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- 連続ウェビナー第2回 海の生きものたちに迫る、プラスチックの脅威
連続ウェビナー第2回 海の生きものたちに迫る、プラスチックの脅威
本セミナーは終了しました。録画を公開しましたので、ご覧ください。
セミナー(録画)の視聴はこちら

コアホウドリなどさまざまな海鳥が子育てをする、鳥たちの楽園・ミッドウェー環礁。しかし海流の影響で多くのごみが漂着するこの海域は、現在、深刻なプラスチック汚染にさらされています。ここで繁殖するコアホウドリのヒナの大部分が、プラスチックごみを取り込んでいるのです。
ミッドウェーをはじめ、世界の海と生きものを撮影されている、自然写真家・OWS副代表理事の高砂淳二さんを講師に、各地のプラスチックごみの現状と、そこに生きる生きものの姿をお話いただきます。
海の日を前に、プラスチックごみの問題と、私たちにできることを考えてみませんか?
連続ウェビナー・海洋プラスチックの問題を考えよう
第二回 海の生きものたちに迫る、プラスチックの脅威
- 講師
- 高砂淳二氏 (OWS副代表理事、自然写真家)
- 日時
- 2021年7月16日(金)18:00~19:10
- 開催方法
- オンライン会議システム形式「Zoom」を使用
- 参加費
- 無料
- 定員
- 100名(先着順)
- 申込
-
こちらから事前申込をお願いします。
お申込みいただいた方に、URL等の詳細をメールにてお知らせします。 - 主催
- (公財)日本野鳥の会
講師プロフィール

高砂淳二(たかさご じゅんじ) OWS副代表理事、自然写真家
1962年、宮城県石巻市生まれ。
熱帯から極地まで世界中の国々を訪れ、海中、生き物、虹、風景、星空など、地球全体をフィールドに、自然の繋がり、水や生命の循環、人と自然の関わり合いなどをテーマに撮影活動を行っている。
著書は、『PLANET of WATER』(National Geographic)、『night rainbow』『LIGHT on LIFE』『free』『夜の虹の向こうへ』(小学館)、『Dear Earth』(Pie International)、『光と虹と神話』(山と渓谷社)ほか多数。ザルツブルグ博物館、東京ミッドタウンフジフイルムスクエア、渋谷パルコ、阪急百貨店ほかで写真展も多数開催。
TBS「情熱大陸」、日本テレビ「未来シアター」をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌等のメディアや講演会などで、自然の大切さ、自然と人間の関係性、人間の地球上での役割などを幅広く伝え続けている。
海の環境非営利団体OWS(Oceanic wildlife society)理事。
みやぎ絆大使。
お問い合わせ:
(公財)日本野鳥の会 自然保護室
電話:03-5436-2633 E-mail: [email protected]
住所:〒141‐0031 東京都品川区西五反田3‐9‐23 丸和ビル
第2回 日本のリサイクル率と廃プラスチック処理の現状と課題

私たちがごみとして出したプラスチックは、回収された後、どれくらいの割合が、どのような方法で処理されているのでしょうか。今回は、その内訳がどうなっているのか、また、日本で主流である「熱回収」という焼却処理がベストの処理方法かどうか、抱えている問題点を解説します。
文・三沢行弘(WWFジャパン プラスチック政策マネージャー 兼 シーフード・マーケット・マネージャー)
PROFILE

三沢行弘(みさわ・ゆきひろ)
企業等で国内外の事業の企画・推進に携わった後に、WWFジャパンに入局。「2030年までに世界で自然界へのプラスチックの流入をゼロにする」というWWFのビジョン実現に向け、政策決定者や企業関係者に働きかけ、プラスチックの大幅削減を前提とした資源循環型社会の構築に向けて取り組む。また、水産サプライチェーンの改善を通じた国内外での持続可能な漁業・養殖業への転換も推進する。
WWF
約100か国で活動している環境保全団体。WWFとは「World Wide Fund for Nature(世界自然保護基金)」の略。地球上の生物多様性を守り、人の暮らしが自然環境や野生生物に与える負荷を小さくすることによって、人と自然が調和して生きられる未来をめざしている。
廃プラ処理の優先順位
プラスチックを含めたごみの処理には国際的に合意された優先順位があり、プラスチックで特に考慮すべき代替品への切り替えを含めて考えると、【図1】のようになります。絶対的な削減(リデュース)を最優先し、次に同じものを繰り返し使用する再使用(リユース)、そして、新たに製品を作り直す再生利用(リサイクル)、及び、持続可能な素材を自然の再生能力の範囲内で使用した代替品への切り替えとなります。これらで対応できない場合に、熱回収(エネルギー回収)、管理された埋め立て、及び、単純焼却の順で検討されるべきです。そして、このように管理された方法で処理されない廃プラが世界全体で約3割あり、自然界に流出しています(※1)。

プラスチックのリサイクルには、「マテリアルリサイクル」と「ケミカルリサイクル」という2つの方法があります。マテリアルリサイクルは、廃プラを原料としてプラスチック製品に再生する方法です。廃プラを化学的に分解するなどして、化学原料に再生する手法がケミカルリサイクルです【図2】。現在の技術水準では、処理過程でよりエネルギーの消費が少ないマテリアルリサイクルのほうが望ましいと言えます。

なお「熱回収」とは、ごみを燃料にしたり、焼却して生じた熱エネルギーを利用する処理方法です。日本では、「サーマルリサイクル」と呼ばれるなど、誤ってリサイクルのひとつと位置づけられることもある「熱回収」ですが、資源を回収して再生利用するリサイクルのことではありません。
日本における廃プラ処理の内訳
日本の廃プラ発生量は、アメリカ、中国に次いで世界で3番目ですが、日本での処理体制はある程度整備されており、陸域からの海洋プラスチックの推定流出量は、世界で30位です(※2)。しかし、それでも推定で年間3万6千トンものプラスチックが日本の陸域から海洋流出していることには、注意が必要です。
処理について、詳しく見ていきます。日本で2018年に発生した891万トンの廃プラの内、56%となる503万トンが熱回収処理、28%の247万トンがリサイクル(マテリアルリサイクル及び、ケミカルリサイクル)処理されています(※3)【図3】。
日本政府が2019年5月に策定した、プラスチックの資源循環を総合的に推進するための「プラスチック資源循環戦略」において、リサイクルと熱回収を合わせた数値を有効利用率としており、これを2018年の実績に当てはめると、84%となります。有効利用率をリサイクル率と勘違いする人が多いかもしれません。しかし、上述の通り、熱回収はリサイクルではありません。

