(仮称)石狩湾洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
令和2年8月6日
シーアイ北海道合同会社
職務執行者 トーマス・ワイビー・ポールセン 様
日本野鳥の会札幌支部
支部長 猿子 正彦
〒060-0061 札幌市中央区
南1条西17丁目1-14-203
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
〒141-0031 東京都品川区
西五反田3-9-23 丸和ビル
「(仮称)石狩湾洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書」に対する意見書
貴社が「(仮称)石狩湾洋上風力発電事業境配慮書」(以下、配慮書という)に記載している事業実施想定区域(以下、計画地という)の位置に関し、鳥類の生息地としての石狩湾の重要性とその保護を鑑みて、以下の理由から、事業計画を全面的に見直すよう意見を提出いたします。
記
- 計画地となっている海域には海ワシ類としてオジロワシ(天然記念物・国内希少種・絶滅危惧種)が周年、また、一部のオオワシ(天然記念物・国内希少種・絶滅危惧種)も周年で生息しており、また、これらの種の渡り経路となっている。さらに、計画地がある石狩湾に注ぎ込む石狩川や新川の河口部はサケ類などが多く海ワシ類の採食場所として重要であり、これらの河口部を交互に繰り返して行き来をしている。これら河口の間にある飛行経路上に風力発電施設(以下、風車という)を建設すると、海ワシ類の風車への衝突死(以下、バードストライクという)や障壁影響が発生する可能性が非常に高い。
- 計画地が隣接する海岸域には多くのミサゴ(準絶滅危惧種)が繁殖しており、繁殖期は頻繁に海上に餌を獲りに行くことから、洋上に風車を建設するとバードストライクを引き起こす可能性が高い。また、蝟集効果により風車基部やその周辺に多くの魚類が集まることで、ミサゴをはじめとする魚食性の鳥類の採餌場所となり、バードストライクが発生する確率が高まる。
- 計画地が設定されている海域には、ウミガラス(国内希少種・絶滅危惧種)やハシブトウミガラスの渡り経路および越冬海域が存在する。それらの場所に風車を建設すると、バードストライクや障壁影響および生息地放棄が発生する可能性が非常に高い。
- 計画地がある海域には、マガンやヒシクイ(天然記念物)、ハクチョウ類や猛禽類をはじめとする多くの鳥類の渡り経路が存在する。それらの渡り経路上に風車を建設すると、バードストライクや障壁影響が発生する可能性が非常に高い。
- 計画地の周辺には、オオセグロカモメおよびウミネコの繁殖コロニーが数か所に存在する。カモメ類は普段行動している飛行高度から、風車へのバードストライクが多く発生することが世界的に知られている。そのことから、計画地に風車を建設すると、これらのコロニーのカモメ類の繁殖に影響を与えるものと考える。特にウミネコは世界的に個体数が減少している可能性があり、ウミネコの繁殖個体数についても北海道では減少傾向が続くことから、北海道の準絶滅危惧種に指定された。計画地での風車の建設で、ウミネコの個体数を減少させることがあってはならない。
- 計画地がある海域ではウミスズメ科の鳥類の生息が時期によって多数観察されている。特に繁殖期後期(育雛期)に個体数が多くなるが、それは、計画地がある海域が天売島などで繁殖する個体群の採餌場所になっているからである。風車の建設による影響で採食場所の放棄が起きると、鳥類の繁殖や育雛に対し重大な影響を及ぼすことから、計画地に風車を建設すべきではない。
以上
(仮称)能代山本広域風力発電事業環境影響評価準備書に対する意見書
令和2年8月4日
白神ウインド合同会社
代表社員 大森 三四郎 様
日本野鳥の会秋田県支部
支部長 佐々木 均
秋田県横手市前郷一番町1-21
(公印省略)
日本雁を保護する会
会長 呉地正行
宮城県栗原市若柳川南南町16
(公印省略)
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
(公印省略)
(仮称)能代山本広域風力発電事業環境影響評価準備書に対する意見書
貴社が作成した(仮称)能代山本広域風力発電事業環境影響評価準備書に対し、環境影響評価法第3条の7に基づき、鳥類保全の見地から下記の通り意見を述べる。
記
対象事業実施区域(以下、計画地という)は希少猛禽類の生息が確認されているほか、ガン・カモ・ハクチョウ類、スズメ目の鳥類など多くの鳥類の飛来地及び渡り経路となっている。
特にガン類に関しては国内に飛来するガン類の大部分が通過する重要な地域であるため、日本野鳥の会秋田県支部(以下、当会という)及び公益財団法人日本野鳥の会はこの地に風力発電設施設(以下、風車という)を建設するのは不適切であることを配慮書の段階から指摘してきた。
配慮書から準備書に至る過程において当初より風車の設置基数は減少しているものの、設置場所については鳥類への影響を十分に軽減しているとは言えず、むしろ環境影響調査の結果から予想し得る影響を軽視した形の配置になっている。予測評価についても、衝突確率・移動の障壁・生息地放棄のいずれの項目においても楽観的に過ぎ、鳥類保全のために万全の対策が取れているとは言い難い。
当会は2020年春に計画地におけるガン・ハクチョウ類等の飛翔状況を把握するための調査を行った。貴社の準備書に記載されている調査データおよび当会の調査で得られた結果を踏まえて以下に具体的に問題点を述べる。
尚、当会調査については当会ホームページに掲載されている。
http://tantyoakita.la.coocan.jp/2020-noshiro-new.html
【1】ガン・ハクチョウ類について
長年観察している能代市在住の当会会員によれば、ガン類が渡り等の時に山越えする基本経路は、計画地を通過し、その北の白神山地の雁森岳付近を通過するものであり、これより東側(内陸側)を通るガンの数は少ないという。本事業計画は長年ガン類の大群にねぐらとして利用されている小友沼と雁森岳を結ぶ最短距離の経路の途上にあり、代替の利かない重要経路を阻害する恐れがある。同計画地は、これまでの日本雁を保護する会等の調査で、日本で越冬する大多数のガン類の渡りの経路となっていることが明らかになっており(宮林,1994)、その影響は日本の個体群全体に重大な影響を及ぼすことが危惧される。
(1)全体的な風車の配置について
移動経路の遮断・阻害及びブレード接触の可能性に関して、準備書では「風力発電機の設置は1事業地を除き風車の配置が南北方向に列状に配置する計画になっていること、東西方向に設置する1事業についても、風力発電機間が1㎞は離隔があることから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は低減されている」、また同様の理由で「ブレードへの接触の可能性は低い」と評価されているが、以下の理由からこれは楽観的に過ぎる(表10.1.4-72(1-1)渡り鳥(ヒシクイ、マガン、ガン類の一種)の影響評価; 10.1.4-617(1347) )。
①一つのエリア内は南北に配置されていたとしても、各エリアがランダムに配置されており、6箇所全体で見れば渡りの経路を埋め尽くす形で配置されている。この配置だと、鳥類が一つのエリアを回避して通過しても、その先に別のエリアの風車列が現れることになることで回避が困難になっていき、衝突の確率が高まる。
②特にガン類やハクチョウ類などカモ目の大型鳥類は、翼面積の割に体重が重く、飛行時に急な方向変換がしにくい(Brown et al. 1992, Gove et al.2013, 浦2015)ことから、各風車エリアの間隔が2km程度しかない本事業の風車配置はガン・ハクチョウ類にとって十分な間隔があると言えない。
③鳥類が山を越えるために上昇風を利用するが、山の手前で風車を回避するための行動が加わることで上昇風を利用できなくなり、その結果条件の良い経路を大きく迂回させられ、体力の消耗を強いられ、風車への衝突確率も高まることになる。
