ウェビナー・風力発電と鳥類における累積影響評価

本ウェビナーは、終了いたしました。
今のところ録画配信の予定はございません。何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。

広い畑の中に8基の風力発電施設が並ぶ風景

講演要旨

再生可能エネルギーは世界的に成長を続けており、風力発電施設の数も増加する傾向にあります。風力発電の開発は、エネルギーの安定供給と二酸化炭素排出量の削減を実現する一方で、鳥類においてはバードストライクによる死亡、生息地放棄、障壁影響などによって鳥類の個体群に影響を与える可能性があります。

風力発電施設の増加に伴い、複数の施設の存在が鳥類の個体群に与える累積的な影響を評価する必要性が広く認識されていますが、その実行は困難な場合が多いのが現実です。風力発電施設が鳥類に与える累積的な影響を評価するには、様々なアプローチがあります。

本講演では、累積的影響の意味と解釈を探り、これまでに累積的影響の評価に用いられてきた様々な手法について議論し、これらの影響を評価しようとした際に英国で直面したいくつかの課題と、得られた教訓を紹介します。

開催概要

講師

Elizabeth Masden博士(Highlands & Island大学、スコットランド)

日時

2021年9月8日(水)18:00~19:30(終了予定)(入室17:40~)

開催方法

オンライン会議システム「Zoom」と同時通訳アプリ「interprefy」を使用。
講演(zoom)は英語で行われますが、interprefyから日本語通訳を聞くことができます。
※参加者には別途「Zoom」入室アドレスと、「interprefy」のダウンロードアドレス等を合わせてお知らせします。

参加費

無料

定員

200名(先着順)

申込

こちらから事前申し込みをお願いします。
お申込み後に、自動返信メールが届きます。しばらくしても届かない方は、お問い合わせください。

お申し込みはこちら

主催

(公財)日本野鳥の会

助成

プロ・ナトゥーラ・ファンド

講師プロフィール

Elizabeth Masden博士

Elizabeth Masden博士(Highlands & Island大学、スコットランド)

スコットランドにあるハイランド・アンド・アイランド大学で研究員を務めています。現在は再生可能エネルギー(風力、波力、潮力)の導入や海洋ゴミの排出などの人間活動が、環境、特に海鳥に与える潜在的な影響について研究を行っており、再生可能エネルギーに関連する累積的影響評価にも強い関心を持っています。

お問合せ:
(公財)日本野鳥の会 自然保護室
電話:03-5436-2633(平日13時~15時)
E-mail: [email protected]
住所:〒141‐0031 東京都品川区西五反田3‐9‐23 丸和ビル

「海洋プラスチックごみについて考えよう」が消費者教育教材資料表彰・優秀賞を受賞しました

賞状

当会と、WWFジャパン、全国川ごみネットワーク、容器包装の3Rを進める全国ネットワークの4団体が協働で作成した教材「海洋プラスチックごみについて考えよう」が、消費者教育教材資料表彰2021の優秀賞を受賞しました。

消費者教育教材資料表彰は、(公財)消費者教育支援センターが、教育現場で役立つ教材を表彰することで、学校における消費者教育の充実・発展に寄与することを目的に実施しています。

6月28日に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された表彰式に出席し、賞状をいただきました。受賞教材は、今後、実際の教育現場で活用されます。

教材「海洋プラスチックごみについて考えよう」は、海洋プラスチックの問題を多くの方に知っていただけるように、2020年度に作成し、PDFで公開しております。学校教育やセミナーなどで、スライドプレゼンテーションとして使用したり、印刷して紙芝居のように使うことができます。詳細は、以下のリンクをご覧ください。

教材表紙「ゴミに囲まれたコアホウドリ」
教材「海洋プラスチックごみについて考えよう」表紙

ツバメの全国調査2013~2020年結果報告

2021年6月17日

日本野鳥の会ツバメ全国調査(2013~2020)

ツバメのヒナと親鳥

(公財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:上田恵介、会員・サポーター数:約5万人)では、近年減少が示唆されているツバメの現状を明らかにするため、全国に呼びかけて、2012年から市民参加型の調査を開始しました。2012年のこの調査では約4割の方が「ツバメが減っている」と感じ、その一因として不衛生を理由に人が巣を落としてしまうケースがありました。

そこで2013年からは当会ホームページ上に「ツバメの子育て状況調査」を設置してツバメの子育ての様子の情報を集め、昨年(2020年)までの8年間に、のべ5,351人の方から10,586巣の観察情報をお寄せいただきました。この全国規模のデータの分析結果から、ツバメの子育ての現状について、以下のことがわかってきました。

表1 調査にご協力をいただいた人数とツバメの巣の数
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
参加者数(人) 666 888 915 797 670 531 380 504 5,351
巣の数(個) 1,296 1,940 1,723 1,673 1,409 1,055 686 804 10,586

都市化や過疎化など、人の暮らしがツバメの子育てに影響

  1. 1つの巣から雛が巣立つ平均数(8年間の全国平均)=約4羽。

  2. ただし市街地では3.8羽、それ以外では4.2羽と、都市化した場所は子育てに適さない可能性がある。

    グラフ「営巣環境別の平均巣立ち雛数の経年変化」

    図1 営巣環境別の平均巣立ち雛数の経年変化

  3. 子育ての失敗の要因の多くは、カラスやヘビの捕食、巣の落下など自然のなかで起こる出来事だが、1割弱が人による巣の撤去であることが報告されている。

    グラフ「ツバメの子育ての失敗要因」

    図2 ツバメの子育ての失敗要因

  4. 過疎化により人口が減少した地域では、人がいないことによって、ツバメの卵や雛が捕食される危険性が高くなり、ツバメの営巣が減っている可能性がある。

調査の詳細は 「日本野鳥の会 ツバメ全国調査」詳細 をご覧ください。

ツバメの子育てを優しく見守り、共に暮らせる社会を

古くからツバメは農作物の害虫を食べる益鳥として、また、巣をかけた家には幸福を招く鳥として親しまれてきました。しかし、近年の開発やライフスタイルの変化等とともにツバメが子育てできる環境が減り、都市部での巣立ち雛の減少と、過疎地域での営巣の減少が進んでいることが明らかになりました。

