いわゆる発電所アセスのガイドラインにあるような一般的な環境影響評価よりも、利害関係者や専門家とも協議したうえで、さらに詳しい調査の実施を求めるところである。
 貴社においても、風車の建設にあたっては、野鳥の生息状況等を的確に把握し、地域の優れた自然環境と生物多様性が失われないよう、計画地の見直しを含め適切な対応をとることを強く求める。

(仮称)白石越河風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書を提出しました

(仮称)白石越河風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書

平成30年 7月 9日 提出

項目 記入欄
氏名 ①日本野鳥の会宮城県支部 支部長 竹丸 勝朗
②公益財団法人日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一
住所 ①〒982-0811 宮城県仙台市太白区ひより台20-7
②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
計画段階配慮書についての環境の保全の見地からの意見

 この度、貴社が作成された(仮称)七ヶ宿長老風力発電事業に係る計画段階環境配慮書について、次のとおり意見を提出します。

 この度、貴社が作成された(仮称)白石越河風力発電事業に係る計画段階環境配慮書について、次のとおり意見を提出します。

 現在、貴社が計画段階環境配慮書(以下、配慮書と言う)を縦覧している(仮称)白石越河風力発電事業について、事業実施想定区域(以下、計画地と言う)に風力発電施設を建設した場合、環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠB類で宮城県の絶滅のおそれのある野生動植物 RED DATA BOOK MIYAGI 2016(以下宮城RDBと言う)にも掲載されているクマタカの生息地と計画地が重なることが予想され、衝突死(以下、バードストライクと言う)または生息地放棄が発生する可能性が高い。また、サシバやハチクマなど希少猛禽類の渡り経路に対しても障壁影響等が発生することが懸念される。
 配慮書は専門家へのヒアリングを行って影響を評価しているが、日本野鳥の会会員の情報でも計画地の鉢森山周辺から雨塚山周辺にかけての白石市小原の広範囲においてクマタカの生息を確認しており、また、計画地全域周辺でも同種の生息の可能性が高いことから、影響評価に係る現地調査ではクマタカが繁殖しているものとして、慎重を期して計画地を選定すべきである。
 また、サシバの渡りルートは花房山の南山麓やコツカタ山を通り、南に飛翔する。このコースはサシバばかりでなくハチクマの南下飛翔も観察されている。このように計画地周辺は希少猛禽類にとって主要な渡りコースにもなっている。
 国内ではクマタカが過去に風力発電施設(以下、風車と言う)によるバードストライクに遭った事例があることから、計画地に風車を建設した場合、バードストライクが起こる可能性が高いと考える。そのため、クマタカの生息状況の確認および猛禽類の渡りに係る調査について、質、量とも十分なものを求める。

理由

(1)配慮書によると、クマタカについては、風力発電施設の設置エリアに生息環境が存在し、影響を受ける可能性があると予測されている。貴社は、稼働の影響については方法書以降において予想・評価するとしているが、調査結果を待つことなく、バードストライク等の影響が発生することが懸念される。
 当会会員の情報によると計画地に隣接する鉢森山(標高561㍍)の南1㌔にある四保山(標高550㍍)および小原中北地区の上空だけでなく、北西3㌔のコツカタ山(標高387㍍)でもクマタカを確認しており、計画区域周辺に複数つがいが生息している可能性が高い。クマタカは行動範囲が広く、なわばり範囲が重なる場合があるため、風車建設により複数個体のクマタカでバードストライクが発生する危険性が高い。
(2)配慮書によると、第4、3-9表(1)鳥類の重要な種への影響の予測結果があるが、これには国内でバードストライクが多数発生しているオジロワシが入っていない。オジロワシも計画区域およびその周辺に生息している希少鳥類であり、実際に当会会員により冬期に観察されている。風車の建設は飛翔移動する、オジロワシを含む猛禽類にとってバードストライクまたは障壁影響による渡り経路の変更といった影響を及ぼす可能性が高い。
(3)配慮書によると、鳥類の重要種としてイヌワシ(宮城県RDB絶滅危惧Ⅰ種)など20種の鳥類をあげているが、これら以外で夏鳥のノジコ(要注目種)などがあがっていない。
 それらのことから、計画地での風車の建設は、これら希少な鳥類の生息に対しても少なからず影響を及ぼすものと考える。
(4)評価結果について、『改変による生息環境の変化に伴う影響が生じる可能性がある。なお、留意事項に留意することにより、直接改変による重大な影響を回避又は低減できる可能性が高いと評価する』、と述べている。配慮書では、風力発電機稼働による影響の可能性は方法書以降において予想・評価するとしているが、鳥類への影響は直接改変だけでない。さらに事業想定区域上空を利用すること鳥類についてはバードストライクだけでなく、「渡り経路の変更」および「生息地の放棄(事実上の生息地からの追い出し)」といった影響についても、影響の回避または低減策を計画初期の段階から検討すべきである。
 以上の理由から、計画地およびその周辺において、いわゆる発電所アセスのガイドラインにあるような一般的な環境影響評価よりも、利害関係者や専門家とも協議したうえで、さらに詳しい調査の実施を求めるところである。
 貴社においても、風車の建設にあたっては、野鳥の生息状況等を的確に把握し、地域の優れた自然環境と生物多様性が失われないよう適切な対応をとることを強く求める。

