「彫刻家・村田勝四郎と日本野鳥の会」展

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村田勝四郎

●会場
渋谷区立松濤美術館 2階サロンミューゼ・特別陳列室
(東京都渋谷区松濤2-14-14)
 https://shoto-museum.jp/exhibitions/2019salon/
●開催期間
前期:2020年2月12日(水)~24日(月)
後期:2020年2月29日(土)~ 3月15日(日)
●休館日
2月17日(月)、25日(火)~28日(金)、3月2日(月)、9日(月)
●入館料
無料
●問い合わせ
電話 03-3465-9421
●特別協力
公益財団法人 日本野鳥の会

大阪に生まれた彫刻家・村田勝四郎(1901~89)は、東京美術学校(現・東京藝術大学)在学中から渋谷区に住み、渋谷区とゆかりがあり、1985年には48点もの作品を東京の渋谷区立松濤美術館に寄贈しています。

おもにブロンズで人物像や動物像を手がけ、大阪の三井ビル、東京の霞が関ビルなど、商業ビルなどに設置されるモニュメント制作にも携わった村田勝四郎。その表現は確かな写実性を備えつつも、後年は造形の単純化が進み静謐(せいひつ)なものとなっていきました。

制作活動の傍ら、日本野鳥の会創立の翌年(1935年)に入会し、積極的に活動に参画。戦後の日本の経済発展に対し、先見的な自然保護、共生の思想を打ち出し影響力を増していく創立者・中西悟堂らへの共鳴が、晩年さかんに手がけた、少年・少女たちが鳥たちと親和する主題につながった可能性もあります。
展覧会では、寄贈された所蔵品に加え、当会から原画や『野鳥』誌のバックナンバーの出展もあり、これまで知られてこなかった中西悟堂や当会との交流も明らかにされます。

日本野鳥の会の財団化(1970年)から50年の節目の年に、創世期に深く関わった彫刻家の作品をぜひご覧ください。

《鳥翁 中西悟堂》 1968年 渋谷区松濤美術館蔵
《鳥翁 中西悟堂》 1968年 渋谷区松濤美術館蔵

村田勝四郎
《翼を広げたトキと少年》 1977年 渋谷区松濤美術館蔵

村田勝四郎と日本野鳥の会

当会の現在のシンボルマーク(通称:Bマーク)が制定されたのは2000年のことですが、それまでは、彫刻家の村田勝四郎氏がデザインしたマークが使われていました。1959年に当会創立25周年を記念して制定され、会のシンボルとして、バッジ、旗、腕章、発行物などに広く使われ親しまれました。

村田氏は、会の創設の翌年から当会に入会され、以降40年以上にわたり、中西会長の側近として当会の活動を支えました。多くの『野鳥』誌の扉絵やカットを無償で提供してくださり、執筆活動にも精力的でした。また、脇田和氏、福田豊四郎氏、加山又造氏ら芸術家と当会を結びつけてくださったのも村田氏でした。

戦後は、会の再興と運営に中央委員として関わり、実務面でも会の中枢として力を発揮。特に財団化の際には、実務者として重要な役目を果たされました。

村田勝四郎
日本野鳥の会で長く保管していたスケッチ。このたび村田の彫塑「翼を広げたトキと少年」と同構図であることがわかった。

村田勝四郎
1959年に創立25周年を記念して村田がデザインした日本野鳥の会のシンボルマーク

村田勝四郎
霞ヶ関ビル《よろこび》の除幕式。左から江戸英雄、中西悟堂、村田勝四郎(1969年4月18日 村田勝四郎旧蔵アルバムより