都市部でツバメが子育てをするには、水辺環境と緑地が必要で、かつ、ツバメの存在を見守る人々の思いが大切です。環境を改善していくには時間がかかりますが、私たち一人ひとりがツバメの子育てを優しく見守っていくことは可能です。

日本野鳥の会は、引き続き、市民参加によるツバメの全国調査を実施しモニタリングをするとともに、ツバメを観察する際の注意点、ポイント等をまとめたパンフレット「ようこそツバメ」の配布や、観察会などを通じて、ツバメを温かく見守ってくれる人々を増やし、人と自然の共存の象徴であるツバメが、いつまでも日本で子育てできるような社会をめざしていきます。

参照:消えゆくツバメをまもろう

日本野鳥の会 組織概要

組織名:公益財団法人 日本野鳥の会(会員・サポーター 約5万人)
代表者:理事長 遠藤孝一
所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
URL:https://www.wbsj.org/

問い合わせ先

(公財)日本野鳥の会
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
担当:自然保護室 葉山政治/山本裕
E-mail:[email protected]
TEL:03-5436-2633


日本野鳥の会のツバメに関する活動

ツバメ観察のパンフレット 『ようこそツバメ』の無料配布

ツバメ観察のパンフレット『ようこそツバメ』

パンフレット『ようこそツバメ』
A3サイズ(約30×42cm)両面フルカラー
※折りたたみ時ハガキサイズ(約15×10cm)

ツバメを取り巻く環境を知っていただくとともに、ツバメを温かく見守る気持ちを広めることを目的に、ツバメを観察する際の注意点、ポイント等をまとめたパンフレットを希望者全員に無料で配布しています。

申込方法等の詳細はこちら

ツバメの見守りありがとう 全国16の団体を表彰

「ツバメの見守りありがとう」感謝状贈呈のようす
京王電鉄(株)への感謝状贈呈のようす
写真左:南澤佳宏 京王西管区 管区長
中央左:小野間明営業掛
中央右:狩野清貴 日本野鳥の会副理事長

日本野鳥の会では、この先もツバメと人との共存が続くことを願い、2019年度からツバメの巣や生息環境を温かく見守っている団体に感謝状を贈呈しています。
2021年度は、全国の当会支部等連携団体から贈呈先を推薦してもらい、京王電鉄(株)をはじめとする9都府県16の団体に贈呈を決めました。

詳細:プレスリリース:「ツバメの見守りありがとう」全国16の団体に感謝状を贈呈


〈別紙詳細資料〉

公益財団法人日本野鳥の会プレスリリース(2021年6月17日)

「日本野鳥の会 ツバメ全国調査」詳細

8年間(2013年~2020年)の調査結果の概要

「ツバメの子育て状況調査」には、8年間で、のべ5,351人にご参加いただきました。前半の3年間(2013年~2015年)は、2013年に設置した特設ページ「ツバメの子育て状況調査」において、ツバメの子育ての様子の情報を集めました。その結果を2016年にまとめたところ、ツバメを取り巻く状況として、

  1. 全国の都市部でツバメの子育てが困難になっていること
  2. ツバメと人のつながりの消失が都市部で顕著であること
  3. 都市部でのツバメの子育てには水辺環境と緑地が大切

ということが明らかになりました(「日本野鳥の会ツバメ全国調査 2013-2015」(※1))。

そして、2016年以降も毎年調査を継続し、2020年までの8年間に観察記録が寄せられたツバメの巣ののべ数は10,586巣となりました(表1)。これらのデータを用いて、日本のツバメの子育ての現状を分析しました。

表1 調査にご協力をいただいた人数とツバメの巣の数
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
参加者数(人) 666 888 915 797 670 531 380 504 5,351
巣の数(個) 1,296 1,940 1,723 1,673 1,409 1,055 686 804 10,586

※1 日本野鳥の会ツバメ全国調査2013-2015

1.巣立ち雛の平均は、1巣あたり4羽

無事に巣立った、のべ4,868巣の観察データから、その年1回目の繁殖(=1番仔)を対象にして、平均巣立ち数の経年変化を求めました。

その結果、2013年から2020年の間の平均巣立ち雛数は、2018年にやや少なかったものの毎年の変動は少なく、1巣あたりほぼ4羽が巣立っていました(図1)。

グラフ「一番仔の平均巣立ち雛数の推移」

図1.一番仔の平均巣立ち雛数の推移(エラーバーは標準偏差を示す)

2.営巣場所による巣立ち雛数の違いについて

次に、営巣場所によって巣立ち雛数に違いがあるかどうかについての分析を行ないました。巣のある場所が、市街地(都市計画法の市街化区域にある2,941巣を対象)と、それ以外の区域(1,206巣)で、平均巣立ち雛数を比較しました。

その結果、市街地では巣立ち雛数は平均3.8羽であるのに対し、それ以外の場所では平均4.2羽となり、市街地では平均0.4羽少なくなり、都市化により子育てをする環境としては適さなくなる可能性が示唆されました(図2)。図1では2018年に巣立ち雛数がやや少ない傾向がありますが、市街地と市街地以外に分けてみると、特に市街地での巣立ち状況が少ないことがわかりました(図3)。