(仮称)余呉南越前第一・第二ウィンドファーム発電事業に係る環境影響評価方法書に対する意見書を提出しました

環境影響評価方法書についての意見書

氏名(法人その他の団体にあってはその名称、代表者の氏名)
  1. 日本野鳥の会滋賀 代表 河村則英
  2. (公財)日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一(公印省略)
住所(法人その他の団体にあっては主たる事務所の所在地)
  1. 滋賀県守山市水保町1255-229 森田 方
  2. 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
意見書の提出の対象である環境影響評価方法書の名称 (仮称)余呉南越前第一・第二ウィンドファーム発電事業に係る環境影響評価方法書

環境影響評価方法書についての環境の保全の見地からの意見

〇第6章表6.2-1(27)5.調査期間等②鳥類c.鳥類の渡り時の移動経路について以下の修正を提案します。

  • 全ての渡りは調査日の天候により大きく変わるため、同時期で複数日設定すること。
  • サシバ・ハチクマの春の渡り 5月上旬も入れること
  • ノスリの秋の渡り 10月上旬の調査だけでは渡りの時期をカバーできないため、10中旬~10下旬の調査も実施すること。
  • ガン・ハクチョウ類 2月下旬から3月中旬の北帰時に通過するため、この時期の調査も実施すること。

〇第6章表6.2-1(28)9.評価の手法について
具体的な評価の方法についての記述が無いと思われます。評価者、評価の方法などを明記し、評価、結果の検証が適切な機関、団体によって行われるようにすることを提案します。
 また、希少猛禽類のうち、特にイヌワシについては、滋賀県知事意見書に対する事業者の見解に、「本事業の実施に伴う樹木の伐採による環境改変が行動様式を変化させる可能性が想定されることから、環境改変後の影響、事業実施における行動圏に与える影響についても予測および評価を行います」と述べておられますが、その予測および評価の具体的な手法についても記述をお願いします。

〇第6章表6.2-1(29)調査手法及び内容(動物)のうち、鳥類の渡り時の移動経路の調査手法について
「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き」(環境省、平成23年、平成27年修正版)に記されているように、小鳥類の渡りは夜間にも行われるので、日の出前後および日没前後の目視、鳴き声を中心とした調査だけでは不十分であり、同手引きに準拠し、船舶レーダーを使用した夜間調査を併用して実施されることを提案します。

(仮称)笹森山風力発電事業に係る環境影響評価方法書に対する意見書を提出しました

日野鳥発第2018-028号
平成30年 7月9日

株式会社ユーラスエナジーホールディングス
代表取締役社長
稲角 秀幸様

日本野鳥の会秋田県支部
支部長 佐藤 公生
秋田県潟上市天王追分86-15

公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
(公印省略)

(仮称)笹森山風力発電事業に係る環境影響評価方法書に対する意見書

 貴社が計画されている「(仮称)笹森山風力発電事業」における環境影響評価方法書(以下、方法書)に述べられている調査方法に関し、以下の通り意見を提出します。

・生物多様性の観点から、希少鳥類に対する影響評価を重要視するだけでなく、対象事業実施区域(以下、対象区域)とその周辺に生息する鳥類全体の生息環境や生物多様性も評価すべきである。そのため「重要とされる鳥」以外にも出現した鳥はすべて記録すべきであり、一般鳥類の観察にもっと力を入れるべきである。

