高病原性鳥インフルエンザの発生状況(2021年2月12日現在)

引き続きH5N8亜型の高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されています。2月12日現在、養鶏場では17県で合計47例(70以上の農場)、野鳥では12道県で合計46例が確認されています。

野鳥の春の渡りが始まっています。これから野鳥の移動が多くなりますので、引き続き警戒が必要です。

バードウォッチングでの注意点や野鳥の死体を発見した場合等についは、こちらをご覧ください。

1.野鳥での確認状況

表 H5N8亜型ウイルスが見つかった種(死亡及び衰弱個体)
No. 回収された日 回収場所
1 オシドリ 2020/12/3 和歌山県 和歌山市
2 2020/12/22 鹿児島県 出水市
3 ハヤブサ 2020/12/4 岡山県 小田郡矢掛町
4 2021/1/18 北海道 帯広市
5 ノスリ 2020/12/8 香川県 三豊市
6 2021/2/1 鹿児島県 薩摩郡さつま町
7 ナベヅル 2020/12/18 鹿児島県 出水市
8 2021/1/19 鹿児島県 出水市
9 2021/2/3 鹿児島県 出水市
10 2021/2/5 鹿児島県 出水市
11 2021/2/5 鹿児島県 出水市(上記と同一地点)
12 オオタカ 2020/12/20 奈良県 吉野郡大淀町
13 フクロウ 2020/12/23 埼玉県 比企郡ときがわ町
14 オナガガモ 2021/1/6 宮崎県 延岡市
15 マガモ 2021/1/16 鹿児島県 薩摩川市内
16 2021/1/24 宮崎県 西諸県郡高原町
17 2021/1/24 宮崎県 西諸県郡高原町(上記と同一地点)
18 2021/1/29 徳島県 美馬郡つるぎ町
19 オジロワシ 2021/1/27 北海道 旭川市
20 オオハクチョウ 2021/1/30 福島県 郡山市
21 マナヅル 2021/2/5 鹿児島県 出水市
合計 11種21例

この他、糞便や環境水からもH5N8亜型ウイルスが合計25例確認されており、今季は国内に存在するウイルス量が多いと考えられます。
詳細については、環境省HPをご覧ください。

2.家きんでの発生状況
農水省HPをご覧ください。

3.国内の野鳥サーベイランスの対応レベル
環境省では、国内複数地域での確認があったことから野鳥サーベイランスの対応レベルを「レベル3」に引き上げています。
各レベルでの死体等の検査基準については「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル簡易版」をご覧ください。

人と動物、生態系の健康はひとつ~ワンヘルス共同宣言

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)により、人類は歴史的な危機に陥っています。近年、COVID-19を含む新興感染症の発生が増加する傾向にあり、これらの約7割が人獣共通感染症(人と動物の共通感染症)であると考えられています。このような感染症発生の背景には、人類が自然環境におよぼしてきた負の影響、すなわち地球規模の異常気象、大規模な森林の破壊、土地利用の転換や農業・畜産業の拡大、さらに野生動物の商取引・消費といった問題があると指摘されています。人に感染しうるウイルスは最大で82万7000種類あると推測されるなか、予防的対策にかかるコストはパンデミックによって被る被害額の100分の1と推計されており、今こそ予防的アプローチによる、人と自然が共に生きられる社会の実現が急務となっています。

私たち、人と動物の医療や公衆衛生、環境保全に携わる機関・団体は、日本、そして世界での新興・再興感染症の発生予防、パンデミック防止に向け、「人」「動物」「生態系」の健康をひとつと考えるワンヘルス(One Health)の理念のもと、それぞれの力を集結、連携し、さらに政府との対話を通じて、下記に取り組んでいくことを誓います。

生態系の健康を守ります

  • 地球規模での人間活動の拡大が、森林伐採などの自然破壊を引き起こし、新興感染症の発生要因となっている現状を認識し、環境問題の危機を訴えていきます。
  • 新興感染症の発生や新たなパンデミックを防ぐために、生態系を構成する健全な生きもののつながりに配慮し、これまでの過度の自然環境への立ち入りや過剰な利用を含む野生動物との関わり方を見直していきます。
  • 地球上の生態系が、人と動物の生命を支えていることを忘れず、その保全と回復に取り組み、そのための行動を社会に呼びかけます。