グラフ「営巣場所別の平均巣立ち雛数」

図2.営巣場所別の平均巣立ち雛数

グラフ「営巣場所別の平均巣立ち雛数の経年変化」

図3.営巣場所別の平均巣立ち雛数の経年変化

3.子育ての失敗要因

寄せられた観察記録から、繁殖に失敗した例のコメント欄に書かれた記述をもとに、その要因を集計しました(図4)。その結果、子育ての失敗要因でもっとも多いのは、カラス類やヘビ類などの捕食者によるもので約35%を占め、次いで、巣が壊れて落下したり、雛が巣から落ちたりしてしまう例が22%でした。また、巣の撤去など人に起因する失敗例が約9%も見られ、今後、私たちの暮らしに身近なツバメとのかかわりを改めて見つめ、改善していくことが必要、と考えさせられました。

グラフ「ツバメの子育ての失敗要因」

図4.ツバメの子育ての失敗要因

4.巣が見られなくなった場所と人口との関係について

現在、日本では人口が減り、各地で過疎化が進んでいます。こうした人口の増減とツバメの子育てとの関係について、調査期間を前半3年間(2013~2015年)と後半5年間(2016~2020年)に分けて、検討してみました。調査年によって報告された巣の数が異なるため、できるだけ巣の数を揃えるために、前半2,426巣、後半2,882巣、計5,308巣を分析の対象としました。

統計等の解析によく使われる2次メッシュ(10km×10kmのメッシュ)内で、前半、後半の両期間に、メッシュ内に1つでも巣があれば「営巣あり」のメッシュとし、営巣の変化の比較を行ないました。

その結果、人口の増減は(図5, オレンジ色棒グラフ参照)、変化率-1%の減少をピークに、おおよそ12%減少幅までの比率が高くなっていました。

これら人口の増減のグラフに「営巣しなくなったメッシュ数」と「営巣が変わらないメッシュ数」を重ねたところ、「営巣が変わらないメッシュ」での人口の分布はどちらもピークが-1%にあり、変化の傾向も類似していました。一方で「営巣しなくなったメッシュ数」は人口5%減のところにピークがありました。これらの結果は人口が減少した地域では、ツバメの営巣が減っている可能性があることを示しています。

ツバメは、古くから人との関わりがあり、農家や人の出入りが多い商店の軒先などをよく利用します。その理由として、ツバメはカラス類などの捕食者を避けるために、人通りの多い人家の近くで子育てをすると考えられています。

人口が減った地域では、人がいないことによってツバメの卵や雛の捕食圧が高くなり、子育てへの影響が出た可能性が考えられます。ツバメの子育てが人口の減少している山間地域の集落などで減少していることは、すでに藤田(2015)※2により報告されており、今回の結果はこの報告と矛盾せず、人とツバメの密接な関わりを示しているものといえます。

※2 藤田剛(2015)日本のツバメが減ったのは山林の環境変化が原因? 全国鳥類繁殖分布調査ニュースレター No.3 2-4.

グラフ「人口の増減とツバメの営巣との関係」

図5. 人口の増減とツバメの営巣との関係
人口は1kmメッシュ
別将来推計人口(H30国政局推計)を使用

日本野鳥の会の自然保護活動にご支援ください

海鳥たちは訴える。海は、ごみ箱ではない。

地球表面の約70%を占め、生命を育む豊かな海。
しかし今、その海に年間1,100万トンを超えるプラスチックごみが流れ込み、海鳥をはじめ多くの海洋生物たちの命を奪っています。
この状況が続けば、2050年には魚類の総重量を超えるという衝撃的な予測もあります。
日本は、一人当たりの使い捨てプラスチック消費量が世界第2位の大量消費国。
私たちは今、生命を育む海を守るのか、失ってしまうのか、未来を選択する岐路に立っています。

あなたが捨てたごみが今、海鳥を苦しめている

プラスチック片が残ったヒナの死骸

コアホウドリの世界最大の繁殖地ミッドウェー島には、大量のプラスチックごみが漂着する。ここでは、ペットボトルのキャップやライターなど、プラスチック片で胃をいっぱいにしたヒナの死骸が多数みつかっている。

毎年約100万羽の海鳥が命を落としている

安くて加工しやすい「プラスチック」は、レジ袋やペットボトル、容器や包装など、私たちの暮らしの中で便利に使われています。一方で、使い捨てのライフスタイルを助長し、想像を絶する量のプラスチックごみが生みだされています。

そのうち、これまでにリサイクルされたのは世界全体で9%に過ぎず(Wilcox et al. 2015)、適切に処理されなかったごみが大量に海へと流れ込んでいます。

近年では、その量は年間1,100万トンを超え(The Pew Charitable Trusts 2020)、極地から深海まで海洋全体を汚染し、800種を超える海洋生物に影響を与え、海鳥だけでも毎年約100万羽が命を落としているといわれています(国際連合広報センター 2017)。

親鳥からプラスチックごみを与えられ十分成長できず、飛び立つことなく力尽きたコアホウドリの幼鳥。(ミッドウェー島)

有害物質の“運び屋”マイクロプラスチック

海鳥がエサと間違えて、プラスチックごみを誤食して死に至るケースは、1960年代から知られていましたが、近年では、細かく砕けた5mm以下のマイクロプラスチックの影響が問題になっています。

マイクロプラスチックは、添加剤が残留していたり、海中の有害な化学物質を吸着することがあります。こうした有害物質が、食物連鎖を通じてプランクトンから魚、海鳥へと生物濃縮されることがわかってきました。