・一般鳥類の観察法で、任意観察法の調査回数が明確に示されていないが、4月から5月の渡りおよび繁殖の時期にはもっと頻繁に行うべきである。なぜなら、5月は繁殖期のさえずり期間で小鳥類の個体を発見、観察しやすく、逆にこの時期を逸すると小鳥の同定は困難となる。また5月は渡りの途中で対象区域に一時的に滞在する鳥も多く、観察される鳥の種や個体数が日々で変わるため、詳細な調査が必要である。このように特に5月は鳥類の渡り、繁殖ともに重要な時期であるため、この1ヶ月間は天気の良い日に週2回は調査を行うべきである。

・上記と同様の理由により、一般鳥類のセンサス調査も繁殖期を通して2回では不十分である。5~6月の期間、出現種数が飽和する調査回数(一般的には4~5回)は行う必要がある。

・希少猛禽類の調査期間が短すぎる。希少猛禽類、特にクマタカは毎年繁殖を開始、または成功するわけではなく、ヒナの成長にも数年かかるため、生息が認められた場合は最低でも2営巣期、必要に応じて3営巣期に渡り調査する必要がある。そのため、方法書に記載されている調査期間は適切な生息状況確認調査とは認められない。

・希少猛禽類の定点観察法についての記述が分かりにくい。1月~12月の間、16地点で3日間連続とある。しかし、この記載内容では、全体で何回行うのか、毎月3日間ずつ16地点で同時に行うのか、それとも1月~12月までの間に1回だけ3日間行うのかが不明である。定点観測ということであれば、最低でも毎月3日間ずつ16地点で同時に行うべきである。ただし、繁殖そのものを阻害しないよう、繁殖・営巣活動を脅かすような調査を行わないように十分な配慮をすべきである。

・渡り鳥の定点観察は主に猛禽類の渡りを意図して時期を設定したものと考えるが、調査回数について、春(3月~5月)に2回と秋(8月から11月)に2回で各2日ずつでは、調査頻度はまったく不十分である。なぜなら、渡りはその年の気候や繁殖地の状況等によって大幅に時期がずれるためで、調査回数が少ないと渡りの時期を逸する可能性が高く、渡り鳥の個体数を適切に把握できなくなるからである。特に秋の渡りについては、そのピークとなる9月半ばから10月いっぱいについて、天候の良い日には週1回以上調査を実施すべきである。

・対象区域は、環境省のデータではサシバの渡りルートの空白地帯になっている。しかし、当会が知るところでは、実際には近辺で複数個体の繁殖が確認されている。貴社はそのことを念頭に置いて、調査方法を検討すべきである。

・9月から10月は猛禽類の渡りとは別項目で、冬鳥の渡りの状況についても調査すること。

・笹森山周辺はふだんから霧がかかることが多く、視界不良となる日数が年間でも多い。雨天の時はもちろん、雨が降っていなくても由利本荘市内から対象区域が見えなくなることが頻繁にある。図1および図2は、晴天時(左図)と雨天時(右図)において市街地(由利橋)から臨む笹森丘陵の様子である。悪天候時は視界が悪く、鳥はその飛行に支障をきたし、実際に日本では霧など悪天候時にオジロワシのバードストライクが多く発生している。そのため、貴社は環境影響評価の中で気象状況調査を年間通じて行い、鳥類等が視程障害を起こす可能性のある日数または時間数を測定したうえで、影響を評価すべきである。一方、鳥類調査の時に荒天となった場合には、正確に鳥の数や行動を把握できないため、調査の実施を見送り、調査した日としては日数に入れるべきではない。

晴天時と雨天時の笹森丘陵の視界(冬期の一例)
図1.晴天時と雨天時の笹森丘陵の視界(冬期の一例)

晴天時と雨天時の笹森丘陵の視界(夏期の一例)
図2.晴天時と雨天時の笹森丘陵の視界(夏期の一例)