海外輸出が中心だった日本のリサイクル
それでは、日本の現状をどのように考えればいいのでしょうか? 廃プラの国内でのリサイクル率は、18%でしかありません(※4)【図3】。
リサイクルは輸出が中心でした。2016年のマテリアルリサイクルの67%(138万トン)がリサイクル用の原料としての海外輸出でした(※5)。アジアを中心としたこれら輸出先の国々の多くでは、廃プラを管理する仕組みが十分整備されていません。もちろん輸出されたものが直接自然界に流出していたわけではありませんが、主な廃プラの受け入れ国が、海洋プラスチック発生の上位を占めているのです。
輸出される廃プラには、国内でのリサイクルに適さない汚れたものも多く含まれていました。世界で発生する廃プラの約半分を輸入してきた中国では、リサイクルに際しての廃プラ洗浄による河川の汚染や従事者への健康配慮などから、2017年末より生活系の廃プラの輸入を禁止し、その後禁止対象を拡大しています。この分をマレーシアやタイ、ベトナム等に受け入れてもらおうとしましたが、これらの国々でも同様に輸入の禁止や規制が始まっています。
これにより、国内での廃プラ処理に支障が生じています。そこで環境省は2019年5月に、産業廃棄物の廃プラの焼却処理を受け入れる市町村に対し、交付金を支給する通知を出しています。さらに、有害廃棄物の輸出入を規定するバーゼル条約の2019年5月の締結国会議において、リサイクルに適さない汚れた廃プラを規制対象とする改正案が採択されました。2021年1月より、汚れた廃プラを輸出する際に相手国の同意が必要となることから、これまでのような輸出は実質的に不可能となります。
熱回収は地球温暖化を加速させる
日本では熱回収が主流であり、単純焼却とあわせて廃プラの64%が、焼却に基づいた処理をされています。熱回収は、廃プラを焼却する際に発生する熱エネルギーの一部を活用できるという利点があります。しかし焼却することで、プラスチックは資源として循環せず、新たな大量生産に結びつきます。プラスチックは、その製造過程と焼却処理過程の双方で、温室効果ガスである二酸化炭素を発生させ、地球温暖化を加速させることになります。よって熱回収は、リデュ―ス、リユース、リサイクルで対応できない場合に検討すべき処理手法です。
輸出に頼ることができなくなったこともあり、日本で発生する廃プラの量は、すでに処理能力の限界を超えています。そして地球温暖化への対応を考慮すると、二酸化炭素を継続的に発生させる大量生産と焼却の双方を助長することになる熱回収処理施設を、中長期的に維持・増設していくという選択肢をとるべきではありません。そこで国内でのリサイクル体制を拡充していく必要がありますが、世界で3番目に多い廃プラの発生量を減らさずに、現状で2割にも満たない国内でのリサイクル率を100%にすることは不可能です。原則通り、まずリデュースとリユースにより廃プラの発生量を抑制した上で、確実にリサイクルをしていくことが求められます。
代替品の使用をプラスチックのリデュースと主張している事例が散見されますが、「絶対的な削減」を意味するリデュースととらえることはできません。確かに紙などは、自然界へ流出した場合の生態系への影響は、プラスチックよりも限定的です。しかし紙や生物由来のバイオマスプラスチックに切り替えたとしても、これら代替品の使用により、新たな環境負荷が生じます。
代替品の使用については次の3つを総合的に考慮すべきです。
代替品の原料の持続可能性:たとえば第三者認証を受けたFSC認証の紙や木材は、持続可能な原料を使用していると言えます。
代替品の資源循環:使用後に回収されリユースやリサイクルされなければ、代替品の資源が循環していることになりません。
適正範囲内での使用:年間4億トンも生産されるプラスチックを他の素材で代替することは不可能です。たとえ適正な範囲内で使用すれば持続可能である原材料であっても、使用量が自然の再生能力を超えた時点で、環境への負荷は深刻なものとなります。
熱回収による処理をストップするわけにはいきませんが、中長期的には廃プラ処理の主流として熱回収を位置づけていくことは避けなければなりません。プラスチックの使用を抑えることを基本としつつ、過度に代替品に頼らずに着実にリサイクルを推進していくことが、今後の日本の廃プラ処理には求められています。
※1:de Souza Machado et a(l. 2017)
※2:Jambeck et a(l. 2015)
※3、4:プラスチック循環利用協会(2019)
※5:プラスチック循環利用協会(2017)
会誌『野鳥』2020年7月号(No.846)より(会誌『野鳥』の詳細はこちら)
海洋プラスチックごみ問題 特別連載企画
- 第1回 プラスチックの大きな割合を占める容器包装と、容リ法の問題点
- 第2回 日本のリサイクル率と廃プラスチック処理の現状と課題
- 第3回 日本政府はなぜ、海洋プラスチック憲章に署名しなかったのか
- 第4回 サーキュラー・エコノミーに基づくプラスチックごみ問題の解決
- 第5回 バイオプラスチックは廃プラ問題の活路を開くのか?
- 第6回 代替品や熱回収より「総量削減・リユース」を!
- 第7回 脱プラスチック、どう進める?
- 第8回 マイクロプラスチック汚染の脅威1 “生態系汚染”
- 第9回 マイクロプラスチック汚染の脅威2“化学物質による生物への影響”
日本野鳥の会が、海洋プラスチック対策をはじめ、さまざまな自然保護活動を継続していくためには、みなさまのご支援が必要です。みなさまのあたたかなご支援をお待ちしております。
第1回 プラスチックの大きな割合を占める容器包装と、容リ法の問題点

発生するプラスチックごみの多くが容器や包装に使われており、ごみの削減のためには、容器包装リサイクル法の改正が不可欠です。さらにプラスチックによる環境汚染が海洋にも及んでいることが明らかになっており、容器包装にとどまらないプラスチックの発生抑制に踏み込む対策、法整備が必要です。その問題点について考えてみましょう。
文・中井八千代(容器包装の3Rを進める全国ネットワーク運営委員長)
PROFILE

中井八千代(なかい・やちよ)
中央環境審議会循環型社会部会 容器包装の3Rに関する小委員会委員。環境カウンセラー。廃棄物資源循環学会評議員。
容器包装の3Rを進める全国ネットワーク( 3R全国ネット)の活動
容器包装リサイクル法への拡大生産者責任(EPR)(※1)の確立を求める請願運動をきっかけに、全国のごみ問題、環境問題に取り組む団体・個人のネットワークとして設立。その後、名を変えて、3R(※2)、なかでもリデュース(発生抑制)とリユース(再使用)の2Rを広げ、持続可能な循環型社会の実現をめざして、調査・啓発、制度提言など活動しています。生産者責任の強化など、容器包装リサイクル法の見直しを引き続き求め、近年の海ごみ問題にも取り組んでいます。
ホームページ:容器包装の3Rを進める全国ネットワーク
今日、海洋プラスチック汚染問題をきっかけに、プラスチックごみの発生抑制が叫ばれるようになってきました。海洋プラスチック汚染の問題は、プラスチックに依存する今日の大量生産・大量消費の社会に根源的な問題を投げかけるものです。
これを解決するためには、私たち消費者の便利な暮らしを見直すことはもちろんのこと、生産の見直しも不可欠で、産業のあり方や暮らし方を、これまでにないほど大きく変革すること(SDGsに掲げられたTransforming)が必要です。
海洋プラスチックの8割が、川を通して流れ込んだ容器包装類
年間3.8億トンものプラスチックが生産され、その約半分を容器包装類が占めています。ここ25年間で約200倍に増え、毎年800万トン以上のプラスチックがごみとして海に流れ込んでいます。これにより、マイクロプラスチックを捕食してしまう魚をはじめとする海洋生物や海鳥などの生態系も脅かされています。
容リ法は、なぜ作られた?
→ プラごみを減らすため
1970年代以降、戦後の経済成長から急増を続けてきたごみ問題は、埋め立て処分場の逼迫(ひっぱく)という緊急課題を招きました。そこで、家庭から出されるごみの容積のうち6割を占める容器包装ごみを、リサイクルすることで減らそうと、1995年、「容器包装リサイクル法(容リ法)」が制定されました。
容リ法は市民には容器包装の素材別の分別排出を求め、最もコストがかかる回収は自治体の役割とし、自治体が集めて中間処理をしたもののリサイクル責任だけを、容器包装を利用する事業者に課すというもの(事業者は指定法人容器包装リサイクル協会が再商品化事業者にリサイクル委託する費用を支払う)。これまで自治体の責務とされてきた廃棄物の処理に、はじめて製造・利用事業者の責務を導入した画期的な法律です【図1】。