世界的規模で実施された海鳥調査では、40%の個体の脂肪から有害物質が検出され(Yamashita et al. 2021)、生体への影響が懸念されています。

ハシボソミズナギドリの胃の中からは、1羽あたり最大0.6gのプラスチック片が見つかった。体重比で考えると、人間の胃の中に60gものプラスチック片があるのと同じ。(マス目は5mm四方)

いますぐ行動を

このままでは近い将来、海の恩恵を受けている私たちも、今苦しんでいる海鳥たちのように、自らが捨てたプラスチックごみの脅威にさらされるかもしれません。

日本野鳥の会は、脱プラスチック社会を実現するために基本法の制定を国に働きかけるとともに、一人ひとりのライフスタイルを見直すための普及活動を行なっています。海鳥たちが健やかに舞う海を守るために、どうかご支援をお願いします。

活動へのご寄付に、ご協力ください

ご寄付の方法はこちら


■日本のプラスチック消費量は、国内でリサイクル可能な量を大幅に上回る

日本政府は、プラスチックごみの約85%を有効利用していると公表していますが(2019)、内訳の約60%は、焼却による熱回収であり、環境負荷が高く、大量のCO2を排出しています。

適切なリサイクル(再生利用)は約25%とされていますが、国外輸出を含むため、実際の国内リサイクルは約16%に過ぎません(プラスチック循環利用協会 2020)。
私たちは、国内で適切にリサイクルできる量を大幅に上回るプラスチック製品を、大量消費しています。

川にたまったごみ

街で捨てられた生活ごみも、風や雨に運ばれ、川から海へと大量に流れ込んでいる。

当会の取り組み

2050年には、プラスチックごみを誤食する海鳥は99%に達すると予測されています(Wilcox et al. 2015)。海鳥を守り、大量生産・大量消費社会を変えるため、いますぐ行動する必要があります。

脱プラスチック社会を実現する政策提言

日本の対策は、国際社会に大きく後れをとっています。2021年3月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が閣議決定されましたが、その内容は「代替品の利用」と「大量廃棄を前提とした回収とリサイクルの推進」に依存しており、問題の本質であるプラスチック製品の大量生産・大量消費社会からの転換を図るものにはなっていません。まず、使い捨てプラスチック製品の生産総量を大幅に削減し、そのうえで、確実に循環利用させていく仕組みが必要です。

当会もメンバーとなっている「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」は、政府に対し、2021年2月に「脱プラスチック戦略を推進するための基本法(案)」を提言しました。法案が政策に反映されるように、今後も引き続き、政府に働きかけていきます。

【脱プラスチック戦略を推進するための基本法(案)の骨子】
●2030年までに、自然環境へのプラスチックごみの流出ゼロ
●2030年までに、使い捨てプラスチック製品の製造・輸入の原則ゼロ
●2050年までに、バージンプラスチックを使った製品に依存しない社会を築く
●有害化学物質による健康被害や生態系への悪影響の発生を予防する
など

ライフスタイルの変化を促すための、普及・啓発活動

この問題の解決に一番重要なことは、プラスチック製品の使用量を減らすことです。使い捨てを見直し、環境負荷の少ない製品を選ぶなど、私たち一人ひとりがライフスタイルを見直すことが必要です。

当会では、この問題を多くの方に知っていただき、できることを一緒に考えていけるよう、オンラインでの連続セミナーの開催や、関係団体と協力して教材の開発・無償提供などを行なっています。

2030年までに
【SDGs】(持続可能な開発目標)を達成するためにも、
国際社会全体で、プラスチックごみ問題に
取り組む必要があります。
当会の活動に、ご支援をお願いします

ご寄付の方法はこちら

ウェビナー・洋上風力発電施設が鳥類等に与える影響

本ウェビナーは、終了いたしました。
今のところ録画配信の予定はございません。何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。

イベントイメージ

講演要旨

本講演では、2019年3月にPelagic Publishingから出版された「Wildlife & Wind Farms: conflicts and solutions(Vol. 3)」の内容に基づき、主にヨーロッパ北西部で得られた知見から、洋上風力発電施設の建設が鳥類をはじめ哺乳類、魚類、底生生物などの海洋生物に与える影響について概説します。

例えば、鳥類については、バードストライクが発生することがあるのはよく知られている一方、モノパイル式の施設の建設時の杭打ち作業で発生する海中・空中への騒音により鳥類などの海洋生物が生息地を放棄することは、モノパイル式の施設がない日本ではほとんど知られていないのではないでしょうか。

 

詳しい講演要旨はこちら

本講演は、2019年3月にPelagic Publishingから出版された「Wildlife & Wind Farms: conflicts and solutions(Vol. 3)」の内容を概説するもので、底生生物、魚類、哺乳類、鳥類などの海洋生物に対する洋上風力発電施設の既知および潜在的な影響をすべてまとめたものです。

鳥類については、バードストライクや生息地放棄などの直接的な影響の発生はよく知られている一方、物理的および海洋力学的な影響や鳥類以外の動物の生息分布の変化といった間接的な影響の発生は断片的にしか知られていません。それらの影響について知られている情報のほとんどはイギリスやドイツなどヨーロッパ北西部で得られた知見に基づいているため、日本など世界の他の海域で起きる洋上風車に対する海洋生物の反応や影響は、残念ながら推測に過ぎません。