・対象事業だけでなく、周辺の他の事業によって生じる累積的影響を評価すべきである。特に計画中、または建設途中でまだ稼働実績のない風力発電施設の影響は予測が困難であるが、しかし、海外事例を参考にしながら慎重な予測評価を行うべきである。他の事業の環境影響評価のデータを可能な限り入手し、累積的影響について計画の規模の大小を問わず、他施設事業者とともに協議すること。

・対象区域には主に落葉広葉樹を中心とする自然林が多く含まれているが、自然林は林床の植物の種類も豊富で、多くの生物の食料を供給する重要なエリアである。ただでさえ少なくなっている貴重な自然林を伐採することはこの地域に生息する生物に大きな影響を与えるため、対象区域として設定すべきではない。また、自然林を人間側の判断で最小限だけ残しても、自然林自体が風衝の影響を受けて弱体化するため、周りにはある程度の植林を残すべきである。

以上

(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業に係る鳥類保護に関する要望書を提出しました

日野鳥発第2018-087号
平成31年 3月1日

環境大臣
原田 義昭 様

由利本荘の野鳥を愛する会
代表 佐々木 正美
秋田県由利本荘市一番堰106-10

日本野鳥の会秋田県支部
支部長 佐藤 公生
秋田県潟上市天王追分86-15

公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
(公印省略)

(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業に係る鳥類保護に関する要望書

下記の通り、秋田由利本荘洋上風力合同会社(株式会社レノバ・エコ・パワー株式会社・JR東日本エネルギー開発株式会社)が計画する(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業について、鳥類保護の見地から事業者に対し適切な指導をとられることを要望いたします。

本事業は世界でも類を見ない大規模なものであり、洋上風力発電施設の建設が野鳥をはじめとする生態系へ大きな影響を与えることが懸念されます。
対象事業実施区域は人工物がほとんどない自然度が高い海域であり、多くの野生生物にとって重要な生息地となっています。地元で長年野鳥を観察してきた我々としては、事業者がここを大規模な風力発電施設を建設する立地に選定したことに大きな疑念を抱くとともに、事業の規模や風車の設置場所を決定する根拠となる調査の在り方にも不満を感じていることから、添付の要望書を事業者に提出いたしました。
環境省におかれましても、生物多様性保護の観点から、風力発電施設による野生生物への影響を最小限に抑えるべく、事業者に対して立地選定や環境影響評価に係る調査のあり方について厳しく御指導してくださいますようお願いいたします。

なお、資料として株式会社レノバに送付した「(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業に対する要望書」の写しを添付いたしましたのでご査収ください。

(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業に対する要望書を提出しました

日野鳥発第2018-085号
平成31年 2月25日

株式会社レノバ
代表取締役社長CEO 木南陽介 殿

由利本荘市野鳥を愛する会
代表 佐々木 正美
秋田県由利本荘市一番堰106-10

日本野鳥の会秋田県支部
支部長 佐藤 公生
秋田県潟上市天王追分86-15

公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
(公印省略)

(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業に対する要望書

貴社が計画されている(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業に際して、対象事業実施区域およびその周辺の豊かな自然環境と事業規模にふさわしい適切な環境影響評価を実施し、その結果を鑑みて、環境影響評価準備書作成以前の段階で、風車の設置予定位置を地元団体等とともに協議しながら再検討してくださいますよう、以下の5項目について要望いたします。なお、要望の背景となっている鳥類等の状況および詳細な要望内容については、添付資料をご覧ください。

1.風力発電用風車の設置位置について
対象事業実施区域に設定されている海域(以下、当該海域という)は本来、海鳥の保護の観点から考えて、計画段階環境配慮書を作成する以前に事業実施想定区域から除外されるべき海域であった。マリーンIBAの指定海域であるという観点および地元団体の普段の調査・観察結果に加えて、貴社の鳥類調査の結果も鑑みながら、当該海域の鳥類の生息に影響がないよう、準備書作成以前の段階で、風車の設置位置を地元団体や鳥類および風力発電の専門家とともに協議しながら、総合的に検討していただきたい。

