世界自然遺産・知床における携帯電話基地局とそれに関連する太陽光パネルの設置計画の見直しを求める要望書(凍結しました)

世界自然遺産・知床における携帯電話基地局とそれに関連する太陽光パネルの設置計画事業のうち、知床岬付近に建設予定の施設は、国立公園の特別保護地区および国指定知床鳥獣保護区特別保護地区ならびに世界自然遺産・知床の風致景観を破壊するおそれがあります。

2024年7月5日
知床に生息する希少な野生動植物に影響をおよぼしうるため、事業の中止を視野に入れて見直すことを環境大臣、総務大臣、国土交通大臣、携帯電話事業者(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル)に対し、要望書を提出。
2024年8月9日
要望に関して、日本環境会議、日本生態学会、日本鳥学会、日本自然保護協会、北海道自然保護協会などと共同記者会見。
環境省は来年秋までオジロワシの生息状況等を再調査するよう事業者に要求。
2024年10月11日
知床岬エリアでの整備事業は凍結。

このように要望活動は自然保護活動の有効な手段になる場合があるので、野鳥の生息地の保護上で問題がある開発行為に対しては、今後も意見要望活動を行っていきたいと考えます。

意見書・要望書等

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原著論文

Strix40巻

千葉県谷津干潟におけるシギ・チドリ類の個体数変動
桐原政志
エゾムシクイのさえずりの分類と録音再生実験で誘発されるソングタイプの変化
石塚徹
北海道におけるオオジュリンの繁殖期の分布
藤巻裕蔵
非営業期間の浜寺公園プールを利用する水鳥
安部郁夫
北海道渡島半島西部の鳥類 2.草原環境における繁殖期の鳥類相
玉田克巳

短報

福岡県と長崎県における音声記録に基づいたアムールムシクイEPhylloscopus tenellipes観察記録の集約
黒田治男・渋田朗・岡部海都・林田博・吉谷将史
東京都内区部の住宅街緑地におけるウグイスの繁殖事例
岸田宗範
伯耆大山山麓におけるジョウビタキPhoenicurus auroreusの3回繁殖の記録
楠ゆずは
ノビタキのさえずり回数とさえずり個体数の日周変化~長野県の農耕地における一事例~
石塚徹
佐渡におけるヤイロチョウPitta nymphaの繁殖可能性について
近藤健一郎・城野大
定着初期と思われる乗鞍岳高山帯のヒバリAlauda arvensis について
飯島大智・小林正直・小林篤
甲州市菅田天神社のフクロウのペリット内容 – 市街地での1例
高槻成紀・植原彰
茨城県・涸沼川におけるツバメのねぐらに混じるコシアカツバメCecropis dauricaの観察記録
嶋村早樹

観察会報告

頓田貯水池の鳥類相(2017年–2022年)
水谷吉男

書評

『世界をかける翼ー渡り鳥の壮大な旅』
須川恒
『都市のくらしと野生動物の未来』
藤田剛
『新版 鳥はなぜ集まる?群れの行動生態学』
三上かつら

大規模太陽光発電施設が自然環境に与える影響

海外の太陽光発電所

近年、太陽光発電などの再エネ施設の設置のため、野鳥の生息地でもある森林などの自然環境が破壊される事例が増えています。森林は生物多様性保全や地球環境保全、土砂災害防止、水源涵養(かんよう)など多面的機能を有し、二酸化炭素の吸収源でもあるため、自然環境が破壊されることは地球温暖化対策としても本末転倒です。そのようなことを起こさないためには、ゾーニングに基づく設置場所の選定や限定などの立地規制および法制度の整備が必要と考えています。

更新情報

意見書・要望書等

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「野鳥保護区」で生命のにぎわいを守ろう!

渡邊野鳥保護区フレシマ

絶滅危惧種の生息地が開発される前に、買い取りまたは協定によって確保し、立ち入りを制限した保護区にする――日本野鳥の会の「野鳥保護区」は、絶滅危惧種を迅速かつ恒久的に生態系ごと守る、強力な保護手段です。皆さまのご支援により、38年間で50か所まで増え、総面積は東京ディズニーランド78個分を超えました。しかし、野鳥保護区の設置はゴールではなくスタート。野鳥たちが安心して子育てできる環境を維持、回復していくために、さまざまな活動が必要です。

渡邊野鳥保護区フレシマ(203.7ha、北海道根室市/写真上)にくらす動植物たち

シコタンキンポウゲ
シコタンキンポウゲ(準絶滅危惧)
タンチョウ
タンチョウ(絶滅危惧Ⅱ類)
クロユリ
クロユリ(絶滅危惧Ⅱ類)
オオワシ
オオワシ(絶滅危惧Ⅱ類)

