シマフクロウと ともに生きる未来へ

かつて“村の守り神”と呼ばれ、人の暮らしのそばにいたシマフクロウ。開発によってすみかをうばわれ、絶滅の危機におちいっても、なんとか次の世代へ命をつなぎながら少しずつ数を増やし、再び人里の近くへ戻ろうとしています。しかし、その先に待つのは、行き場がないという現実 ――
若鳥たちが新天地を求めて飛び立つ先に、迎え入れることのできる森を残せるのか。いま、未来への分岐点に差しかかっています。
シマフクロウ Blakiston’s fish owl
北海道東部の限られた河畔林に生息し、河川や湖沼で魚類やカエルなどを食べる。全長70cm、羽を広げると180cmにもなる世界最大級のフクロウ。国の天然記念物。環境省のレッドリストで、絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧ⅠA類に指定されている。
シマフクロウの未来に希望を ―― 繁殖地を守り、新天地をひらく

北海道の森にくらすシマフクロウは、アイヌの人々から「コタン・コロ・カムイ(村の守り神)」として敬われ、かつては集落のすぐそばにすむ身近な存在でした。しかし、明治時代以降の開拓や河川改修、森林伐採によって生息地が失われ、絶滅の危機に瀕しました。国や関係者、そして当会による保護活動の結果、現在では知床や根室地域など、豊かな森林が残る北海道東部を中心に、200羽を超えるまでに回復しています。
ところが、いまなお繁殖地の周辺でさえ、太陽光発電施設の建設やバイオマス発電の燃料確保などを目的として森林が伐採されることがあり、シマフクロウが安心して子育てできる環境は限られています。
当会野鳥保護区の隣接地でも、森が伐採されてしまう。赤い印より右側が野鳥保護区で、左側は民有地
さらに若鳥たちは新たな生息地を求めて西へと広がろうとしていますが、日高山脈の以西には工業地帯が多く、彼らの「新天地」となりえる森は限られているのが現状です。せっかく命をつないだ次の世代が羽ばたこうとしているのに、行き場がないという未来にはしたくありません。
未来に向けて、現在の繁殖地を守りながら、新たな生息地をひらく ──
当会は、シマフクロウの保全と分布拡大に向けた取り組みを進めていきます。現在の野鳥保護区では、生息地を買い増すなど、生息中心域の70%以上の土地を確保することで、繁殖地の保全を強化(図1)。さらに、北海道西部への分布拡大を見すえ、ウトナイ湖ネイチャーセンターを拠点に、勇払原野周辺の水系に広がる河畔林の買い取りや、新たな野鳥保護区の設置を視野に入れ、若鳥たちが安心して生息できる環境づくりに取り組みます。
図1.シマフクロウの生息中心域について
シマフクロウのなわばりは河川に沿って10kmに達し、川から100m以内にある樹洞を使って繁殖します。川の両岸の河畔林と営巣木の周囲、緩衝域を考慮して約400haにもおよぶ広大で重要な範囲を「生息中心域」として保全していきます。生息中心域の約70%以上を確保することが保全上重要と考えています
日本野鳥の会のシマフクロウのための野鳥保護区の数とつがい数
シマフクロウたちは日高山脈を越え、より人の暮らしのそばへと向かおうとしています。さまざまな課題を解決し、再び彼らが私たちの暮らしのそばに羽ばたく日を目指して ──
シマフクロウと人が共生する未来のために、どうかご支援をお願いいたします。
シマフクロウと人が共生する未来のために
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(左)新デザイン「シマフクロウ」シルバーブローチ
(右)カムイの羽根しおりセット
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日本野鳥の会の取り組み
いまの生息地をより確実に守る ―― シマフクロウ保護の歩み
当会は2004年に初めてシマフクロウの野鳥保護区を設置し、その後オホーツク・根室・釧路・十勝・日高の5地域へ広げ、現在では合計1,168haの野鳥保護区を設けています。さらに日本製紙株式会社の協力を得て共同で保全している社有林を加えると、総面積は約3千haを超え、14つがいのシマフクロウの生息地に保護活動の足掛かりを築きました。そのうち4つがいには、餌資源や営巣木が不足しているため、給餌や巣箱の設置による繁殖の補助も行っています。
また保護区内の森林では、地域の林業関係者や住民、全国の支援者の協力を得て、シマフクロウがくらせる森づくりを進めています。

根室市の園児たちといっしょに苗木を植える。100年かけてシマフクロウの森を作る活動

体の大きなシマフクロウに適した樹洞を持つ営巣木がほとんどなくなってしまい、巣箱の設置が繁殖の手助けに
若鳥たちのための新天地を守る ―― 新たな野鳥保護区の設置
今後は若鳥の分散・定着を見すえ、北海道西部にも生息候補地を探し出すため、ICレコーダーを使いシマフクロウの行動や利用状況を把握する調査や、河川での魚類調査を通じて環境の適性を検討し、野鳥保護区の設置等、生息地保全を進めていきます。特に勇払原野にそそぐ勇払川上流部や美々川水系では、河畔林の買い取りや野鳥保護区の設置を視野に入れた調査・準備を進めていきます。
シマフクロウが飛来した際に安心してくらせるよう、餌資源や営巣木の確保など環境整備にも力をそそぎながら、市民への普及活動にも取り組み、地元の理解と協力を得て保全の歩みを進めていきます。

特殊な機械を使った魚の捕獲調査。標識をつけて放し、餌資源としての魚の密度や量を調べる

夜間にシマフクロウの鳴き声を録音し、利用状況を把握。生息候補地の把握に努めている
シマフクロウ保護事業担当の声
シマフクロウのくらす森を、未来へ

松本潤慶 チーフレンジャー
シマフクロウの生息地保全は、生息状況の調査や情報収集から始まります。森の所有者調べ、売買交渉、行政への申請など事務仕事は多岐にわたり、「野鳥保護区」の設置までには何年もかかることもあります。
土地の購入後も、巡回や巣箱、給餌場の維持管理、伐採跡地の環境改善など、その土地の状況に応じた地道な活動が続きます。こうした仕事は、土地所有者や林業家といった地域の方々との深い協力関係、そして皆様からの温かいご支援なくしては進みません。
シマフクロウが身近な野鳥に戻る日まで、私たちは北海道の森で活動を続けます。
ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター

ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンターは、ラムサール条約湿地・ウトナイ湖(苫小牧市)のほとりにある自然保護と環境教育の拠点です。日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、野鳥や湿地の生きものの観察、展示、自然体験を通じて地域の自然とのふれあいを提供しています。シマフクロウの生息環境調査や野鳥保護区の設置も進めています。
シマフクロウと人が共生する未来のために
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※プレゼント付き寄付について
日本野鳥の会のプレゼント付き寄付は、自然を守る活動に楽しく参加していただく寄付のしくみです。
寄付の金額により、ご希望に応じて野鳥グッズをプレゼントしています。プレゼントが不要の寄付もお選びいただけます。
気づいてほしい、サギたちの命の営み

(写真:掛下 尚一郎)
みなさんは、サギの仲間についてどのくらい知っていますか?サギは川や公園の池などでもよく出会え、体が大きいので見つけやすく、動きもゆったりしているので、観察するにはピッタリの鳥です。ぜひ、今年はサギたちのくらしに注目しながら、野鳥観察を楽しんでみてください。
観察しやすいサギの仲間
一言で「サギ」といっても、多種多様。日本ではなんと19種類ものサギが記録されています。幼鳥と成鳥で羽色が変わるサギもいれば、恋の季節になるとおめかしをするサギもいます。見られる時期もいろいろで、一年中見ることができるサギもいれば、春になると渡ってくるサギもいます。それぞれの特徴を知ると見つけやすくなり、観察がもっと楽しくなります。
まずは、私たちの身近なところでくらしている大きなサギに注目してみましょう。
まず手はじめに!
日本一大きなサギ!「アオサギ」
日本全国で見ることができ、全長約95cm、両翼を広げると160cmほどにもなる大きな鳥です。
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成鳥/ブルーグレーの羽と後頭から生える黒い冠羽が特徴(写真:pixta)
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幼鳥/体は大きいけれど、全体的にグレーの羽で冠羽がない(写真:掛下 尚一郎)