一般的に、洋上風車の建設は、生物学的生産性に密接に関係する重要な場所で湧昇流を潜在的に発生させる伴流効果を伴い、地域の沿岸生態系に影響を与えます。洋上風車の建設中は、杭打ち作業による騒音が海中にも空中にも発生し、それに対し敏感な魚類、海棲哺乳類、一部の鳥類が他の海域に移動(生息地放棄)する可能性があります。あるケースでは、これにより繁殖中の海鳥の餌となる魚類が長期的に減少しました。風車の基礎構造の存在が魚類を誘引・蝟集する「漁礁効果」を生み、それによって海棲哺乳類やウ類などの鳥類を洋上風車の周囲に誘引します。しかし、鳥種により異なるものの、海鳥の広範囲にわたる移動は典型的な行動であることが多いです。

このような生息地の喪失による鳥類への影響は通常、すべてが実測されるよりも、一部の実測値からモデル化されることで把握されます。洋上風車によるバードストライクはほとんど記録されていませんが、それは洋上での鳥類の死骸回収が技術的に困難であることが一因です。

また、複数の施設により影響が生じる累積的影響については、検討が始まったばかりです。そのため、さらなる研究によってこれらの知識のギャップが解消されるまでは、慎重な空間計画やゾーニングによってバードストライクなどの影響の発生を回避し、予測される影響をより幅の広い保全策を講じることで、影響の不確実性を受け入れながら洋上風力発電の導入を進めるべきです。これらのステップは、風力発電事業と海洋生物のWin-Winシナリオという究極の目標を達成するための鍵となると考えます。


開催概要

講師

Martin Perrow 博士(Ecological Consultancy Ltd. イギリス)

日時

2021年7月30日(金)17:30~19:00(終了予定)(入室17:00~)

開催方法

オンライン会議システム「Zoom」と同時通訳アプリ「interprefy」を使用
※参加者には別途「Zoom」入室アドレスと、「interprefy」のインストールアドレス等を合わせてお知らせします。

参加費

無料

定員

90名(先着順)

申込

こちらから事前申し込みをお願いします。
お申込みいただいた方に、URL等の詳細をメールにてお知らせします。

お申し込みはこちら

主催

(公財)日本野鳥の会

助成

プロ・ナトゥーラ・ファンド

講師プロフィール

Martin Perrow 博士

Martin Perrow 博士(Ecological Consultancy Ltd. イギリス)

演者は生態学的調査の専門コンサルティングECON 社のディレクターを30年以上務め、英国で洋上風力発電の導入が始まって以来19年間、13の洋上ウィンドファームおよび海域で環境影響評価や生物モニタリングを行っており、洋上風車と野生生物の相互関係を研究してきました。

その中には、10年以上前に初めて鳥類のある種が洋上ウィンドファームを利用していることをバイオテレメトリー調査によって明らかにした研究、目視観察により洋上ウィンドファーム内での鳥類の回避行動を詳細に調べた研究など、海鳥に関する革新的な研究がいくつも含まれています。

また、2019年に「Wildlife and Wind Farms, conflicts and solutions」というシリーズ本4巻を完成させるなど、約130本の科学論文や報告書、図書等を執筆しています。これらのように演者は、自然保護の未来のために努力しています。

お問合せ:
(公財)日本野鳥の会 自然保護室
電話:03-5436-2633(平日13時~15時)
E-mail: [email protected]
住所:〒141‐0031 東京都品川区西五反田3‐9‐23 丸和ビル

プレスリリース:全国約1万巣を分析 都市化と人口減の双方がツバメの子育てに影響

2021年6月17日

~日本野鳥の会ツバメ全国調査(2013~2020)~

ツバメのヒナと親鳥

(公財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:上田恵介、会員・サポーター数:約5万人)では、近年減少が示唆されているツバメの現状を明らかにするため、全国に呼びかけて、2012年から市民参加型の調査を開始しました。2012年のこの調査では約4割の方が「ツバメが減っている」と感じ、その一因として不衛生を理由に人が巣を落としてしまうケースがありました。

そこで2013年からは当会ホームページ上に「ツバメの子育て状況調査」を設置してツバメの子育ての様子の情報を集め、昨年(2020年)までの8年間に、のべ5,351人の方から10,586巣の観察情報をお寄せいただきました。この全国規模のデータの分析結果から、ツバメの子育ての現状について、以下のことがわかってきました。

表1 調査にご協力をいただいた人数とツバメの巣の数
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
参加者数(人) 666 888 915 797 670 531 380 504 5,351
巣の数(個) 1,296 1,940 1,723 1,673 1,409 1,055 686 804 10,586

都市化や過疎化など、人の暮らしがツバメの子育てに影響

  1. 1つの巣から雛が巣立つ平均数(8年間の全国平均)=約4羽。

  2. ただし市街地では3.8羽、それ以外では4.2羽と、都市化した場所は子育てに適さない可能性がある。

    グラフ「営巣環境別の平均巣立ち雛数の経年変化」

    図1 営巣環境別の平均巣立ち雛数の経年変化

  3. 子育ての失敗の要因の多くは、カラスやヘビの捕食、巣の落下など自然のなかで起こる出来事だが、1割弱が人による巣の撤去であることが報告されている。

    グラフ「ツバメの子育ての失敗要因」

    図2 ツバメの子育ての失敗要因

  4. 過疎化により人口が減少した地域では、人がいないことによって、ツバメの卵や雛が捕食される危険性が高くなり、ツバメの営巣が減っている可能性がある。

調査の詳細は 「日本野鳥の会 ツバメ全国調査」詳細 をご覧ください。

ツバメの子育てを優しく見守り、共に暮らせる社会を

古くからツバメは農作物の害虫を食べる益鳥として、また、巣をかけた家には幸福を招く鳥として親しまれてきました。しかし、近年の開発やライフスタイルの変化等とともにツバメが子育てできる環境が減り、都市部での巣立ち雛の減少と、過疎地域での営巣の減少が進んでいることが明らかになりました。