参考:環境省ホームページ
課題 減るはずのごみが増えた
→ 生産者の負担が軽いから生産拡大
しかし、生産者の責務は十分とは言いがたく、総リサイクル費用の8割以上を占める収集、運搬、分別、保管費用は自治体が負い、事業者の負担は約2割弱と軽いことから、容器包装材の発生抑制を誘導するまでには至らず、むしろ、リサイクルできることを免罪符にPETボトルの生産量が増大するなど、減るはずのごみが増えつづけてきました。
とくに注目すべきは、1996年に、自主規制の緩和で500ミリリットル以下の小型サイズのペットボトル飲料の販売も解禁されたことです。これにより1996年時点では年間17万2千902トンだった生産量が、2005年には53万2千583トンまで増加しています(出典:PETボトルリサイクル推進協議会)。
3R全国ネットではこの実態を明らかにし、ごみを減らすには、製品の回収、再生、再利用を行なう責任を製造者に課す拡大生産者責任(EPR)の確立が必要と訴えてきました。不要になったものの処理費用を内部化して製品が流通するEPRのしくみを作ることによって、環境に負荷のある製品をできる限り作らず、また製造段階から再使用を考慮した製品作りを進めることに繋がります。ものの生産のあり方を変え、ものを大事に、繰り返し使うことが奨励される社会に変えていくことができるはずです。
二度の見直しで、何が変わった?
全国の市民団体が結集し、容リ法の改正を求めて、二度にわたる国会への請願運動が取り組まれました。
2004年から開始された容リ法見直し審議は、中間のまとめでは、「事業者は自治体収集費用の一部を負担する」ことが盛り込まれ、拡大生産者責任を強化する方向が示されました。
しかしこの後、事業系委員や経団連からの「自主行動計画で対応する。」との意見が入れられ、新たに「事業者から自治体に資金を拠出するしくみ(年々減少)」に決着してしまいました。
今度こそと臨んだ2013年開始の見直し審議も、強固な姿勢は変わらず、大きな成果なく、終了してしまっています。
成果 不法投棄や埋め立て量は減
→ しかし、ごみ量の減りはわずか
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容リ法が制定され家庭ごみの回収・リサイクルのしくみが作られたことで、容器の散乱が少なくなり、埋め立て量も減りました。しかし自主的取り組みでは容器の肉薄化や軽量化はすすんだものの、ごみ量は微減にとどまったまま、使い捨てプラスチックの一人一日当たりの排出量は、アメリカに次いで、世界第2位となっています。さらに、容リ法が施行されて20年も経過しているにも関わらず、プラ容器の分別収集を完全実施している自治体は、全国で約7割にとどまっています。(→任意取り組みのため)
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収集費用の負担が重いため、プラの分別収集を完全実施している自治体のなかでも、焼却に転換する動きが出ています。
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プラスチックを燃やすと、CO2を増大させるため、気候変動の加速に拍車をかけています。
生ゴミや紙ごみとともに燃やす自治体が増えることにより、どれほどのCO2を増やしているのか、パリ協定の約束やSDGsの目標に照らしても問題は大きいと思います。
抜本的な法改正を
海洋プラスチック汚染をもたらしている原因は、プラスチックの大量生産、大量消費にあるといっても過言ではありません。循環型社会への転換のため、3R全国ネットでは、次の法改正を含む抜本的な対策を提案しています。
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容リ法で拡大生産者責任を徹底する
事業者の「自主的取り組み」には限界があるので、容リ法改正でEPRを徹底し、税金でリサイクルするのではなく、事業者責任を明確にすることが必要です【図2】。
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容リ法を2R促進法に改正
容リ法を2R(リデュース・リユース)促進法に改正し、廃棄物を大幅に削減するための国レベルの基本計画を策定することを求めます。その上で、「2030年までに、陸上からの廃棄物である“散乱ごみ”の全廃」を国家目標にし、使い捨てプラスチックの禁止やデポジット等を進めていく必要があります。 -
関連業界が一丸となって取り組むことを義務づける法制度が必要
EPR徹底の考え方は、関与するさまざまな企業、漁具製造事業者やプラスチックレジンメーカー等々にも適用し、関係する事業者が一丸となって解決に取り組むことを制度化するべきです。 -
カーボンプライシングを法制化する
「気候危機」対策としてCO2(プラスチック焼却由来含む)を削減するため、産業界や私たちの暮らしに変革を促すためにも、欧州や米国の一部、中国でも導入が進んでいる「カーボンプライシング(※2)」を法制化することも必要と考えます。 -
EUではすでに主流、サーキュラーエコノミー(CE)への取り組みを
CEとは、最新のデジタル技術を使って、今ある製品や使われていない資産を最大限に活用して価値を高め利益を生み出す「環境+経済政策」です。「もったいない」精神を世界に発信している我が国こそ、資源のむだ、製品のむだをなくすCEに官民を挙げて取り組むべきです。
私たち自身の暮らしを見直し、持続可能な循環型社会&社会的コストを最小化できる社会への転換をめざしましょう。
※1 拡大生産者責任制度(Extended Producer Responsibilities: EPR)
※2 3R:Reduce(リデュース)は、製品をつくる時に使う資源の量を少なくすることや廃棄物の発生を少なくすること。Reuse(リユース)は、繰り返し使用すること。Recycle(リサイクル)は、廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効利用すること。3Rとは、この3つのRの総称
※3 カーボンプライシング:炭素価格制度のこと。二酸化炭素(CO2)に価格を付け、企業や家庭が排出量に応じて負担することで、CO2の排出削減を促す施策の総称。主な施策に、化石燃料の使用に伴うCO2排出量に応じて課税する「炭素税」と、CO2の排出超過分や不足分を国同士や企業間で取引する「排出量取引制度」がある。
会誌『野鳥』2020年6月号(No.845)より(会誌『野鳥』の詳細はこちら)
海洋プラスチックごみ問題 特別連載企画
- 第1回 プラスチックの大きな割合を占める容器包装と、容リ法の問題点
- 第2回 日本のリサイクル率と廃プラスチック処理の現状と課題
- 第3回 日本政府はなぜ、海洋プラスチック憲章に署名しなかったのか
- 第4回 サーキュラー・エコノミーに基づくプラスチックごみ問題の解決
- 第5回 バイオプラスチックは廃プラ問題の活路を開くのか?
- 第6回 代替品や熱回収より「総量削減・リユース」を!
- 第7回 脱プラスチック、どう進める?
- 第8回 マイクロプラスチック汚染の脅威1 “生態系汚染”
- 第9回 マイクロプラスチック汚染の脅威2“化学物質による生物への影響”
日本野鳥の会が、海洋プラスチック対策をはじめ、さまざまな自然保護活動を継続していくためには、みなさまのご支援が必要です。みなさまのあたたかなご支援をお待ちしております。
プレスリリース:「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」成立に際してのNGO共同提言
2021年6月4日
「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」成立に際してのNGO共同提言
包括的な基本法を早急に制定し、プラスチック製品の大幅削減に向けた実効的な対策導入が必要
「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」のメンバー及び賛同24団体は、本日、第204回国会で「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック新法)」が成立したことにつき、対策の対象がプラスチック使用製品のライフサイクル全体にまで拡大した点を評価します。しかし今後政府として地球規模のプラスチック汚染を包括的に解決するために不可欠な「法的拘束力のある国際協定を早期発足させることに最大限の貢献を行う」とともに、「プラスチック汚染問題全体を包括した基本理念となるような『基本法』を早急に制定し、その下で総量の大幅削減を前提に実効的な対策を導入すること」が、なおも必要であると考えます。
日本の廃プラスチックの有効利用率は85%とされています*1が、実際には熱回収や輸出に依存し、国内では16%しかリサイクル処理できていません。廃プラスチックを適正に処理するためには、何より大幅なプラスチック製品の総量削減が必要となります。しかし、プラスチック新法の導入に際し、無償提供されるプラスチック製品の削減のためのポイント還元措置に補足的に触れられているものの、過剰なプラスチックの生産の大幅削減や、再使用(リユース)の促進には踏み込まず、結果として資源循環も担保できない内容です。