オオジシギ
オオジシギ(準絶滅危惧/写真:古山隆)

ここに営巣するタンチョウは1つがいですが、17種の希少種を含む118種の鳥類、27種の希少種を含む335種の植物が生息し、タンチョウとともに守られています。

皆さまのご支援で、日本最大の民間自然保護区に成長

日本には、野鳥たちの生息地を法的に守る、国立公園や鳥獣保護区の特別保護地区等があります。しかし、野鳥にとって重要な自然環境は国内に多数あり、対応に時間のかかる法の網ではカバーしきれません。日本野鳥の会は、1987年に競売に出されたタンチョウの繁殖地を確保して以降、すばやく対応できる民間の強みを活かすべく、法的に保護されていないタンチョウ・シマフクロウの営巣地や、小さくとも重要な生息地を確保し、野鳥保護区を設置する活動を本格化しました。2014年には総面積3,000haとなり、この10年でさらに約4,000haまで拡大した野鳥保護区で、現在、タンチョウ31つがい、シマフクロウ14つがいを守っています。

大きな画像で見る

野鳥保護区の設置後は、立ち入りを厳しく制限し、保護対象種の現状に適した環境管理活動を行なっています。国の保護地域と同等の管理レベルと生物多様性の高さが評価され、2023年10月には「渡邊野鳥保護区フレシマ」が、環境省が生物多様性回復の“切り札”と考える「自然共生サイト」の1つに認定されました。

上田会長

認定証を受け取る上田会長

重要度が増す野鳥保護区ですが、その面積が拡大するほど、管理、調査、保護活動にかかるマンパワーと費用も増加しています。日本野鳥の会は創立90周年を迎え、ヨシ原で繁殖するタカの仲間「チュウヒ」の初の保護区設置も視野に入れ、野鳥保護区による生息地の保全を発展させていきます。ご支援をお願いします。

土地の買い取り以外にも、維持・管理にさまざまな業務が発生します。
皆さまのご支援が必要です。

ツバメメシルバーブローチ

ご寄付のお礼にオリジナルグッズをプレゼント中!
夏の新作は創立90周年記念「カムイの羽根しおりセット」「チュウヒ<ゆうひ>」(K18PGメッキ)です。

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※プレゼントをご希望の方は、「プレゼントグッズ付き寄付」をお選びください。


野鳥保護区で活動するレンジャーたち


【巡回監視】ハンターなどの不法侵入、不法投棄、森林の無許可伐採を監視

【環境維持・回復】植樹や間伐による森林、湿地の回復

【繁殖補助】大木の樹洞代わりの巣箱設置(シマフクロウ)

【給餌補助】いけすを設置しヤマメを投入(シマフクロウ)

【繁殖調査】広大な湿原を沿岸や空(ドローン)から調査(タンチョウ)

【生息調査】音声データ解析による生息確認調査(シマフクロウ)


【バックアップ】東京都内の事務局から各種サポート

※シマフクロウ保護のための各活動は、環境省の認定を受け実施しています。

想いのつまった野鳥保護区で希少種を守る(松本潤慶チーフレンジャー)

実は野鳥保護区の設置でもっとも大切なのは、「話し合う」スキルです。地権者の方や地域の皆さまと時間をかけて話し合い、土地への想いや歴史をうかがいつつ、当会の考えをお伝えして、気持ちよく土地を譲っていただく。調査や巡回、維持管理でも、地域との関係は続いていきます。私たちはその土地の方々の歴史や気持ちを背負い、ご支援いただいた皆さまの想いを心に刻み、活動を進めています。

活動のようす

地域の未来をになう子どもたちと植樹活動

「ネイチャーポジティブ」をめざす「30by30」達成の“切り札”に

2030年までに生物多様性の損失をくい止め、回復させる――いわゆる「ネイチャーポジティブ(自然再興)」をめざして、国際社会は23の目標に取り組んでいます。その1つが、2030年までに陸と海の30%以上を保全する「30by30」(サーティバイサーティ)です。環境省は30by30達成のため、生物多様性の高い民有地等を「自然共生サイト」に認定し、保全地域を拡大する事業を立ち上げました。国内最大の民間自然保護区をもつ当会は、ネイチャーポジティブに貢献するため、有志連合「30by30アライアンス」の発起人として参加し、事業推進に協力しています。

チュウヒ

チュウヒ(絶滅危惧ⅠB類)
わずかに残る繁殖地を開発から守るため、野鳥保護区の設置が急がれる(写真:岡田宇司)