首を曲げて飛ぶ(写真:掛下 尚一郎)
シラサギという名のサギはいない!
「シラサギ(白鷺)」という言葉を聞くことがあると思いますが、シラサギという種名のサギはいません。シラサギとは全身が白いサギ類の総称で、ダイサギ、チュウサギ、コサギなどがいます。

(撮影:都立東京港野鳥公園)
大きさの比較


シラサギの中で最大!「ダイサギ」
本州から九州では一年中見ることができ、ゆっくり歩く

春に渡来する「チュウサギ」
ダイサギとコサギの中間くらいの大きさで、本州から九州ではおもに春に渡来。ダイサギやコサギに比べて草地を好む

黄色い足先がかわいい「コサギ」
チュウサギより小さく、本州から九州では一年中見ることができる。獲物を捕まえるために水辺でちょこちょこ動き回る
ダイサギとチュウサギの見分け方を知りたい!と思ったら、以下の図解を参考にじっくり観察してみてください。
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見つけられるとうれしいサギの仲間
「サギは首が長くて大きな鳥」と思われがちですが、実は首の短いサギや、小型のサギもいます。
ペンギンみたいな「ゴイサギ」
カラスくらいの大きさで、アオサギやダイサギほど首は長くありません。関東以南では一年中、東北以北では夏に見ることができます。昼間は草や木の茂みで休んでいることが多く、夕方から活動しはじめます。幼鳥と成鳥で見た目が大きく変わるおもしろい鳥でもあります。

成鳥/茂みの中を探すときは黄色の足を探すのがポイント(写真:井上瑞穂)

幼鳥/黒褐色の全身に星をちりばめたような白斑があることから「ホシゴイ」と呼ばれている(写真:井上瑞穂)
ミョウガの妖精!?「ヨシゴイ」
日本で最も小さいサギで、夏に九州以北の水田や河川、湖沼に渡来します。ヨシの茂みの中にいることが多く見つけにくいですが、葉の上を歩いたり、つかまる姿はユニークです。ネット上では、その姿がミョウガに似ていることから「ミョウガの妖精」などと言われています。

オス/額から後頭にかけて黒い(写真:pixta)

メス/首から胸にかけてしま模様がある(写真:pixta)
おめかしするサギたち
一部のサギたちは、恋の季節(繁殖期)になると華やかな姿になります。これはパートナーとして自分を選んでもらうためのアピールだと言われています。くちばしや目先、足の一部などが一時的に鮮やかな色に変わっている姿を見つけたら、恋の成就をあたたかく見守ってあげてください。
アオサギ

(撮影:東京港野鳥公園)
- 婚姻色※の時期:2月~3月(個体差あり、5月頃まで見られる場合もある)
- 目先やくちばし、足がピンク色になり、冠羽や背中、胸の飾り羽が発達
ダイサギ

(写真:pixta)

(写真:奴賀 俊光)
- 婚姻色の時期:4月上~中旬
- 背にレースのような飾り羽が現れ、目先が青緑色、目も赤色になる
チュウサギ

(撮影:都立東京港野鳥公園)

(写真:奴賀 俊光)
- 婚姻色の時期:4月中~5月上旬
- 背と胸に飾り羽が現れ、目先が黄色、目が赤色になる
コサギ

(写真:pixta)

(写真:奴賀 俊光)
- 婚姻色の時期:4月上~中旬
- 2本の長い冠羽が伸び、背に飾り羽が現れ、目先と足先がピンク色になる
アマサギ

(写真:pixta)
- 婚姻色の時期:5月~6月
- 頭部から首、背にかけてオレンジ色の飾り羽が現れ、くちばしは濃いピンク色、目先は赤紫色、目も赤色になる
※婚姻色とは:繁殖期特有の体の色のこと。魚類や両生類・爬虫類のほか、一部の鳥類に見られます。
何をしているの?-サギのひみつ
サギは生きていくために、エサを捕るだけでなく、いろいろな工夫をして命を守っています。
こんな姿に出会えるのも、サギの観察が楽しい理由の1つです。

(写真:瀬古 智貫)
- アオサギの日光浴
- このユニークなポーズは日光浴をしていると言われています。日光を浴びて体を温めたり、濡れた羽を乾燥させたり、寄生虫対策のためだと考えられています。

(写真:井上 瑞穂)
- ヨシゴイの擬態
- ヨシゴイは自分の身に危険が迫ると、くちばしを上に向け、首を伸ばしてじっと動かなくなります。葉や茎に擬態して身を守っています。

サギたちが教えてくれること
私たちの暮らしの近くで命をつないでいるサギの仲間たち。関心を寄せて観察してみると、実はいろいろな種類のサギがいて、季節や成長の過程で変化していることに気づきます。
身近にある自然の変化に気づき、そこに息づく命の営みを知ること――それは、人と自然が共生する未来を創るための第一歩です。
※バードメイト寄付について
バードメイトは、自然を守る活動に楽しく参加していただく寄付のしくみです。毎年、「今年の野鳥」を選んでピンバッジを作り、プレゼントしています。シールもあり、2026年度の野鳥は「アオサギ」です。
皆さまのご寄付は、身近な野鳥たちの調査研究、野鳥と自然の大切さを伝える普及啓発活動、タンチョウやシマフクロウなど絶滅危惧種の野鳥たちの保護活動など、自然を守るさまざまな活動の資金になります。

やってみよう!サギ検定試験(公開準備中)
【遺贈寄付をお考えの皆さまへ】「JELFみどりの遺言」無料法律相談会のお知らせ
本イベントは終了しました
JELF「みどりの遺言」は、今年も無料法律相談会を開催します

当会が遺贈寄付先として推薦を受け、取り組みにも参画しているJELF「みどりの遺言」プロジェクトでは、9月13日(土)のInternational Legacy Giving Day(国際遺贈寄付の日)に合わせて、弁護士による無料法律相談会を開催します。
当会へのご遺贈をご検討くださっている皆さまで、遺言書作成や遺贈・相続に関する法律的なことでお悩みの方は、ぜひお気軽にこの機会をご利用ください。
開催概要
「みどりの遺言」無料法律相談会
- 主催
- 一般社団法人JELF(日本環境法律家連盟)
- 日時
- 2025年9月13日(土)10:00~18:00
- ※お一人様1時間(ご予約は10:00~17:00の正時スタート)
- ※枠には限りがありますので、まずはお早めにお問い合わせください
- 参加方法
-
- Zoomオンライン面談
予約が確定した後に担当弁護士からZoomのリンクをお送りします。 - 電話相談
予約の開始時間になりましたら、担当弁護士から直接お電話をお掛けします。 - 弁護士事務所での面談(東京・名古屋・大阪)
- 【東京】
- アーライツ法律事務所
東京都中央区築地3-9-10 築地ビル3階 TEL:03-6264-7330 - 【名古屋】
- 名古屋E&J法律事務所
愛知県名古屋市中区錦3-5-30 三晃錦ビル6階 TEL:052-684-9191 - 【大阪】
- あすなろ法律事務所
大阪市中央区南本町1丁目4番10号 StoRKビル4階 TEL:06-6268-5070
- Zoomオンライン面談
- お申し込み方法
- 「みどりの遺言」プロジェクト事務局までご連絡のうえ、ご予約をお願いします。
- 電話:03-6264-7330(アーライツ法律事務所内)
- Eメール:[email protected]
Eメールでご連絡いただく際は、件名を「みどりの遺言 法律相談申し込み」として、「お名前」「ご住所」「日中の連絡先電話番号」を記載のうえ、- ご希望の開始時間(10:00、11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00、17:00)を第三希望まで
- ご希望の参加方法(面談の場合は東京、名古屋、大阪のいずれか)
をお知らせください。
- お申し込み締め切り
- 9月12日(金)15:00まで
- 「みどりの遺言」
寄付や遺言による社会貢献をお手伝いするプロジェクトです。いつでも弁護士からのアドバイスを受けることができます。関心のある方はJELFまでお問い合わせください(初回相談無料。全国地域は問いません)。 - 一般社団法人JELF(日本環境法律家連盟)
全国約430名の弁護士によって構成され、法律的な知識や手段を使って環境保護問題に取り組む、全国ネットワークNGOです。1996年の設立以降、公害事件や廃棄物処分場事件、自然保護訴訟、原発事件、気候変動事件などさまざまな環境事件に取り組んでいます。
バードアイランド三宅島の自然を守れ

