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- 創立90周年記念
- 未来に残したい探鳥地
- 一級河川斐伊川河口(島根県出雲市)
一級河川斐伊川河口(島根県出雲市)
推薦:日本野鳥の会 島根県支部

斐伊川(ひいがわ)河口を含む宍道湖(しんじこ)西岸一帯は、日本国内におけるマガン、ヒシクイ、コハクチョウなど大型鳥類の集団越冬地(西限)であり、西日本における極めて重要な野鳥生息地となっています。
斐伊川は出雲神話に出てくる暴れ川で、本流から枝分かれし、中国山地から多くの土砂を運び、出雲平野を造った河川でもあります。その自然豊かな河口付近を中心に、宍道湖を含む湿地、水田を主とした農耕地帯があります。現在は河川管理の方法も進み、暴れる川にならないよう河口部で年間数万㎥の土砂を河川外へ運び出しています。
この工事の時期・範囲・工法などは、維持管理をしている国土交通省と日本野鳥の会島根県支部が継続協議をし、少なくとも大型の水鳥のガン類、ハクチョウ類などの冬鳥の群れが飛来する10月から翌年の3月までの期間は、野鳥たちの生息に悪い影響を与えないように、樹木の伐採・ヨシ原の刈り取り・土砂の移動などの工事は控えるようにしています。
2005年11月には、宍道湖・中海が「ラムサール条約」の登録湿地となりました。自然環境を守りつつ共生を図る「賢明な利用」を通して、その恵みを後世に伝えていくことが求められているところです。
また、国土交通省が主宰する「斐伊川水系水鳥プロジェクト」の中心地域で、大型水鳥類を指標とする豊かな自然環境を未来に繋げる斐伊川水系生態系ネットワークの形成をめざしています。
日本野鳥の会島根県支部では、例年12月と1月に斐伊川河口部で探鳥会を開催しています。一帯は斐伊川河口から宍道湖西岸にかけて護岸の管理道や農道があり、河川内や宍道湖、その周辺の農耕地では、四季を通して125種前後の野鳥が観察できます。
所在地
島根県出雲市島村町/灘分町
環境
湖、川/河原、池、田んぼ/農耕地、草地
ベストシーズン
1月、2月、3月、10月、11月、12月
見られる鳥

コハクチョウ

サンカノゴイ
- 春・夏
-
冬鳥のハクチョウ、ガンカモ類と入れ替わりに、ツバメ、オオヨシキリ、セッカなどの夏鳥が訪れ、渡り途中のシギ・チドリ類、コヨシキリ、ノビタキなどの旅鳥が、水田や草地、砂州で採餌し休んでいる姿が見られます。
- 秋・冬
-
河口部から宍道湖にかけては、多くのカモ類を見ることができます。マガン、コハクチョウのねぐら立ち・ねぐら入りも観察できます。日暮れ時、近年飛来数が増えた数万羽のトモエガモが、餌場に向かう時の独特な飛び方は見応えがあります。猛禽類は、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、ハイタカ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサなどが見られます。また葦原ではサンカノゴイも観察できます。
- 通年
-
ミサゴは河川、宍道湖上空で探餌し、急降下して足から水面に突っ込み、魚を捕まえます。年間を通して飛来するようになったヘラサギは、浅瀬で餌をとり、砂州などで休んでいます。
近隣情報