この先の未来も「野鳥保護区」で生命のにぎわいを守り続けるため、
当会の自然保護活動に、ぜひご支援をお願いします。

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クロツラヘラサギ世界一斉センサス集計結果(2024年)

2024年5月2日

2024年クロツラヘラサギ世界一斉センサスの集計結果

日本クロツラヘラサギネットワーク・(公財)日本野鳥の会

東アジアの各国と地域が協力して毎年1月に実施している「クロツラヘラサギ世界一斉センサス」(主催:香港バードウォッチング協会(HKBWS))の2024年の調査結果がまとまりましたのでお知らせ致します。

この調査は、絶滅が危惧されているクロツラヘラサギの越冬個体数と分布を把握するために日本、韓国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、フィリピンなど東アジアの自然保護団体が参加し、毎年実施しています。2024年の調査は1月19日~21日にかけて行なわれました。

クロツラヘラサギの国内での越冬地は、九州や沖縄など西日本が中心です。2024年の調査は、日本クロツラヘラサギネットワーク、日本野鳥の会の会員を中心に1都1府8県69か所において、計102名の協力者を得て行われました。

1.2024年クロツラヘラサギ世界一斉センサス調査結果の概要

2024年クロツラヘラサギ世界一斉センサスは1月19日~21日にかけて行なわれ、各国の150地域からの報告に基づき、香港バードウォッチング協会(HKBWS)が取りまとめを行ないました。その結果、2024年の調査では、東アジア全体で前年より355羽増えて、6,988羽が確認されました(5.4%増)。

東アジア地域での主要な越冬地は台湾です。4,135羽が観察され、全世界の個体数の約59%を占めています。
2024年に観察個体数が増加した地域は、中国本土で1,630羽(24.7%増)、后海湾375羽(25.4%増)、日本の702羽(9.7%増)、ベトナムの86羽(7.5%増)、フィリピンの7羽(75%増)で、昨年観察されなかったタイでは1羽が確認されました。

一方、減少傾向が見られたのは、台湾4,135羽(2.2%減)、韓国39羽(27.8%減)、マカオ13羽(38.1%減)で、この他、カンボジア、マレーシアでは一斉センサス期間中には生息が確認されませんでした。昨年大きな減少があった后海湾では今年個体数が増加したものの、越冬地を含む土地において開発事業計画が進行しており、油断を許さない状況です。

クロツラヘラサギの全世界の観察個体数は、2019年に4,000羽、2021年に5,000羽、2022年には6,000羽を超えました。2024年の一斉センサスで6年連続の個体数増加となり、着実に個体数が回復してきていると言えます。

(HKBWSによる2024年世界一斉センサスの集計をもとに作成)

表1.地域別のクロツラヘラサギの記録数
場所 2021年
調査
2022年
調査
2023年
調査
2024年
調査
前年比
(2024年-2023年. 羽数)
前年比
(2024年/2023年. %)
台湾 3,132 3,824 4,228 4,135 -93 -2.2
后海湾(香港、深セン) 336 369 299 375 76 +25.4
中国本土 1,022 1,136 1,307 1,630 323 +24.7
日本 570 683 640 702 62 +9.7
ベトナム 82 88 80 86 6 +7.5
マカオ 45 22 21 13 -8 -38.1
韓国 34 37 54 39 -15 -27.8
タイ 0 1 0 1 1
カンボジア 0 0 0 0 0
フィリピン 1 0 4 7 3 +75.0
マレーシア 0 2 0 0 0
合計 5,222 6,162 6,633 6,988 355 +5.4

(HKBWSの集計に基づく)

2.日本におけるクロツラヘラサギ一斉センサス調査の結果

日本クロツラヘラサギネットワーク・(公財)日本野鳥の会

2024年、国内では昨年より62羽多い、計702羽が確認されました(9.7%増)。最も多かったのは熊本県で250羽が観察され、次いで、福岡県121羽、鹿児島県83羽、佐賀県82羽、山口県53羽、沖縄県50羽、大分県34羽、宮崎県24羽の順で観察されました。西日本以外では、東京3羽、大阪府で2羽が観察されています。

図1.日本におけるクロツラヘラサギの記録数の推移
図1.日本におけるクロツラヘラサギの記録数の推移

図2.クロツラヘラサギの県別記録数の推移
図2.クロツラヘラサギの県別記録数の推移

表2.県別に見たクロツラヘラサギの記録数の推移
表2.県別に見たクロツラヘラサギの記録数の推移(画像クリックで拡大)