④ガン・ハクチョウ類は視覚に優れ、好天候の時の平常時には風車を視認することは可能と思われるが、衝突事故は悪天候で視界不良の日に多発し、特に計画地では春先には風雪の日が多く、衝突事故が起きる可能が危惧される。同計画地は特に春期には八郎潟、小友沼を経て200,000羽にも及ぶガン類の渡りの経路に含まれ、予定通り風車を建設した場合、特に悪天候の日などには大規模の衝突事故が起きることも危惧される。
(2)採餌地間の移動について
準備書10.1.4-617(1347)に、採餌場所が「改変区域と重複する場所はほぼないこと、当該箇所だけでなく、周辺部でも採食していることが確保されていること」等を理由として影響は少ないと予想しているが、以下の理由からこれも楽観的に過ぎる。
①当会による調査の結果、各計画地の周辺には最大600羽が利用する大規模な採餌地がいくつも点在しており、ガン・ハクチョウ類は頻繁に採餌地と採餌地の間を移動していた。また、当会の調査では絶滅危惧1A類(CR)のハクガンも須田エリア・荷八田エリア・比八田エリアの間を複数回飛翔するのを確認している。同調査では確認されなかったが、ハクガン同様、絶滅危惧1A類(CR)のシジュウカラガンも、数千羽の群れが八郎潟、小友沼そして青森県の津軽平野で確認されているので(日本雁を保護する会未発表情報)、同計画地を経て移動していると考えられる。
②採餌地間の移動では、調査できたほぼすべての飛翔高度がブレードの高さ(地上30~149m)に重なるだけでなく、旋回の半径が小さくなり、飛び方も不規則になる。さらに採餌地を探すために下方を見ることが多くなるため、風車の存在に気付くのが遅れ、風車への衝突の可能性は高くなる。
③マガンの長距離間移動の際、高さ100mの飛翔高度に至るまでに3㎞の水平距離が必要とされている(植田・嶋田2009)が、本事業計画の風車はそれよりはるかに高いおよそ150mあり、各計画地間の距離も2km程度であるため、風車を飛び越えられる高さに達する前に障壁影響が生じ、採餌地間の移動は困難になる。
この結果ガン・ハクチョウ類が計画地周辺を採餌地として利用できなくなる恐れがある。実際に風車を建設したことでガン類やハクチョウ類がその地域の利用する頻度が低下する事例が多く報告されている(Larsen & Madsen 2000; Fijin et al.2012; Rees 2012; 柏木・他2019)。
④また、風車からどれだけの距離において生息地放棄するかについては非繁殖期のハクチョウ類で平均150m(19-289m)、ガン類で平均373m(146-559m)であるとされており(Hötker et al. 2006、浦2015)、事業地が分散する本事業計画では影響を及ぼす範囲がより広くなることが懸念される。またこのことは渡りの中継地での環境収容力を低下させ、ガン・ハクチョウ類が渡りに十分なエネルギー蓄積することを困難にし、長距離の渡りが困難になることが懸念される。
(3)衝突確率について
貴社調査のうち、春季におけるガン・ハクチョウ類の個体数が少ないことは、調査日および時期の設定が適切ではなかったためと考えられる。平成31年は積雪量が少なかったため、小友沼周辺のガンの個体数ピークは3月上旬であった。貴社による調査が行われた3月18日~23日には渡りのピークは過ぎていたと推察される。春季調査は平成31年の1回のみであることから、貴社は北帰行の時期の飛翔状況を十分把握しているとは言えない。したがって、これをもとにした衝突確率も信頼できる数字とは言えない。
【2】個々の事業エリアについて
ガン・ハクチョウ類が6箇所の計画地を縦横に通過することは準備書「渡り時の移動経路」(p1097~p1132)および「渡り時のねぐら・採餌地」(p113~1189)から確認でき、また当会による2020年春の調査でも同様の傾向が確認された。それぞれの事業エリアにおけるガン・ハクチョウ類に対する問題点を下記①~⑤で述べる。
(1)荷八田エリア
6箇所の事業エリアの中でも特に大きな負の影響を与える恐れがあるのが南端に計画されている荷八田エリアの5基の風車列で、風車の建設は容認できない。
①荷八田エリアは小友沼のほぼ真北に位置し、北上するガン類の利用頻度が非常に高い区域である。このエリアは東雲原と呼ばれる標高約40~50mの台地の南端にあり、ガンが北上する際は平野から台地に差し掛かるときの入り口になる。ここに高さ140mの風車が建つと、標高にすると平地からの標高差約200mの障害物が立ちふさがることになる。
②当会の調査の結果、このエリアは計画地の南方から飛んできたガン・ハクチョウ類が行先の方向を見極めるために飛翔速度をゆるめたり、方向を転換したりと、単純に南北方向の動きだけでなく、東西方向の動きが多く見られる場所である。このエリア付近で複数の群が合流することも多く、風況からみても渡りの要所であることが推察される。
③飛行高度について、小友沼付近となる南方の平野部で飛翔高度が高かったガン類の群がそのままの高度で通過せず、荷八田付近に差し掛かると少し高度を落とし、高度M(30~149m)で計画地を通過する例が多く見られた。その後、白神山地の手前で本格的に高度を上げるのだが、このような飛び方から考えて、天候が悪い時に衝突の可能性が高まり、天候の良い時には障壁影響が起きることが考えられる。
④また、このエリアには周囲に有力な採餌地が多数存在する。採餌地間の移動については前述の通りである。
⑤貴社による準備書の調査結果から、秋季(渡来期)と冬季(越冬期)においてもガン・ハクチョウ類の利用が非常に多いエリアであることが認められる。南下する場合も小友沼を目前にして飛翔高度を下げる可能性が高いため、ガン・ハクチョウ類の動きを阻害することが予想される。
(2)須田エリア
①当会の観察の結果、ガン・ハクチョウ類が北上する時に通過する個体数は荷八田エリアとほぼ同じであった。南方から計画地にまっすぐに入って来るものと、荷八田エリアを経由して来るものがいた。また、ここを通った後、白神山地の雁森岳付近に向かう場合は比八田・荒巻エリア及び水沢エリアを、海岸・洋上に向かうものは沢目エリア・落合風力発電事業エリアを通る。既存の金が台風力発電所の風車との距離が近いため、比八田・荒巻エリアとともに風車が建設された場合は飛行の障害となることが予想される。
②計画地の周辺に多数の採餌場があることから、ガン・ハクチョウの飛行の障壁になることが予想される。
(3)比八田・荒巻エリア
①エリア内には既存の金ヶ台風力発電所の風車が1基建っており、これを含めるとこのエリア内に限っても西側は狭い間隔に東西方向に不規則に風車が並ぶことになる。また貴社事業の風車は約150mと、この既存風車より30mほど高いため、高さに凹凸が生じ、より回避に混乱を生じさせることが予想される。当会の調査では現時点ではガン・ハクチョウともにこの既存風車付近を高度Mで頻繁に通っており、新たな風車が建設されれば南北方向の飛翔に大きく影響を与えることになる。
(4)沢目エリア・落合風力発電事業
①この海岸に計画されている2事業が建設されれば、既存の八峰風力発電事業と合わせて海岸線を約8㎞にわたり風車で埋め尽くすことになる。当会による調査の結果、内陸を飛んでいた群が途中で洋上に出たり、逆に洋上を飛んでいた群が内陸に入ってきたりするなど東西方向の動きも頻繁に見られ、その数および頻度から考えると雁森岳を越える経路とは別に沿岸域または洋上を通るコースがあることと推察する。このため、計画通りに貴社による風車が建設されると、この動きを大きく阻害することになる。
②さらに建設中の能代港洋上および計画中の他の洋上風力発電事業を合わせると、広大な面積にわたり、鳥にとって障害物が建つことになる(図2.2-11対象事業実施区域の周囲における他事業; 2.2-61 (69))。