*1 2019年の国内廃プラ総排出量850万トンに占める、輸出を含むリサイクルと熱回収の合計726万トンの割合 (プラスチック循環利用協会)
また、「プラスチック資源循環戦略」で「2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入*2」との目標が示されるなど、プラスチックを積極的に代替品に切り替える動きが進みますが、必要不可欠ではない使い捨てプラスチックは生産や使用そのものを大幅抑制すべきです。また、バイオマス由来や海洋生分解性の代替品が持続可能性の担保がないままに「環境に配慮して設計されたもの」としてむやみに推進されると、新たな環境・社会問題を助長するおそれがあります。
*2 2018年のバイオマスプラスチックの国内投入量は7.2万トン (バイオプラスチック導入ロードマップ)
プラスチック新法では、新たに市町村によるプラスチック使用製品廃棄物の一括回収が実施されますが、分別回収と再商品化に伴う費用はすべて自治体負担となり、「製品の設計から消費後の段階までライフサイクル全般に渡り金銭的責任を含む責任負担を、自治体や納税者から生産者に移転することで、廃棄物総量の削減や資源循環を促進し、環境負荷を低減するという、拡大生産者責任の原則*3」に反しています。これでは、製造事業者や使用事業者に必要不可欠でない製品の生産や流通を抑制するためのインセンティブが無いため、プラスチック製品の削減にはつながらず、大量生産されたプラスチック製品が、熱回収を中心とした焼却や輸出により処理されることで、今後も地球温暖化要因となるCO2の大量発生や、プラスチックごみの環境流出が続きます。
*3 OECD (2016). Extended Producer Responsibility: Updated Guidance for Efficient Waste Management.
他にも、プラスチック使用製品に使用する有害化学物質などによる、人の健康・生態系への悪影響が懸念されます。また、特に自然環境への流出の可能性が高い漁具*4や農業用器具においては、流出防止や漁具流出後の回収のための管理制度が確立していません。さらに、製品の廃棄前の段階で発生する一次マイクロプラスチックの海洋流出は年間130万トンに及び、日本を含む高所得国ではプラスチックの海洋流出の62%を占めると推定されています*5。しかしながら、プラスチック新法にはこれらへの対策が盛り込まれていません。
*4 日本の国土面積の4倍に相当する世界最大級の海洋ごみのたまり場、太平洋ごみベルトにおいて、46%がプラスチック製の漁網
*5 The Pew Charitable Trusts (2020). A Comprehensive Assessment of Pathways Towards Stopping Ocean Plastic Pollution.
ついては、日本政府に対し、以下の通り提言します。
- 循環型社会形成推進基本法(循環基本法)に規定された優先順位に基づき、発生するプラスチックを最大限抑制することを最優先した上で、次に代替品を含め長期間利用やリユース等、その次に使用済みプラスチックの水平リサイクルを推進することにより、「熱回収を最小化しつつ、環境への流出を2030年には根絶」できるよう、社会基盤の構築に必要な措置を講ずること。
- ワンウェイ(使い捨て)プラスチックについて、「2030年までに製造・利用等を原則禁止」とし、実現に向け「2025年までの削減率、及び、分別回収率の目標を設定する」こと。その上で、リスクの大きい品目や必要性の低い品目を特定し、優先順位を付けて「製造・利用等禁止や有料化を段階的に導入するために、法改正を含め必要な措置を講ずる」こと。また、デポジット制などによる確実な回収率達成を義務付けること。
- プラスチック使用製品につき、自然環境や社会へのリスクを十分防ぎつつ発生抑制と資源循環を促進できるように科学的見地から環境配慮設計の基準を設定し、成分表示や環境負荷、廃棄方法等についての表示を義務付けること。含有される有害化学物質により、人の健康又は生態系に悪影響を発生させることがないよう、材料・添加剤について、ポジティブリスト制の導入等「有害化学物質管理措置を講じる」こと。その上で、環境配慮設計の基準を満たさない「非持続可能な製品は、製造・利用を段階的に禁止」すること。
- 代替素材の導入に当たっては、拡大目標を取り下げた上で、当該素材の生産のための土地利用転換に伴う環境破壊やリユース・リサイクル可能性などライフサイクル全体での環境負荷、食料との競合等を含む総合的見地から検証を行い、「特に悪影響の大きい代替素材の使用を禁止する」こと。やむを得ず代替素材を導入する際には、明確な基準を設けた上で、「環境への負荷が低い素材が使用されるよう、義務付ける」こと。
- 製造事業者及び使用事業者に対し、上記の環境配慮設計から、使用済みプラスチック製品の分別回収・リユース・リサイクルまでライフサイクル全般に渡る責任の負担を求める「拡大生産者責任を早期に導入する」こと。市町村によるプラスチック使用製品廃棄物の一括回収の実施に関しては、拡大生産者責任の原則に基づき、「一括回収と再商品化についての費用負担を製造事業者及び使用事業者に求める」こと。
- 漁具及び農業用の器具等による環境汚染を防止し資源循環を推進するため、拡大生産者責任の原則に基づき、製造事業者や使用事業者への環境配慮設計や流出防止措置の導入を義務付けること。国際的な最良管理手法*6等を参考に、漁具の海洋流出を防止し流出後の環境影響を軽減・回復させるために、漁具マーキング等適切な漁具管理や流出時の報告・回収を義務付け、必要な基盤整備等を行うこと。
*6 例The Global Ghost Gear Initiative. The Best Practice Framework for the Management of Fishing Gear. - 製造・流通・使用過程で生ずる一次マイクロプラスチックの環境への流出の防止のために、マイクロビーズ・マイクロカプセルなど、「意図的に使用されるマイクロプラスチックの製造・利用を早期に禁止する」こと。また、合成ゴムや合成繊維など、発生の量やリスクが特に大きいとされる製品を中心に、環境への影響調査を行いつつ、予防原則の観点から「一次マイクロプラスチック発生抑制対策を早期に導入する」こと。
- 影響が広範にわたるプラスチック汚染問題の本質的な解決のためには、本法案のような個別法の設定だけでは不十分であるため、「明確な発生抑制目標を有し、プラスチック汚染問題全体を包括した基本理念となるような『基本法』を早急に制定」すること。
- 日本政府として、国連環境総会において、地球規模のプラスチック汚染を包括的に解決するために不可欠な「明確な国際目標、科学的なモニタリングと報告の体制、及び、プラスチックのライフサイクル全般への包括的な規制を有する、法的拘束力のある国際協定を早期発足させるために、最大限の貢献を行う」こと。
減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク
- メンバー団体(五十音順)
-
- 特定非営利活動法人 OWS
- 国際環境NGO グリーンピース・ジャパン
- 一般社団法人 JEAN
- 公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
- 全国川ごみネットワーク
- 特定非営利活動法人 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
- 一般財団法人 地球・人間環境フォーラム
- 公益財団法人 日本自然保護協会
- 特定非営利活動法人 日本消費者連盟
- 公益財団法人 日本野鳥の会
- 特定非営利活動法人 パートナーシップオフィス
- 特定非営利活動法人 プラスチックフリージャパン
- 容器包装の3Rを進める全国ネットワーク
- 一般社団法人 リアル・コンサベーション
- 賛同団体(五十音順)
-
- 特定非営利活動法人アーキペラゴ
- Rびんプロジェクト
- 小山の環境を考える市民の会
- 環境問題を考える会
- さがみはら環境問題研究会
- 認定特定非営利活動法人 スペースふう
- Hamaumi-浜松の海を守る会
- 特定非営利活動法人 プロジェクト保津川
- 奈良エコライフ研究会
- 山梨マイクロプラスチック削減プロジェクト
■お問い合せ先
WWFジャパン プラスチック政策マネージャー 三沢 行弘
E-mail:[email protected]
日本野鳥の会 自然保護室 担当:山本・岡本
TEL:03-5436-2633
E-mail:[email protected]
プラスチック汚染の海鳥への影響と私たちにできること