粟島

環境構成

粟島

粟島は、新潟県の沖合35㎞の日本海上にある、周囲23㎞の有人島である。島の中央には、標高265.6mの小柴山があり、南北に連なる山々の東側と西側に集落がある。島の西部の丸山、立島の周辺、そこから北部に伸びる北西の崖で、オオミズナギドリが繁殖しており、その繁殖地は拡大しつつある。良好な漁場に囲まれており、漁業と観光業が盛んである。

海鳥の繁殖地の保護指定

  • 粟島鳥獣保護区(立島特別保護区)

繁殖している海鳥

オオミズナギドリ

海鳥・海洋保全への脅威

  • 漁業操業時の羅網が推測される。
  • 気候変動による餌資源の減少(近年、日本海は水温の上昇傾向が著しい。オオミズナギドリは、カタクチイワシを主な餌としているが、海水温が高温の年は繁殖成績、雛の成長速度が低いことから、長期的に繁殖地の個体群動態に影響を与える可能性がある。)
  • 洋上風力発電建設の可能性(村上市沖の洋上風力発電については、実施は見直されたが、今後も日本海沖に洋上風力発電建設の可能性がある。)
  • ノネコによる捕食(近年、新潟県獣医師会、粟島浦村、長岡技術科学大学でTNR(避妊手術)を実施し、観察されるノネコの個体数は減少傾向にある。しかし、一方でカメラで鳥が襲われる様子が確認されたり、箱罠でノネコが捕獲される事例は後を絶たない。)

保全活動

  • 外来種のコントロール:実施者(粟島浦村、長岡技術科学大学、新潟県獣医師会)
    内容:2013年よりTNR(避妊手術)活動を実施。これまで親猫の避妊去勢を行い、子猫はボランティア飼育の後、島外譲渡をしている。
  • 環境教育活動:実施者(長岡技術科学大学、名古屋大学)
    内容:オオミズナギドリの調査でわかったことの講演会の開催(小中学校)、フィールド調査に現地の人や子供たちを招いて、オオミズナギドリの生態を紹介する活動を実施
  • 法律制定、政策、規制:実施者(粟島浦村)
    内容:外来種の持ち込みを禁止する条例を制定し、飼育する猫のIDチップ装着、避妊去勢を義務付けている。
  • モニタリング調査:実施者(長岡技術科学大学、名古屋大学)
    内容:オオミズナギドリのヒナの成長速度、繁殖成功率、巣立ち率、GPSを用いた親鳥の繁殖期の行動調査、胃内容物の調査を2008年より継続して実施。

神子元島

環境構成

神子元島

神子元島は、伊豆半島の沖、下田港から約10㎞にある、周囲約4㎞、標高33mの無人島である。樹木は無く、一部にスゲ類などの草本類が茂る。島の中央には、文化財にもなっている神子元島灯台と石垣などの灯台の付属施設がある。周辺海域は岩礁が多く、釣りやダイビングのスポットとして知られる。カンムリウミスズメの繁殖が確認されているが、近年は営巣数が減少していると考えられる。

海鳥の繁殖地の保護指定

  • 富士箱根伊豆国立公園
  • 国指定天然記念物

繁殖している海鳥

カンムリウミスズメ

海鳥・海洋保全への脅威

  • 神子元島で繁殖しているカンムリウミスズメの採餌海域で洋上風力発電の建設計画があり、生息地放棄が懸念される。
  • 釣などで訪れる人が残した食べ物や撒き餌などのゴミが、元々は島にいなかったカラス類を誘致し、カンムリウミスズメを捕食、個体数減少の一因となっている。
  • カンムリウミスズメの営巣地への人の立ち入りによる繁殖かく乱が懸念される。

保全活動

  • 環境管理:実施者(公益財団法人日本野鳥の会)
    内容:カンムリウミスズメの営巣環境を回復するため2010年より人工巣の設置に取り組んでいる。
  • 環境教育活動:実施者(下田市、公益財団法人日本野鳥の会)
    内容:下田市教育委員会が、(公財)日本野鳥の会に依頼し神子元島の自然とカンムリウミスズメの保護活動についての講演を開催
  • モニタリング調査:実施者(公益財団法人日本野鳥の会)
    内容:カンムリウミスズメの人工巣の利用状況調査、上陸しての繁殖状況調査、洋上での個体数調査を実施

JP168 粟島(あわしま)