③他事業との累積的な影響について、準備書では「猛禽類のほか、ガン類の渡り時の移動経路についても累積的な影響も考えられるが、現地調査結果では海岸沿いを移動する個体は少なかったことから、本事業との累積的影響の程度は小さいと考えられる」と述べている(準備書表10.4-1(35)調査結果の概要(動物); 10.1-4-36(1837))。しかし、当会調査では海岸沿いおよび洋上を飛ぶ個体はある一定の割合(全体の2割程度)存在しており、影響を軽視できる状況ではない。
④沿岸・洋上は山越えが困難なときの貴重な回避経路であり、この経路を阻害してはならない。
(5)水沢エリア
①当会の調査でもガン・ハクチョウ類が白神山地の雁森岳付近を越えるときにこのエリアを通過することを確認しているが、当会の調査地点からは遠かったため、飛翔経路と風車の関係および高度などの詳細がわからず、影響についてまでは言及することはできない。ただし、渡来期には山越えをした直後に直面する最初の風車であるため、特に視界不良時等には何らかの影響があると思われる。
またこのエリアは猛禽類ノスリ等が通常からよく飛翔する場所であり(現在設置されている風況ポールの周りを旋回したりパーチしたりするのが確認されている)、貴社による調査でも渡り時の猛禽類の飛翔が多いことから、猛禽類への影響は強く懸念される。
【3】猛禽類について
(1)ミサゴ
計画地の沿岸部はミサゴの狩場となっており、高度Mで飛翔する姿が頻繁に目撃されている。準備書表10.1.4-71(20-1) 重要な鳥類への影響予測(ミサゴ)(10.1.4-552(1282))においても、「対象事業実施区域およびその周辺に少なくとも7ペアが生息している」とあり、計画地沿岸はミサゴの重要な繁殖場所となっている。また、魚食性のミサゴにとって沿岸海域は重要な採餌地であり、営巣地と採餌地を往復する際、沿岸の風車は飛翔の大きな阻害要因となる。急速に増える風車のためにミサゴの衝突例も増加しており、2018年には県内でも発生したことが確認されている。ミサゴは風車に衝突しやすい鳥であると考えられ、今後衝突確率は増加するものと思われる。これらのことから、貴社が算出した衝突確率は過小評価であると考えられる。沿岸に風車を並べるのはミサゴの繁殖成功率を低下させる恐れがあるため、沿岸部での風車の建設は容認できない。
(2)その他の猛禽類
①小笠原(2004)によると、能代市米代川沿いに多数のオオタカ営巣地が確認されており、能代市二ツ井町ではミサゴ、ハヤブサ、ハイタカの営巣も確認されている。落合エリア、須田エリア、荷八田エリア、比八田・荒巻エリアはそれらの鳥の狩場として利用されている可能性が高い。それにとどまらず、計画されている6つのエリア内及び周辺で希少猛禽類が営巣している可能性も高く、現に貴社の調査ではハチクマが対象事業実施区域およびその周辺に少なくとも3ペアが生息していることを確認している(表10.1.4-71(24)、10.1.-4-562(1292))。
②冬季に渡来するオジロワシ(絶滅危惧II類(VU))も海岸でたびたび目撃され、行動圏として利用しているので、落合・沢目エリアでの風車の建設はオジロワシにとって危険である。また、オジロワシは小友沼を主な狩場としているが、ガン類等を狙ってその採餌場所である須田エリア、荷八田エリア、比八田・荒巻エリアへ移動する可能性がある。貴社による調査でも対象事業実施区域内で44例、改変区域内で2例が確認されており、主な移動経路である海岸や湖沼、河川以外の環境を移動することもある(表10.1.4-71(22)、 10.1.4-560(1290))とされていることから、計画地全体が、猛禽類の生息を阻害する恐れがある。
(3)その他の鳥類について
①米代川流域及び河口、能代港、日本海沿岸はカモ類・カモメ類の越冬地としても重要である。能代港には過去にヒメハジロ等の希少なカモ類が渡来したこともある。このような希少鳥類にとって重要な地域の海岸をすべて風車で埋め尽くすという開発は、野生生物保護、環境や景観の保全の観点から賛成できない。
【4】事後調査について
不確実性のある事象については事後調査を行うとされているが(表10.4-1(35)調査結果の概要;10.4-36 (1837))、具体的な調査内容、調査期間が示されていない。事後調査を行う場合、渡りの経路の変化の有無等を見るため、複数年連続で調査を行い、尚且つ稼働期間20年の間に複数回、死骸調査を含めた調査を定期的に行うことを求める。また、著しい影響があった場合には風車の稼働停止・撤去も含めた環境保全措置を取ることを求める。
【5】結論
以上述べたように6箇所ある事業予定地のいずれもガンをはじめとする鳥類に多大な影響を与える恐れがあるため、現在の計画通りに風車を設置することは容認できない。計画全体を断念するか、続行するならば大幅な縮小を求める。
過去にも2013年に大潟村に計画された風発事業が、事業者(サミットエナジー)がガンの保護に理解を示し事業を取りやめた事例、2019年に大潟村と小友沼の間のガンの移動経路に計画された「能代三種風力発電事業」が、アセスの結果、ガンの密集した飛行経路上にあることが証明され撤退した事例がある。
世界的なガンの飛来地であるこの地域に風力発電機を設置することには重大な責任が伴う。貴社はこの責任を認識し、鳥類への被害を最小限に留めるために尽力していただきたい。
なお、この意見は概要にまとめる際に原文のまま採用することを希望する。
以上
参考文献
Brown MJ, Linton E & Rees EC (1992) Causes of mortality among wild swans in Britain. Wildfowl 43: 70–79.
Fijin RC, Krijgsveld KL,Tijsen W,Prinsen HA&Dirksen S(2012) Habitat use,disturbance and collision risks for Bewick. Wildfowl62; 97-116Gove B., Langston R. H. W., McCluskie A. Pullan J. D. & Scrase I. (2013)
Wind farms and birds:an updated analysis of the effects of wind farms on birds, and best practice guidance on integrated planning and impact assessment. Royal Society of Protection for Birds and BirdLife International.
Hötker H, Thomsen K. M. & Jeromin H. (2006)
Impacts on biodiversity of exploitation of renewable energy resources: the example of birds and bats- facts, gaps in knowledge, demands of further research, and ornithological guidelines for the development of renewable energy expoloitation. Michael-Otto-Institut im NABU, Bergenhusen.
Larsen JK & Madsen J (2000)
Effects of wind turbines and other physical elements on field utilization by pink-footed geese (Anser brachyrhynchus): A landscape perspective.
Rees EC (2012)
Impacts of wind firms on awans and geese: A review. Wildfowl 62: 37–72.