湖岸に隣接する野鳥観察舎

ミサゴはよく見られる鳥の一つです
斐伊川河口から1㎞あまり北に「宍道湖グリーンパーク」があります。ここは、野生動植物の保護繁殖や人と自然の調和した自然環境の保全を目的として、島根県で活動する「公益財団法人ホシザキグリーン財団」が運営しています。ビオトープとしての機能も意識された公園で、宍道湖の湖岸に隣接する野鳥観察舎の2階には望遠鏡が備えられていますし、常設展示のほか季節にあわせた展示や野鳥だけでなく、昆虫や植物などをテーマにした企画展(夏・冬)などもあって楽しめます。
入園は無料で、開園時間は9:30-17:00。定休日は毎週火曜(祝日の場合翌平日)と年末年始です。
施設の利用やイベント情報の詳細はホームページをご確認ください。
-
宍道湖グリーンパークホームページ
島根県出雲市園町1664-2
注意事項
- 護岸管理道上から観察し、斐伊川河川敷、宍道湖自然型護岸内、漁港敷地への立ち入りはご遠慮ください。
- 周辺の農地(あぜ道を含む)への立ち入りは禁止です。
- 護岸道路は一般車両優先、農道は農業用車両優先で、交通ルールを守って行動してください。
日本野鳥の会 島根県支部については、以下をご覧ください。
米子水鳥公園(鳥取県米子市)
推薦:NPO法人日本野鳥の会 鳥取県支部
米子水鳥公園
「米子水鳥公園」は、「中海(なかうみ))の西岸にある28.6haの野鳥の保護区です。「つばさ池」を中心に、池の周りにはヨシ原が広がっています。かつて中海にたくさんあった浅瀬は、中海干拓・淡水化事業により1980年代頃から次々と失われました。やがて工事中の干拓地内にできた池にコハクチョウをはじめとするガンカモ類が多く飛来し、最後の安息の場となりました。それを見た米子市民が、一部を埋めずに残そうと保護運動を起こしたのがこの公園の始まりです。公園は1995年に開園し、2005年には中海の一部としてラムサール条約の登録湿地になりました。現在は東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップの重要生息地ネットワークに参加し、国内外の研究、観光、市民活動や環境教育の拠点となっています。
公園の活動には、日本野鳥の会鳥取県支部、地元の連合自治会、環境問題を考える企業懇話会等から多くのボランティアが参加しています。公園では市民とともに「こども自由研究発表会」、「彦名水鳥ウォーク」や「絵画コンクール」等のイベントの運営や、ヨシ刈り等園内の自然環境の維持・管理を行なっています。
また「子どもラムサールクラブ」等の環境学習プログラムに参加した子どもたちの中には、専門分野を持って研究をしたり、中高生のボランティア団体である「Jr.レンジャークラブ」を結成して活動したりする人材も出てきました。
この公園は大部分が野鳥保護区として立入禁止ですが、ネイチャーセンター館内の観察ホールや、屋外の桟橋・観察広場からはゆっくり野鳥を観察できます。10月~3月には多くのガンカモ類が越冬し、大山(だいせん)と朝日を背景にコハクチョウたちが次々と餌場に飛び立ちます。マガンの群れのねぐら入りや獲物を狙う猛禽類も見ることができます。
所在地
鳥取県米子市彦名新田665
環境
池、草地、ヨシ原
ベストシーズン
1月、2月、3月、10月、11月、12月
見られる鳥

コハクチョウ

ヘラサギ
- 春から初夏
-
カイツブリ、カルガモ、クロハラアジサシ、コチドリ、カワセミ、オオヨシキリ、ツバメ類など。
- 秋
-
トウネン、ハマシギ、ソリハシシギ、アオアシシギ、ツルシギなどのシギ類。ヨシ原や草地では、シマセンニュウ、コヨシキリ、ノゴマ、オオジュリンが順に渡っていきます。
- 冬
-
コハクチョウ、マガン、ヒシクイのねぐらになっているほか、数千羽の多様なカモ類がつばさ池で過ごします。チュウヒ、ハイイロチュウヒ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサ、ミサゴ、クロツラヘラサギなども見られます。またツクシガモやヘラサギ、セイタカシギなどがネイチャーセンターのすぐ近くまでやってきます。
近隣情報