2.生態系に対する影響について
 生態系保護の観点からも当該海域は本来、計画段階環境配慮書を作成する以前に事業実施想定区域から除外されるべき海域であった。これらの観点および地元団体の普段の調査・観察結果に加えて、貴社の鳥類調査の結果も鑑みながら、当該海域の生態系保護に資するよう、準備書作成以前の段階で、風車の設置位置を地元団体や鳥類および風力発電の専門家とともに協議しながら、総合的に検討していただきたい。

3.ミサゴに対する影響について
準絶滅危惧種ミサゴの保護の観点からも当該海域は本来、計画段階配慮書を作成する以前に事業実施想定区域から除外されるべき海域であった。これらの観点および地元団体の普段の調査・観察結果に加えて、貴社の鳥類調査の結果も鑑みながら、当該海域のミサゴの保護に資するよう、準備書作成以前の段階で、風車の設置位置を地元団体や鳥類および風力発電の専門家とともに協議しながら、総合的に検討していただきたい。

4.貴社が実施する環境影響評価の実施内容について
調査期間について、生態系の影響を評価するにあたって、調査期間が約1年、および予測評価にかける時間が3か月というのは、時間が不十分である。国内でもこれまでにない事業規模の大きさに見合った調査・予測評価期間を確保するべきである。
また、予測評価については、主に鳥の衝突率が問題視されているが、採餌環境の変化が与える長期間の影響についても入念な予測評価を行うべきである。また、底質に砂が多いとされる当該地では、建設後の海流の変化による砂の移動で底生生物や魚類の生息状況が劇的に変化する可能性があるが、当該海域に実証研究施設が1つもない状態でそれらの予測評価をどのように行うのか疑問である。本事業の規模を考えれば、風車様の擬似的な構造物や観測用タワーなど複数の実証研究用の観測装置を設置し、影響の発生程度等を観測しながら、全体の設置計画を進めていくべきである。

5.協議会の開催について
 上記で述べた調査の結果から得られたデータを地元団体や鳥類保護関係者および鳥類や風力発電の専門家等と共有し、準備書作成以前の段階で、風車の設置位置を決定するための公開の協議会を設けることを求める。

本事業は世界でも類を見ないほど大規模な洋上風力発電施設の建設計画であり、自然環境および野生動物の生息に与える影響は計り知れない。しかも、本対象事業実施区域は、添付資料およびこれまでに述べた通り、渡り鳥の渡り経路および中継地、希少猛禽類の繁殖地、海鳥等の採餌場所としてかけがえのない海域であり、風車の配置をどのように工夫しても、生息環境への影響をゼロにすることはできないと、我々は考えている。それにも関わらず事業を実施しようとするならば、既存のマニュアル等に拠らず、地元団体や鳥類および風力発電の専門家等と協議した内容をもって詳細な環境影響評価を長期間行い、鳥類等への生息環境への影響が限りなく低いことを、誰もが納得できる形で示してほしい。

自然に優しいはずの風力発電がその建設・供用さらには撤去時において自然に対して大きな影響を与える場合には、その存在意義が根底から否定されてしまうことになる。環境に貢献することを理念と掲げる貴社であるからこそ、この事実を真摯に受け止め、本計画の実施が由利本荘の海洋生態系に影響を与えないよう、本事業に取り組んでほしい。

本要望に対し真摯に検討し、3月20日までに貴社による検討結果を由利本荘市野鳥を愛する会、日本野鳥の会秋田県支部、および公益財団法人日本野鳥の会に回答することを求める。

以上

(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業に係る鳥類保護に関する要望書を提出しました

日野鳥発第2018-086号
平成31年 3月1日

秋田県知事
佐竹 敬久 様

由利本荘市野鳥を愛する会
代表 佐々木 正美
秋田県由利本荘市一番堰106-10

日本野鳥の会秋田県支部
支部長 佐藤 公生
秋田県潟上市天王追分86-15

公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
(公印省略)

(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業に係る鳥類保護に関する要望書

下記の通り、秋田由利本荘洋上風力合同会社(株式会社レノバ・エコ・パワー株式会社・JR東日本エネルギー開発株式会社)が計画する(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業について、鳥類保護の見地から事業者に対し適切な指導をとられることを要望いたします。