植田睦之・嶋田哲郎(2009)
長距離移動するマガンの飛び立ち地点からの距離と飛行高度との関係 Bird Research Vol.5; S17-S22
小笠原暠(2004)
秋田の貴重猛禽類 秋田魁新報社
柏木敦・笠原理恵・高橋雅雄・東信行(2019) 「青森県十三湖における風力発電施設建設以前のガン・ハクチョウ類の春の渡り状況」日本鳥学会誌68(1);53-66
宮林泰彦編(1994)
ガン類渡来地目録 1版 雁を保護する会,若柳,316pp。
(仮称)輪島市南志見風力発電事業に係る計画段階環境配慮書への意見書
令和2年7月30日
南志見風力発電 合同会社
代表社員 一般社団法人エナジーエクスプローラー
職務執行者 野坂 照光 様
日本野鳥の会石川
代表 中村正男
929-1125 石川県かほく市宇野気1-71
(公財)日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
141-0031 東京都品川区西五反田3—9-23丸和ビル
(仮称)輪島市南志見風力発電事業に係る計画段階環境配慮書への意見書
貴社が作成された(仮称)能登中風力発電事業計画段階配慮書(以下、配慮書という)における事業実施想定区域(以下、計画地という)には、地域の生態系ピラミッドの頂点に立つ希少な猛禽類が多く生息しており、また、小鳥類の渡りが多い場所です。そのため風力発電施設(以下、風車という)の稼働後には、バードストライクや障壁影響を含む生息地放棄等が発生することが大きく危惧されます。また、既設並びにすでに計画が進められている他の風力発電事業も多数存在するため、下記の配慮と対応を求めます。
記
- 能登半島には、既設および現在計画中の風車が多数存在しており、これらの計画が鳥類や自然環境に及ぼす累積的影響を評価しなければなりません。
- 計画地にはミサゴ、ハチクマ、オオタカ、サシバ、ノスリ、ハヤブサ等の希少猛禽類が多く繁殖しており、また、採餌場所になっています。このような区域ではバードストライクや生息地放棄が生じることを念頭においた詳細な調査が必要です。
- かつて能登全域は、シベリア方面から渡ってくるツグミ類を主な対象としたカスミ網猟が行われていた地域であり、多くの小鳥類が渡っていることが分かっています。小鳥類の多くは夜間に渡るため、夜間におけるバードストライクの発生を念頭においた詳細な調査が必要です。
- マガモは日本海を直接横断して大陸へ渡ることが確認されており、七尾西湾等に多数生息するカモ類が事業実施想定区域を通過する可能性があります。そのため、カモ類の夜間のバードストライク発生を念頭においた調査が必要です。
- 風車の稼働後は、モニタリング調査を実施してバードストライクの発生の有無を監視する仕組を構築する必要があり、第三者を入れた検討体制を構築し、バードストライクが多発した場合は対象となる風車の稼働停止、さらに定常的に発生する場合には、風車の撤去を選択肢として盛り込んだ運営を行うべきです。なお、バードストライクの発生事実、その対策検討結果は公表されるべきです。
- 風車の運転開始後は、事後調査を実施し、バードストライクの発生の有無や生息する鳥類、特に猛禽類の繁殖ペアの分布状況が事業後にどのように変化するのかを確認、検証すべきです。
- 環境アセスメント制度における配慮書、方法書、準備書等の文書のオンラインによる閲覧は大きな利点がありますが、スマホやタブレットでの利用がパソコンを上回っている現状ではこれらのブラウザでの閲覧を可能とすべきです。 MicrosoftもEdgeへの移行を推進しており、Internet Explorerでの閲覧は今後を考えるとセキュリテイの上からも望ましくありません。また、オンラインによるパソコン上での閲覧は、当該地域の環境実態を把握し、広範囲にわたる記載内容を比較しながら意見書を作成するには不向きであるため、また、多額の費用を費やして作成したアセス文書の有効利用のためにもダウンロードおよび印刷を可能とすべきです。
以上
(仮称)遊佐洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
(仮称)遊佐洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
令和2年7月28日 提出
| 項 目 | 記入欄 |
| 氏 名 | ①日本野鳥の会山形県支部 支部長 簗川 堅治 ②公益財団法人 日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一 |
| 住 所 | ①〒994-0081 山形県天童市南小畑4-8-33 ②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル |
| 計画段階配慮書についての環境の保全の見地からの意見 |
この度、貴社が作成された(仮称)遊佐洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書について、下記の通り意見を提出します。 記 (1)現在、貴社が計画段階環境配慮書(以下、配慮書という)を縦覧している(仮称)遊佐洋上風力発電事業について、事業実施想定区域(以下、計画地という)周辺に既に計画が進められている洋上風力発電事業の他の事業者が2社あり、他の事業者との協議・調整が必要である。3事業者で協議・調整された事業計画のもと、共同作業も含めた適切な環境影響評価を実施していただきたい。 (2)計画地東の海岸沿いには数社の風力発電施設(以下、風車という)が稼働しており、この風力発電施設との複合的な影響(累積的影響)も評価する必要がある。累積的影響について調査および評価した結果を公表するなどして、本件事業単独ではなく、複数事業が地域の鳥類の生息に及ぼす影響を評価していただきたい。 (3)海鳥の生息状況の確認について、質・量ともに十分な調査をすべきであるが、陸の鳥と違い調査が非常に困難なことから、どのような方法で実施・把握・対策をとるのか、具体的に提示すべきである。 (4)洋上での風車によるバードストライクについては、陸上でのそれに比べて、調査・予測・評価が難しく、貴社のこの事業計画においても綿密に実施されるよう求める。特に、渡り鳥が重要な調査対象となるため、1シーズンでは予測、評価のための情報が不足するため、複数年にわたる調査が必要である。 (5)計画地はオオミズナギドリやアビ類、ウミスズメ類などの渡りの時期および冬季の生息域、かつ、ハチクマ、ハイタカ、サシバなど希少猛禽類の渡りルートの一部となっている。また、ヒシクイ、ハクガン、シジュウカラガンやハクチョウ類にとって、主要な越冬地である八郎潟(秋田県)と福島潟(新潟県)との渡りの中継地となっている。そのため、計画地への風車の建設・稼働によりバードストライクが発生し、また、障壁影響により生息域および渡りルートの変更といった影響を及ぼすことが懸念される。そのため、海鳥および希少猛禽類などの鳥類の渡りと生息域に対するこれらの影響の回避または低減策を計画の初期段階から検討すべきである。 以上、計画地およびその周辺において、いわゆる発電所アセスのガイドラインにあるような一般的な環境影響評価よりも、利害関係者や専門家とも協議したうえで、さらに詳しい調査の実施を求めるところである。 以上 |
(仮称)山形県遊佐町沖洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
(仮称)山形県遊佐町沖洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
令和2年7月28日 提出
| 項 目 | 記入欄 |
| 氏 名 | ①日本野鳥の会山形県支部 支部長 簗川 堅治 ②公益財団法人 日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一 |
| 住 所 | ①〒994-0081 山形県天童市南小畑4-8-33 ②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル |
| 計画段階配慮書についての環境の保全の見地からの意見 |
この度、貴社(中部電力株式会社)が作成された(仮称)山形県遊佐町沖洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書について、下記の通り意見を提出します。 記 (1)現在、貴社が計画段階環境配慮書(以下、配慮書という)を縦覧している(仮称)山形県遊佐町沖洋上風力発電事業について、事業実施想定区域(以下、計画地という)周辺に既に計画が進められている洋上風力発電事業の他の事業者が2社あり、他の事業者との協議・調整が必要である。3事業者で協議・調整された事業計画のもと、共同作業も含めた適切な環境影響評価を実施していただきたい。 (2)計画地東の海岸沿いには数社の風力発電施設(以下、風車という)が稼働しており、この風力発電施設との複合的な影響(累積的影響)も評価する必要がある。累積的影響について調査および評価した結果を公表するなどして、本件事業単独ではなく、複数事業が地域の鳥類の生息に及ぼす影響を評価していただきたい。 (3)海鳥の生息状況の確認について、質・量ともに十分な調査をすべきであるが、陸の鳥と違い調査が非常に困難なことから、どのような方法で実施・把握・対策をとるのか、具体的に提示すべきである。 (4)洋上での風車によるバードストライクについては、陸上でのそれに比べて、調査・予測・評価が難しく、貴社のこの事業計画においても綿密に実施されるよう求める。特に、渡り鳥が重要な調査対象となるため、1シーズンでは予測、評価のための情報が不足するため、複数年にわたる調査が必要である。 計画地はオオミズナギドリやアビ類、ウミスズメ類などの渡りの時期および冬季の生息域、かつ、ハチクマ、ハイタカ、サシバなど希少猛禽類の渡りルートの一部となっている。また、ヒシクイ、ハクガン、シジュウカラガンやハクチョウ類にとって、主要な越冬地である八郎潟(秋田県)と福島潟(新潟県)との渡りの中継地となっている。そのため、計画地への風車の建設・稼働によりバードストライクが発生し、また、障壁影響により生息域および渡りルートの変更といった影響を及ぼすことが懸念される。そのため、海鳥および希少猛禽類などの鳥類の渡りと生息域に対するこれらの影響の回避または低減策を計画の初期段階から検討すべきである。 以上、計画地およびその周辺において、いわゆる発電所アセスのガイドラインにあるような一般的な環境影響評価よりも、利害関係者や専門家とも協議したうえで、さらに詳しい調査の実施を求めるところである。 貴社においても、風車の建設にあたって、鳥類の生息状況を的確に把握し、地域の優れた自然環境と生物多様性が失われないよう適切な対応をとることを強く求める。 以上 |
(仮称)山形県遊佐沖洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
(仮称)山形県遊佐沖洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
令和2年7月28日 提出
| 項 目 | 記入欄 |
| 氏 名 | ①日本野鳥の会山形県支部 支部長 簗川 堅治 ②公益財団法人 日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一 |
| 住 所 | ①〒994-0081 山形県天童市南小畑4-8-33 ②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル |
| 計画段階配慮書についての環境の保全の見地からの意見 |
この度、貴社(コスモエコパワー株式会社及び加藤総業株式会社)が作成された(仮称)山形県遊佐沖洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書について、下記の通り意見を提出します。 記 (1)現在、貴社が計画段階環境配慮書(以下、配慮書という)を縦覧している(仮称)山形県遊佐沖洋上風力発電事業について、事業実施想定区域(以下、計画地という)周辺に既に計画が進められている洋上風力発電事業の他の事業者が2社あり、他の事業者との協議・調整が必要である。3事業者で協議・調整された事業計画のもと、共同作業も含めた適切な環境影響評価を実施していただきたい。 (2)計画地東の海岸沿いには数社の風力発電施設(以下、風車という)が稼働しており、この風力発電施設との複合的な影響(累積的影響)も評価する必要がある。累積的影響について調査および評価した結果を公表するなどして、本件事業単独ではなく、複数事業が地域の鳥類の生息に及ぼす影響を評価していただきたい。 (3)海鳥の生息状況の確認について、質・量ともに十分な調査をすべきであるが、陸の鳥と違い調査が非常に困難なことから、どのような方法で実施・把握・対策をとるのか、具体的に提示すべきである。 (4)洋上での風車によるバードストライクについては、陸上でのそれに比べて、調査・予測・評価が難しく、貴社のこの事業計画においても綿密に実施されるよう求める。特に、渡り鳥が重要な調査対象となるため、1シーズンでは予測、評価のための情報が不足するため、複数年にわたる調査が必要である。 (5)計画地はオオミズナギドリやアビ類、ウミスズメ類などの渡りの時期および冬季の生息域、かつ、ハチクマ、ハイタカ、サシバなど希少猛禽類の渡りルートの一部となっている。また、ヒシクイ、ハクガン、シジュウカラガンやハクチョウ類にとって、主要な越冬地である八郎潟(秋田県)と福島潟(新潟県)との渡りの中継地となっている。そのため、計画地への風車の建設・稼働によりバードストライクが発生し、また、障壁影響により生息域および渡りルートの変更といった影響を及ぼすことが懸念される。そのため、海鳥および希少猛禽類などの鳥類の渡りと生息域に対するこれらの影響の回避または低減策を計画の初期段階から検討すべきである。 以上、計画地およびその周辺において、いわゆる発電所アセスのガイドラインにあるような一般的な環境影響評価よりも、利害関係者や専門家とも協議したうえで、さらに詳しい調査の実施を求めるところである。 貴社においても、風車の建設にあたって、鳥類の生息状況を的確に把握し、地域の優れた自然環境と生物多様性が失われないよう適切な対応をとることを強く求める。 以上 |
(仮称)ウインドパーク布引北風力発電事業に係る環境影響評価準備書に対する意見書
令和2年7月17日
株式会社シーテック
代表取締役社長 仰木 一郎 様
日本野鳥の会三重
代表 平井 正志
(公財)日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
(仮称)ウインドパーク布引北風力発電事業に係る環境影響評価準備書に対する意見書
環境影響評価法第3条の7に基づき、希少鳥類の保護および環境保全の見地から下記の通り意見を述べる。
記
- ・クマタカについて
- 貴社が作成した環境影響評価準備書(以下、準備書という)に示されている対象事業実施区域(以下、計画地という)にはクマタカが3つがい繁殖している。クマタカは過去に三重県内の風力発電施設(以下、風車という)で衝突死(以下、バードストライクという)が起きた事例があることから、本計画地についてもバードストライクが発生する可能性が高い。
風車への衝突確率の計算について、環境省モデルおよび球体モデルを用い、クマタカによる風車への回避率について0.98を採用した場合の数値は、これまでの他事業の準備書での値と比べても、格段に高いものである。準備書には飛翔図が公表されていないが、このように高い値が出るのはおそらく、計画地内におけるクマタカの飛翔密度が高い場所に風車を建設する予定であるためと考える。
環境省レッドリストで絶滅危惧IB類(EN)に指定されるクマタカは、2年に一度、1羽のヒナを巣立たせるのが普通と考えられている。