米子水鳥公園の桟橋から眺める大山

大山で繁殖しているジョウビタキ
米子水鳥公園から、つばさ池の遠方に見える山が大山です。日本海に面する独立峰という特徴を持ち「伯耆富士(ほうきふじ)」と呼ばれます。山麓にはブナやミズナラなどの落葉広葉樹林が広がり、春はオオルリ、キビタキ、クロツグミ、ゴジュウカラたちがにぎやかです。大山寺周辺では、繁殖しているジョウビタキや、ミソサザイ、アオバト、クロジ、トラツグミ、アカショウビンのさえずりも聞こえます。秋はアトリの大群に出会うこともあり、落葉すれば採餌に大忙しの可愛らしいカラ類や、大空を飛ぶタカが見えやすくなります。真冬に散策すればウソやベニマシコ、マヒワ、アオゲラ等の鮮やかさが雪景色に映えます。
- 国立公園 大山
鳥取県西伯郡大山町大山45-5
注意事項
- 米子水鳥公園周辺の農地は私有地ですので、無断での立入はご遠慮ください。周辺での撮影や観察の際は地元車両を優先し、通行の支障となる場所はもちろん、長時間の駐停車は避けましょう。
- 鳥インフルエンザの警戒期間中は、バードウォッチング終了後には靴底や三脚の石突等、ネイチャーセンター前に設置してある消毒薬を利用してください。
NPO法人日本野鳥の会 鳥取県支部については、以下をご覧ください。
兵庫県立明石公園(兵庫県明石市)
推薦:日本野鳥の会 ひょうご
明石公園正面入り口
「明石公園」は、1918年に明石城跡を整備し、県立公園として開園しました。
海岸沿いに走るJRと山陽電鉄の明石駅の目の前にあり、交通の便がよい場所です。さらに、北東の六甲山系から南の淡路島、四国へつながる渡り鳥の移動コース上に位置し、渡りの重要な中継地となっています。
面積54.8haの園内にはスポーツ施設や文化施設のほかに、市街地とは思えない貴重な自然林、堀や池など変化に富んだ自然環境が残っていて、一年を通じて野鳥の声や姿を楽しむことができます。公園内にはスポーツ、文化(図書館、催し物)などのため以外に、散策や自然観察に訪れる人もあり、多くの市民の憩いの場です。
私たちは明石公園を身近な探鳥地として重視し、会員と一般を対象にした探鳥会を開催しています。遊歩道が広く、険しい道も少ないため、高齢者や子どもたちも安心して参加でき、参加者の安全も確認しやすいです。
また、観察できる野鳥の動向確認と生息環境の保全に関する資料を得るため、年間を通じて生息調査を数回実施し、約60種確認しています。
市街地の中で、奥が深い探鳥会および自然観察ができる場所として、この明石公園を推薦します。
なお、明石公園には長い歴史があり、多くの資料を有しています。また当会と「エコウイングあかし」が協働調査した成果を、明石公園とも共有しているものもあります。明石公園についていろいろな分野の情報に関心をお持ちの方には明石公園のホームページをご覧ください。
所在地
兵庫県明石市明石公園1-27
環境
池、森林、草地
ベストシーズン
1月、2月、3月、4月、5月、6月、9月、10月、11月、12月
見られる鳥

メジロ

マガモとトモエガモ
- 春から夏
-
エナガやシジュウカラ,メジロなどが早くも子育てを始めます。林内からは渡り途中のコマドリやコルリ,ヤブサメの声が聞こえます。キビタキやオオルリのさえずりも聞こえてきて、一年でもいちばんにぎやかな季節になります。
- 秋
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エゾムシクイ、センダイムシクイがいち早くやって来ます。コサメビタキ、サメビタキ,エゾビタキなどのヒタキ類が梢にとまり、外堀や剛ノ池(ごうのいけ)には、ヒドリガモ、コガモが姿を見せるようになります。
- 冬
-
水辺の主役、カモたちが勢揃いしてきます。水辺ではカワセミも人気者です。園内にはツグミ、シロハラ、ジョウビタキ、そしてルリビタキなどの冬の小鳥たちも勢揃いし、一年でいちばん鳥たちを観察できるシーズンです。
近隣情報

大池

コウノトリ
明石公園最寄りの山陽電車「明石」駅から、普通電車で15分ほどで「西江井ヶ島」駅に着きます。駅の北側には、住宅街と耕作地に囲まれた7つの池で構成される、西島のため池群があります。その中でも駅から10分ほどで行ける大池,皿池、新池では多種の水鳥たちを身近に観察することができます。
春や秋の渡りシーズンには,淡水性のシギ、チドリを観察できます。秋から冬になると、コウノトリの群れが池に降り立ち、カモメ類やサギ、カモの姿も数多く見られるようになります。特に近年は、ソリハシセイタカシギやセイタカシギの越冬、クロツラヘラサギやヘラサギが連続して越冬するなど、注目の水辺の探鳥地となっています。
注意事項
- 園内は全面禁煙です。
- 他の入園者の方の邪魔にならないように、三脚などに気をつけてください。
- 動植物の採集は禁止です。
日本野鳥の会 ひょうごについては、以下をご覧ください。
大阪南港野鳥園〈野鳥園臨港緑地〉(大阪府大阪市)
推薦:日本野鳥の会 大阪支部
南港野鳥園の写真(展望塔から望む湿地)
「大阪南港(なんこう)野鳥園」は、大阪湾奥部の南港埋立地(咲州・さきしま)の北西端に位置し、人工干潟(12.3 ha)と林(6.5ha)で構成されています。
戦後に南港の埋立てが進む中、埋立地を利用する水鳥の生息地を残そうとNGO「大阪南港の野鳥を守る会」による住民運動が1969年に始まり、それを受けて1971年に大阪市が野鳥園設置を決定し、1983年9月に開園しました。
湿地の野鳥を観察する展望塔に入ると、正面に大阪湾が開け、明石海峡、六甲山系、淡路島が一望できます。湿地には干潟、ヨシ原、カキ礁、磯、汽水池など多様な環境があり、干潟にはハクセンシオマネキなど200種以上の底生生物が生息し、自然干潟が少ない大阪湾岸の貴重な生息地となっています。野鳥は過去40年で261種を観察しています。
春秋の渡りでは、干潟にメダイチドリ、トウネン、ハマシギなどの小型のシギ・チドリ類(これまで55種を観察)が多く渡来し、冬はツクシガモ、ヘラサギなどや猛禽類(ミサゴ、チュウヒ、オオタカなど)が観察されます。林では、渡りの時期にはサンコウチョウ、マミジロ、コマドリ、クロジ、ムシクイ類などが飛来します。
大阪支部では、毎月第4日曜日に探鳥会を開催し、根強い人気を博しています。開園以後、鳥類や底生生物の調査と、それに基づくシギ・チドリ類や多様な生き物が生息しやすい環境にするための手入れが行なわれ、渡り鳥や干潟の生き物の観察会や、来園者への野鳥ガイドも提供されています。
園内湿地は大阪市内で海辺の自然を知る貴重な場所であり、「重要湿地500」(2001年)や「東アジア・オーストラリア地域シギ・チドリ類重要生息地ネットワーク」の参加地(2003年)となっていることも踏まえ、未来に残したい探鳥地として紹介します。
- 南港野鳥園ホームページ(NPO法人南港ウェットランドグループ運営)
所在地
大阪市住之江区南港北3丁目5番30号
環境
干潟、池、森林
ベストシーズン
1月、4月、5月、8月、9月、11月、12月
見られる鳥