都市部でツバメが子育てをするには、水辺環境と緑地が必要で、かつ、ツバメの存在を見守る人々の思いが大切です。環境を改善していくには時間がかかりますが、私たち一人ひとりがツバメの子育てを優しく見守っていくことは可能です。

日本野鳥の会は、引き続き、市民参加によるツバメの全国調査を実施しモニタリングをするとともに、ツバメを観察する際の注意点、ポイント等をまとめたパンフレット「ようこそツバメ」の配布や、観察会などを通じて、ツバメを温かく見守ってくれる人々を増やし、人と自然の共存の象徴であるツバメが、いつまでも日本で子育てできるような社会をめざしていきます。

参照:消えゆくツバメをまもろう

日本野鳥の会 組織概要

組織名:公益財団法人 日本野鳥の会(会員・サポーター 約5万人)
代表者:理事長 遠藤孝一
所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
URL:https://www.wbsj.org/

問い合わせ先

(公財)日本野鳥の会
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
担当:自然保護室 葉山政治/山本裕
E-mail:[email protected]
TEL:03-5436-2633


日本野鳥の会のツバメに関する活動

ツバメ観察のパンフレット 『ようこそツバメ』の無料配布

ツバメ観察のパンフレット『ようこそツバメ』

パンフレット『ようこそツバメ』
A3サイズ(約30×42cm)両面フルカラー
※折りたたみ時ハガキサイズ(約15×10cm)

ツバメを取り巻く環境を知っていただくとともに、ツバメを温かく見守る気持ちを広めることを目的に、ツバメを観察する際の注意点、ポイント等をまとめたパンフレットを希望者全員に無料で配布しています。

申込方法等の詳細はこちら

ツバメの見守りありがとう 全国16の団体を表彰

「ツバメの見守りありがとう」感謝状贈呈のようす
京王電鉄(株)への感謝状贈呈のようす
写真左:南澤佳宏 京王西管区 管区長
中央左:小野間明営業掛
中央右:狩野清貴 日本野鳥の会副理事長

日本野鳥の会では、この先もツバメと人との共存が続くことを願い、2019年度からツバメの巣や生息環境を温かく見守っている団体に感謝状を贈呈しています。
2021年度は、全国の当会支部等連携団体から贈呈先を推薦してもらい、京王電鉄(株)をはじめとする9都府県16の団体に贈呈を決めました。

詳細:プレスリリース:「ツバメの見守りありがとう」全国16の団体に感謝状を贈呈


〈別紙詳細資料〉

公益財団法人日本野鳥の会プレスリリース(2021年6月17日)

「日本野鳥の会 ツバメ全国調査」詳細

8年間(2013年~2020年)の調査結果の概要

「ツバメの子育て状況調査」には、8年間で、のべ5,351人にご参加いただきました。前半の3年間(2013年~2015年)は、2013年に設置した特設ページ「ツバメの子育て状況調査」において、ツバメの子育ての様子の情報を集めました。その結果を2016年にまとめたところ、ツバメを取り巻く状況として、

  1. 全国の都市部でツバメの子育てが困難になっていること
  2. ツバメと人のつながりの消失が都市部で顕著であること
  3. 都市部でのツバメの子育てには水辺環境と緑地が大切

ということが明らかになりました(「日本野鳥の会ツバメ全国調査 2013-2015」(※1))。

そして、2016年以降も毎年調査を継続し、2020年までの8年間に観察記録が寄せられたツバメの巣ののべ数は10,586巣となりました(表1)。これらのデータを用いて、日本のツバメの子育ての現状を分析しました。

表1 調査にご協力をいただいた人数とツバメの巣の数
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
参加者数(人) 666 888 915 797 670 531 380 504 5,351
巣の数(個) 1,296 1,940 1,723 1,673 1,409 1,055 686 804 10,586

※1 日本野鳥の会ツバメ全国調査2013-2015

1.巣立ち雛の平均は、1巣あたり4羽

無事に巣立った、のべ4,868巣の観察データから、その年1回目の繁殖(=1番仔)を対象にして、平均巣立ち数の経年変化を求めました。

その結果、2013年から2020年の間の平均巣立ち雛数は、2018年にやや少なかったものの毎年の変動は少なく、1巣あたりほぼ4羽が巣立っていました(図1)。

グラフ「一番仔の平均巣立ち雛数の推移」

図1.一番仔の平均巣立ち雛数の推移(エラーバーは標準偏差を示す)

2.営巣場所による巣立ち雛数の違いについて

次に、営巣場所によって巣立ち雛数に違いがあるかどうかについての分析を行ないました。巣のある場所が、市街地(都市計画法の市街化区域にある2,941巣を対象)と、それ以外の区域(1,206巣)で、平均巣立ち雛数を比較しました。

その結果、市街地では巣立ち雛数は平均3.8羽であるのに対し、それ以外の場所では平均4.2羽となり、市街地では平均0.4羽少なくなり、都市化により子育てをする環境としては適さなくなる可能性が示唆されました(図2)。図1では2018年に巣立ち雛数がやや少ない傾向がありますが、市街地と市街地以外に分けてみると、特に市街地での巣立ち状況が少ないことがわかりました(図3)。