私たちの暮らしの中では、レジ袋やペットボトル、ストロー、弁当の容器など、数えきれないほどのさまざまなプラスチック製品が、日々大量に消費されています。こうしたプラスチックがごみとなって自然界に流出し、深刻な汚染を引き起こしています。
プラスチックの生産量は1950年以降全世界で増え続け、2015年には4億トンを超えています。海洋中には1億5000万トンを超えるプラスチックが存在し、年間800万トンのプラスチックが新たに流入しています。このペースで進むと、2050年には海洋中のプラスチック重量が魚の重量を上回るという衝撃的な予測もあります。
プラスチックによる、海鳥や環境への影響

ハワイのミッドウェー環礁で撮影された、コアホウドリのヒナの死骸。ライターやボトルのふたなどのプラスチックごみがぎっしりと詰まっている

リング状のプラスチックが頭部にはまったウミネコ
海鳥をはじめ、海棲哺乳類、ウミガメ、魚など多くの生きものが、流出したプラスチックの影響で、傷ついたり命を落としたりしています。プラスチックの海鳥への影響は、大きく3つあります。1つめは餌と間違える「誤食」、2つめは細いひもなどへの「絡まり」、3つめはプラスチックに含まれる「有害化学物質の蓄積」です。
アホウドリの仲間は、海水面に浮かぶごみを餌と間違えて飲み込むことがあります。親鳥から餌としてプラスチックを与えられたヒナの中には、消化器官が傷ついたり、栄養不良で死んでしまうものも少なくありません。北西ハワイ諸島のミッドウェー環礁とその周辺海域には、海流により大量のプラスチックごみが集まります。ここで繁殖するコアホウドリのヒナの大部分が、プラスチックごみを取り込んでいます。歯ブラシやライター、ペットボトルのキャップなどのプラスチックごみがぎっしり詰まった状態のヒナの死体も発見されています。陸域・海域あわせて、少なくとも1,500種の生物がプラスチックを摂食しており※1、海鳥では、2050年までにプラスチックの摂食が全種の99%に達することが予測されています※2。

ゴーストギア(流出した漁網)に絡まって死んだ、ウトウ
漁網やロープ、釣り糸などの漁具は流出しやすく、海鳥や海洋生物への大きな脅威となっています。流出漁具は「ゴーストギア」と呼ばれ、その量は毎年64万~115万トンと推定されています※3。海中を漂う漁網は透明で見えにくく、多くの海鳥が絡まって死んでいます。釣り糸がくちばしや体の一部に絡まると、餌がとれなくなったり、動けなくなることがあります。2015年の報告では、流出漁具を含むプラスチックごみにより、全世界で海鳥の50%、海棲哺乳類の66%、ウミガメの全種が被害を受けているとされています※4。
※1 Santos et al. Plastic ingestion as an evolutionary trap:Toward a holistic understanding
※2 Wilcox et al. Threat of plastic pollution to seabirds is global, pervasive, and increasing, 2015
※3 The Pew Charitable Trusts, 2020
※4 Kuhn et al. In Marine anthropogenic litter. Springer, Cham.pp.75-116, 2015
プラスチックに含まれる、有害化学物質の問題

細かくなったマイクロプラスチック
プラスチック製品は、その製造時に難燃剤や劣化防止目的のさまざまな化学物質が添加されており、その中には内分泌撹乱作用が報告されるなど、有害な化学物質も含まれています。自然界に流出したプラスチックは劣化して粉々になり、5mm以下のマイクロプラスチックとなります。プラスチックはいくら細かくなっても、自然界で分解されることはなく、残り続けるうえに、元のプラスチック製品に含まれていた添加剤が残留しています。また、油になじみやすいため、海を漂う間にPCBやダイオキシン、DDTなどの海洋中に残留する汚染物質を吸着して運びます。こうしたマイクロプラスチックはプランクトンを餌とする魚貝類に取り込まれ、さらにそれを食べる、より大きな魚や海鳥の体に取り込まれます。既に海鳥では、プラスチックを通じて有害な化学物質が体内へ蓄積されることがわかっており※5、今後、私たち人間にも、プラスチック由来の有害化学物質の蓄積による、発がんや免疫力の低下、生殖能力の低下などの影響が懸念されます。
※5 Tanaka et al., In Vivo Accumulation of Plastic-Derived Chemicals into Seabird Tissues, Current Biology, 2020. https://doi.org/10.1016/j.cub.2019.12.037
プラスチックごみの発生源と、リサイクルの現実