本事業は世界でも類を見ない大規模なものであり、洋上風力発電施設の建設が野鳥をはじめとする生態系へ大きな影響を与えることが懸念されます。
対象事業実施区域は人工物がほとんどない自然度が高い海域であり、多くの野生生物にとって重要な生息地となっています。地元で長年野鳥を観察してきた我々としては、事業者がここを大規模な風力発電施設を建設する立地に選定したことに大きな疑念を抱くとともに、事業の規模や風車の設置場所を決定する根拠となる調査の在り方にも不満を感じていることから、添付の要望書を事業者に提出いたしました。
秋田県知事におかれましても、生物多様性保護および秋田の豊かな自然を守り、子孫に受け継いでいくという観点から、風力発電施設による野生生物への影響を最小限に抑えるべく、事業者に対して立地選定や環境影響評価に係る調査のあり方について厳しくご指導してくださいますようお願いいたします。

なお、資料として株式会社レノバに送付した「(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業に対する要望書」の写しを添付いたしましたのでご査収ください。

「(仮称)北薩風力発電事業」に係る計画段階環境配慮書に対する意見書を提出しました

日 野 鳥 発 第2018-010号

「(仮称)北薩風力発電事業」に係る計画段階環境配慮書に対する意見書

平成30年 5月 9日 提出

項目 記入欄
氏名 公益財団法人日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一 公印省略
住所 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
計画段階配慮書についての環境の保全の見地からの意見

 この度、貴社が作成された(仮称)北薩風力発電事業に係る計画段階環境配慮書について、次のとおり意見を提出します。

 現在、貴社が計画段階環境配慮書(以下、配慮書と言う)を縦覧している(仮称)北薩風力発電事業について、事業実施想定区域(以下、計画地と言う)に風力発電施設を建設した場合、環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類、国内希少種および天然記念物に指定されているナベヅルとマナヅルについて、衝突死(以下、バードストライクと言う)および移動経路に対する障壁影響等が発生する可能性があることが懸念される。
 そのため、以下の理由から考えて、ナベヅルおよびマナヅルの生息状況等の確認に係る調査について、いわゆる発電所アセスのガイドラインに準じるのではなく、専門家等と協議しながら、質、量とも十分な調査を実施することを求める。

・鹿児島県ではナベヅルおよびマナヅルは主に出水平野で越冬するが、本計画地はその出水平野のすぐ南の紫尾山系に存在する。秋の渡り期にナベヅルおよびマナヅルがこの紫尾山を越えてさつま町に飛来した例が何度もあり、また、数年前には数百羽のナベヅルとマナヅル群がさつま町より南の薩南地区の田畑に飛来、採餌し、出水平野に戻ったことが観察されている。これらのことからナベヅルとマナヅルは、本計画地を通過して出水平野とさつま町の間を行き来していることは明らかであり、そのように利用が多い場所に風力発電施設を建設すると、バードストライクまたは障壁影響が発生する可能性が高い。そのため、ナベヅルおよびマナヅルの生息や行動に影響を出さない対象事業実施区域を選定することを目的として、事前調査を行うべきである。

・ナベヅルおよびマナヅルの出水平野への一極集中による鳥インフルエンザの被害拡大の懸念から現在、環境省や(公財)日本野鳥の会をはじめとする関係機関により、出水ツル分散事業が実施されている。そのツル分散の候補地には、計画地周辺を含む鹿児島県内の各地が有力視されているが、ツル分散事業が成功した場合、計画地を通過、利用する個体が増えることが予想される。そのため、ナベヅルおよびマナヅルが山地を越える際にどのような地形を利用するのか検討したうえで、ナベヅルおよびマナヅルの生息や行動に影響を出さない対象事業実施区域を選定することを目的として、事前調査を行うべきである。

以上

(仮称)秋田中央海域風力発電事業 計画段階環境配慮書を提出しました

「(仮称)秋田中央海域風力発電事業 計画段階環境配慮書」

閲覧用紙

ご住所 ①秋田県潟上市天王追分86-15
    ②東京都品川区西五反田3-9-23
     丸和ビル

ご氏名①日本野鳥の会秋田県支部
    支部長 佐藤 公生
   ②公益財団法人日本野鳥の会
    理事長 遠藤 孝一  (公印省略)