仮に、今回の準備書で推定した確率どおりにバードストライクが起こると仮定すると、計画地内の3つがいの繁殖が維持される一方、計画地周辺に分散個体を供給することができなくなる可能性が高い。また、クマタカの風車回避率は野外での調査で実証されていないが、実際に国内でバードストライクが起きているオジロワシやチョウゲンボウと同様に0.95を採用すれば、衝突回数は準備書の値の2.5倍となり、クマタカの繁殖に深刻な影響を及ぼすことになると考える。
また、クマタカが風車を忌避することで繁殖を放棄する、あるいは繁殖を継続できたとしても繁殖成功率が落ちる可能性があるが、準備書ではそのことがまったく考慮されていない。さらに、準備書の890ページに記載される「影響は小さい」と判断した理由について、全く根拠が示されていない。
準備書では、「本種の予測には不確実性が伴うため、事後調査を実施する」としているが、事後調査の結果、重大な影響があった場合に、風車を撤去するとの明示が無い限り、不確実性の担保とはならない。 - ・ヤイロチョウについて
- ヤイロチョウは環境省レッドリストで絶滅危惧IB類 (EN)に指定されるが、全国的にみて分布域は局所的でごく限られており、個体数が少ない種である。ヤイロチョウは三重県内でも繁殖している可能性が高いが、情報が極めて少ない。通常は伊勢以南で見られることが多いが、準備書に示された定着例は三重県で最も北に位置する個体と見られ、非常に重要である。夏鳥の定着とは繁殖を意味する以外にないと考えるが、これほど重要な種であるにも関わらず、貴社は繁殖域や行動域など十分な調査を行なっておらず、また、改変区域からの距離すら明示していない。しかしながら、今回の事業全体の改変面積率を根拠に「これらの種への影響は小さいものと予測する」と述べているが、それだけで影響は小さいとする根拠にはならないことは明白である。ヤイロチョウの繁殖する、あるいは繁殖の可能性の高い場所を改変すべきではない。
- ・希少猛禽類の渡りについて
- 三重県内陸部でのサシバの渡りのコースは一定していない。三重県を通過するサシバの多くは伊良湖岬を出発し、伊勢方面に上陸するが、その後は風向、上昇気流の有無や強度によりコースを変え、青山高原、その北につらなる山塊、あるいは白猪山山塊などを通過するものと考えられる(当会会報「しろちどり72号」Web上で閲覧可)。したがって、1シーズンのみの観察でサシバの渡りの将来を予測することはできない。年によっては予測を大幅に上回る数が飛来する可能性もある。
ハチクマ、ノスリの三重県内の渡りルートの位置等についてはほとんど知られていなかったが、準備書では相当数の渡りが確認されていることから、計画地はこれらの種にとって重要な渡りルートのひとつになっていると考えられる。
これら猛禽類の渡りについてはバードストライクの発生率のみが解析されているが、障壁影響の発生により鳥が風車を回避するために用いられる余分なエネルギー消費については解析されていない。今回の計画が実行され、かつ長野峠北側に計画中の風車が設置されれば、青山高原三角点近傍から亀山市市境まで約15 kmに及ぶ長大な風車列が立ち並ぶことになり、これらの渡りルートに対し重大な障壁となる。サシバは長大な渡りを行い、沖縄本島から宮古島までは約300kmの無着陸飛行を強いられるなど、風車の存在が渡りの成功率に与える影響は無視できないと考えられる。 - ・サシバの繁殖について
- サシバは近年、国内で個体数を大きく減らしている種の一つであり、2018年に三重県指定希少野生動植物種に指定された。しかし、それにも関わらず、近年は四日市足見川、津市波瀬など、自然エネルギーの導入と利用を名目にサシバ繁殖地が撹乱されており、いくつかの繁殖地が失われようとしている。
- ・オオタカの繁殖について
- オオタカは関東圏では個体数が増加し、国内希少野生動植物種から指定が外されたが、東海や近畿地方では個体数の増加は見られず、三重県ではむしろ減少傾向にあることから(三重県レッドデータブック2015)、三重県内でオオタカの繁殖を維持させていくのは必須である。
また、準備書においてはサシバとオオタカの高度利用域等について解析がされておらず、営巣地から風車までの距離なども公表されていないため、調査が不十分としか言いようがない。繁殖に成功したシーズンを含む複数の繁殖期で調査を行い、高度利用域などの解析結果を明示すべきである。
以上の考察から、今回の計画及び準備書は鳥類への影響を予測および影響回避策を講じるには不適当であり、風車の数を抜本的に減少させ、準備書を提出し直すか、計画を取り下げるべきである。
以上
(仮称)三瀬矢引風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
(仮称)三瀬矢引風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
令和2年7月16日 提出
| 項 目 | 記入欄 |
| 氏 名 | ①日本野鳥の会山形県支部 支部長 簗川 堅治 ②公益財団法人 日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一 (公印省略) |
| 住 所 | ①〒994-0081 山形県天童市南小畑4-8-33 ②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル |
| 計画段階配慮書についての環境の保全の見地からの意見 |
この度、貴社が作成された(仮称)三瀬矢引風力発電事業に係る計画段階環境配慮書について、下記の通り意見を提出します。 記 (1)現在、貴社(ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社)が計画段階環境配慮書(以下、配慮書という)を縦覧している(仮称)三瀬矢引風力発電事業について、事業実施想定区域(以下、計画地という)に風力発電施設(以下、風車という)を建設した場合、環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類であり山形県の絶滅のおそれのある野生動植物にも指定されているクマタカの生息地と計画地が重なることになる。計画地の尾根や稜線を利用するクマタカが風車に衝突死するバードストライクが発生する危険性が高いと判断される。実際に、風車とクマタカとのバードストライクが発生した事例が国内で確認されている(武田 2013)。計画地に風車を建設した場合、バードストライクが起こる可能性は相当高いと判断される。そのため、クマタカの行動圏や高度利用息の推定などを含む生息状況の確認等の調査について、質、量ともに十分なものを求める。 (2)計画地はサシバやハチクマなど希少猛禽類の渡りルートの一部になっている可能性があることから、風車の建設によりバードストライクが生じ、また、障壁影響により渡りルートの変更および生息地の放棄といった影響を及ぼすことが懸念される。そのため、希少猛禽類の渡りに対するこれらの影響の回避または低減策を計画の初期段階から検討すべきである。 (3)配慮書では、「重要な動物及び注目すべき生息地への影響についての予測結果を基にした評価結果では、生息環境が変化すると予測される重要な種(鳥類60種など)と、注目すべき生息地のうち、「三瀬葉山ニッポンユビナガコウモリの群棲地」「気比台の池」「希少猛禽類の渡り経路」「ガン類、ハクチョウ類の集結地」について、生息、利用状況や改変区域との重複状況によっては、地形改変及び施設の存在並びに施設の稼働による影響を受ける可能性がある。今後の環境影響評価手続きにおいて、重要な動物の生息状況や注目すべき生息地の利用状況を把握した上で、その結果を踏まえて、風車の配置計画や改変区域等を検討することにより、重大な環境影響は回避、低減されるものと評価する。」としている。 (4)専門家へのヒアリングの結果について、鳥類の有識者が「渡りの時期の小鳥類の動きにも着目するとよい。これについては、春季と秋季にセンサス調査や定点調査をすることも考えられる。」としている。