三宅島・雄山の風景。2000年噴火で失われた緑は徐々に回復が進んでいる(写真:沖山勝彦)
今から25年前の2000年夏――三宅島で近年例のない大噴火が発生しました。
「バードアイランド」と呼ばれた野鳥と深緑の島に巨大な噴煙が立ち昇り、大量の火山ガスが流出。島に住むすべての人々が島外への避難を余儀なくされ、森の木々は立ち枯れて、人も野鳥も拠り所を失いました。
避難が解除された2005年、復興をめざし島に戻った日本野鳥の会のレンジャーたちは、噴火で激変した自然環境と向き合い、島の人々と協力し、自然と共生する新しいバードアイランドのあり方を模索してきました。あれから20年、今もなお、その挑戦は続いています。
島の人たちとめざす、自然とともに生きる未来
世界でも有数の火山島で自然豊かな三宅島はバードアイランドと呼ばれ、絶滅危惧種のアカコッコやカンムリウミスズメ、また伊豆諸島固有種が数多く生息する野鳥の宝庫です。

アカコッコ(絶滅危惧ⅠB類)
伊豆諸島やトカラ列島などに分布が限られているツグミ科の鳥で日本固有種。
国の天然記念物、絶滅危惧種にも指定されている
当会は、開発計画でゆれていたこの島の自然保護を1980年代から訴え続け、自然を活かす英断をした三宅村は1993年に「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」を開設。運営を託された当会は、レンジャーを常駐させ、活動を続けてきました。
ところが2000年の大噴火で状況は一変。大量の火山ガスにより森の約6割が消失し、4年半を経て帰島が実現してからは、火山の影響の中での復興が大きな課題となりました。

噴火した直後のようす(写真:青谷知己)
全島避難の発令により、この噴火による人的被害はなかった
島に戻ったレンジャーは、「三宅型エコツーリズム」を提案。野鳥、海、さらには噴火すら島独自の資源として観光プログラムを開発し、地元自然ガイドを養成して、島の人々自身が島の魅力を伝える産業をつくる――野鳥や自然とともに生きる、新しい形のバードアイランドを目指しました。

自然ガイド養成講座のようす

養成講座の卒業生によるガイド
アカコッコやカンムリウミスズメの保護活動は、おもに当会の自然保護部門がにない、島の大切な資源である希少種を守るため、GPSでの行動圏調査や生息地づくりを行ってきました。
そして現在、三宅島は驚異的な森林の回復とともに、地元自然ガイドの活躍でエコツーリズムが産業として定着しつつあります。しかし一方で、移入種のイタチがアカコッコを捕食してしまう長年の問題は解決しておらず、サンゴの白化をもたらす気候変動に加え、近海での洋上風力発電所建設計画など島の自然を脅かしかねない新たな懸念も生まれています。

移入種のイタチ
農作物を荒らすネズミ対策で移入されたが、
アカコッコの天敵に

白化したと富賀浜(とがはま)のサンゴ
2024年9月、海水温の上昇が原因とみられる
サンゴの白化を広範囲で確認
地域の自然を守るには、多くの時間と、人々の理解、協力が必要になります。
30年にわたりレンジャーが常駐してともに生活しているからこそ、三宅島の人々の声にこたえつつ、自然と共生する地域社会を模索することができるのです。
当会は、レンジャーと自然保護部門の連携によって引き続き三宅島の自然を守り、このような人と自然が共生する社会の試みが拡がっていくことをめざしていきます。どうかご支援をお願いします。
野鳥と人が共生する社会を拡げていくために
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オーガニック風呂敷 バードメイトピンバッジ
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島で活動する人たち
島の人々とともに三宅島の自然を守る

三宅島の自然を守っていくためには、その宝である自然が生み出す経済的な還元も重要になってきます。これがなければ、島にとって宝としての自然の価値は小さくなり、不要な開発を招くことにもなります。そのため、島の自然を求めて訪れた方が、滞在日数を延ばし、島でお金を使っていってくれる観光の仕組み作りが欠かせません。
(日本野鳥の会 チーフレンジャー 内藤明紀)
三宅島らしいやり方で三宅島だからこその魅力を伝える

三宅島で陸と海の自然ガイドをやっている菊地ひとみです。
現在活動している自然ガイドはレンジャーたちによって育成された自然ガイド養成講座の修了生です。私たちはここから始まり、環境保全活動、次世代の子どもたちへの環境教育、島の魅力の発掘と発信をやり続けて早や18年。
これからもレンジャーとともに島の人々や自然に寄り添った三宅島らしいやり方で三宅島だからこその魅力を伝え活かしていきたいと思います。
(earth wind & 代表、東京都自然ガイド 菊地ひとみさん)
三宅島で観察できる鳥

アカコッコ
(絶滅危惧ⅠB類)

カンムリウミスズメ
(絶滅危惧Ⅱ類)
(写真:鈴木義晴)

タネコマドリ
(絶滅危惧Ⅱ類)

ウチヤマセンニュウ
(絶滅危惧ⅠB類)

イイジマムシクイ
(絶滅危惧Ⅱ類)

オーストンヤマガラ
(絶滅危惧ⅠB類)
他、モスケミソサザイ(絶滅危惧ⅠB類)、カラスバトなど、約300種の野鳥が確認されている。
森林の回復経過
椎取(しいとり)神社周辺のようす

噴火前
社殿を取り囲む森

2003年1月
火山泥流にのまれた社殿と鳥居のあと

2011年7月
埋没した神社の周辺に緑が戻りはじめる
胴吹きによる森の再生(2019年)

(写真:沖山勝彦)
火山ガスの影響で落葉した樹木の幹から新たに芽が出る「胴吹き」により森は再生
日本野鳥の会の取り組み
当会が独自に行っているアカコッコの保護事業
三宅島はアカコッコの重要な生息地の一つですが、人が放したイタチや噴火、離農による生息環境の変化が影響し、アカコッコは大きく数を減らしました。当会はアカコッコ館の事業に加えて、独自の保護事業を進めています。毎年、島の人々の協力を得て実施している総個体数調査のほか、GPSロガーをアカコッコにつけて1年間の行動を追跡したり、カラーリングを装着し繁殖期の行動範囲を明らかにしました。

アカコッコの背中に重さ1.4gのGPSロガーを装着

GPSの記録をたどって生息環境を確認
こうして蓄積したデータを生息環境の改善にも役立ており、2020年には当会からの提案によってアカコッコは国内希少野生動植物種に指定されました。国への働きかけや、地元や行政、研究者とも連携をしながら保護活動を着実に進めていきます。
アカコッコの森づくり

林床のつる植物を除去する作業
アカコッコ館では、毎年当会の自然保護部門と共同でアカコッコが好む環境を作る「アカコッコの森づくり」を実施しています。
この活動は、島内外のボランティアの方々の協力を得ながら行っており、地面をおおうつる植物を抜いたり水場を設置することで、アカコッコがエサを捕りやすく住みやすくなるよう環境を整備しています。
豊かな海を守る活動

サンゴの生息調査
アカコッコ館が開館した1993年以降、当会のレンジャーは鳥類だけでなく、サンゴの調査や潮だまりでの海水魚の調査を継続して行っています。
そこで蓄積した情報は観察会や環境教育で活用し、海の生きものの魅力や大切さを伝えてきました。2024年度、この活動が日本サンゴ礁学会 保全・教育普及奨励賞を受賞しました。
三宅島
東京から南に約180km、直径約8km、周囲38.3kmの火山島で人口約2200人
三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館

