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- 日本野鳥の会の苫東地域での自然環境保全活動と勇払原野での繁殖期希少鳥類調査の10年間の結果
日本野鳥の会の苫東地域での自然環境保全活動と勇払原野での繁殖期希少鳥類調査の10年間の結果

勇払原野は北海道三大原野のひとつとして、釧路湿原、サロベツ原野と並び数えられています。原野を構成する湿原の面積は過去90年で約8分の1となり、著しく減少しているものの、残された自然環境は、ラムサール条約湿地であるウトナイ湖を含み、水鳥、草原性鳥類、絶滅のおそれのある鳥類の生息地として重要な役割を果たしています。
一方、同所では1960年代の高度成長期に、第三次全国総合開発計画の一環として苫小牧東部開発計画がスタートしました。しかし、その後の社会情勢の変化により、当初計画の約1万700haの土地の多くが未利用地域として残され、また農地として開拓された場所が放置され原野化し、結果として鳥類の良好な生息地となっています。
当会はこの優れた鳥類の生息環境を将来にわたって維持していくために、2000年度から当該地域において鳥類調査を実施し、その生息状況から生息環境としての特徴を把握し、社会環境を考察して保全構想をまとめ、2006年に『ウトナイ湖・勇払原野保全構想報告書』を発行しました。以来、希少種の調査や弁天沼周辺での自然観察会を通じ、同所一帯の保全活動を行っています。近年の主な活動は以下の通りです。
- 1999年
- 建設省(現 国土交通省)が千歳川放水路計画の中止を発表
- 2000年
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- IBA(重要野鳥生息地)保全活動のモデルケースである「ウトナイ湖・勇払原野保全プロジェクト」(206KB/PDF)を立ち上げ、勇払地域において、センサス調査やオオジシギの捕獲調査をスタート。
- 東アジア・オーストラリア地域フライウェイ(EAAF)への登録基準を、オオジシギの個体数によって満たすことが可能か検証した。
- 2000年~2003年に行った鳥類調査で記録された鳥は276種、国内で記録されている野鳥の約半数を占め、釧路湿原やサロベツ湿原で行われた類似調査よりも種数が多く、環境も多様性に富んでいることが示唆された。
- IBA(重要野鳥生息地)保全活動のモデルケースである「ウトナイ湖・勇払原野保全プロジェクト」(206KB/PDF)を立ち上げ、勇払地域において、センサス調査やオオジシギの捕獲調査をスタート。
- 2001年
- ウトナイ湖サンクチュアリの開設20周年シンポジウム(苫小牧市民会館)で、千歳川放水路中止後の勇払原野を保全対象とすることを発表。
- 2003年
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- ウトナイ湖・勇払原野保全プロジェクトの鳥類調査の結果が、苫小牧東部開発連絡協議会の保全事業計画に反映される。
- 苫小牧市民を対象に弁天沼周辺での自然観察会を実施。以降、毎年実施。
- 2006年
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- 苫東地域におけるアカモズ生息状況調査を実施し、同地域がアカモズの国内有数の繁殖地である可能性が明らかになった。
- 弁天沼周辺の畑等の土地利用の変化が鳥類相に与える影響調査を実施し、同所における耕作地化は、草原性鳥類の繁殖を阻害し個体数を減少させ、一帯の鳥類相をも変化させる可能性があることが明らかになった。
- ウトナイ湖・勇払原野保全プロジェクトでの調査結果をまとめた『ウトナイ湖・勇払原野保全構想報告書』を発行。
- 2007年~
- 苫東地域におけるシマアオジの生息状況調査を毎年実施し、道内各地の生息記録が途絶えるなか、同地域には継続して渡来していたことが明らかになった。しかし、2012年の1羽を最後に、それ以降確認されていない。
- 2008年
- 北海道知事宛てに「弁天沼周辺の土地利用に関する要望書」を提出。(2008年1月8日)
- 2009年
- 勇払原野で衛星電波発信機によるチュウヒの行動圏追跡調査を実施し、同種の繁殖期の行動範囲や生息に重要な環境が明らかになった。
- 2012年
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- 日本野鳥の会3支部との連名で、北海道知事宛てに「苫小牧東部開発地域内の鳥獣保護区指定に関する要望書」を提出。