グラフ「営巣場所別の平均巣立ち雛数」

図2.営巣場所別の平均巣立ち雛数

グラフ「営巣場所別の平均巣立ち雛数の経年変化」

図3.営巣場所別の平均巣立ち雛数の経年変化

3.子育ての失敗要因

寄せられた観察記録から、繁殖に失敗した例のコメント欄に書かれた記述をもとに、その要因を集計しました(図4)。その結果、子育ての失敗要因でもっとも多いのは、カラス類やヘビ類などの捕食者によるもので約35%を占め、次いで、巣が壊れて落下したり、雛が巣から落ちたりしてしまう例が22%でした。また、巣の撤去など人に起因する失敗例が約9%も見られ、今後、私たちの暮らしに身近なツバメとのかかわりを改めて見つめ、改善していくことが必要、と考えさせられました。

グラフ「ツバメの子育ての失敗要因」

図4.ツバメの子育ての失敗要因

4.巣が見られなくなった場所と人口との関係について

現在、日本では人口が減り、各地で過疎化が進んでいます。こうした人口の増減とツバメの子育てとの関係について、調査期間を前半3年間(2013~2015年)と後半5年間(2016~2020年)に分けて、検討してみました。調査年によって報告された巣の数が異なるため、できるだけ巣の数を揃えるために、前半2,426巣、後半2,882巣、計5,308巣を分析の対象としました。

統計等の解析によく使われる2次メッシュ(10km×10kmのメッシュ)内で、前半、後半の両期間に、メッシュ内に1つでも巣があれば「営巣あり」のメッシュとし、営巣の変化の比較を行ないました。

その結果、人口の増減は(図5, オレンジ色棒グラフ参照)、変化率-1%の減少をピークに、おおよそ12%減少幅までの比率が高くなっていました。

これら人口の増減のグラフに「営巣しなくなったメッシュ数」と「営巣が変わらないメッシュ数」を重ねたところ、「営巣が変わらないメッシュ」での人口の分布はどちらもピークが-1%にあり、変化の傾向も類似していました。一方で「営巣しなくなったメッシュ数」は人口5%減のところにピークがありました。これらの結果は人口が減少した地域では、ツバメの営巣が減っている可能性があることを示しています。

ツバメは、古くから人との関わりがあり、農家や人の出入りが多い商店の軒先などをよく利用します。その理由として、ツバメはカラス類などの捕食者を避けるために、人通りの多い人家の近くで子育てをすると考えられています。

人口が減った地域では、人がいないことによってツバメの卵や雛の捕食圧が高くなり、子育てへの影響が出た可能性が考えられます。ツバメの子育てが人口の減少している山間地域の集落などで減少していることは、すでに藤田(2015)※2により報告されており、今回の結果はこの報告と矛盾せず、人とツバメの密接な関わりを示しているものといえます。

※2 藤田剛(2015)日本のツバメが減ったのは山林の環境変化が原因? 全国鳥類繁殖分布調査ニュースレター No.3 2-4.

グラフ「人口の増減とツバメの営巣との関係」

図5. 人口の増減とツバメの営巣との関係
人口は1kmメッシュ
別将来推計人口(H30国政局推計)を使用

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Strix Vol.37

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原著論文

Strix37巻

冬季の北海道道央地域におけるシマエナガの行動と気温の関係
長谷川雅広・山中康裕
大隅諸島竹島における鳥類の生息状況と外来種イエネコによる捕食状況
榮村奈緒子・繁昌慶・村中智明
北海道におけるマガモとカルガモの繁殖期の分布
藤巻裕蔵
大阪府南東部におけるサシバの生息状況の変化:40年後の再調査で明らかになった減少
小室巧・大西敏一・山本かおり・中津弘

短報

大垣市(岐阜県)におけるツバメの繁殖状況の変化
山田七緒子
コシアカツバメの小笠原諸島における観察記録
重原美智子
ホオアカEmberiza fucataの擬傷行動の観察記録
久保田友美
和歌山県中部におけるヒクイナ Porzana fusca の周年の個体数変動
上出貴士
石川県におけるハイタカ Accipiter nisus の繁殖初記録
金田大・増川勝二・今森達也
ウグイスによる小魚の採食
下平宏
北海道天売島におけるチャバラアカゲラ Dendrocopos hyperythrus の観察記録
千葉利久・辻優介・柳井駿斗・北沢宗大
多摩川におけるボナパルトカモメの観察記録
瀬古智貫
関東地方におけるメジロガモの夏の観察記録
吉井千晶・小島広平・杉元明日子・神戸宇孝
2019–2020の冬に宍道湖に渡来したトモエガモの大群について
佐藤仁志・野津登美子・濱下奈津子・藤原政明
ヨタカによる営巣地の再利用
多田英行
福島県におけるセグロカッコウの初記録
阿部智

書評

『揺れうごく鳥と樹々のつながり 裏庭と書庫からはじめる生態学(フィールドの生態学25)』
福井晶子
『BIRDER SPECIAL 羽根識別マニュアル』
高橋雅雄

その他

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「再生可能エネルギーの適正な導入に向けた環境影響評価のあり方に関する検討会報告書」に対する見解を示しました

2021年4月1日

令和3年3月31日に環境省・経済産業省が「再生可能エネルギーの適正な導入に向けた環境影響評価のあり方に関する検討会報告書」を公表

この検討会は、2020年12月に内閣府に設置された「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」から、環境影響評価法における風力発電事業に係る規模要件を現行の1万kW以上から5万kW以上に引き上げ、緩和することを2020年度末までに決定するよう要請されたことが発端となり、1月21日から3月25日までに4回開催されたものです。当会はこの検討会に専門家ヒアリング対象者およびオブザーバーとして4回とも出席し、毎回、意見陳述や質疑応答を行ってきましたが、検討会の結果として出された報告書には大きな課題や懸念があるため、報告書に対する見解としてそれらを表明することにしました。