三宅村村営施設。日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、
自然情報の提供、自然観察会の開催、調査・研究などの活動を行っている
野鳥と人が共生する社会を拡げていくために
日本野鳥の会の活動にご支援をお願いいたします

森の魅力を解説するレンジャー

海の自然を伝えるのもレンジャーの仕事
※プレゼント付き寄付について
日本野鳥の会のプレゼント付き寄付は、自然を守る活動に楽しく参加していただく寄付のしくみです。
寄付の金額により、ご希望に応じて野鳥グッズをプレゼントしています。プレゼントが不要の寄付もお選びいただけます。
皆さまのご寄付は、バードアイランド三宅島の野鳥や自然を守る活動や、野鳥と人が共生する社会を拡げていくための活動の資金になります。シマフクロウ、タンチョウ、チュウヒなど絶滅危惧種の保護活動のほか、身近な野鳥たちの調査研究、野鳥と自然の大切さの普及啓発活動などにも使われます。
キホンのスズメ――身近な野鳥を観察しよう

(写真:PIXTA)
日本で身近な野鳥といえば、スズメ! いつもあちこちにいるので、気にせず通りすぎている人が多いかも。ところが最近、スズメが減っていることがわかってきました。野鳥や自然を守る第一歩は、関心を持つこと。まずは、身近なスズメを観察してみませんか?
スズメはみんな“ほっぺ”が黒い?
日本でスズメといえば、茶色い頭に黒い“ほっぺ”。でも山に行くと、“ほっぺ”が黒くない不思議なスズメに会うことがあります。「山のスズメ」と呼ばれるニュウナイスズメです。また、ごくまれに海外からやや大きなスズメが飛んでくることも。彼らはイエスズメといい、やはり黒い“ほっぺ”ではありません。

- スズメ
- 全長14.5cm。ほおに黒い斑(はん)があり、のども黒い。オスもメスも似た姿。日本では、小笠原諸島をのぞく全国に分布し、人家の近くでくらす。

- ニュウナイスズメ
- 全長14cm。オスは頭や背に赤みがあり、メスは緑がかった褐色。日本では、本州中部以北の明るい林に生息し、秋冬は農耕地や河原で群れる。

- イエスズメ(写真:PIXTA)
- 全長16cm。オスの頭は灰色で、のどの黒斑が胸まで広がる。メスは全体的に色が薄い。スズメ科で最も数が多く、ほぼ世界中に分布しているが、南北アメリカ、南半球などでは外来種。日本では珍しく、ごくまれに北海道などで観察記録がある。
スズメのなかまは世界に40種以上※もいますが、黒い“ほっぺ”は珍しいようです。そんなスズメが日本にいるなんて、ちょっとうれしくなりませんか?

世界のスズメ
(イラスト:富士鷹なすび)
※IOC World Bird List v15.1ではスズメ目スズメ科は43種。「世界のスズメ」イラストの種名も当リストによる。
スズメの“見ごろ”“聞きごろ”
スズメは一年中「チュン、チュン」とただ跳ねまわっているわけではありません。よく観察すれば、四季の巡りとともに、けんめいに生きるスズメたちの姿がみえてきます。
春~夏:求愛のさえずりやヒナの声に耳をすませて
寒さの残る2月頃、オスは「チッ、チョン、チ」とさえずり、メスに求愛します。3月には、くちばしにワラや小枝をくわえ、家の屋根や排気口、信号機、電柱など、いろいろなすき間に巣を作ります。子育て中に巣の近くを通りかかると、ヒナが「シリッ、シリッ」と鳴く声が聞こえてくることも。スズメは年2~3回子育てをするので、9月頃まで、せっせと食べものを探す親スズメと、ぴょんぴょんとついていく子スズメの姿を楽しめます。

オスは背をそらせて求愛する。

ヒナは巣立ち後10日間ほどで自立し、成長とともに黄色いくちばしは黒く、ほおやのどの黒色は濃くなる。
(写真:掛下尚一郎)

子育て中の親スズメを観察すると、やせて羽もボサボサ。苦労がしのばれる。
(イラスト:富士鷹なすび)
日本野鳥の会『こんにちはスズメ』でさえずりやヒナの声を聞けます!
秋~冬:若鳥の大群や「ふくら雀」を探そう
巣立ったヒナが成長し、稲が実るころになると、大きな群れを作ります。昼は田んぼや草地で食べものを探し、夜はヨシ原や竹林、街路樹などの「ねぐら」に戻り、集団で眠ります。ねぐらから響く「チュン、チュン」はまるで大合唱! 冬になると、寒さをしのぐため羽に暖かい空気をため込んで「ふくら雀」の姿になります。今年生まれたスズメのうち、草も枯れ、虫も少ない厳しい冬を生きのびることができるのはわずか。この試練を越えれば、また春が訪れます。

まるまるとした「ふくら雀」たち
歩くときは、両足をそろえて跳ねる。
スズメは害鳥?
スズメの主食は植物のたね。とくに収穫前のお米が大好きで、農家にとっては悩みのたねです。でもスズメには、稲などにつく虫を食べて田畑を守っている面もあります。1950年代の中国で、スズメを害鳥として一斉に駆除したときは、虫が大量発生し、かえって不作になりました。自然の生態系は、食べたり食べられたり、いろいろな形でつながり、支えあっています。害鳥と決めつけず、スズメとうまくやっていきたいですね。
スズメとの“距離感”を守ろう

スズメは人の近くでくらしていますが、害鳥として駆除されてきたせいか、人を強く警戒しているようです。人が見ているだけで、スズメが逃げだすことも。スズメに迷惑をかけないよう、追いかけたりせず、とくに子育ての時期は、遠くから見守ってください。写真のように急にピン!とのびたら“警戒中”というサインです。
スズメのおもしろい姿をチェック!
☑ 花の蜜を“盗む”

サクラの木の下に花が丸ごといくつも落ちていたら、“犯人”はスズメかも。スズメはじつは甘党で、サクラの花の蜜が大好き。でも、太くて短いくちばしで蜜が吸えないので、花をちぎって付け根の蜜をつぶしてなめています。サクラからしたら、花粉を運んでもらえず蜜をなめられただけの“盗蜜”ですが、サクラの花はとても多いので影響はありません。苦労の多いスズメに、春のごちそうを楽しんでもらいましょう。
☑ 穴にはまって砂まみれ
地面になぞの穴がたくさんあったら、それはスズメの砂浴びのあとかも。砂まみれで遊んでいるわけではなく、体についたダニを砂で取っています。ちなみに水浴びも大好きで、どちらもする野鳥はとても珍しいのです。
にぎやかなスズメたちの砂浴び。
なぜ減っているの?