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自販機横の回収ボックスやゴミ箱があふれるなど、意図しない流出も多い
海洋ごみの約8割は陸域由来で、主に川からきています。私たちのまちから出たごみが、水路から川、そして海へと運ばれ、プラスチック汚染を引き起こしているのです。
多くの方が「きちんと捨てている」「分別してリサイクルしている」はずのプラスチックごみですが、その処理方法には課題があります。日本では年間1千万トン(世界3位)ものプラスチックが生産され、約800万トンのプラスチックごみが排出されています。プラスチックごみの約7割は燃やされており、国内でリサイクルされるのは1割未満です。私たちは、リサイクルできる量を大幅に上回るプラスチックを大量消費しているのです。また、プラスチックのほとんどは化石燃料由来のため、その生産から廃棄までに多くの温室効果ガスを排出し、地球温暖化を加速させています。
プラスチック汚染の問題を解決するには、まず不必要な使い捨てプラスチックの使用を減らしたうえで、使用済みの廃プラスチック等を100%近く回収し、資源として循環させるしくみを作ることが必要になります。新たに石油などの原料に頼らずに、回収した資源を最大限活用することは、EUをはじめ世界中で広がっており、「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」と呼ばれています。
私たちにできること
プラスチック汚染を食い止めるには、プラスチックを大量に使い捨てるライフスタイルからの脱却が必要です。マイボトル(水筒)を使うことで、ペットボトルの使用を減らす、マイバッグや布袋を使うことで、レジ袋・ポリ袋の使用を減らすなど、できることからはじめてみましょう。一人ひとりにできることは小さくても、多くの人が取り組むことで、社会が変わっていきます。身のまわりのプラスチックで減らせるものがないか、考えてみましょう。そして、この問題を家族や友達に伝えて、行動する仲間を増やしていきましょう。
プラスチック削減の工夫(私たちが取り組んでいる&これから取り組みたいこと)
ウェビナー「プラスチックの問題を考えよう」視聴者の皆さまから、寄せていただいた工夫をまとめました。
1.使い捨てプラ製品をなるべくもらわない、使わない
- マイバッグを使うことで、レジ袋や、透明なポリ袋の使用を減らす
- マイボトル(水筒)を使うことで、ペットボトル飲料の購入を減らす
- 使い捨てのスプーン、フォーク、ストローをもらわない
- 使い捨ての歯ブラシなどのアメニティをもらわない
- 使い捨ての傘袋を利用しない
- なるべくラップを使わず、くり返し使える容器で保存する

2.プラスチックでない素材のものを選ぶ
- タッパーなどの容器を、ホーローやガラス製のものにする
- キッチン用品(ボウル、三角コーナーなど)を金属製にする
- 風呂用品(椅子、洗面器)を木製にする
- 植木鉢を素焼きのものにする
- 洗濯物を干すものを、金属製などにする
- プラ容器入りのボディウォッシュを、石鹸にする
- 天然素材の衣類を選ぶ
- へちまを栽培し、食器洗いや身体を洗うタワシにする
3.プラスチック包装が少ないお店で買い物をする

- 包装無しで売っている、直売所で野菜などを買う
- リユース瓶入り商品がある、生活クラブ生協を利用する
- プラスチックフリー商品を扱うお店や、量り売り、マイ容器を利用できる店で買い物をする
4.長く使う・再利用することで、ごみを減らす
- 衣類や文具など身の回りのものを修繕しながら長く使う
- 新聞紙をごみ袋代わりに使う
- 生ごみをコンポスト処理する
5.ごみを拾う
- 家の周りのごみを拾う
- 海岸や河川の清掃活動に参加する

6.プラスチックの問題を伝える・仲間を増やす
- 友人や家族と過ごすときに、マイ箸やマイストローを使う
- 友人と一緒にビーチクリーンに参加して、仲間を増やす
- 地域の行事で、プラスチック削減の普及啓発をする
- SNSなどで、脱プラアイディアの投稿や、量り売りの店の紹介をする
(本ページのイラスト:片岡海里)
ご支援のお願い
日本野鳥の会が、海洋プラスチック対策をはじめ、さまざまな自然保護活動を継続していくためには、みなさまのご支援が必要です。みなさまのあたたかなご支援をお待ちしております。
また、マイボトルやマイバッグなど、プラスチック削減につながるグッズや、地球にやさしいさまざまな商品を販売しております。販売収益は自然保護活動に活用させていただきます。
海洋プラスチックごみ問題 特別連載企画(『野鳥』誌より)

『野鳥』誌にて2020年6月号から2021年7・8月号まで、全9回にわたり連載した「海洋プラスチック問題を考える」。こちらのページで順次アップしていきます。
第1回 プラスチックの大きな割合を占める容器包装と、容リ法の問題点
発生するプラスチックごみの多くが容器や包装に使われており、ごみの削減のためには、容器包装リサイクル法の改正が不可欠です。さらにプラスチックによる環境汚染が海洋にも及んでいることが明らかになっており、容器包装にとどまらないプラスチックの発生抑制に踏み込む対策、法整備が必要です。その問題点について考えてみましょう。
文・中井八千代(容器包装の3Rを進める全国ネットワーク運営委員長)
第2回 日本のリサイクル率と廃プラスチック処理の現状と課題
私たちがごみとして出したプラスチックは、回収された後、どれくらいの割合が、どのような方法で処理されているのでしょうか。今回は、その内訳がどうなっているのか、また、日本で主流である「熱回収」という焼却処理がベストの処理方法かどうか、抱えている問題点を解説します。
文・三沢行弘(WWFジャパン プラスチック政策マネージャー 兼 シーフード・マーケット・マネージャー)
第3回 日本政府はなぜ、海洋プラスチック憲章に署名しなかったのか
2018年にカナダで開かれたG7で、プラスチックごみによる海洋汚染問題への各国の対策を促す文書「海洋プラスチック憲章」が採択されましたが、日本とアメリカの2国だけが署名しませんでした。プラスチックごみの年間排出量が多い(日本5位・アメリカ2位)2国のこの行動に対し、大きな批判が起きましたが、日本はどうして署名を見送ったのか、その背景について解説します。
文・井田徹治(共同通信社編集委員兼論説委員)
第4回 サーキュラー・エコノミーに基づくプラスチックごみ問題の解決
プラスチックの原料となる石油などの化石燃料も、地球上の限りある天然資源の一つです。天然資源の利用を含めて経済や社会全体を、従来の一方通行型(リニア)のものから、循環型(サーキュラー)なものへと転換していく「サーキュラー・エコノミー」というコンセプトが、ヨーロッパを中心に世界に普及しはじめています。これに基づいたプラスチックごみ問題の解決について考えてみましょう。
文・三沢行弘(WWFジャパン プラスチック政策マネージャー 兼 シーフード・マーケット・マネージャー)
第5回 バイオプラスチックは廃プラ問題の活路を開くのか?
廃プラスチック問題の解決策のひとつとして、最近注目されているバイオプラスチック。しかし、なんとなくよさそうだというイメージが先行するばかりで、どういうものかを正しく理解している人はまだ多くありません。今回は、バイオプラスチックの特性を中心に紹介します。
文・横尾真介(日本バイオプラスチック協会事務局長)
第6回 代替品や熱回収より「総量削減・リユース」を!
2020年10月、当会もメンバーとなっている「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」(以下、「NGOネットワーク」)12団体と賛同8団体は、政府より9月に示された「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」(以下、「基本的方向性」)に対して、海洋プラスチック問題をより確実に解決できるようにNGOの意見をまとめた共同提言書を関係省庁や政党に提出しました。今回は、この提言書の内容について紹介します。
文・山本 裕((公財)日本野鳥の会自然保護室)
第7回 脱プラスチック、どう進める?
2020年7月から、全国でレジ袋有料化が実施されました。この制度では、プラスチックのフイルム厚が50マイクロメートル以上のものや、海洋生分解性プラスチック配合率100%のもの、バイオマス素材の配合率25%以上のプラスチック製買い物袋や、紙袋などは有料化の対象外でした。今回は、それよりさらに一歩進み、プラスチック製レジ袋の提供禁止と、紙袋の有料化に踏み切った京都府亀岡市の事例について紹介します。
文・原田禎夫(大阪商業大学公共学部准教授/特定非営利活動法人プロジェクト保津川代表理事)
第8回 マイクロプラスチック汚染の脅威1 “生態系汚染”
毎年約4億トン生産されているプラスチックのうち、一部が適切に処理されずに海に流出して漂い、地球規模で大きな問題となっています。海に流出したプラスチックは、海洋生物が誤って食べ内臓が傷つくなどの影響のほか、細片化した「マイクロプラスチック」(5mm以下の大きさ)【写真1】となり、有害化学物質を吸着したり、あるいは添加されている化学物質によって海洋生物に悪影響を及ぼすことが、最近の研究で明らかになっています。本連載の最終章となる2号にわたり、特にマイクロプラスチックの弊害について取り上げます。
文・高田秀重(東京農工大学 農学部 環境資源科学科)
第9回 マイクロプラスチック汚染の脅威2“化学物質による生物への影響”
生態系に流出したプラスチックはしだいに小さくなり、回収が困難な5mm以下の大きさの「マイクロプラスチック」となります。マイクロプラスチックは貝や小魚に取り込まれ、食物連鎖を通じて、生態系のより上位の生物の生体への残留性有機汚染物質(POPs)や化学添加剤の濃縮と蓄積が進んでいきます。今号では、プラスチックに含まれる有害化学物質が、どのように生物への影響を引き起こすのかについて紹介します。
文・高田秀重(東京農工大学 農学部 環境資源科学科)
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保護中: 海洋プラスチックごみから、海鳥を守ろう
連続ウェビナー第1回 脱プラスチック!新たな仕組みを作るための政策のあり方
本セミナーは終了しました。