メダイチドリとトウネン

ホウロクシギ
- メダイチドリとトウネン
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この2種は野鳥園でもっとも多く渡来するシギ・チドリ類。メダイチドリは春に多く渡来し、ゴカイ類の種類や数が多い野鳥園では年々渡来数が増え、毎年4月下旬~5月上旬が渡来数のピークとなります。トウネンは野鳥園でもっとも多く渡来するシギで、5月中旬と8月下旬が渡来数のピークで、干潟表層のヨコエビ類や干潟表層のバイオフィルムを食べています。
- ホウロクシギ
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本種は春秋とも他のシギ・チドリ類より早く少数で渡来し(春:3月下旬~4月上旬、秋:7月下旬~8月上旬)、干満に関わらず、ヨシ原内に多く棲息するアシハラガニを好んで捕食します。干潮時は、チュウシャクシギが好むカキ礁に棲むケフサイソガニ類も捕食しています。
近隣情報
海遊館
「地球とそこに生きるすべての生き物は、互いに作用しあう、ひとつの生命体である」をコンセプトとした水族館。詳細は下記ホームページからご確認ください。
さきしまコスモタワー展望台
地上252m、360度さえぎるもののない壮大なパノラマ展望スペース。詳細は下記ホームページからご確認ください。
注意事項
- 堤防下の導水管により、潮汐にあわせて海水が干満し、干潟ができます。
- シギやチドリの観察には、干潟のできる干潮の時刻を調べてから行きましょう。
- 展望塔の観察、写真撮影にあたっては、譲り合いの気持ちをお忘れなく。
日本野鳥の会 大阪支部については、以下をご覧ください。
湖北水鳥公園(滋賀県長浜市)
推薦:日本野鳥の会 滋賀

1988年に水鳥の保護と自然環境保全の啓発を目的に整備された、長浜市湖北(こほく)町の湖岸一帯の「湖北水鳥公園」は、遠浅の湖岸が続き、ヨシなどの水生植物をはじめ魚や鳥たちの絶好の生活場所になっています。四季を通してたくさんの野鳥が飛来するこの公園には、観察小屋や観察路が整備され、そこから誰でも気軽にバードウォッチングを楽しむことができます。
今まで確認された野鳥は53科250種に及び、滋賀県全体で確認された種の約70%以上を見ることができます。
日本野鳥の会滋賀では、毎月第一土曜日に探鳥会を実施しています(6~8月は除く)。
所在地
滋賀県長浜市湖北町今西
環境
湖、田んぼ/農耕地
ベストシーズン
1月、2月、3月、4月、5月、9月、10月、11月、12月
見られる鳥