今は信号機のすき間も利用する
(写真:川内 博)
スズメの減少は、20年ごとの「全国鳥類繁殖分布調査」や、100年規模の「モニタリングサイト1000」の調査データから明らかにされました。とくに里山周辺のスズメの減少スピードは絶滅危惧種並みで、全国的なニュースにもなりました。
スズメは人家のそばにすみ、屋根の下などのすき間や樹洞に巣を作ります。しかし、最近は巣を作れない高気密住宅が増えました。巣の近くで食べ物を探せる緑地や空き地なども減りました。こうした環境の変化により、スズメの子育てがむずかしくなったことが、減少の要因と考えられています。
(参考: 会誌『野鳥』2025年3・4月号「身近な鳥たちの近況報告(文・三上 修)」)
私たちにできること
日本野鳥の会バードメイト・チームが実施した鳥類633種の総選挙「2024バードメイト杯」では、珍しい野鳥や憧れの野鳥ではなく、スズメが1位になりました。いつもそばにいるスズメを大切に思う人が多いことがうかがえます。スズメへの応援コメントには、最近数が減ったことを心配する言葉が並びました。
ぬまがさワタリ氏による結果発表
バードメイトX(旧 Twitter)での鳥類633種の総選挙「2024バードメイト杯」結果報告はこちら。
スズメへの応援コメント(一部)
- 「一番好きな鳥は、いつも一番近くにいる(ちたろ様)」
- 「民話から童謡まで、心の風景になっています。(escape2009様)」
- 「賢くてちっちゃくて可愛くて一生懸命生きるスズメ、生涯応援しています。人間のせいで年々環境が過酷になっていくから心配です。(ピロきし様)」
- 「子供の頃から身近にいて慣れ親しんできた鳥さん。最近、昔に比べて見かけなくなり寂しいです。先日久々に出会えてうれしかったー!(こうめ様)」
- 「最近数が減っているとウワサの彼ら、スズメさん!!ここで彼らの大切さを思い出したいです。(スズメの子様)」
- 「地味で平凡でどこにでもいそうに思えてどんどん減っているスズメ。つぶらな瞳も跳ねるときのぴょんぴょんスタイルもたまりません!清少納言も愛でた古来から愛されるスズメをこれからも守っていきたい!!(ぴょんきち様)」
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ID:@Birdmate_wbsj(日本野鳥の会バードメイト)
スズメがそばにいる日々を守るためには、スズメの視点から身のまわりの環境を見直すことが大切です。まずはスズメを観察し、人もスズメもくらしやすい環境について考えてみませんか?
※バードメイト寄付について
バードメイトは、自然を守る活動に楽しく参加していただく寄付のしくみです。毎年、「今年の野鳥」を選んでピンバッジを作り、プレゼントしています。シールもあり、2025年度の野鳥は「スズメ」です。
皆さまのご寄付は、身近な野鳥たちの調査研究、野鳥と自然の大切さを伝える普及啓発活動、タンチョウやシマフクロウなど絶滅危惧種の野鳥たちの保護活動など、自然を守るさまざまな活動の資金になります。

タンチョウと共に生きる未来に向けて

(写真/PIXTA)
縁起のよい瑞鳥(ずいちょう)として日本人にとうとばれてきたタンチョウ。かつては、北海道から関東地方へと渡る優美な姿も見られましたが、明治時代の乱獲や湿原の開発で激減し、絶滅したと考えられていました。ところが、1924年に釧路湿原の奥地で十数羽が再発見されたのです。二度と同じ目にあわせたくない――その思いを胸に、地域の人々とタンチョウを守り続け、今年で「再発見」から100年になりました。ようやく約1900羽まで復活しましたが、今もなお新たな試練に直面しています。

タンチョウ 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
日本で繁殖する唯一のツルで、国の特別天然記念物。北海道東部を中心に生息。
全長140cm、羽を広げると240cmにもなる日本最大の野鳥。古くから日本文化を彩り、日本画や民話、地名などにも登場する。アイヌ語で「サルルン・カムイ(湿原の神)」。
「再発見」から100年、これからタンチョウに必要なこと
当会は1987年、北海道鶴居(つるい)村でタンチョウの保護活動を続けていた故・伊藤良孝さんの協力を得て、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリを開設しました。以降、レンジャーが常駐し、食べものが不足する冬期にはデントコーンをまいたり、繁殖地が開発されないよう湿原を購入し独自の野鳥保護区を設置するなどして、タンチョウを守ってきました。

命をつないだ給餌活動
鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリには、一日最大250羽近くのタンチョウがエサを求めて飛来する

デントコーン
飼料用のトウモロコシ
多くの人々の努力や当会の活動が実を結び、現在タンチョウの数は約1900羽まで回復しました。しかし、給餌により人を恐れなくなったタンチョウが、人間の生活圏に近づきすぎて、交通事故や農業被害など、別の問題が深刻化してきています。また、冬期給餌場にタンチョウが密集することで、鳥インフルエンザの集団感染のリスクも高まっています。もし感染が拡大すれば何百羽も大量死するおそれがあるのです。

道路を歩いて横断、交通事故にあうこともある

タンチョウがデントコーン畑に侵入し、
種や芽をついばむ
冬でもタンチョウが自然に食べものを採れる場所が必要だ――当会は2007年から鶴居村の中で冬でも自然採食できる場所を整備し、タンチョウの自立を助けてきました。2013年には環境省が給餌量を削減して越冬地を分散させる方針を決め、冬の自然採食地はさらに重要な存在となっています。

整備した自然採食地を利用するタンチョウ
(タイマーカメラで撮影)
数が増えたタンチョウは北海道東部から分布を広げつつあります。自分の力で生きようと羽ばたいた先々で、彼らが人と距離を取り、冬も飢えず、繁殖期に安全に子育てができる環境を整えるには、その地域の人々の理解と協力が不可欠です。
当会は、タンチョウの情報や自然採食地づくりのノウハウを地域社会と共有し、地域主体の保護活動を推し進めていきます。また、タンチョウの新たな生息地である自然豊かな勇払(ゆうふつ)原野が、ラムサール条約の枠組みで恒久的に保全されるよう働きかけていきます。タンチョウと人が共生する社会の実現のため、ご支援をお願いします。
タンチョウと共生を目指す当会の活動にご支援をお願いします

ご寄付のお礼にオリジナルグッズをプレゼント中!
(左)「タンチョウ」の記念ブローチ<縁enishi>(右)カムイの羽根しおりセット
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※プレゼントをご希望の方は、「プレゼントグッズ付き寄付」をお選びください。
鶴居村で活動するレンジャー
タンチョウは身近な隣人(原田修チーフレンジャー)
タンチョウは優美なだけではなく、仕草や行動が人間くさいのも大きな魅力です。彼らを絶滅の淵から救った冬期給餌は、地域の方々にとって「身近な隣人」を助ける思いやりだったのでしょう。一方で給餌により人との距離が近くなり、人里での事故や農業被害、過密化による鳥インフルエンザの脅威といった課題も生じています。これからもタンチョウと共に暮らす感動と共生への覚悟を胸に、地域の人達と連携して取り組んでいきます!

鶴居小学校6年生 総合的な学習の時間
タンチョウとの共生をテーマにした授業で講師として招かれた
当会の取り組み
冬の間、タンチョウが自然の中で生きていけるように
2007年から冬期のタンチョウの採食行動を調査し、凍らない水辺を利用している状況がわかりました。そこで、鶴居村の方々やボランティアの方々の協力を得て、夏は水路を掘り藪(やぶ)を払うなどの造成作業をし、冬はタンチョウの利用状況を調査し評価するサイクルをくり返し、17か所の自然採食地を完成させました。しかし、タンチョウの分布は拡大しつつあり、当会だけの採食地整備には限界があります。今後は、この取り組みのノウハウをテクニカルレポートとしてまとめ、一般に公開し、タンチョウの分散先となる地域社会で自然採食地を増やせるよう、あと押ししていきます。

ボランティアの皆さんと自然採食地を整備
水路を掘り、食べものとなる水生昆虫などのすみかをつくる
勇払原野をラムサール条約で守る
日本の湿地が過去100年で6割も消失したなかで、北海道の勇払原野には、数万羽の水鳥が飛来し、オジロワシやチュウヒなど絶滅危惧種が繁殖する豊かな湿原が残されています。2013年からはタンチョウも飛来しはじめ、2020年には、130年ぶりにヒナの姿が確認されました。重要度が増す勇払原野ですが、湿原の多くが工業地帯に指定されており、湿原の保全と経済活動との両立が課題です。
当会は、勇払原野の弁天沼周辺の湿原やウトナイ湖へ流れこむ美々川(びびがわ)をラムサール条約の枠組みで保全し、また工業地帯については自然共生サイト等の枠組みを利用して、ワイズユース(賢明な利用)を実現する共生社会のモデルをつくるため、働きかけていきます。

新天地で命を育むタンチョウ
2020年5月に当会レンジャーが130年ぶりに勇払原野で確認したヒナは、秋には飛べるまでに育った
ラムサール条約
おもに水鳥の生息地として重要な湿地を保全し、ワイズユース(賢明な利用)を進める国際条約。日本から湿地を登録するには、①「定期的に2万羽以上の水鳥を支えている湿地」等の国際基準を満たし、②国指定鳥獣保護区の特別保護地区であるなど国内法で保全され、③地域の合意を得られている必要があります。登録の過程では関係者が湿地のワイズユースを考えていくことになります。
鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
1987年、全国からの募金で建設されました。タンチョウ保護を進める拠点として、冬期給餌をはじめ、生息地の保全や調査、普及教育活動などを行っています。

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
タンチョウとの共生を目指す当会の活動に、ぜひご支援をお願いします。
※プレゼント付き寄付について
日本野鳥の会のプレゼント付き寄付は、自然を守る活動に楽しく参加していただく寄付のしくみです。
寄付の金額により、ご希望に応じて野鳥グッズをプレゼントしています。プレゼントが不要の寄付もお選びいただけます。
皆さまのご寄付は、タンチョウとその生息地を守り共生を目指す活動をはじめ、自然を守るさまざまな活動の資金になります。シマフクロウ、チュウヒ、シマアオジなど絶滅危惧種の野鳥たちの保護活動のほか、身近な野鳥たちの調査研究、野鳥と自然の大切さの普及啓発活動などにも使われます。
「野鳥保護区」で生命のにぎわいを守ろう!

