子どもワークキャンプ(シマフクロウのすむ森を育てよう)のご報告

子どもレンジャーワークキャンプ “シマフクロウのすむ森を育てよう” 開催しました

2009年の予定はこちら

日本では主に北海道東部にのみ生息し、今では約40つがい130羽にまで減少したシマフクロウ。当会が主催する子どもワークキャンプ第二弾では、最も絶滅の危機に瀕する野鳥のひとつである、このシマフクロウの生息環境を守る活動に、全国から集まった親子11組22名が取り組みました。
大きな木のうろで子育てをし、主に魚を食べるシマフクロウが生きていくためには、大木が育つ広い森と水辺が必要です。しかし近年では、開発などにより、こうした環境は減少してしまいました。今回は、100年後にシマフクロウが暮らすことのできる森を育てるための第一歩として、野鳥保護区内の裸地に落葉広葉樹の苗木を植える活動を行いました。当日は天候が不安定で小雨が降る中での作業となりましたが、苗木が根付くには絶好の天気です。親子で力をあわせ、約200本の苗を植樹しました。

【1日目】 8月2日(土)


山本さんのスライド解説

根室中標津空港に集合し、バスで渡邊野鳥保護区ソウサンベツ(槍昔地区)に向かいました。ここには、エゾフクロウのための巣箱がかけられています。フクロウがすむために必要な森の様子や、木の大きさを、歩きながら体感しました。宿泊場所の夢原館に向かう途中、シマフクロウが生息する森と水辺をバスの中から見学しました。シマフクロウは数が大変少なく、厳重な保護が必要であり、姿を探しにいくことで生息が脅かされる懸念もあります。今回は姿を見ることはできませんでしたが、彼らのすむ深い森や澄んだ水辺を目にすることで、これから私たちがするべきこと、守るべき環境のイメージを膨らませました。
夜には、地域でシマフクロウの保護に携わっている山本純郎さんから、その生態についてスライドを交えてお話を伺い、シマフクロウの保護が進んで、その姿が見られるようになる将来に思いをはせました。

【2日目】 8月3日(日)


湿原の観察

フクロウの巣箱を観察

朝から渡邊野鳥保護区フレシマに向かい、地元のガイドスタッフの案内で、湿原や森を探検しました。森の中では、エゾフクロウのためにかけられた巣箱まで梯子を使って上り、フクロウの視点から森を見渡し、その様子を観察しました。フクロウの気持ちになって森を一望したところで、渡邊野鳥保護区ソウサンベツに移動し、午後からいよいよ植樹活動です。
活動場所は、周囲は林に囲まれているもののぽっかりと裸地になっており、数年前から少しずつ植樹が進められてきました。まず、数人がかりでメジャーを手に、等間隔に印をつけていきます。全て印がついた後で、親子一組になり、丁寧に苗木を植えつけます。スコップで土を掘り起こし、十分な深さになったところでやさしく苗木を置きます。しっかり根を張って、元気に育ってくれることを祈りながら土をかけて、終了です。
今はこの場所にシマフクロウはすんでいませんが、この苗木が大きく育った将来には、姿を観察できるかもしれません。その時にまた見に来られることを願って、全員の名前を記した記念の看板を設置しました。

【3日目】 8月4日(月)


明治乳業野鳥保護区にて

最終日になってようやく青空が広がり、北海道の夏らしいすがすがしい空気のなか、明治乳業野鳥保護区牧の内を散策しました。この野鳥保護区は、2007年に明治乳業株式会社と当会が協定を結び、タンチョウのための野鳥保護区に設定した地域です。広大な湿原を臨む丘に望遠鏡を設置し、交代でのぞきました。タンチョウの姿はここでは見られませんでしたが、上空を悠々と旋回するオジロワシが、3日間の活動のフィナーレを飾りました。
当会ではこれまで、シマフクロウの生息環境を買い取って野鳥保護区とし、維持管理を行ってまいりました。一方でこれからは、多くの方に野鳥保護区での保全活動に参画いただくことで、その保全をすすめるとともに、活動を応援してくださる方を増やしていきたいと考えております。2009年からは、親子版に加えて一般(高校生以上を予定)の方がご参加いただけるボランティアプログラム「グリーン・ホリデー」がスタートします。ひとりひとりの自然への思いと力を集めて、シマフクロウをはじめとした野鳥と、その生息環境の保全を力強く推進する未来を一緒に描いていけるよう、誰もが気軽に保全活動に参加できる仕組みをつくっていきます。
詳しくはこちら!

参加者の声


みんなで苗木の植樹

●子どもたちより

  • いろいろな鳥や自然とかかわれたことがたのしかった。いちばん心に残ったのは、木登りとタンチョウのヒナを見られたこと。(神奈川県、11歳)
  • 今回やった植樹はだれでもできることだし、シマフクロウや生き物のために他にも自然をこわさないように(人が)できることがあると思う。(東京都、13歳)

●保護者より

  • 自分自身が自然にふれる体験が数年ぶりだったので、楽しい時間を過ごせたと同時に、生きものとの共生の大切さを考える良いきっかけになりました。(東京都)
  • 身体で自然を体験でき、とても心に残りました。観光とは違う北海道に触れることができて感謝しています。宿泊施設もホテルと違い、楽しかったです。(神奈川県)
  • 同じ場所に同じ時期に行って、植えた木がどうなっているのか見てみたい。(東京都)


子どもレンジャーワークキャンプのご支援、ご協力ありがとうございました
協賛:東亜建設工業・トヨタ自動車・明治乳業
協力:オリンパスイメージング・日立製作所・北海道電力 (50音順)