計画地は小鳥たちが移動するルートにもなっているため、渡りの時期である春と秋に適切な調査をすることで、重要な種の移動や渡りの状況を正確に把握し、小鳥類の渡りに影響を及ぼさないよう適切な対応を求める。 (5)計画地から1.7km離れた場所に、「(仮称)鶴岡八森山風力発電事業」として5基の風車を建設する計画が進められている。本件の計画地に計画通り7基の風車が建設された場合、併せて12基の風車が同じ地域の中で稼働することとなるが、ここを生息地とするクマタカをはじめとする猛禽類や渡りルートとして利用しているサシバやハチクマなどの猛禽類および小鳥類、そして計画地周辺を採餌場所としているガン・カモ・ハクチョウ類にバードストライクや障壁影響による渡り経路の変更および生息地の放棄といった多大な影響を及ぼす可能性がある。そのため、「(仮称)鶴岡八森山風力発電事業」との累積的影響について調査および評価した結果を公表するなどして、本件事業単独ではなく、複数事業が地域の鳥類の生息に及ぼす影響を評価していただきたい。 以上、計画地およびその周辺において、いわゆる発電所アセスのガイドラインにあるような一般的な環境影響評価よりも、利害関係者や専門家とも協議したうえで、さらに詳しい調査の実施を求めるところである。 以上 |
(仮称)ウインドパーク天竜風力発電事業に係る環境影響評価方法書に対する意見書
令和2年7月13日
株式会社シーテック
代表取締役社長 仰木 一郎 様
〒438-0035静岡県袋井市砂本町3-12
日本野鳥の会遠江 代表 増田 裕
〒141-0031東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
(公財)日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一
(仮称)ウインドパーク天竜風力発電事業に係る環境影響評価方法書に対する意見書
貴社が作成した(仮称)ウインドパーク天竜風力発電事業環境影響評価方法書に対して、下記の通り意見を述べます。
全体について
(仮称)ウインドパーク天竜風力発電事業における環境影響評価方法書(以下、方法書という)に掲載されている対象事業実施区域(以下、計画地という)では、以前より希少猛禽類のクマタカおよびオオタカの生息が確認されており、さらに静岡版レッドリストで絶滅危惧ⅠA類(CR)に指定されるブッポウソウが繁殖している。貴社が当該事業を実施することで、これらの鳥類がバードストライクや生息地放棄等の影響を受けることが懸念される。計画地にクマタカが生息していることは、当会も参加した『静岡県の鳥類第3版』および『静岡県の鳥類第2版』の作成に係る鳥類調査の結果からも確実である。また、ブッポウソウに関しては、当会の20年間にわたる観察結果から、計画地で継続的に繁殖していることは明確である。そのため、貴社に対しては、当該事業がこれらの希少鳥類の生息に影響を与えないよう、事業の縮小または中止を含めた抜本的な影響回避策を講じることを求める。今後、影響の回避および鳥類の保全について検討を進めるのであれば、環境影響評価の精度をより向上させるためにも、下記の「個別の項目について」に記載した内容を参考にして調査方法を再検討および変更すべきである。
個別の項目について
- 1.遠州地域に広範囲にわたる複数事業が鳥類に及ぼす影響
- 遠州地域には、山岳地域における大規模風力発電事業として、浜松風力発電所(ふそう風力発電)、浜松市天竜区熊風力発電事業計画(自然電力)、天竜風力発電事業計画(JR東日本エネルギー開発)、ウインドパーク遠州東部風力発電事業(シーテック)および本計画が存在し、これらすべてが浜松市天竜区水窪以南の遠州地域の山の尾根上に南北方向に並び建つという状況が生まれようとしている。
一方で、これらのすべての計画地内はクマタカなどの希少猛禽類の重要かつ貴重な生息地および繁殖場所となっている。したがって、すべての事業が実施に移された場合、クマタカをはじめとして遠州地域に生息する希少猛禽類にバードストライクや生息地放棄などの影響が累積的影響として生じることが予測される。
また、計画地にあるサシバとハチクマなどの春秋の渡りルートは、猛禽類全般における国内最南のルート(静岡⇒島田⇒掛川⇒浜名湖北部⇒伊良湖岬)と重複していることが知られているが、本事業の実施が障壁影響を生み出し、サシバやハチクマなどの猛禽類は風車を大きく迂回することになるか、または障壁影響が生じない場合には、バードストライクが発生するようになると考える。なお、このような状況はすでに浜松風力発電所の稼働によって生じているものと考えられる。したがって、環境影響評価は5事業を一体のものとして行う累積的影響評価を適切に実施することで、5事業がまたがる地域全体における環境影響、特に希少猛禽類に対する影響が最小になるよう回避策を講じるべきである。 - 2.動物の調査、予測及び評価の結果について(方法書209頁~239頁)
-
- 貴社は計画地でのクマタカの生息、およびブッポウソウの継続的な繁殖を確認しているにも関わらず、『改変による生息環境の変化に伴う影響が生じる可能性がある』にとどめた評価の結果を再考することを希望する。また、今後、留意事項として対応で進めるのであれば、クマタカだけでなくブッポウソウについてもその旨を明記すべきである。
- 渡り鳥の移動ルートに対する予備調査が未実施であるにもかかわらず、『上空通過することから生息環境の変化に伴う影響が出る可能性は小さい』と結論付けることは無理がある。
- 3.特別な絶滅危惧種ブッポウソウへの配慮
- 計画段階環境配慮書に対する意見書の中で指摘した、計画地でブッポウソウが繁殖していることについて、本方法書における影響評価の結果の中では全く触れられていないため、ここにあらためてそのことを指摘する。そして、ブッポウソウの繁殖に影響を及ぼさないため、風力発電所の設置場所と⼯事エリアの変更が必要であるが、どちらも少なくとも巣から 5km 以上離れた場所にすべきである。
- 4.配慮書に対して提出した意見の取り扱いについて
- 先に意見募集を行った当該事業の計画段階環境配慮書(以下、配慮書という)に対し、以下のような意見を提出した。それに対し、方法書に事業者見解として回答を掲載しているが、その回答に不明瞭な部分があるため、ここであらためて意見として掲載する。なお、これに対して貴社がどのように対応するかについては、次の環境影響評価準備書に事業者見解として掲載するだけでなく、当会らに個別に見解を述べていただきたい。
- 希少猛禽類の調査手法について、配慮書に対する意見書で『事業実施に際しては動植物(特に野鳥)については周辺エリアも含め渡りや繁殖の季節を含む2年以上の調査が必要と考える。鳥類については希少種としてクマタカが各所で観察されており営巣場所及び行動範囲を特定し設置及び工事に際して対策をとるべき』と指摘したが、本方法書では『猛禽類保護の進め方(改訂版)』に準拠して進めるとなっている。したがって、現在の段階は、環境省の猛禽類保護の進め方(改訂版)P36のイ予備調査・調査計画の策定(生息確認及び繁殖可能性の推測)の段階と考える。また、2年間の予備調査を実施した結果をもって、事業計画の検討(回避)の判断を行い、必要であれば『ウ保全措置検討のための調査・解析繁殖状況調査・行動圏の内部構造解析等』に移行することになっている。そこで、
- 予備調査については、クマタカの生態を考慮して計画地にある10水系(小芋川・六つの沢・新開沢・不動沢・八代沢・成瀬沢・神妻沢川・和山間沢川・地八川・出馬川)ごとの生息確認が必要、
- 予備調査計画にあたっては、現地踏査により、効率よくクマタカの生息調査を進めることが必要、
である。
- 猛禽類の渡りに関する調査手法について、当会は意見書で『また、猛禽類の渡りのルートであることが考えられ、その調査も今までのデータでは十分では無く春と秋を含む2年間の調査が最低必要である。』と意見したにも関わらず、貴社が作成した方法書では、渡り鳥の調査は1年間の実施としている。しかし、渡り鳥の数などは年変動があることから、1年の調査では到底その実態が把握できるとは考えにくいため、当会からの意見通り、あらかじめ2年間の調査期間を確保すべきである。また、定点観測における調査ポイントの設定について、現地踏査したうえで決定すべきである。