コハクチョウ

オオワシ
- 春~夏
-
渡り途中のシギ類やカモメ類が観察できます。夏には、湖岸のヨシ原で鳴くオオヨシキリもよく観察されます。
- 秋~冬
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琵琶湖岸ではカモ類が多く集まり、コハクチョウやヒシクイなどの群れでにぎわいます。また、山本山にはオオワシも飛来します。
近隣情報
山本山には毎冬オオワシが飛来し、麓から観察できます。運がよければ、獲物を捕りに琵琶湖へ向かう飛翔姿が見られるかもしれません。山本山麓は駐車場がありませんので、観察の際は野鳥センターに駐車してください。
注意事項
- 路上駐車せず、駐車場を利用してください。
- 農地や湖岸への立ち入りはご遠慮ください。
日本野鳥の会 滋賀については、以下をご覧ください。
高野山(和歌山県伊都郡)
推薦:日本野鳥の会 和歌山県支部
奥の院御廟
高野山は信仰上の聖地として、世界文化遺産に登録されている山上の宗教都市。その背景となる自然豊かな森は、開山1,200年以上の歴史とともに信仰上の保護林として守られてきたものです。標高900m前後の山岳盆地にあり、地形にともなう寒冷な気候は県下でも特有。山内はスギ、モミ、ツガなどの高木の森林に覆われ、下層の豊かな植物層とともに野鳥の良い生息環境となっており、県下でも有数の多様性豊かな貴重な自然環境として国定公園にも指定されています。
- 植物や野鳥観察に関する聖地としても知られた高野山ですが、森林更新などにより、残された原生林の箇所は限られていて、奥の院御廟(ごびょう)の後背地周辺が探鳥の中心地。支部でもよく利用しています。
- 奥の院右手より御廟の裏手に廻り込むと、摩尼山(まにさん)、楊柳山(ようりゅうさん)、転軸山(てんじくさん)の高野三山を巡るハイキングコースに出ますが、摩尼山への登山口周辺の原生林では、アオバト、キバシリ、キクイタダキ、アオゲラ、ジュウイチとともにアカショウビンなど森林性の野鳥の生息が確認されています。
- 楊柳山裾野の谷筋は、比較的明るい広葉樹の多い湿地帯になっており、木道のある探鳥コース。カッコウ、ホトトギス、センダイムシクイ、オオルリ、カワラヒワなどが見られます。
- 奥の院周辺のスギ、ヒノキなどの高木林では、カケス、ゴジュウカラ、ヒガラ、コガラなど。下層植生のあるところでは、キビタキやクロツグミ、参道や渓流沿いではミソサザイが生息しています。
- 山内の宿坊を利用した早朝探鳥にも適しており、また夕方は、参道でのムササビの観察も楽しめます。
所在地
和歌山県伊都郡高野町
環境
森林、山地
ベストシーズン
4月、5月、6月、7月
見られる鳥

アオバト

ミソサザイ
- 春・夏
-
高木の多い森林性山地のために、さえずりが盛んな繁殖期の早朝がおすすめ。アオバト、ホトトギス、ツツドリ、カッコウ、アカショウビン、アオゲラ、キクイタダキ、コガラ、ヒガラ、ウグイス、センダイムシクイ、ゴジュウカラ、キバシリ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、イカルなど。
- 秋
-
ミズキやカナクギノキなどの実のなる樹には、秋の渡りのツグミやヒタキ類が集まります。トラツグミ、クロツグミ、ツグミ、シロハラ、エゾビタキなど。
- 冬
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高木の針葉樹が多いために、樹幹を飛び廻るマヒワやアトリの群が見られ、ウソやキバシリなども見られますが、寒冷地のために春~夏がおすすめの探鳥シーズン。
近隣情報