絶滅危惧種の生息地が開発される前に、買い取りまたは協定によって確保し、立ち入りを制限した保護区にする――日本野鳥の会の「野鳥保護区」は、絶滅危惧種を迅速かつ恒久的に生態系ごと守る、強力な保護手段です。皆さまのご支援により、38年間で50か所まで増え、総面積は東京ディズニーランド78個分を超えました。しかし、野鳥保護区の設置はゴールではなくスタート。野鳥たちが安心して子育てできる環境を維持、回復していくために、さまざまな活動が必要です。
渡邊野鳥保護区フレシマ(203.7ha、北海道根室市/写真上)にくらす動植物たち

シコタンキンポウゲ(準絶滅危惧)

タンチョウ(絶滅危惧Ⅱ類)

クロユリ(絶滅危惧Ⅱ類)

オオワシ(絶滅危惧Ⅱ類)

オオジシギ(準絶滅危惧/写真:古山隆)
ここに営巣するタンチョウは1つがいですが、17種の希少種を含む118種の鳥類、27種の希少種を含む335種の植物が生息し、タンチョウとともに守られています。
皆さまのご支援で、日本最大の民間自然保護区に成長
日本には、野鳥たちの生息地を法的に守る、国立公園や鳥獣保護区の特別保護地区等があります。しかし、野鳥にとって重要な自然環境は国内に多数あり、対応に時間のかかる法の網ではカバーしきれません。日本野鳥の会は、1987年に競売に出されたタンチョウの繁殖地を確保して以降、すばやく対応できる民間の強みを活かすべく、法的に保護されていないタンチョウ・シマフクロウの営巣地や、小さくとも重要な生息地を確保し、野鳥保護区を設置する活動を本格化しました。2014年には総面積3,000haとなり、この10年でさらに約4,000haまで拡大した野鳥保護区で、現在、タンチョウ31つがい、シマフクロウ14つがいを守っています。
(大きな画像で見る)
野鳥保護区の設置後は、立ち入りを厳しく制限し、保護対象種の現状に適した環境管理活動を行なっています。国の保護地域と同等の管理レベルと生物多様性の高さが評価され、2023年10月には「渡邊野鳥保護区フレシマ」が、環境省が生物多様性回復の“切り札”と考える「自然共生サイト」の1つに認定されました。
認定証を受け取る上田会長
重要度が増す野鳥保護区ですが、その面積が拡大するほど、管理、調査、保護活動にかかるマンパワーと費用も増加しています。日本野鳥の会は創立90周年を迎え、ヨシ原で繁殖するタカの仲間「チュウヒ」の初の保護区設置も視野に入れ、野鳥保護区による生息地の保全を発展させていきます。ご支援をお願いします。
土地の買い取り以外にも、維持・管理にさまざまな業務が発生します。
皆さまのご支援が必要です。

ご寄付のお礼にオリジナルグッズをプレゼント中!
夏の新作は創立90周年記念「カムイの羽根しおりセット」「チュウヒ<ゆうひ>」(K18PGメッキ)です。
ご寄付はこちら
※プレゼントをご希望の方は、「プレゼントグッズ付き寄付」をお選びください。
野鳥保護区で活動するレンジャーたち

【巡回監視】ハンターなどの不法侵入、不法投棄、森林の無許可伐採を監視

【環境維持・回復】植樹や間伐による森林、湿地の回復

【繁殖補助】大木の樹洞代わりの巣箱設置(シマフクロウ)

【給餌補助】いけすを設置しヤマメを投入(シマフクロウ)

【繁殖調査】広大な湿原を沿岸や空(ドローン)から調査(タンチョウ)

【生息調査】音声データ解析による生息確認調査(シマフクロウ)

【バックアップ】東京都内の事務局から各種サポート
※シマフクロウ保護のための各活動は、環境省の認定を受け実施しています。
想いのつまった野鳥保護区で希少種を守る(松本潤慶チーフレンジャー)
実は野鳥保護区の設置でもっとも大切なのは、「話し合う」スキルです。地権者の方や地域の皆さまと時間をかけて話し合い、土地への想いや歴史をうかがいつつ、当会の考えをお伝えして、気持ちよく土地を譲っていただく。調査や巡回、維持管理でも、地域との関係は続いていきます。私たちはその土地の方々の歴史や気持ちを背負い、ご支援いただいた皆さまの想いを心に刻み、活動を進めています。
地域の未来をになう子どもたちと植樹活動
「ネイチャーポジティブ」をめざす「30by30」達成の“切り札”に
2030年までに生物多様性の損失をくい止め、回復させる――いわゆる「ネイチャーポジティブ(自然再興)」をめざして、国際社会は23の目標に取り組んでいます。その1つが、2030年までに陸と海の30%以上を保全する「30by30」(サーティバイサーティ)です。環境省は30by30達成のため、生物多様性の高い民有地等を「自然共生サイト」に認定し、保全地域を拡大する事業を立ち上げました。国内最大の民間自然保護区をもつ当会は、ネイチャーポジティブに貢献するため、有志連合「30by30アライアンス」の発起人として参加し、事業推進に協力しています。
チュウヒ(絶滅危惧ⅠB類)
わずかに残る繁殖地を開発から守るため、野鳥保護区の設置が急がれる(写真:岡田宇司)
この先の未来も「野鳥保護区」で生命のにぎわいを守り続けるため、
当会の自然保護活動に、ぜひご支援をお願いします。
みんな大好き! キツツキの秘密を探ろう

90年前の1934年、「日本野鳥の会」がうまれました。会報『野鳥』誌創刊号の表紙を飾ったのは、日本で一番小さなキツツキ「コゲラ」でした。当時の人々のハートもつかんだキツツキの秘密を、いっしょに探ってみませんか?
キツツキの本当の名前は?
その名の通り「木をつつく」ことで有名なキツツキ。でも「キツツキ」という名前の鳥はいません。キツツキは分類上の総称で、それぞれに名前があります。現在、日本で見られるのは、アオゲラ、ヤマゲラ、クマゲラ、アリスイ、オオアカゲラ、アカゲラ、ノグチゲラ、コゲラ、コアカゲラ、ミユビゲラの10種類。体が一番大きいのは、まっ黒×赤の配色が強烈なクマゲラ(全長45cm、カラス大)で、一番小さいのがコゲラ(全長15cm、スズメ大)です。

アオゲラ

クマゲラ

アリスイ(写真/PIXTA)

