チュウヒサミット2006の報告

チュウヒ(環境省レッドデータブック絶滅危惧ⅠB類)は、国内では繁殖地が少なく局地的であり、イヌワシやクマタカよりも繁殖つがい数が少ないにもかかわらず、これまであまり注目されておらず保護活動も進んできませんでした。2006年6月24日、このチュウヒとその生息地の保護活動を推進するため、名古屋市にて「チュウヒサミット2006」を開催し(三重県支部・愛知県支部・名古屋鳥類調査会主催、当会共催)、当会自然保護室より浦達也、高井健慈が出席しました。
当日は、全国から約90人の研究者・一般市民が参加し、勇払原野、仏沼、渡良瀬遊水池、木曽岬干拓地、大阪府堺市、河北潟におけるチュウヒの生息状況が報告されました。パネルディスカッションでは、国内では数十つがいしか繁殖していないこと、ラムサール条約湿地となった仏沼以外では生息環境であるヨシ原の環境が悪化していること、大規模なヨシ原を保全する法的枠組みが少ないこと、ヨシ原でも水路や開水面が必要なこと等が確認されました。また、木曽岬干拓地(三重県・愛知県県境、約440ha)で計画されている代償措置(約57ha)については、ねぐらとしての機能は果たすが採食環境には不十分なことなどが議論されました。
サミットでは最後に、「ヨシ原生態系のシンボル‘チュウヒ’の繁殖地・大規模越冬地を保全しよう!」という提言と、盛土工事がはじまった木曽岬干拓地の利用方法の再検討を求める緊急アピールを採択しました。


勇払原野のチュウヒについて発表する自然保護室の浦達也

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