護摩壇山系から見た紀伊半島の峰々

ブナ林の裾野を走るスカイライン
高野山の南30kmに位置する「護摩壇山(ごまだんざん)」は「高野龍神国定公園」の一画にあり、ブナ、ミズナラの落葉樹林に覆われた自然豊かな山岳地帯。国定公園の中を縦貫する見晴らしのよいスカイラインを利用して1時間ほどです。和歌山県内の最高峰(龍神岳1,382m)の山項からは、紀伊半島の屋根と称される山々が一望できる、素晴らしい展望場となっています。散策道は縦横にあり、野鳥だけでなく植物や昆虫の宝庫として生物多様性や自然保護の観点からも、大変重要なエリアです。コルリやオオアカゲラ、クマタカなど県内では希少な鳥種が生息しています。
注意事項
奥の院御廟付近は聖地として撮影は禁止。奥の院周辺は参拝者が多いので、通行の妨げにならないようにしましょう。また、聖地として周辺には立ち入り禁止区域があり、注意が必要です。
日本野鳥の会 和歌山県支部については、以下をご覧ください。
平城宮跡・水上池(奈良県奈良市)
推薦:日本野鳥の会 奈良支部
平城宮跡つばめのねぐらのヨシ原
近鉄「西大寺」駅から東へ歩いて約10分、「平城宮跡」北西側から草地に出ればそこはもう野鳥天国です。宮跡は大都市に隣接しながら、今なお自然環境を保つ希有な探鳥地域です。そして、宮跡の北側には冬季には遠来の水鳥たちの集まる水上池(みずがみいけ)と、「一粒で二度美味しい」探鳥が楽しめます。
平城宮跡はいうまでもなく、「奈良時代」あるいは「平城時代」と呼ばれる時代の都跡。近年、宮跡建造物の復元などがすすんでいますが、日本野鳥の会奈良支部などの働きかけと国交省、文化庁、奈良県、平城宮跡管理センターの保全努力により残されたヨシ原や草地など、野鳥たちが集まる環境も多く点在しています。大極殿(だいごくでん)などの復元建物などを観ながら、野鳥観察を楽しめます。
夏は観察できる種数はぐっと減りますが、ハイライトはなんといっても「ツバメのねぐら入り」。7月半ば過ぎからお盆頃までの日没前後、4~6万羽を数える日本で有数ともいわれるねぐら入りは壮観です。
平城宮跡の北側に位置する水上池は、大きさ14ha、周囲1.5kmで、奈良県景観資産にも登録されています。冬に渡ってくるカモ類のほかにも、四季を通じて野鳥を観察することができます。
奈良支部による観察では、平城宮跡・水上池で、希な観察記録も含め約100種の野鳥が観察されています。
最後に、日本野鳥の会奈良支部が行なっている観察会の基本コースをご紹介。
平城宮跡資料館駐車場前⇒つばめのねぐらヨシ原⇒中央区朝堂院址西側⇒朱雀門(すざくもん)北側ヨシ原⇒第二次大極殿⇒宮内省東側⇒遺構展示館横(小休止)⇒宮跡北側の草地を抜けて⇒水上池(南池)(北池)一周
所在地
奈良市佐紀町
環境
池、草地
ベストシーズン
1月、2月、3月、4月、5月、6月、8月、10月、11月、12月
見られる鳥

ヒクイナ

ツバメのねぐら入り
- 春・夏
-
春から初夏にはセッカやホオジロ、オオジュリンなどの草地の鳥たちと出会え、オオヨシキリのにぎやかな声も聞こえます。水上池では居残りのカモ類に加え、ゴイサギ、アオサギ、ダイサギ等を観察できます。また、7000kmを旅してきたコアジサシの姿も。そして、夏のハイライトは国内最大級のツバメのねぐら入り。
- 秋・冬
-
秋から冬は観察種数が増えます。平城宮跡では夏鳥たちと交代するように、ツグミなどの冬鳥たちがやってきます。最近ではおなじみになったアリスイの姿が観察されるのもこの頃から。水上池ではコガモやマガモ、ハシビロガモ、オシドリ、ミコアイサなどなど多様なカモたちを楽しめます。
- 通年
-
カラ類、セキレイの仲間、キジバト、ヒバリ、ムクドリなどの留鳥たちとともに、水辺の鳥たちではカイツブリ、カワウ、カルガモ、アオサギ、ダイサギなどが。またオオタカ、チョウゲンボウなどにも出会う機会があるかも。
近隣情報

奈良公園から春日山原始林を望む
平城宮跡・水上池の最寄りの近鉄「西大寺」駅から2駅東へ。終点の近鉄「奈良」駅を下りて、東へ歩けば興福寺から春日大社、東大寺を含む奈良公園。この一帯は草地(芝生)や林の山野の鳥たち、そして点在する池にいる水辺の鳥たちにも出会える探鳥コース。セキレイ、カラ類などの留鳥に加え、夏鳥の季節にはキビタキのさえずり、冬鳥の季節にはシロハラ、ツグミが訪れ、アトリ、ニュウナイスズメ、イカルの群れが舞うことも。荒池(あらいけ)、鷺池(さぎいけ)では、カルガモやサギ類、カワセミが通年で観察されます。また、寄生木の実が熟す頃、レンジャクとの出会いも期待できます。
また、隣接する春日山原始林は駅から行くことができ、高い確率でキビタキ、オオルリに出会えることのできる稀少な探鳥コースです。
注意事項
平城宮跡は遺跡でもあるので、進入禁止の表示があれば従ってください。
水上池周辺道の一部は、自動車が通行するので事故のないよう注意してください。また、自転車やジョガーも走っていますので、妨げにならないように注意してください。人家の近くも通るので、双眼鏡やカメラの使用についても配慮をお願いします。
日本野鳥の会 奈良支部については、以下をご覧ください。
ひるがの高原(岐阜県郡上市)
推薦:日本野鳥の会 岐阜

ひるがの高原は、郡上市北部に位置しており、広葉樹林、針葉樹林、住宅、別荘、牧草地、畑等がモザイク状になっている高原地帯です。標高は800~900mで、全体的に平坦な地形です。冬季にはかなりの積雪があります。西に位置する大日ケ岳(だいにちがたけ)は標高1,709mで、駐車場と登山道が整備されています。道路は整っており、春から秋にかけて多くの野鳥に出会える場所で、今までに140種類以上が確認されています。
主に三つの地区からなり、東西に長さ約10km幅約4kmの帯状に広がっています。
ひるがの地区は国道156号線の沿線にあり、大昔に湖があったとされ、その後高層湿原になり、ミズバショウなど湿原植物が繁茂していました。今は面積が狭くなりましたが、「ひるがの湿原植物園」をはじめ所々で湿原が保全されています。1960年代に庄川(しょうがわ)に御母衣(みぼろ)ダムが建設されたのに伴い国道が改良され、国道沿線に民家が、さらにスキー場開発により宿泊施設が建設されました。それとあいまって別荘ブームもあり、環境は一変しました。
東側の板橋地区は主に牧草地が広がっていますが、中央を東海北陸自動車道が貫通しています。牧草地では少数のホオアカが繁殖しています。
南側の上野地区の北西端には、東海北陸自動車道のサービスエリアとスマートインターが設置されています。三地区の中では環境変化の少ない地域です。主にダイコン、イチゴ、アスパラガスなどの高原野菜が栽培されています。
人の活動により、著しく変わりゆく高原の環境を見つめ続けたいという思いから推薦しました。
所在地
岐阜県郡上市高鷲町ひるがの・鷲見
環境
池、森林、田んぼ/農耕地、草地、山地、高原
ベストシーズン
4月、5月、6月、7月
見られる鳥

ホオアカ

オオジシギ
- 春
-
アオジ、ノジコが見られます。オオジシギとホオアカも見られますが、どちらも生息数が減ってきています。上野地区にある農業用のため池には、ハリオアマツバメが給水に飛来します。カッコウ、ホトトギスがよく鳴き、近年になってコムクドリが繁殖するようになりました。
- 夏・秋
-
晩秋になるとマガモ、コガモ等のカモ類が見られるようになります。
- 冬
-
豪雪地帯のため留鳥が中心になります。キツツキ類、カラ類、ときおりホシガラスが見られます。ため池は凍結するのでカモ類はいなくなります。
近隣情報
御母衣ダム

御母衣ダム
ひるがの高原から車で約15分。高山市荘川町と大野郡白川村にかけての庄川に作られたダム湖で、冬季にはカモ類が見られます。ただしここも豪雪地帯です。
所在地:岐阜県大野郡白川村御母衣
大白川原生林

大白川原生林
ひるがの高原から車で約1時間。白山国立公園内の広葉樹の原生林です。ブナの巨木の間に遊歩道があり、ゆっくりと野鳥観察をすることができます。露天風呂もあります。ツキノワグマの生息地でもあります。国道156号線から分岐する道路は、11月から6月頃まで通行止めになります。
所在地:岐阜県大野郡白川村平瀬
注意事項
住宅・別荘等の人家が多くあり、また農耕地もあるのでマナーを守り、野鳥観察をしてください。
日本野鳥の会 岐阜については、以下をご覧ください。
浜名湖(静岡県浜松市)
推薦:日本野鳥の会 遠江