- 希少猛禽類の調査手法について、配慮書に対する意見書で『事業実施に際しては動植物(特に野鳥)については周辺エリアも含め渡りや繁殖の季節を含む2年以上の調査が必要と考える。鳥類については希少種としてクマタカが各所で観察されており営巣場所及び行動範囲を特定し設置及び工事に際して対策をとるべき』と指摘したが、本方法書では『猛禽類保護の進め方(改訂版)』に準拠して進めるとなっている。したがって、現在の段階は、環境省の猛禽類保護の進め方(改訂版)P36のイ予備調査・調査計画の策定(生息確認及び繁殖可能性の推測)の段階と考える。また、2年間の予備調査を実施した結果をもって、事業計画の検討(回避)の判断を行い、必要であれば『ウ保全措置検討のための調査・解析繁殖状況調査・行動圏の内部構造解析等』に移行することになっている。そこで、
- 5.参考文献の追加
- 3.1.5-1動物の生息の状況に使用される文献に2020年7月に発行予定の『静岡県の鳥類第3版』を追加すべきである。
以上
(仮称)ウインドパーク遠州東部風力発電事業に係る環境影響評価方法書に対する意見書
令和2年7月10日
株式会社シーテック
代表取締役社長 仰木一郎 様
〒438-0035静岡県袋井市砂本町3-12
日本野鳥の会遠江 代表 増田 裕
〒141-0031東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
(公財)日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一
(仮称)ウインドパーク遠州東部風力発電事業に係る環境影響評価方法書に対する意見書
環境の保全の見地からの意見とその理由
- 1.全体について
- (仮称)ウインドパーク遠州東部風力発電事業における環境影響評価方法書(以下、方法書という。)に掲載されている対象事業実施区域(以下、計画地という。)には、以前より希少猛禽類のクマタカおよびオオタカの生息が確認されており、貴社が計画するこの事業を実施すると、これらの鳥類の生息に多大な影響を及ぼすことが懸念される。なお、計画地にクマタカが生息していることは、方法書にある専門家意見等からも確実である。そのため、貴社に対して、事業の中止または縮小を含めて、計画地及びその周辺に生息する希少鳥類への影響を回避可能な対策を取ることを希望する。今後、影響の回避および鳥類の保全について検討を進めるのであれば、環境影響評価の精度をより向上させるため、下記の「個別の項目について」に記載した内容を参考にして調査方法を変更すべきであることを提案する。
- 2.遠州地域に広範囲にわたる複数事業が鳥類に及ぼす影響
- 遠州地域には、山岳地域における大規模風力発電事業として、浜松風力発電所(ふそう風力発電)、浜松市天竜区熊風力発電事業(自然電力)、天竜風力発電事業(JR東日本エネルギー開発)、ウインドパーク天竜風力発電事業(シーテック)および本事業が存在し、これらすべてが浜松市天竜区水窪以南の遠州地域の山の尾根に南北方向に並び立つという状況が生まれようとしている。
一方で、これらのすべての計画地内はクマタカなどの希少猛禽類の重要かつ貴重な生息地および繁殖場所となっている。したがって、すべての事業が実施に移された場合、累積的影響によりクマタカをはじめとして遠州地域に生息する希少猛禽類にバードストライクや生息地放棄など大きな影響を与えることが予想される。
また、計画地にあるサシバとハチクマの春秋の渡りルートは、猛禽類全般における国内最南のルート(静岡⇒掛川⇒浜名湖北部⇒伊良湖岬)と重複していることが知られているが、本事業の実施が障壁影響を生み出し、サシバやハチクマなどの猛禽類は風車を大きく迂回することになるか、バードストライクが発生するようになると考える。なお、このような状況はすでに浜松風力発電所の稼働によって生じていることが証明されている。
したがって、環境影響評価は5事業を一体のものとして行う累積的影響評価を適切に実施することで、5事業がまたがる地域全体で環境影響、特に希少猛禽類に対する影響を最小にすべきである。 - 3.動物の調査、予測及び評価の結果について(方法書217頁)
-
- 計画地にクマタカが生息していることが評価されていないので、個別に評価の結果を明記すべきである。
- 渡り鳥の移動ルートに対する予備調査が未実施であるにもかかわらず、『上空通過することから生息環境の変化に伴う影響が出る可能性は小さい』と結論付けることは無理がある。
- 4.配慮書に対して提出した意見の取り扱いについて
- 先に意見募集を行った当該事業の計画段階環境配慮書(以下、配慮書という)に対し、以下のような意見を提出した。それに対し、方法書に事業者見解として回答を掲載しているが、その回答に不明瞭な部分があるため、ここであらためて意見として掲載する。なお、これに対して貴社がどのように対応するかについては、次の環境影響評価準備書に事業者見解として掲載するだけでなく、当会らに個別に見解を述べていただきたい。
- 希少猛禽類の調査手法について、配慮書に対する意見書で『事業実施に際しては動植物の生息状況、特に野鳥については想定区域の周辺も含め渡りや繁殖の時期を含め、少なくとも2年以上の調査が必要である。鳥類では希少種であるクマタカの生息状況調査が重要となる』と指摘したが、本方法書では『猛禽類保護の進め方(改訂版)』に準拠して進めるとなっている。したがって、現在の段階は、環境省の猛禽類保護の進め方(改訂版)P36のイ予備調査・調査計画の策定(生息確認及び繁殖可能性の推測)の段階と考える。また、2年間の予備調査をした結果をもって、事業計画の検討(回避)の判断を行い、必要であれば『ウ保全措置検討のための調査・解析繁殖状況調査・行動圏の内部構造解析等』に移行することになっている。そこで、
- 予備調査については、クマタカの生態を考慮して7水系(家山川・切山川・大代川・原野谷川・太田川・白光川・福用川)ごとの生息確認が必要。
- 予備調査計画にあたっては、何人かの地元の鳥類研究者との現地踏査により、効率よくクマタカの生息調査を進めることが必要。
である。
- 猛禽類の渡りに関する調査手法について、意見書で『想定区域および周辺地域は猛禽類の大きな渡りルートであるが、渡り時期の調査について今までの既存データでは十分ではないため、春は3〜5月、秋は9〜11月に最低2年間の調査が必要である。』の意見に対して貴社は、方法書では渡り鳥の調査は1年しか実施しないことで記載しているが、計画地周辺では渡り鳥に関して既存データがほとんどなく、1年の調査でその実態が把握できるとは考えにくいので、こちらからの意見通り、あらかじめ2年の調査期間を確保すべきである。また、定点観測における調査ポイントの設定について、何人かの地元の鳥類研究者と現地踏査したうえで決定すべきである。
- 希少猛禽類の調査手法について、配慮書に対する意見書で『事業実施に際しては動植物の生息状況、特に野鳥については想定区域の周辺も含め渡りや繁殖の時期を含め、少なくとも2年以上の調査が必要である。鳥類では希少種であるクマタカの生息状況調査が重要となる』と指摘したが、本方法書では『猛禽類保護の進め方(改訂版)』に準拠して進めるとなっている。したがって、現在の段階は、環境省の猛禽類保護の進め方(改訂版)P36のイ予備調査・調査計画の策定(生息確認及び繁殖可能性の推測)の段階と考える。また、2年間の予備調査をした結果をもって、事業計画の検討(回避)の判断を行い、必要であれば『ウ保全措置検討のための調査・解析繁殖状況調査・行動圏の内部構造解析等』に移行することになっている。そこで、
- 5.参考文献の追加
- 3.1.5-1動物の生息の状況に使用される文献に2020年7月に発行予定の『静岡県の鳥類第3版』を追加すべきである。
以上