環境の保全の見地からのご意見をお持ちの場合は、ご記入願います。

 貴社が計画されている「(仮称)秋田中央海域風力発電事業」における計画段階環境配慮書(以下、配慮書)に記載されている事業実施想定区域の位置に関し、以下の通り意見を提出いたします。

  • 事業実施想定区域が設定されている海域には、マガンやヒシクイ(天然記念物)・ハクチョウ類をはじめとする多くの渡り鳥の渡り経路が存在する。渡り経路上に風力発電施設を建設すると、バードストライクや障壁影響が発生する可能性が非常に高い。
  • 事業実施想定区域が接する海岸域には多くのミサゴ(準絶滅危惧種)が繁殖しており、繁殖期は頻繁に海上に餌を獲りに行くことから、洋上風力発電施設を建設するとバードストライクや生息地放棄を引き起こす可能性が高い。
  • 事業実施想定区域が設定されている海域は、アビ類の渡り経路や越冬海域、ミズナギドリ類の夏の採餌海域等が存在することから、洋上風力発電施設を建設するとこれら鳥類の生息地放棄を引き起こす可能性が高い。
  • 上記のような事業実施想定区域及びその周辺海域に生息する鳥類の保護を鑑みて、事業実施想定区域の設置位置について全面的に見直す必要がある。

以上

注1:本用紙の情報は、個人情報保護の観点から適切に取扱います。
 2:この用紙に書ききれない場合は、裏面又は同じ大きさ(A4サイズ)の用紙をお使い下さい。

(仮称)天神丸風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書を提出しました

平成30年5月1日

「稚内市・豊富町における風力発電事業に係る環境影響評価方法書」に対する意見書

ご意見記入用紙

ご住所 徳島県徳島市南庄町5丁目36-4
ご氏名 日本野鳥の会 徳島県支部 支部長 三宅 武
ご住所 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
ご氏名 (公財)日本野鳥の会 理事長 遠藤孝一 公印省略

環境の保全の見地からご意見をお持ちの場合は、ご記入願います。

・クマタカ生息地としての懸念
・貴重な冷温帯樹林の生態系の野鳥に及ぼす懸念
・イヌワシの生息、およびサシバ、小鳥類の渡り経路から見た懸念
・近隣既存の風力発電施設との複合影響から見た懸念
・重要野鳥生息地(IBA)との重複の懸念
以上について、別紙に詳述する。
 
 
 
 
 

注1:本用紙の情報は、個人情報保護の観点から適切に取り扱います。
 2:この用紙に書ききれない場合は、裏面又は同じ大きさ(A4サイズ)の用紙をお使いください。

・クマタカ生息地としての懸念

 今回の風力発電施設設置事業に係る事業実施想定区域(以下、計画地と言う)は人家から隔離された豊かな自然が残された山岳樹林地域である。日本野鳥の会徳島県支部の調査から、同地域にはほぼひとつの谷ごとにクマタカのつがいが繁殖していると言って過言でないほど、高密度にクマタカが生息している。そのような地域に新たな開発の手を加えるということは、国内希少種で絶滅危惧Ⅱ類に指定されているクマタカの生存に対しバードストライクや生息地放棄などの重大な影響を与える恐れがある。
 実際、既設の大川原ウインドファームにおける観察の結果から、発電用の風車から1~2 km付近にあった二つのクマタカの営巣地はいずれも放棄され、その生息域が失われたことが明らかになっている。
 このことは、今回の計画地の谷という谷でクマタカの繁殖が確認されるため、その繁殖地から離隔距離を取って発電施設を建設しようとすると設置可能区域が非常に限られることになり、現実的に事業が成り立たなくなることを意味することから、貴社は本事業を断念すべきである。