動物の健康を守ります

  • 私たちが接触する動物には、ペット(コンパニオンアニマル)や家畜だけでなく、暮らしの中で意識することは少ない多くの種類の野生動物も含まれていることを強く認識します。
  • 人と動物の間で感染症が伝播することを認識し、動物たちとの距離感を見つめ直し、適切な関わり方を考えていきます。また、感染症リスクの高い野生動物の利用や取引を削減していきます。
  • そのために私たちは、病原体の保有リスクを含めた野生動物の生態への理解向上や、家畜や野生動物の健全性のモニタリング、ペットや家畜の感染症対策、飼育動物の福祉向上を進めます。

人の健康を守ります

  • 健全な生態系の確保は、人の身体的・精神的な健康と豊かさにつながることを強く認識し、より多くの人に訴えていきます。公衆衛生に深刻な脅威をもたらす気候変動、森林破壊、水質汚染といった環境問題を、国際、地域、様々なレベルでの協力・連携のもと解決し、心身両面の健康に貢献することを目指します。
  • 生態系の保全、生物多様性の確保、飼育動物との適切な関係の構築を通じて、人獣共通感染症(人と動物の共通感染症)、薬剤耐性菌の蔓延、食品汚染などによる健康被害を防止し、公衆衛生の向上に貢献します。
  • ワンヘルスの考え方や諸活動について、幅広い世代の市民に啓発し、ポストコロナのライフスタイルを創生し、人と自然が共に生きる社会の実現を目指します。

生態系の健康、そして動物の健康を守ることが、人の健康を守ることでもある、という事実を認識し、これら3つの健康をひとつの健康と捉え、守っていきます。

2021年1月15日

呼びかけ団体名(12団体 五十音順):
国際自然保護連合日本委員会、(公財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)、(公社)東京都医師会、(公社)東京都獣医師会、(公社)日本医師会、(公財)日本自然保護協会、(公社)日本獣医師会、(公財)日本野鳥の会、日本ワンヘルスサイエンス学会、人と動物の共通感染症研究会、認定NPO法人 野生生物保全論研究会、(一社)リアル・コンサベーション

高病原性鳥インフルエンザの発生状況(2021年1月12日現在)

引き続き国内では、H5N8亜型の高病原性鳥インフルエンザの発生が多数確認されています。1月12日現在、養鶏場では14県で合計35例、野鳥では10道県で合計27例が確認されています。

農研機構の発表(※)によると、今季初めて養鶏場で確認されたウイルスの解析を行い、野鳥の糞便から見つかったウイルスとも比較した結果、昨冬にヨーロッパで流⾏したH5N8亜型のウイルスが、今シーズンの秋に渡り⿃と共に⼤陸を渡って⽇本に侵⼊し、養鶏場での発生を引き起こしたと考えられると結論付けられています。その後、別の系統のウイルスも確認されたという報道もあり、国内に複数の系統のウイルスが存在していることが分かっています。

バードウォッチングでの注意点や日頃の対策については、こちらをご覧ください。

1.野鳥での確認状況

表 H5N8亜型ウイルスが見つかった種(死亡及び衰弱個体)
No. 回収された日 回収場所
1 オシドリ 2020/12/3 和歌山県 和歌山市
2 2020/12/22 鹿児島県 出水市
3 ハヤブサ 2020/12/4 岡山県 小田郡矢掛町
4 ノスリ 2020/12/8 香川県 三豊市
5 ナベヅル 2020/12/18 鹿児島県 出水市
6 オオタカ 2020/12/20 奈良県 吉野郡大淀町
7 フクロウ 2020/12/23 埼玉県 比企郡ときがわ町
合計 6種7例

この他、全国で糞便や環境水からもH5N8亜型ウイルスが合計19例確認されており、今季は国内に存在するウイルス量が多いと考えられます。
詳細については、環境省HPをご覧ください。

2.家きんでの発生状況
農水省HPをご覧ください。

3.国内の野鳥サーベイランスの対応レベル
環境省では、国内複数地域での確認があったことから野鳥サーベイランスの対応レベルを「レベル3」に引き上げています。
各レベルでの、死体等の検査基準については「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル簡易版(PDF)」を御覧ください。

※農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)HP プレスリリース
(研究成果)大陸を渡ったH5N8亜型 高病原性鳥インフルエンザウイルス