検討会および報告書における課題と懸念

  • 短期間の検討で規模要件の引き上げが決定されたが、結論ありきの拙速な議論、検討であった。
  • 規模要件が1万kW以上であることが、どのように日本で風力発電の導入を妨げているのか、または、規模要件を引き上げることでどの程度風力発電の導入が進むのかなど、規模要件を引き上げる必要性について合理的な理由の説明が事業者団体および経済産業省などからなされなかった。
  • 規模要件を5万kW以上とする根拠の妥当性については、検討会で十分に議論がなされていなかった。
  • 環境省は風力発電を線的事業と捉え、風力発電施設の中心から片側50mずつを影響の及ぶ範囲としたが、本来は風車ローターが空中に作る球体を地面に下ろし、その外縁の片側50mずつを影響の及ぶ範囲とすべきであり、それだと、50haに相当する出力規模は2~3万kW程度になる。
  • 検討会が報告書をまとめるにあたっては通常、案をパブリックコメントにかけて広く意見を聴取するが、今回はその手続きがない。

当会から環境省・経済産業省への提案

  • 出力規模7500kwまたは10,000kW以上の風力発電事業が全都道府県で条例アセスの対象事業になるまで、経過措置として7,500kW以上5万kW未満を第2種事業としてスクリーニング対象とすること。
  • 法改正を含めた制度的枠組みの検討は、風力発電事業に特化した「地域の環境特性を踏まえたアセスメント制度」といった特別措置法などの新たな法制度の制定が必要であり、その法整備の検討を政令改正と平行して、直ちに開始すること。
  • 「環境影響評価図書の継続的公開」や「事後調査の強化とその成果の活用」をアセス法等で法的に義務付けること。
  • 事後調査にかかる報告書に対しては環境大臣や住民が意見を述べられるようにすること。
  • 現行法で手続き中の風力発電事業については、規模要件が引き上げられた後でも、条例アセスに移行することなく、引き続き現行法でアセスを完了させること。
  • 法アセスの対象事業となる発電所の出力規模について、抑制した出力を規模要件としてどのように扱うかを検討すること。
  • 「環境情報の提供とゾーニングの促進」について、温暖化対策推進法改正案に基づく市町村における再エネ導入に係る適地抽出の促進をもってゾーニングとすることが記載されているが、しかし、保全区域などの指定を伴ったゾーニングを進めるべきであるため、保全区域の指定の促進について政令改正に盛り込むこと。

※見解の詳細はこちらから

※本件については、(公財)日本自然保護協会からも声明が発表されています。
 https://www.nacsj.or.jp/archive/2021/03/11791/

【問い合わせ先】
公益財団法人 日本野鳥の会 自然保護室 / 浦(うら)・田尻(たじり)
TEL: 03-5436-2633
E-mail: [email protected](浦)/ [email protected](田尻)
日本野鳥の会 URL: https://www.wbsj.org/

第1回「西予市ツル・コウノトリと共生するまちづくり計画策定委員会」に出席しました(愛媛県西予市)

2021/03/30

今冬は48羽のナベヅルが越冬し、安定した越冬地になりつつある西予市で、2021年3月15日、「西予市ツル・コウノトリと共生するまちづくり計画策定委員会」の第1回が開催されました。

昨春から住民の皆さんを対象にアンケート調査やワークショップが行なわれ、地域の自然観や将来に残したい風景や暮らしについて、意見が集められてきました。今回は、その結果の共有や今後の進め方について議論されました。

委員からは、「ツルやコウノトリといった自然資源を基軸として、持続可能で豊かな暮らしができる地域をめざすこと」について賛同が得られ、若い世代や農業関係者をはじめ、もっと多くの住民がこの計画づくりに関わる必要性や、「豊かさとは何か」について、今後、議論が必要であるなどの意見が出されました。

当会と日本野鳥の会愛媛は事務局メンバーとして参加。委員会には当会参与の金井裕や愛媛大学社会共創学部の佐藤哲先生、地元農家、住民、市民グループ等が出席しました。

ツル・コウノトリの保全とまちづくりに関する展示を開催しています(愛媛県西予市)

2021/03/25

西予市では現在、ツル・コウノトリをシンボルにしたまちづくり計画を策定しています。当会は事務局の一員として参画しています。
これまでの活動や計画づくりの進捗について、広く住民の皆さんにお伝えするため、このたび愛媛大学社会共創学部環境デザイン学科の2-3年生が展示パネルを作成しました。

設営する愛媛大の学生や西予市職員(写真:渡邉敬逸)

パネルの作成にあたり、昨秋に現地を見学し、地域の取り組みを学ぶ授業が行なわれ、当会職員がオンラインで国内のツル・コウノトリの保全の歴史や現状についてご紹介しました。また、江戸時代のツルと地域の人々の関係を掲載したパンフレット「宇和盆地の人とツル・コウノトリの暮らし」(当会制作)も、参考文献として活用されました。

(左):西予市役所の会議室で行われたオンライン講義の様子。現状の解決のために何が必要かなど、予定時間を超過しても熱心に質問がありました(写真:渡邉敬逸)
(右):パンフレット

展示は、西予市図書交流館で2021年3月10日より開催中。パネルと一緒に、パンフレット「宇和盆地の人とツル・コウノトリの暮らし」や、昨年度の夏に石城小学校の6年生が製作したツルコウノトリの紹介ポストカード(チラシから変更)も設置しています。

詳細は、西予市HP ツル・コウノトリの保全活動等に関する展示(まなびあん) をご覧ください。