浜名湖は、静岡県西部、浜松市と湖西市にまたがる国内十番目の広さの大きな湖で、遠州灘から海水が流れ込む汽水湖となります。全国的には浜名湖といえばウナギの養殖をイメージされる方が多いかと思いますが、汽水湖であるがゆえに水中にはたくさんの種類の生き物が生息しており<静岡県のホームページによれば平成29年まで842種を確認>、野鳥のみならず地域における生物多様性の象徴と言えます。
日本野鳥の会遠江の「遠江(とおとうみ)」とは静岡県の西部地区を指しますが、もともとは浜名湖のことでした。いにしえの時代には、京の都から近い湖である琵琶湖(近江)に対し、遠い湖(遠江)が浜名湖だったという訳です。
広大な湖ゆえに探鳥地があちこちに点在し、冬に訪れる何千羽ものスズガモの群れ、夏には塩水を飲みに来るアオバトとそれを狙ってやって来るハヤブサ、秋には渡り途中のタカやシギ類などなど、四季折々にさまざまな野鳥が観察できます。
日本野鳥の会遠江ではこの浜名湖において、村櫛(むらくし)海岸や細江湖(ほそえこ)<浜名湖北部>での定例探鳥会開催のほか、近隣にある「県営公園浜名湖ガーデンパーク」でのバードウォッチングイベントや写真展への協力、コアジサシの調査や営巣保護活動、年1回の静岡県より委託されるガンカモ・ウ類の個体数調査、年3回の会独自のモニタリング調査を行なっています。
日本野鳥の会遠江は、自然の宝庫であり四季折々でそれぞれ美しい顔を見せてくれる浜名湖を、「未来に残したい探鳥地」として推薦いたします。
※浜名湖周辺で確認された野鳥は205種(日本野鳥の会遠江調べ「バードウォッチングガイドⅡ」より)、うち環境省または静岡県指定の絶滅危惧種は約50種
所在地
静岡県浜松市中央区、浜名区、湖西市
環境
湖
ベストシーズン
1月、2月、5月、8月、9月、10月、11月、12月
見られる鳥

アオバト

ハヤブサ
- 通年
-
ハヤブサ、ミサゴ、オオタカ、アオゲラ、アカゲラ
- 冬
-
スズガモの群れ ホオジロガモ、ホシハジロ、オナガガモ、カワアイサ、ミコアイサ、ユリカモメ、セグロカモメ
- 夏から秋
-
アオバト、コアジサシ、キアシシギ、キョウジョシギ
近隣情報

浜名湖ガーデンパーク。ネモフィラ、ひまわり、秋桜など季節ごとに植え替えられる広大なお花畑は絶好の映えスポットです。

佐鳴湖
浜名湖の周辺には、「はままつフラワーパーク」と「浜名湖ガーデンパーク」の2つの大きな緑花木公園があります。いずれも花や緑を楽しみながら野鳥観察ができます。また同じ浜松市西部には外周約6㎞の小さな湖、佐鳴湖(さなるこ)があり、市民の憩いの場となっています。こちらも年間を通じて100種を超える水辺の鳥や野山の鳥が観察できます。
- 浜名湖ガーデンパーク
静岡県浜松市中央区村櫛町5475-1 - はままつフラワーパーク
静岡県浜松市中央区舘山寺町19
日本野鳥の会 遠江については、以下をご覧ください。
富士川河口(静岡県静岡市・富士市)
推薦:日本野鳥の会 南富士支部

富士川は、3,000m級の南アルプスを源流とする日本三大急流の一つであり、河口域まで速い水流が保たれるために、上流からの土砂が堆積して川幅2km以上の日本一広い河口部が形成されています。また台風などの影響で毎年のように河口部の中州や砂洲の形状が大きく変化しますが、干潟は発達しません。富士川が流入する駿河湾は、富士山からの湧き水や深さ3,000mの深海といった特異な海洋環境のために魚類や海洋生物が豊富で、それらをエサとする鳥類や、また猛禽類も多く生息しています。
富士川はかつて鮎釣りも盛んでしたが、上流の富士川水系雨畑(あめはた)川(山梨県早川町)で、2010 年頃から不法に埋設投棄された凝集剤入り汚泥が、近年の大型台風の影響で中下流域に流出し、長期的な環境悪化を招いていると思われます。今では鮎の友釣りをする人の姿はほとんど見られなくなりました。それでも、毎年多くの渡り鳥が羽を休める姿を見ることができる、貴重な場所であることは変わっていません。
所在地
静岡県静岡市清水区蒲原、静岡県富士市五貫島
環境
海、川/河原、草地
ベストシーズン
1月、2月、3月、4月、5月、6月、9月、10月、11月、12月
見られる鳥
- 春から初夏
-
北へ帰る前のカンムリカイツブリが、夏羽に衣替えした姿を見せてくれます。旅鳥のシギ・チドリ類も美しい夏羽の姿を見せてくれます。
- 秋
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シギ・チドリ類が旅の途中に立ち寄る姿が見られます。ツバメやノビタキなどの夏鳥も、南へ渡るために通過していきます。
- 冬
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多くのカモ類が飛来します。ミサゴの豪快なダイブと、大きな魚を抱えて飛ぶ姿もよく見られます。
近隣情報
南富士支部の活動エリアには、海抜ゼロメートルの富士川河口から富士山の高山域まで、日本一の標高差を誇る多くの探鳥地があります。
日本野鳥の会 南富士支部については、以下をご覧ください。