海鳥や海洋環境だけでなく、地球全体への深刻な脅威となりつつある、プラスチック汚染。この問題の解決には、プラスチックに過度に頼る社会の仕組みを変えていく必要があります。
今まさに、プラスチックの資源循環施策に関わる新しい法律が、国会で審議されようとしています(4月現在)。今回は、WWFジャパンの三沢行弘氏を講師にお招きし、脱プラスチック社会の実現に向けた政策のあるべき姿を、わかりやすく解説いただきます。
現在の政府の政策案のどこに問題があるか、ご指摘いただくとともに、自然保護NGOや消費者団体などさまざまな分野の市民団体が協働する「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」で検討し、政府に提案している基本法案についてもご紹介いただきます。
連続ウェビナー・海洋プラスチックの問題を考えよう
第一回 脱プラスチック!新たな仕組みを作るための政策のあり方
- 講師
- 三沢行弘氏 (WWFジャパン)
- 日時
- 2021年6月4日(金)18:00~19:10
- 開催方法
- オンライン会議システム形式「Zoom」を使用
- 参加費
- 無料
- 定員
- 100名(先着順)
- 申込
-
こちらから事前申込をお願いします。
お申込みいただいた方に、URL等の詳細をメールにてお知らせします。 - 主催
- (公財)日本野鳥の会
講師プロフィール

三沢行弘(みさわ ゆきひろ) WWFジャパン
企業等で国内外の事業の企画・推進に携わった後に、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)に入局。「2030年までに世界で自然界へのプラスチックの流入を無くす」というWWFのビジョン実現に向け、政策決定者や企業関係者に働きかけ、プラスチックの大幅削減を前提とした資源循環型社会の構築に向けて取り組む。また、企業の持続可能な水産調達への転換を推進。
お問い合わせ:
(公財)日本野鳥の会 自然保護室
電話:03-5436-2633 E-mail: [email protected]
住所:〒141‐0031 東京都品川区西五反田3‐9‐23 丸和ビル
NGOが共同で「脱プラスチック戦略推進基本法(案)」を環境副大臣に提出

減プラスチック社会を実現するNGOネットワークより、笹川環境副大臣に「脱プラスチック戦略推進基本法(案)」を手渡し

日本野鳥の会より、会誌『野鳥』のプラスチック特集号を手渡し、海洋プラスチックの野鳥への影響について説明
日本野鳥の会は「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」の一員として、使い捨てプラスチックを削減し、自然界への流出をくい止め、持続可能な循環型の社会を実現するための提言活動を行なっています。
2021年2月22日、「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」のメンバー及び賛同23団体は、2030年までに自然環境へのプラスチックの流出ゼロ、及び、使い捨てプラスチック使用の原則ゼロを実現し、さらに2050年までに新たに生産したバージンプラスチックに依存しない社会を築いていくための戦略を推進するための「脱プラスチック戦略推進基本法(案)」を、笹川環境副大臣に提出し、同日、記者会見を行ない法案について説明しました。
政府からは、2021年1月に「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について」が示されており、今期の通常国会で「プラスチックにかかる資源循環の促進等に関する法律(仮称)」が審議されると報道されています。
しかし、政府の施策案は「代替品の積極的な利用」と「大量廃棄を前提とした回収とリサイクルの推進」に依存しており、問題の本質であるプラスチック製品の大量生産・大量消費・大量廃棄社会からの転換を図るものにはなっていません。
そこで、まず容器包装を中心にプラスチック製品の生産総量を大幅にリデュースし、その上で、確実に循環利用させていく仕組み(拡大生産者責任の強化などに基づく社会・経済システム)の構築が必要であることから、NGO・市民団体で検討を重ね、独自の法案「脱プラスチック戦略推進基本法(案)」を策定しました。法案が政策に反映されるように、今後も引き続き、政府との対話をはかっていきます。
法案の内容は、プレスリリースをご覧ください。
- プレスリリース2021.02.12
「脱プラスチック戦略推進基本法(案)」を策定― NGOが共同提言する日本のプラスチック関連施策の在り方 ―
以 上
政府のプラごみ問題施策方針へのNGO共同提言 ー代替品や熱回収より「総量削減・リユース」をー