セミナー「見直そう、使い捨て。プラスチックに頼らない持続可能な社会づくり」のご案内

本セミナーは終了しました。録画を公開しましたので、ご覧ください。
セミナー(録画)の視聴はこちら

私たちの日常生活の、あらゆる場面で消費される、大量のプラスチック。こうしたプラスチックが海洋に流出し、海鳥をはじめ野生生物に深刻な影響を与えています。

海洋プラスチックごみの問題を解決するには、大量生産・大量消費社会を見直し、プラスチックに頼りすぎない持続可能な社会をめざすことが必要です。

そのためにはどのような仕組みが必要か、大阪商業大学公共学部准教授・特定非営利活動法人プロジェクト保津川代表理事の原田禎夫氏を講師にお招きし、国内外の事例とともにお話しいただきます。

セミナー「見直そう、使い捨て。プラスチックに頼らない持続可能な社会づくり」


イラスト:片岡海里
講師:
原田禎夫氏 (大阪商業大学准教授)
日時:
2021年3月12日(金)18:00~19:10
開催方法:
オンライン会議システム「Zoom」を使用
参加費:
無料
定員:
100名(先着順)
申込:
こちらから事前申込をお願いします。
お申込みいただいた方に、URL等の詳細をメールにてお知らせします。

お申込みはこちら

主催:
(公財)日本野鳥の会

講師プロフィール

講師:原田禎夫

原田禎夫(はらだ さだお)
大阪商業大学公共学部 准教授
特定非営利活動法人プロジェクト保津川代表理事

1975年京都府亀岡市生まれ。現在、大阪商業大学公共学部准教授。近年深刻な問題となっている海や川のプラスチック汚染について、内陸部からのごみの発生抑制の観点から取り組むとともに、京都・保津川をフィールドに筏流しの復活や天然鮎の復活、内水面漁業の振興など川の文化の再生と伝承に取り組んでいる。

委員等
関西広域連合琵琶湖・淀川流域対策に係る研究会海ごみ発生源対策部会座長、大阪府環境審議会委員、亀岡市総合計画審議会委員、亀岡市上下水道経営審議会会長、亀岡市文化資料館協議会委員、平成24年度国土交通省河川ゴミの状況把握・発生抑制に関するワーキングメンバー、平成29年度環境省漂着ごみ対策総合検討業務学習用教材・都道府県担当者向け事例集の関するワーキンググループ検討委員、など多数

【問い合わせ】
(公財)日本野鳥の会 自然保護室
電話:03-5436-2633 E-mail:[email protected]
住所:〒141‐0031 東京都品川区西五反田3‐9‐23 丸和ビル

小林野鳥保護区シマフクロウ日高第2(こばやしやちょうほごくシマフクロウひだかだいに)

シマフクロウ保護のための野鳥保護区
北海道根室地域 55.4ヘクタール

日高管内のこの森林には、2017年に1つがいのシマフクロウの生息が確認されました。この生息地は、日高地域におけるシマフクロウの新たな分散地にあたり、今後の繁殖が期待される重要な森林です。今回購入した民有林は法的な保護がされておらず、近隣の開発計画にも晒され、シマフクロウの生息が危ぶまれていました。

そこで当会では、当会会員であった故・小林弘明氏からのご遺贈をもとに、立木を含む土地55.4ヘクタール(553,829㎡)を購入し、野鳥保護区を設置して保全することにしました。これにより、当森林で繁殖するシマフクロウの生息地保全が一歩前進します。

注)土地の所在等は希少種保護の観点から非公表とさせていただきます。

小林野鳥保護区シマフクロウ日高第2

小林野鳥保護区シマフクロウ日高第1(こばやしやちょうほごくシマフクロウひだかだいいち)

シマフクロウ保護のための野鳥保護区
北海道根室地域 1.7ヘクタール

日高管内に広がるこの森林には、1998年から1つがいのシマフクロウの生息が確認されています。カツラやミズナラ等の巨木が林立する豊かな河畔林が残されていますが、その大部分が民有林のため、森林伐採をはじめとする開発の恐れがある地域でもありました。

そこで当会では、2007年から民有林を購入し、野鳥保護区の設置を開始しましたが、依然として周辺森林には開発の恐れがありました。そのため、故・小林弘明氏からのご遺贈をもとに、隣接する土地1.7ヘクタール(17,111㎡)を追加購入しました。これにより、当森林で繁殖するシマフクロウの生息中心域の140.6ヘクタールを一体として保全することができます。