新潟県:岩船郡粟島浦村

新潟県:岩船郡粟島浦村

位置 N 38°27′ E 139°13′
面積 986ha

環境構成【島嶼/崖地】

粟島
写真:伊藤加奈

粟島は、新潟県の沖合35㎞の日本海上にある、周囲23㎞の有人島である。島の中央には、標高265.6mの小柴山があり、南北に連なる山々の東側と西側に集落がある。島の西部の丸山、立島の周辺、そこから北部に伸びる北西の崖で、オオミズナギドリが繁殖しており、その繁殖地は拡大しつつある。良好な漁場に囲まれており、漁業と観光業が盛んである。

選定理由

A4ⅱ オオミズナギドリ
A4ⅲ オオミズナギドリ

保護指定

法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
<保護指定の内容>
粟島鳥獣保護区(立島特別保護区)
<その他>
国指定天然記念物

保全への脅威

  • 漁業操業時の羅網が推測される。
  • 気候変動による餌資源の減少(近年、日本海は水温の上昇傾向が著しい。オオミズナギドリは、カタクチイワシを主な餌としているが、海水温が高温の年は繁殖成績、雛の成長速度が低いことから、長期的に繁殖地の個体群動態に影響を与える可能性がある。)
  • 洋上風力発電建設の可能性(村上市沖の洋上風力発電については、実施は見直されたが、今後も日本海沖に洋上風力発電建設の可能性がある。)
  • ノネコによる捕食(近年、新潟県獣医師会、粟島浦村、長岡技術科学大学でTNR(避妊手術)を実施し、観察されるノネコの個体数は減少傾向にある。しかし、一方でカメラで鳥が襲われる様子が確認されたり、箱罠でノネコが捕獲される事例は後を絶たない。)

保全活動

  • 外来種のコントロール:実施者(粟島浦村、長岡技術科学大学、新潟県獣医師会)
    内容:2013年よりTNR(避妊手術)活動を実施。これまで親猫の避妊去勢を行い、子猫はボランティア飼育の後、島外譲渡をしている。
  • 環境教育活動:実施者(長岡技術科学大学、名古屋大学)
    内容:オオミズナギドリの調査でわかったことの講演会の開催(小中学校)、フィールド調査に現地の人や子供たちを招いて、オオミズナギドリの生態を紹介する活動を実施
  • 法律制定、政策、規制:実施者(粟島浦村)
    内容:外来種の持ち込みを禁止する条例を制定し、飼育する猫のIDチップ装着、避妊去勢を義務付けている。
  • モニタリング調査:実施者(長岡技術科学大学、名古屋大学)
    内容:オオミズナギドリのヒナの成長速度、繁殖成功率、巣立ち率、GPSを用いた親鳥の繁殖期の行動調査、胃内容物の調査を2008年より継続して実施。

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 865KB)

※粟島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されています。 詳しくはこちら

JP169 神子元島(みこもとじま)

新潟県:静岡県:下田市

静岡県:下田市

位置 N 34°34′ E 138°56′
面積 14ha

環境構成【島嶼/崖地】

神子元島
写真:山本裕

神子元島は、伊豆半島の沖、下田港から約10㎞にある、周囲約4㎞、標高33mの無人島である。樹木は無く、一部にスゲ類などの草本類が茂る。島の中央には、文化財にもなっている神子元島灯台と石垣などの灯台の付属施設がある。周辺海域は岩礁が多く、釣りやダイビングのスポットとして知られる。カンムリウミスズメの繁殖が確認されているが、近年は営巣数が減少していると考えられる。

選定理由

A1 カンムリウミスズメ

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
富士箱根伊豆国立公園(第二種特別地域)
<その他>
国指定天然記念物

保全への脅威

  • 神子元島で繁殖しているカンムリウミスズメの採餌海域で洋上風力発電の建設計画があり、生息地放棄が懸念される。
  • 釣などで訪れる人が残した食べ物や撒き餌などのゴミが、元々は島にいなかったカラス類を誘致し、カンムリウミスズメを捕食、個体数減少の一因となっている。
  • カンムリウミスズメの営巣地への人の立ち入りによる繁殖かく乱が懸念される。

保全活動

  • 環境管理:実施者(公益財団法人日本野鳥の会)
    内容:カンムリウミスズメの営巣環境を回復するため2010年より人工巣の設置に取り組んでいる。
  • 環境教育活動:実施者(下田市、公益財団法人日本野鳥の会)
    内容:下田市教育委員会が、(公財)日本野鳥の会に依頼し神子元島の自然とカンムリウミスズメの保護活動についての講演を開催
  • モニタリング調査:実施者(公益財団法人日本野鳥の会)
    内容:カンムリウミスズメの人工巣の利用状況調査、上陸しての繁殖状況調査、洋上での個体数調査を実施

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 545KB)

※神子元島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されています。 詳しくはこちら

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