減プラスチック社会を実現するNGOネットワークより、笹川環境副大臣に提言を手渡し
日本野鳥の会は「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」の一員として、WWFジャパン、グリーンピース・ジャパンなどのNGOや市民団体とともに、使い捨てプラスチックの削減や、生態系への廃棄禁止など、法的な規制を伴う事項について共同で提言活動を行っています。
2020年10月13日、減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバー及び賛同20団体は、9月1日に政府より示された「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性(「基本的方向性」)に対し、笹川環境副大臣あてに、深刻なプラスチック汚染を確実に解決できるような指針としていくよう求める共同提言書を提出しました。今後速やかに、関係省庁や政党にも提出する予定です。
深刻化するプラスチック汚染を解決するには、容器包装を中心にプラスチック製品の生産総量を大幅に削減(リデュース)することと、そのための社会システムの構築が、喫緊の課題です。しかし、基本的方向性では、「リデュースの徹底」といった言葉は使われているものの、実質的には、代替品利用とリサイクルの推進、そして熱回収が解決案の中心となっています。
プラスチック生産の増加を放置したまま、熱回収や代替品の促進を推進していくのでは、問題の解決にはなり得ません。また、漁業活動等、海域で使用するプラスチックの問題への更なる対応や、拘束力のある国際的な解決の枠組みを早急に発足させることも重要です。
提言の内容は、以下をご覧ください。
2020年10月13日
「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」への共同提言
ー代替品や熱回収より「総量削減・リユース」をー
減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク
- メンバー団体 (五十音順)
- 特定非営利活動法人 OWS
国際環境NGO グリーンピース・ジャパン
さがみはら環境問題研究会
一般社団法人 JEAN
公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
全国川ごみネットワーク
特定非営利活動法人 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
公益財団法人 日本自然保護協会
公益財団法人 日本野鳥の会
特定非営利活動法人 パートナーシップオフィス
特定非営利活動法人 プラスチックフリージャパン
容器包装の3Rを進める全国ネットワーク
- 賛同団体 (五十音順)
- 特定非営利活動法人 アーキペラゴ
小山の環境を考える市民の会
環境問題を考える会
とくしま自然観察の会
Hamaumi-浜松の海を守る会
ふるさと清掃運動会
特定非営利活動法人 プロジェクト保津川
山梨マイクロプラスチック削減プロジェクト
令和2年9月1日、産業構造審議会 産業技術環境分科会 廃棄物・リサイクル小委員会 プラスチック資源循環戦略ワーキンググループ、及び、中央環境審議会 循環型社会部会 プラスチック資源循環小委員会の合同会議により、「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」(以下、「基本的方向性」という)が示された。深刻なプラスチック汚染の問題が顕在化する中で、それを確実に解決できるような指針としていく必要がある。
日本で発生する廃プラスチックの量は、年間891万トンと世界で3番目に多いが、その内735万トン(82%)を、熱回収を含む温室効果ガスを発生させる焼却処理や、海外輸出、及び埋め立てに依存している*1。また、廃プラスチックの47%は、ほとんどが使い捨て用途の容器包装・コンテナ類(以下、「容器包装」)であるが*1、コロナ禍の状況下で、発生が増加傾向にある。容器包装を中心に、バージン材によるプラスチック製品の生産総量を大幅にリデュースすること、及び、それを可能とする社会システムを構築することが、喫緊の課題である。しかし基本的方向性では、「リデュースの徹底」といった言葉は使われているものの、実質的には、代替品利用とリサイクルの推進による、結果的な削減を見込んでいる。
上記を踏まえ、以下の通り循環型社会形成推進基本法で示された、
1.削減(リデュース)
2.再使用(リユース)
3.再生利用(リサイクル)
という廃棄物管理の基本的な優先順位に立ち返る必要がある。また、代替品の使用を廃プラスチックのリデュースと位置付けてしまうと、代替品が過剰生産され、原材料栽培地への転換による原生林の伐採、土壌の流出、貯蔵炭素の放出など、新たな環境問題を発生させる可能性がある。よって、代替品の使用は、リデュース、リユースが出来ない場合に、補完的な位置づけとして検討されるべきである。
また世界で最も広い範囲に海洋ごみが集中して漂う、日本の国土の4倍以上の広さの「太平洋ごみベルト」と言われる海域においては、ごみの総量の46%をプラスチック素材の漁網が占めており、また、文字が認識できるごみの1/3に日本語が記載されていた*2。漁網等の漁具など海域より発生するものが、海洋プラスチックごみ全体の1から2割を占めており、漁具の流出抑制や回収、適正処理の促進も、優先度の高いプラスチック資源施策として含めるべきである。そして、国際的なプラスチック汚染問題を解決するための国際的な枠組みが存在しない状況下において、法的拘束力のある国際協定の締結に向けて、日本がリーダーシップを発揮していくことが強く期待されている。
ついては、減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバー及び賛同20団体は、以下の通り提言する。
- 総量を削減するための実効性のある政策の早期導入
代替品への切替えを除いた、プラスチック製品の生産・流通総量のリデュース目標を設定した上で、レジ袋有料化に続けて、使い捨て用途のより幅広いプラスチック製品に対し、有料義務化や取り扱い禁止も含めた実効性のある具体的な政策を、早急に導入すること。 - 容器包装分野における、リユースを基本とした仕組みの導入
使い捨てプラスチック容器包装モデルの代替として、BtoCの容器包装分野におけるリユースの仕組みの大規模導入を推進すること。なお、ここで述べる「リユース」には、詰め替え用パウチ製品のように、新たに使い捨てプラスチックを発生させるものは含まない。 - 拡大生産者責任制度の確立
拡大生産者責任制度を全面的に導入し、事業者がライフサイクル全般(回収・リユース・リサイクル)にわたり責任を持ち、回収からリユース・リサイクルまでの全工程を確実に実施するよう義務付けること。 - 代替品の位置づけ見直しと、持続可能性の確保
安易に代替品の使用を推進するのでなく、リデュースやリユース、リサイクルができないものについて、原料の持続可能性やリユースやリサイクルの可能性に十分配慮して導入すること。 - 漁具等、海域で使用するプラスチックの管理施策の促進
漁具等の不適切な管理による海洋への流出を抑えるとともに、流出漁具の回収と適正な処理を推進するために、更なる政策を導入すること。 - 法的拘束力のある国際協定締結の推進
海洋プラスチック問題の解決に向け、包括的で法的拘束力のある国際協定の枠組みを早期に発足させることを日本の政府が支持し、国連環境総会等の場で締結に向けた議論においてリーダーシップを発揮すること。
上記の提言を基本的方向性に取り入れることにより、プラスチックを使い捨てにする社会から早期に脱却し、リデュース・リユースを基本とした社会に移行することが、プラスチック汚染を防ぎ、脱炭素社会を目指すためにも必要不可欠である。これは、ウィズコロナ、ポストコロナの社会で求められる「グリーンリカバリー」を実現することにつながり、地球の再生能力の範囲内で投入資源を最大限循環させることで新たな資源投入をゼロに近づけるという「サーキュラーエコノミー」の考え方にも沿っている。世界で使い捨てプラスチック容器包装の2割をリユース可能なものに切り替えるだけで1兆円以上のビジネスチャンスが見込まれるなど*3、この移行は新たな経済価値を生み出すと見られており、国際潮流となりつつあるこの分野で日本が国際的競争力を発揮していくためにも、以上6項目を提言する。
*1 プラスチック循環利用協会(2019)による2018年の実績。熱回収503万トン、単純焼却73万トン、輸出91万トン、埋立68万トン。
*2 Lebreton et al. (2018)
*3 エレンマッカーサー財団 (2019)