注)土地の所在等は希少種保護の観点から非公表とさせていただきます。

小林野鳥保護区シマフクロウ日高第1

「令和2年ナベヅル・マナヅルの全国飛来状況調査」を実施します

ナベヅル・マナヅルは、越冬地の減少や鹿児島県出水市での一極集中化が問題になっているため、住民や保護団体による越冬地の保全活動や、今冬からは環境省による出水市の東干拓(国指定鳥獣保護区)での給餌量の削減が試行されています。

当会では、毎年、これらのツル類の分布状況や越冬地の現状を把握するため、環境省の請負業務で全国調査(出水地域を除く)を実施しています。
この冬、ツル類を目撃した場合は、情報をお寄せいただけると幸いです。どうぞよろしくお願いします。

詳細は以下をご覧ください。

ナベヅル・マナヅルの目撃情報募集中!

■調査方法

調査用紙に必要事項をご入力いただき、送付先(調査用紙に記載)までメール等でご送付ください。確認日、確認場所、ツルの種類、個体数は必須項目です。アオサギやカワウ等と見間違えることがあるので、できれば写真もご添付ください(ツル類は警戒心が強いので、ツルから300m程度の距離を保ち、無理に撮影はしないでください)。

調査用紙をダウンロードする(EXCEL 16.9KB)

※保全上、非公開にすべき情報につきましては、報告書に掲載しないなど、取扱に配慮致しますので、ご相談ください。
※ナベヅル、マナヅル以外のツル類(クロヅル、カナダヅル、ソデグロヅル等)の情報もあれば、お待ちしています。

■対象期間

2020年10月1日~2021年2月20日

■対象エリア

鹿児島県出水市以外の全国

■締切

2021年2月20日(土)
※期日以降も情報がございましたら、お知らせください。

■その他

・調査結果は、環境省の報告書(2021年3月末 発行予定)およびツル保全に関する事業に活用させていただきます。
・個人情報については本調査のみで用い、公開することはありません。

(参考)
令和元年度ナベヅル・マナヅルの全国飛来状況調査 ご協力のお礼
ナベヅル・マナヅルってどんな鳥?
ナベヅル・マナヅルの現状

2020年10月31日(土)「チュウヒ報告会2020-チュウヒの里サロベツを目指して」を開催しました 於:北海道豊富町

2020年10月31日(土)に北海道・豊富町で「チュウヒ報告会2020-チュウヒの里サロベツを目指して」を開催しました。

報告会には4名の講師を招き、北海道大学の先崎理之さんからは、北海道・苫小牧市の勇払原野で繁殖するチュウヒの生息環境や人工物の存在が繁殖に与える影響について、エデュエンス・フィールド・プロダクトの米川洋さんからは、チュウヒがオジロワシやアライグマなどに捕食圧を受けている事例について、サロベツ・エコ・ネットワークの長谷部真さんからはサロベツ原野におけるチュウヒの繁殖状況について講演いただき、当会からはチュウヒの国内推定繁殖つがい数や風力発電による影響について講演しました。そして、講演後はチュウヒが繁殖に失敗する原因、農業開発による影響、農業活動が希少鳥類の保全に役立っている事例、地域や産業とチュウヒの共存について議論しました。

豊富町で行なうチュウヒ報告会の参加者は年々増えており、今回は70名の参加者を迎えることができました。特に今回は周辺市町村からの参加者がこれまでになく多く、じょじょにチュウヒがサロベツ原野で多く繁殖できていることの重要性などを地域住民の方たちにも知っていただけるようになったのだと思います。

チュウヒ報告会2020-チュウヒの里、サロベツを目指して

日時:
2020年10月31日(土)14:00~16:30
場所:
豊富町民センター(大ホール)
共催:
(公財)日本野鳥の会、環境省北海道地方環境事務所、NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク
後援:
豊富町
協力:
日本野鳥の会道北支部
講演内容:
  1. 勇払原野における過去10年のチュウヒの繁殖状況と保全上の課題
    先崎理之(北海道⼤学地球環境科学院)
  2. チュウヒの繁殖阻害となっている野生動物について
    米川 洋(エデュエンス・フィールド・プロダクション)
  3. チュウヒの推定つがい数と風力発電の影響
    浦 達也(公益財団法人 日本野鳥の会)
  4. サロベツ周辺のチュウヒの繁殖状況と地域との共存
    長谷部 真(サロベツ・エコ・ネットワーク)
  5. 対談:チュウヒと産業の共存に向けて
    コーディネーター…浦 達也(日本野鳥の会)
    パネラー…先崎、米川、長谷部