アカゲラ
なぜ「〇〇ゲラ」なの?キツツキは平安時代に「テラツツキ」と呼ばれていたのが、「ケラツツキ」に変化し、略されて、青ゲラ、赤ゲラ、小ゲラと呼ばれるようなったとか。「テラツツキ」の由来は諸説あり、木造の寺をつつくことからという俗説もあります。ちなみに、「ゲラ」がつかないアリスイは、漢字で「蟻吸」と書き、長い舌でアリを吸うように食べます。(出典:図説 日本鳥名由来辞典) |
身近なキツツキ「コゲラ」に会いにいこう
キツツキは山や森にいて出会いにくいイメージですが、じつはコゲラは、メジロやシジュウカラのように、私たちの身近にいます。
コゲラはどこにいる?
コゲラは、小笠原諸島や青ヶ島などの一部の離島をのぞき、日本各地に一年中います。昔は山にいましたが、1970年代に樹木の多い都市公園で増えはじめ、いまでは街路樹や庭木にも巣穴をつくります。好みの木は、枯れた部分があって、つつきやすい木です。キツツキの仲間は、木に穴をあけてカミキリムシの幼虫などを食べますが、地上で虫を食べていることも。コゲラは甘党のようで、春には、サクラの花の蜜を吸うかわいい姿も見られます。
このような木々のある公園で見ることができます(赤丸のところにコゲラがいました)
「ギィー」という鳴き声で探そう!
コゲラは、「ギィー」と戸がきしむような声で鳴きます。コゲラを探す手がかりになるので、この声を覚えてから探しに行くのがポイントです。
日本野鳥の会『おさんぽ鳥図鑑』で「ギィー」を聞けます
キツツキは森のドラマーキツツキが木をつつくのは、巣穴作りや採食のほかに、コミュニケーションのため。彼らが木をつついて出す太鼓のような音を「ドラミング」といいます。キツツキは他の小鳥のようにさえずる代わりに、ドラミングでプロポーズやなわばり宣言をします。小さなコゲラのドラミングは軽い音、大きなクマゲラのドラミングは重い音で、遠くまで響き渡ります。 |
木を自由に登る
出かけた先で「ギィー」と耳にしたら、声が聞こえてくる木を探してみてください。コゲラは、枯れた部分や、朽ちて折れた枝の先によくいます。もし、スズメほどの大きさの小鳥がすばやく幹や枝を登っていたら、きっとコゲラです!
くるくると自由自在(動画:掛下尚一郎)
キツツキの秘密をチェック!
コゲラを見つけたら、他の鳥と違うところをチェック! 例えば、キツツキは硬い羽軸のある尾羽を幹にピッタリつけて、両足と尾羽の3点で体を支えています。また、多くの鳥の足のゆびは前3本・後ろ1本のところ、キツツキは前2本・後ろ2本のX形で、樹皮をしっかりつかんでいます。ぜひ図鑑と実物を見比べてみてください。

(上下イラスト:木下千尋)
激しく木をつついても脳震盪を起こさない?![]() キツツキは、とても長い舌が頭骨をとりかこむように収納されています。以前は、こうした構造により木をつつく振動が和らげられ、脳が受けるダメージは少ないと考えられていました。最近は、脳が小さくコンパクトに頭骨に囲まれていることから、もともと脳震盪の心配はないのではないか、という考え方に変わってきています。 |
見られたら本当にラッキーな「赤い羽」![]() コゲラのオスは、頭の両側に赤い羽が隠れています。風が吹いて、とっても運が良ければ見られるかも……。 |
コゲラは都市緑地の生物多様性を高める
キツツキの古い巣穴は、自分では穴を作れない他の野鳥や、ムササビやモモンガなどの小動物たちに、住居として再利用されています。また、キツツキが樹木にとって害となる虫を食べることで、森林の健康が保たれます。キツツキがすんでいることで、森林の生物多様性は格段に高まるのです。

こうしたキツツキの重要性が注目され、近年、都市緑地を設計・管理する際にも、都市にすむコゲラを環境評価の指標種とする事例が増えてきました。私たちの身近な緑地を豊かにするコゲラを、ぜひ知ってください。
(イラスト:木下千尋)
(参考:会報『野鳥』2024年3・4月号「キツツキの秘密を探る!(文・上田恵介)」)
※バードメイト寄付について
バードメイトは、自然を守る活動に楽しく参加していただく寄付のしくみ。毎年、新しい野鳥のピンバッジを制作し、1000円以上の寄付のお礼にプレゼントしています。2024年度の創立90周年記念デザイン「コゲラ」は、3000円のご寄付の返礼品です。
皆さまのご寄付は、身近な野鳥たちの調査研究、野鳥と自然の大切さの普及啓発活動、タンチョウやシマフクロウなど絶滅危惧種の野鳥たちの保護活動など、自然を守るさまざまな活動の資金になります。

よみがえれ! 豊葦原(とよあしはら)の鷹「チュウヒ」
写真:岡田宇司
肉食の猛禽類(もうきんるい)※は、その地の食物連鎖の頂点にたつ「王者」。
しかし、人間による自然環境の改変には無力であり、狩りや子育ての場所を次々と奪われ、多くの種が絶滅の危機に追いやられています。
日本で子育てをする猛禽類では、山岳森林地帯にすむイヌワシ・クマタカの危機的状況が知られていますが、葦(あし)原(ヨシ原)をはじめ湿地や原野にすむチュウヒは、その存在も絶滅の危機にあることも、ほとんど知られていません。
日本野鳥の会による全国調査では、日本で子育てをするチュウヒの数は、いまやイヌワシ・クマタカよりも少ないことが明らかになっているのです。
※肉食で、鋭いくちばしと爪をもつ、タカ目、ハヤブサ目、フクロウ目の鳥類の総称
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チュウヒ<タカ目タカ科/絶滅危惧IB類(EN)> ![]() 写真:岡田宇司 翼をV字にして低く滑空し、地上の獲物を探す。やや平面的な顔は、フクロウ類のように集音効果が高い。春先にはらせん飛行や宙返り、空中でのエサの受け渡しなど多彩な求愛飛行をみせ、海外でチュウヒのなかまは「スカイダンサー」とも呼ばれる。 |
これ以上失えない、チュウヒが舞う湿地や原野
古来より「豊葦原の瑞穂の国」と呼ばれた日本――水辺に広がる豊かな葦原(ヨシ原)は、日本の原風景でした。その上を滑るように舞うチュウヒは、日本でただ1種、ヨシ原で繁殖する希少な猛禽類です。しかし、近年は減少が心配され、当会が実施した全国調査(2018~2020年)では、チュウヒの推定繁殖数は140つがいのみ。国内で繁殖するワシ・タカ類で最も数が少なく※1、絶滅の危機にあることが判明しました。

(大きな画像でみる)
その背景にあるのは、ヨシ原のような湿地の激減です。「不毛の地」と考えられていた湿地は、農地、宅地、工業用地にするため次々と埋め立てられ、この100年で全国的に6割も消失※2。チュウヒは、北海道に残った原野、埋立地に再生したヨシ原、農地開発をまぬがれたササ原など、わずかな場所をたよりに繁殖していました。ところが、この場所さえも、太陽光発電や風力発電の施設建設のため、奪われています。
写真:岡本勇太
湿地や原野は、水質浄化や炭素固定など人にも有用な機能を持ち、野鳥をはじめ多くの生きものたちが息づく生物多様性の宝庫です。この環境の食物連鎖の頂点にいるチュウヒは「アンブレラ種」といわれ、チュウヒを守ることは、アンブレラ=傘を広げた下にいる無数の動植物と、それらを育む広大な湿地や原野を守ることにつながります。
当会は、これまで取り組んできたチュウヒの保護活動を加速させ、まずは北海道に残された重要な繁殖地の保全を推し進め、チュウヒがくらす湿地や原野と、その生物多様性がこれ以上失われないよう尽力していきます。湿地や原野にチュウヒが舞う、日本の原風景を未来に伝えるために、どうかご支援ください。
※1:亜種のぞく。イヌワシは推定150~200つがい、クマタカは推定約900つがい(レッドデータブック2014環境省編)
※2:国土地理院「湖沼湿原調査」(2000)
チュウヒが舞う湿地や原野を未来に伝えるために、
ご支援をお願いします