・貴重な冷温帯樹林の生態系の野鳥に及ぼす懸念

 今回の計画地は、その核になる中心区域に鳥獣保護区を有する生物多様性に優れた区域である。ここは林野庁の生物多様性の保全に向けた森林管理事業である「剣山系 緑の回廊」に連なる区域であり、風力発電事業が行われると樹林の連なりを断片化することになる。その生態系に命を宿す様々な種に対して大きな脅威を与えることになる。
 風力発電施設の生態系に対する影響のひとつとして野鳥の生息域を狭めることが知られている(武田、2007~2014)。実際、徳島県においても先述の大川原ウインドファーム事業地において、風力発電施設の建設前と建設後では、生息野鳥の種数と個体数が激減したことを観察している。
 この地域は、氷河期の遺残とされる冷温帯のブナ林が残された貴重な生態系をなしている。特別天然記念物のカモシカやレッドデータリストの絶滅のおそれのある地域個体群であるツキノワグマに限らず、近年極めて数を減らしている希少種のコノハズクの生息域であり、今以上にこの貴重な森林に人の手が加えられると、コノハズクはもとより、残された生態系そのものが根本から崩壊させられる危険性があり、計画地で事業を開始する余地は残されていない。

・イヌワシの生息、およびサシバ、小鳥類の渡り経路から見た懸念

 本配慮書には、環境省の「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き」が引用されており、第3.1-23図(1)「2次メッシュにおけるイヌワシの生息分布」に示すように今回の計画地にかかるようにイヌワシの生息情報がある。しかるに第3.1-24表(1)「動物の重要な種の選定基準」に前記手引きの内容を加えていないため評価の対象に入れていない。
 このイヌワシは特段に希少な大型猛禽類であり、四国内でのイヌワシの生息は絶滅状態に近い。その意味で、少しでも生息環境の改善を図るべきところにある。ところが、今回の事業はイヌワシの生息可能域を広げるどころか必ずしや狭めるに違いない。イヌワシの種の存続を少しでも考慮するならば、その計画地の選定と事業実施は再考するべきである。
 また第3.1-21図(2)「サシバの渡り経路(秋季)」に示されるように、今回の計画地は秋のサシバの渡りコースにある。しかるに、p226(4.3-32)に見る評価結果においては評価を先送りし、「渡り鳥や猛禽類等の…影響を予測するには、風力発電機の設置位置の情報が必要となるため、事業計画に熟度が高まる方法書以降の手続きにおいて、適切に調査及び予測・評価を実施する」とされている。
 サシバをはじめとしたタカの渡りのコースと風力発電事業開発の可能性については、徳島県下の鳴門市において適地ゾーニングの試みがなされている。その結果を見ると、タカの渡り地域においては飛翔予測エリアが広く風力発電事業の適地は極めて僅かになることが明らかになっている。
 今回の計画地もサシバ等の渡りコースにある。風力発電施設によるサシバ等の渡りに対する障壁影響やバードストライク、更には夜間に渡ることの多いとされる小鳥類の渡りなどを勘案して適地選択を再考すると、今回選ばれた計画地は事業適地とは言えない。

・近隣既存の風力発電施設との複合影響から見た懸念

 今回の計画地(天神丸・高城山)は雲早山をはさんで尾根が連なることから、上勝・神山の風力発電開発、そして大川原ウインドファームとの一連の風力発電事業とみなすことができる。秋、鳴門海峡あるいは紀伊水道から飛来した渡り鳥は尾根伝いに西進するものが少なからずある。剣山東方における風車の連なりは、野鳥のバードストライクの原因となり、または渡りのルートに対して行く手をふさぐ障壁影響を引き起こすことになる。これは喩えるならば、マラソン選手の行く手に落とし穴を掘り、柵を立てるようなことに近い。はるか南のフィリピンやインドネシアへと東シナ海を渡っていく小鳥類やサシバに対して無用な体力の消耗をしいることになり、天敵による捕捉も含めた渡りの成功率の低下や翌年の繁殖率の低下を招く恐れが強い。東四国の稜線が四国中央で収斂する剣山系に風車を建設するべきではない。

・重要野鳥生息地(IBA)との重複の懸念

 計画地は、BirdLife Internationalによる世界的基準により(公財)日本野鳥の会が指定した重要野鳥生息地(IBA)のうち、“剣山系”と一部が重複している。IBAに指定されるというだけで、世界的に見ても重要な野鳥生息地であることが分かるが、そのような場所で風車を建設し、バードストライクや障壁影響などの影響を鳥類に与える可能性があることは、自然保護上において許されるものではない。そのため、IBAと計画地が重なる本事業は撤回すべきである。