2019年10月26日(土)「チュウヒ報告会-草原のタカ、チュウヒの生態と保全」を開催しました 於:北海道豊富町

2019年10月26日(土)に北海道・豊富町で「チュウヒ報告会-草原のタカ、チュウヒの生態と保全」を開催しました。勉強会には近隣市町村の住民を中心に60名以上の方が参加され、北海道北部における、近年のチュウヒ保護への関心の高まりをあらためて知ることになりました。

当会からは、本州におけるチュウヒの繁殖状況や、勇払原野とサロベツ原野の繁殖環境の違い、風力発電施設への衝突の可能性、英国のチュウヒの具体的な保全策などを紹介しました。そのほか、3名の講師から北海道全域の繁殖状況や、開発事業者にチュウヒの繁殖に配慮をしてもらうための活動等について報告があり、最後は、「チュウヒと産業との共存にむけて」のテーマで4名の講師による対談を行ないました。

チュウヒ報告会2019-草原のタカ、チュウヒの生態と保全

日時:
2019年10月26日(土)14:00~16:30
場所:
豊富町定住支援センター ふらっと★きた
共催:
(公財)日本野鳥の会、環境省北海道地方環境事務所、NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク
後援:
豊富町
協力:
日本野鳥の会道北支部
講演内容:
  1. 北海道におけるチュウヒの繁殖分布と調査手法
    米川 洋(エデュエンス・フィールド・プロダクション)
  2. 近年の道央におけるチュウヒの繁殖状況
    先崎啓究(道央鳥類調査グループ)
  3. チュウヒの本州以南の繁殖状況とサロベツにおける繁殖環境と行動
    浦 達也(公益財団法人 日本野鳥の会)
  4. サロベツ周辺のチュウヒの繁殖状況と情報共有の試み
    長谷部 真(サロベツ・エコ・ネットワーク)
  5. 対談:チュウヒと産業の共存に向けて
    コーディネーター…有山義昭(環境省)
    パネラー…米川、先崎、浦、長谷部

アカコッコの個体数調査

アカコッコの個体数調査

アカコッコの現状や保護活動の効果を評価するために、活動の拠点となっている三宅島全域でアカコッコの個体数調査を行なっています。

2000年の三宅島の山頂噴火の際には、アカコッコの生息地である森林が大きな被害を受けました。噴火前からイタチによる捕食などで個体数を大きく減らしていたアカコッコは、それによりさらに個体数を減らしてしまったと考えられました。

そこで、帰島後に三宅島全島で個体数を調べる活動を始めました。全部で25コースの調査を数日の間に当会の職員だけで行なうのは難しいこと、島民にとってアカコッコはとても愛着がある鳥であることなどから、当会職員と島のみなさんとが協力して調査を行なっています。

また、調査になれていない島民の方には、三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館のレンジャーが事前に調査の練習をする機会を設けるなど、調査の協力者を増やす取り組みもしています。

方 法

アカコッコのさえずっている個体を数えます。繁殖期の最もさえずりが盛んな時期に、日の出前の30分以内に調査を行ないます。数える範囲は長さ1kmのコースの左右25m以内です。同じ個体を重複して数えないように気をつけて、調査用紙に記録します。記録された個体数と調査コースの環境、島全体の各環境の面積から島の個体数の推定値を求めます。

三宅島の調査コース

三宅島の調査コース(全25コース)

結 果

2009年の調査では、アカコッコが56羽記録され、推定個体数は約4,400羽となりました。その7年後の2016年の調査では、アカコッコの記録個体数が1.6倍に増えるなど、個体数に回復の兆しが見られました。しかし、2019年の調査では、記録個体数が83羽と伸びず、推定個体数も約7,600羽と横ばいの結果となりました。アカコッコの個体数が伸び悩んでいる原因として、噴火後に少し減少したといわれていたイタチの個体数も回復してきていることが考えられます。他に原因がないかも探りながら活動を進めていきたいと考えています。

表.調査で記録されたアカコッコの個体数

表.調査で記録されたアカコッコの個体数

図.三宅島のアカコッコの推定個体数の変化

図.三宅島のアカコッコの推定個体数の変化

※本事業は、手島基金と多くの方からのご寄付を基に活動させていただいています。