ご寄付のお礼に特製シルバーブローチをプレゼント中!
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※ブローチをご希望の方は、「プレゼントグッズ付き寄付」をお選びください。
当会の取り組み
1.今ある繁殖地を守る!~サロベツ原野の保全をめざして~
2016年の当会調査で、北海道・サロベツ原野がチュウヒの日本一の繁殖地だと判明してから、地元の認定NPO法人サロベツ・エコ・ネットワークと保護活動を進めてきました。
2018年からは、地域の協力を得るため住民向け勉強会や報告会を開催し、2020年からは、行政機関と繁殖状況を共有して開発行為を未然に防ぎ、繁殖成功率を向上させています。
今後はより強力な保全策として、当会独自のチュウヒのための野鳥保護区の設置も視野に入れて、地域の方々と、チュウヒが舞うサロベツ原野を守る活動を続けていきます。
第4回チュウヒ報告会(2021年、豊富(とよとみ)町)では当会理事長も登壇
2.繁殖に適した環境を増やす!~海外の先進事例に学ぶ~
北海道・勇払(ゆうふつ)原野には、チュウヒの繁殖に適したヨシ原が残り、毎年10~15つがいが巣作りしています。当会は、直営サンクチュアリを拠点に保全活動に取り組み、2014年に、このヨシ原を含む950haが工業の誘致対象から外れ※、保全に向けた大きな一歩となりました。
イギリスでは、世界的な鳥類保護団体RSPBが、ミンズミア地方の湿地を野鳥保護区にして、ヨーロッパチュウヒを、ミンズミアの1つがいから全英300つがいにまで回復させました。この事例に学び、環境改善による繁殖適地の拡大をめざしていきます。
※2014年に安平(あびら)川下流域を「河道内(かどうない)調整地」(遊水地)とする整備計画が正式決定された
RSPB Minsmere Nature Reserve(Suffolk, UK)
チュウヒが育つと、小鳥たちも育つ!
近年の研究で、チュウヒの繁殖成功率が高い湿地では、他の小鳥たちの繁殖成功率も高いことが報告されました※。チュウヒを守ることは、同じく湿地や原野で繁殖し、現在数が減りつつあるウズラ、アカモズ、シマクイナ、オオヨシゴイ、マキノセンニュウなど多くの野鳥を守る助けにもなると考え、当会や当会支部などの民間が国に働きかけました。その結果、2017年にチュウヒは国内希少野生動植物種に指定され、法的な保護の対象となりました。
※:Senzaki et al. 2015

シマクイナ(絶滅危惧ⅠB類)/写真:宮彰男

アカモズ(絶滅危惧ⅠB類)

マキノセンニュウ(準絶滅危惧)
チュウヒが舞う湿地や原野が、これ以上失われないように。
当会の自然保護活動に、ぜひご支援をお願いします。
ツバメと生きものたちのにぎわいを、未来に伝えるために
(写真:佐藤信敏)
2000km以上の旅をして日本に訪れるツバメ。子育てには緑地や水辺などの環境がかかせない。
ツバメは古くから、人間の暮らしのそばで子育てをしてきました。建物に巣をかけ人の気配を利用することで、天敵が巣に近づけないようにしてきたのです。私たち人間も、軒先のツバメの巣を縁起物として受け入れてきました。ツバメが飛び交う風景は、人が自然と共にある日本の原風景です。ところが、十数年前から、身近な野鳥であるツバメが減ってきているという声が聞こえるようになりました。
日本野鳥の会は、ツバメの現状を明らかにするために2013年からの10年間に、市民参加型の「ツバメの子育て状況調査」を実施してきました。調査結果からは、ツバメと身近な生きものたちに迫る危機が見えてきました。
身近な生きものたちのにぎわいが失われつつあります
「ツバメの子育て状況調査」には、10年間でのべ6,443人から12,351巣もの観察情報が集まりました。このデータを分析すると「過疎化や人口減少の影響で、ツバメの営巣が減っている可能性がある」、「都市では多くのヒナを育てられない(図1)」、さらに「ツバメの子育て失敗要因のうち、人間による巣の撤去が1割を超える(図2)」ことがわかりました。
都市化するとツバメのヒナの数が減る

(大きな画像で見る)
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市街地のヒナの巣立ち数は、平均して3.86羽と4羽を下回り、都市の郊外と比較をすると約0.4羽分少なくなっています。巣立ちヒナ数が4羽を下回ると将来的にツバメの生息数が減少していくという試算があります※1。10年間少子化傾向に変化はなく、都市のツバメにとっては、苦しい状況が続いています。 |
共生していたはずの人間がツバメの脅威のひとつに

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子育ての失敗では、天敵に襲われ失敗した割合が35.6%と最も高く、糞が汚いなどの理由から人間が巣を落としたケースは11.5%を占めました。天敵を避けるために人の暮らしの中で命をつないできたツバメですが、人そのものが脅威となりつつあります。 |
ツバメが多くのヒナを育てられないのは、エサとなる虫がたくさんいる豊かな自然が都市部から減ってしまっていることを示し、人間が巣を撤去してしまうのは、自然や命とのふれあいが減り、生きものを受け入れる文化が廃れてきたからかもしれません。
人の近くで生きるツバメのような身近な野鳥は、人間活動の影響を受けやすく、別の調査ではスズメやコサギなど他の身近な野鳥の減少も報告されています※2。今、身近な生きものたちのにぎわいーー生物多様性が失われつつあるのです。
(写真:佐藤信敏)
巣立ったヒナにトンボを与える親ツバメ。多様な生きものたちのにぎわいが、ツバメの子育てを支えている
身近な野鳥たちを守るためには、彼らを支える植物、昆虫、動物など身近な生物多様性をまとめて保全する必要があります。しかし、保全の指標となる全国的な野鳥の生息情報は、圧倒的に不足しています。また、ツバメや身近な生きものと共存する心を育んでいくことも重要です。
当会は、市民参加型の野鳥観察記録データベース『eBird Japan』を活用し、日本のすべての野鳥を全国的に網羅したビッグデータを集め、身近な生物多様性の保全やネイチャーポジティブ※3に貢献するとともに、ツバメの子育てを見守る文化を絶やさぬ普及活動も続けていきます。
100年先にもツバメたちが私たちのそばにいる―――野鳥と共存する未来をめざす活動を、どうかご支援ください。
※1.野鳥 2016年7月号「日本のツバメのいま」
※2.全国鳥類繁殖分布調査報告 日本の鳥の今を描こう2016‐2021(2021)
※3.ネイチャーポジティブとは、生物多様性の損失をとめて回復軌道に乗せることを意味する。2022年12月のモントリオール開催の生物多様性条約第15回締約国会議で世界目標となった。
ツバメの子育て状況調査
ツバメの子育ての様子を観察し、巣立ち数や失敗の原因などをインターネット上の専用サイトで広く情報を集めて、現状を詳しく知るための調査。昨年度末にeBird Japanに役割を引き継ぐ形で調査を終了しました。これまでのご協力ありがとうございました。
ツバメと生きものたちのにぎわいを、未来に伝えるためにご支援をお願いします

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当会の取り組み
1.ツバメとの関係をつむぎなおす取り組み
ツバメと人の良好な関係を広く普及するため、2019年度からツバメの子育てを温かく見守っている団体に感謝状を贈呈しています。また、ツバメの観察方法や見どころを紹介するパンフレット『ようこそツバメ』の無料配布や、ツバメの生態を知ってもらうために集団ねぐらの観察会なども行っています。

感謝状贈呈の様子

(左)ようこそツバメ(右)ツバメのねぐらマップ
2.野鳥観察記録データベース「eBird」の活用
「eBird」はアメリカのコーネル大学鳥類学研究室が運営する世界的な市民参加型の野鳥観察記録データベースです。当会は、2021年に同研究室と協働で、日本語版「eBird Japan」を開設しました。eBirdには世界規模で年間1億件以上の野鳥目撃情報が登録されており、さまざまな鳥類保護や調査研究活動に活用されています。

「eBird Japan」のトップページ
身近な生物多様性を守り、ネイチャーポジティブの達成に一歩でも近づくために。
当会の自然保護活動に、ぜひご支援をお願いします。

(写真:佐藤信敏)
水田を飛翔するツバメは、日本の原風景の一つ

ツバメの知られざる生態を学ぶ「ねぐら観察会」の様子















