ツバメをまもろう

ツバメをまもろう

ツバメをまもろう

ツバメは、私たちにとってもっとも身近な野鳥であり、古くから私たちの暮らしと密接に関わりあっています。

近年、ツバメは減少傾向にあり、その原因としては、私たちの身近な自然環境の変化や、巣を作る場所の減少などが考えられます。また、ツバメの巣が人の手で壊されてしまうなど、人とツバメとの関係も変わってきています。

ツバメをまもるために、私たちにできることは何でしょうか。

ひとつは、ツバメのエサになる虫がいるような、田んぼや水辺環境を大事にすることです。また、ツバメの子育てを見守る人を増やすことも大切です。

ここでは、ツバメと共存するために、「フン対策」や「カラス被害をなくす対策」など、ツバメの子育ての時期に多く寄せられるご質問をQ&Aでご紹介します。

Q&A ツバメの巣からフンが落ちて困るのですがどうしたら良いですか?

ツバメの巣を人が壊す主な理由は、「フンが汚い」です。店舗や車庫など、フンが落ちると困る場所もあるでしょう。しかしフンが落ちるのは、子育て期間中の2週間程度です。フンを防ぎたい場合は、フン受けを設置してあげてください。

落ちてくるフンを手軽に処理するためのアイデア

  1. 地面に段ボール箱を置いておき、新聞紙を中敷きにする。時々取り替えれば、清潔に保てる。
  2. 巣の直下にフン受けを設置する場合も、段ボールなどを粘着テープで固定する。大きくて頑丈なものにすると、天敵のカラスが足場として利用してしまうので注意。フン受けは、巣から50cm以上離すとよい。
〈使うもの〉
・浅めのダンボール
・強力な粘着力のあるテープ

落ちてくるツバメのフンを手軽に処理するためのアイデア

(イラスト/向田智也)

フン受けの設置のタイミング

親鳥の警戒心が強い巣作り中や抱卵中はやめましょう。フン受けはヒナが孵化してから置くか、巣台を設置するときにあわせて作りましょう。

*未来工業株式会社(当会法人会員)では、ツバメの子育てを多くの方に見守っていただけるよう、フン受け「スワローサポート」を制作し、販売しています。詳細は以下をご覧ください。

「スワローサポート」未来工業

Q&A カラスにおそわれないようにするには?

ツバメの子育て期間中にもっとも多い問い合わせが、「ヒナ(卵・親鳥)がカラスにおそわれたけれど、どうすればいい?」というものです。

ツバメの天敵はカラスであり、ツバメがおそわれるのは自然の摂理です。しかし、カラスによる被害が増えた背景には、人間が出したゴミなどでカラスの数が増加したことや、昔は土間の奥や玄関の中で子育てができたのに、今ではカラスに狙われやすい場所に巣をつくらざるを得なくなってしまったツバメの子育て環境の変化が考えられます。

カラスの襲撃を防ぐためには、巣の下にツバメが通過できる程の隙間を空けてヒモを張ったり、場合によってはネットを張ったりすると、カラス除けとして効果があります。

ツバメの現状

カラスに壊された巣

ツバメの現状

カラスは下から巣を蹴り落とすため、カラスが下から狙えないように、巣の下に板を設置するなど、カラスの行動の妨げとなる仕組みを作る
(イラスト/向田智也)

ツバメの現状

巣の下に、ネットや糸などの障害物を張るのも有効。体の大きなカラスが侵入できず、ツバメは出入りできる程度のスペースを空ける

カラス除けの設置のタイミング

巣作り中の設置はやめましょう。抱卵が始まったら、カラス除けを設置します。ヒナが成長して羽ばたきの練習を始めるころに設置すると、ヒナがおどろいて巣から飛び出してしまうことがあるので注意してください。

ツバメは法律で守られています

フンが汚いなどの理由で、ツバメの巣を壊してしまいたいと考えている方もいるでしょう。しかし、日本には、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(略称:鳥獣保護管理法)があります。これによって、ツバメなどの野鳥は守られており、都道府県知事の許可がなければ、卵やヒナがいる巣を壊すことは違法になります。これに違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

もし、卵やヒナのいる巣を壊そうとしている人を見かけた場合は、お住まいの都道府県庁の鳥獣保護関連等の部署にご相談ください。

鳥インフルエンザ(ツバメを怖がる必要はありません)

今年も各地で鳥インフルエンザの確認事例が報道されています。「身近な場所に渡ってくるツバメが、鳥インフルエンザウイルスを運んでくるのでは」、と不安に思われている方もいらっしゃるようです。

しかし、鳥インフルエンザがツバメから人にうつることはありません。小さな体で海を越え数千kmも旅をして、日本で子育てをするツバメたちを、どうか温かく見守ってあげてください。

鳥インフルエンザウイルスは、フンなどで体外に出された場合、他の鳥に感染しなければ速やかに感染性を失います。また日光(紫外線)や高温に弱いことも知られています。

もし渡ってきた時にツバメがウイルスを持っていたとしても、他の鳥に伝染する機会がないまま、体の中に抗体ができて、ウイルスも消滅していくと考えられます。

またツバメが日本に到着してから、卵を産むまでに、通常1ヶ月以上はかかります。仮にウイルスを持っていたとしても、ウイルスがヒナにうつることはありません。

ツバメは、ヒナが大きくなると巣の下にフンを落とすようになりますが、気になる方は、巣の下にフンを受けるもの(古新聞などで十分です)を置いて、ときどき取り替えたり、掃除をして、清潔にしておくとよいでしょう。

調査報告

ツバメの現状(ツバメは減少している?)

小冊子『あなたもツバメ子育て応援団(改訂版)』

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