海洋プラスチックごみ問題 特別連載企画(『野鳥』誌より)

海や川のプラスチックごみとコアホウドリの死骸、亀岡市の仕組みづくり「共同購入紙袋」

『野鳥』誌にて2020年6月号から2021年7・8月号まで、全9回にわたり連載した「海洋プラスチック問題を考える」。こちらのページで順次アップしていきます。

第1回 プラスチックの大きな割合を占める容器包装と、容リ法の問題点

発生するプラスチックごみの多くが容器や包装に使われており、ごみの削減のためには、容器包装リサイクル法の改正が不可欠です。さらにプラスチックによる環境汚染が海洋にも及んでいることが明らかになっており、容器包装にとどまらないプラスチックの発生抑制に踏み込む対策、法整備が必要です。その問題点について考えてみましょう。

文・中井八千代(容器包装の3Rを進める全国ネットワーク運営委員長)

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第2回 日本のリサイクル率と廃プラスチック処理の現状と課題

私たちがごみとして出したプラスチックは、回収された後、どれくらいの割合が、どのような方法で処理されているのでしょうか。今回は、その内訳がどうなっているのか、また、日本で主流である「熱回収」という焼却処理がベストの処理方法かどうか、抱えている問題点を解説します。

文・三沢行弘(WWFジャパン プラスチック政策マネージャー 兼 シーフード・マーケット・マネージャー)

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第3回 日本政府はなぜ、海洋プラスチック憲章に署名しなかったのか

2018年にカナダで開かれたG7で、プラスチックごみによる海洋汚染問題への各国の対策を促す文書「海洋プラスチック憲章」が採択されましたが、日本とアメリカの2国だけが署名しませんでした。プラスチックごみの年間排出量が多い(日本5位・アメリカ2位)2国のこの行動に対し、大きな批判が起きましたが、日本はどうして署名を見送ったのか、その背景について解説します。

文・井田徹治(共同通信社編集委員兼論説委員)

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第4回 サーキュラー・エコノミーに基づくプラスチックごみ問題の解決

プラスチックの原料となる石油などの化石燃料も、地球上の限りある天然資源の一つです。天然資源の利用を含めて経済や社会全体を、従来の一方通行型(リニア)のものから、循環型(サーキュラー)なものへと転換していく「サーキュラー・エコノミー」というコンセプトが、ヨーロッパを中心に世界に普及しはじめています。これに基づいたプラスチックごみ問題の解決について考えてみましょう。

文・三沢行弘(WWFジャパン プラスチック政策マネージャー 兼 シーフード・マーケット・マネージャー)

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第5回 バイオプラスチックは廃プラ問題の活路を開くのか?

廃プラスチック問題の解決策のひとつとして、最近注目されているバイオプラスチック。しかし、なんとなくよさそうだというイメージが先行するばかりで、どういうものかを正しく理解している人はまだ多くありません。今回は、バイオプラスチックの特性を中心に紹介します。

文・横尾真介(日本バイオプラスチック協会事務局長)

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第6回 代替品や熱回収より「総量削減・リユース」を!

2020年10月、当会もメンバーとなっている「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」(以下、「NGOネットワーク」)12団体と賛同8団体は、政府より9月に示された「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」(以下、「基本的方向性」)に対して、海洋プラスチック問題をより確実に解決できるようにNGOの意見をまとめた共同提言書を関係省庁や政党に提出しました。今回は、この提言書の内容について紹介します。

文・山本 裕((公財)日本野鳥の会自然保護室)

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第7回 脱プラスチック、どう進める?

2020年7月から、全国でレジ袋有料化が実施されました。この制度では、プラスチックのフイルム厚が50マイクロメートル以上のものや、海洋生分解性プラスチック配合率100%のもの、バイオマス素材の配合率25%以上のプラスチック製買い物袋や、紙袋などは有料化の対象外でした。今回は、それよりさらに一歩進み、プラスチック製レジ袋の提供禁止と、紙袋の有料化に踏み切った京都府亀岡市の事例について紹介します。

文・原田禎夫(大阪商業大学公共学部准教授/特定非営利活動法人プロジェクト保津川代表理事)

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第8回 マイクロプラスチック汚染の脅威1 “生態系汚染”

毎年約4億トン生産されているプラスチックのうち、一部が適切に処理されずに海に流出して漂い、地球規模で大きな問題となっています。海に流出したプラスチックは、海洋生物が誤って食べ内臓が傷つくなどの影響のほか、細片化した「マイクロプラスチック」(5mm以下の大きさ)【写真1】となり、有害化学物質を吸着したり、あるいは添加されている化学物質によって海洋生物に悪影響を及ぼすことが、最近の研究で明らかになっています。本連載の最終章となる2号にわたり、特にマイクロプラスチックの弊害について取り上げます。

文・高田秀重(東京農工大学 農学部 環境資源科学科)

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第9回 マイクロプラスチック汚染の脅威2“化学物質による生物への影響”

生態系に流出したプラスチックはしだいに小さくなり、回収が困難な5mm以下の大きさの「マイクロプラスチック」となります。マイクロプラスチックは貝や小魚に取り込まれ、食物連鎖を通じて、生態系のより上位の生物の生体への残留性有機汚染物質(POPs)や化学添加剤の濃縮と蓄積が進んでいきます。今号では、プラスチックに含まれる有害化学物質が、どのように生物への影響を引き起こすのかについて紹介します。

文・高田秀重(東京農工大学 農学部 環境資源科学科)

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