- 繁殖期における希少鳥類の生息状況調査を毎年実施。結果を記者発表。
苫小牧東部開発地域(苫東地域)で7種の希少鳥類を確認 同地域の重要性が改めて認識された(2012年10月16日)
- 2013年
- 苫小牧東部開発地域でタンチョウ、シマクイナ等7種の希少鳥類を確認。同地域の重要性があらためて示された(2013年度繁殖期調査結果)(2013年10月18日)
- 2014年
- 周辺約950haが河道内調整地となることが決定。
苫小牧東部開発地域(苫東地域)で、シマクイナやタンチョウをはじめ、7種の希少鳥類を今年も確認(2014年11月13日) - 2015年
- 苫小牧東部開発地域(苫東地域)で、今年も7種の希少鳥類を確認 ~タンチョウの飛来は3年連続~(2015年10月30日)
- 2016年
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- 弁天沼で行った調査でオオジシギの渡りルートの一部を解明。
- ウトナイ湖サンクチュアリ35周年記念シンポジウム~勇払原野をラムサール条約湿地に~を開催。
苫小牧東部開発地域(苫東地域)で、今年も7種の希少鳥類を確認~タンチョウの飛来は4年連続~(2016年11月1日)
- 2017年
- 勇払原野でオオジシギ個体数調査を実施。2001年と比較し、個体数が約3割減少。開発と樹林 が減少要因だった。
苫小牧東部開発地域(苫東地域)で、今年もアカモズ、シマクイナ、チュウヒなど7種の希少鳥類を確認(2017年11月10日) - 2018年
- 苫小牧東部開発地域(苫東地域)で、サンカノゴイなど8種の希少鳥類を確認(2018年12月5日)
- 2019年
- 柳生博と学ぶ勇払原野の魅力~安平川河道内調整地の賢明な利用を考える~を開催。
プレスリリース:苫小牧東部開発地域(苫東地域)で、タンチョウなど7種の希少鳥類を確認(2019年11月27日) - 2020年
- オオジシギの個体数調査を実施し、数の減少とオーストラリアでの異常気象の影響について推察した。
プレスリリース:勇払原野の安平川下流域に整備予定 河道内調整地(遊水地)で、今年も7種の希少鳥類を確認(2020年12月23日) - 2021年
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- ウトナイ湖サンクチュアリ開設40周年、ウトナイ湖のラムサール条約湿地登録30周年。11月に勇払原野の保全に関するシンポジウムを苫小牧市と開催。
- 勇払原野で行なったオオジシギの衛星追跡調査では、越冬地であるオーストラリアまで約9,000kmの追跡に初めて成功した。
プレスリリース:勇払原野の安平川下流域に整備予定 河道内調整地(遊水地)で、今年も7種の希少鳥類を確認(2021年10月15日)
勇払原野での繁殖期希少鳥類調査の10年間の結果
※環境省レッドリストのカテゴリーは調査時のものです。
| 種名 | カテゴリ | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
| シマアオジ | 絶滅危惧ⅠA類 | ● | |||||||||
| シマクイナ | 絶滅危惧ⅠB類 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| アカモズ | 絶滅危惧ⅠB類 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| チュウヒ | 絶滅危惧ⅠB類 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| サンカノゴイ | 絶滅危惧ⅠB類 | ● | |||||||||
| タンチョウ | 絶滅危惧Ⅱ類 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| オジロワシ | 絶滅危惧Ⅱ類 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| マキノセンニュウ | 準絶滅危惧 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| オオジシギ | 準絶滅危惧 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |







