石垣リゾート&コミュニティー計画に対する緊急記者発表を行いました

2025年8月13日

7月30日に石垣リゾート&コミュニティー計画に関する緊急記者会見を行いました。同計画は石垣市の支援を得て株式会社ユニマットプレシャスが進めているゴルフ場付きリゾート施設の建設計画です。

この計画に対しては、約127haという広大な開発用地内にカンムリワシなど絶滅危惧種の生息地やラムサール条約湿地である名蔵アンパルの水源地が含まれ、水系を通じて国立公園の名蔵湾や沿岸のサンゴ礁・マングローブ林にも深刻な影響が懸念されます。そのことから、アンパルの自然を守る会、カンムリワシの里と森を守る会をはじめとする地元団体と日本魚類学会、WWFジャパン、日本野鳥の会などが、事業着手に必要な許可を審査している沖縄県に対して周辺環境に十分な配慮がされることを要請していましたが、5月7日に沖縄県は計画を進めるのに必要な農地転用許可と開発許可を出しました。

今回の緊急記者会見は、沖縄県に対して開示請求を行ってきたこれらの審査資料の一部(一部は、8月に開示決定)が開示されたことを受けて、審査の過程で明らかになった問題点やこれまで我々が指摘してきた問題点への対応が不十分であることを広く知ってもらうために行ったものです。また、JELF(日本環境法律家連盟)のカンムリワシ弁護団が予定している法的措置についても報告が行われました。

記者発表のおもな内容

1. 準備中の農地転用許可についての行政不服審判請求について

2. カンムリワシの生息地保全

  • 2019年に公開された環境影響調査方法書で示された配慮を要する場所と、今回開示された資料に書かれている配慮場所がまったく同じ。環境影響調査方法書作成以降に行なった繁殖調査等の調査結果の反映やそれにもとづく保全策が検討されていない。

3. 大量の地下水汲み上げの影響

  • 地下水の汲み上げによる地下水系への海水の侵入による塩水化について、モニタリングを行い影響が検出された場合、揚水を中止するとあるが、指標の電気伝導度の数値が高すぎるなど、その他科学的な誤りがあり初期段階での検出ができない。
  • 渇水等で上水を利用する場合、水不足等の市民生活への影響の懸念。
  • 周辺で地下水を利用している農業者がいるにも関わらず、石垣市はヒアリングを行わず地下水の利用はないと県に報告。

4. 農薬等を含む排水による汚染

  • 排水計画が明らかになり、農薬を含む排水が名蔵アンパルに流入することが明らかになる。農薬にはネオニコチノイド系の殺虫剤も入っており甲殻類などへの影響が懸念される。
  • 有機農業を行っている農地へも排水が流入する。
  • イシガキパイヌキバラヨシノボリ※の生息が唯一確認されている繁殖地での流量の減少が予測されている。

5. ゴルフリゾート施設の経済的効果

  • 市民の森の土地や農道、里道の廃止、排水先の河川利用と施設新設など市の公共財を開発事業に提供。

6. 新たな文化財(風葬)の発掘と調査・保存

  • 5月に発見された風葬墓のうち1地点を文化財として指定する方針が示されたが、開発で毀損が懸念される。

※イシガキパイヌキバラヨシノボリ:2022年に新種として記載されたパイヌキバラヨシノボリの石垣島の固有亜種

参考:これまでの経緯

2015年 10月 石垣市長・事業者が計画公表(ゴルフリゾート建設は市長の選挙公約)
アンパルの自然を守る会が計画の見直しを求める要請を行う
2019年 2月 県条例にもとづく環境影響評価方法書に対して意見書
2021年 2月 環境影響評価準備書に対しての知事意見。17項目70件の問題点を指摘
9月 アンパルの自然を守る会、我がーやいまの自然を守る会が共同署名活動開始2022年5月12日時点で計26655名の署名
11月 環境影響評価書最終版が縦覧終了。重要項目について知事指摘に対し未対応
12月 地元のアンパルの自然を守る会、我がーやいまの自然を守る会、当会やWWFジャパンなど11団体が連名で沖縄県に対して審査を通して計画の見直しを求める要請 1
2022年 1月 日本魚類学会が計画の見直しを求める要請
2月 世界湿地の日に計画の問題点と提言を動画配信 2
3月 地域未来促進法の「地域経済牽引事業計画」を沖縄県が同意
6月 石垣市長の農業振興地域の指定解除案に対して農業従事者10名が異議申立(その後却下)
当会を含む12団体が連名で沖縄県、石垣市、事業者に対して要請 3
10月 石垣島でカンムリワシの里と森を守る会結成
2023年 4月 県知事宛て知事許可事項(農地転用・開発許可等)に対する合同要請(16団体)4
2025年 3月 沖縄県が林地開発許可
5月 沖縄県が土地計画法に基づく開発許可、農地法に基づく農地転用許可
7月 沖縄県による公文書開示
  1. (仮称)石垣リゾート&コミュニティ計画に関して、沖縄県および石垣市に要請書を提出(2021年11月30日)
  2. 「世界湿地の日 記念セミナー」動画を公開(2022年2月1日)
  3. 「(仮称)石垣リゾート&コミュニティ計画」に対する緊急要請書(2022年6月20日)
  4. 「石垣リゾート&コミュニティ計画」に係る知事許可事項に対する要請を行ないました(2023年4月17日)

「チュウヒサミット2024」 開催報告

チュウヒサミット2024のようす
開会宣言をする日本野鳥の会三重の近藤代表

日本におけるチュウヒの生息状況などを、研究者、市民、行政関係者の間で共有するために、2024年11月16日、愛知学院大学(名古屋市)にて、「チュウヒサミット2024」が開催され、全国各地からチュウヒの研究者や関心のある市民が約100名集まりました。

今回の「チュウヒサミット2024」は、北海道・本州・九州での繁殖個体数や、ねぐら入り個体数などの最新情報を共有し、持続可能な保護施策について議論することを目的に開催されました。

基調講演では、エデュエンス・フィールド・プロダクションの米川 洋氏から「北海道北部におけるチュウヒ繁殖個体群の現状」、日本野鳥の会岡山県支部の多田英行氏から「越冬期のチュウヒについて(生態の概要、保全上の課題)」の講演が行われました。当会からは、浦主任研究員が「チュウヒの国内繁殖つがい数の推定」、ウトナイ湖サンクチュアリの稲葉レンジャーより「北海道勇払原野におけるチュウヒの生息状況と営巣環境選択」について講演しました。

このほか、石狩川下流域・愛知県西三河地方・滋賀県・北陸地方・木曽岬干拓地などでのチュウヒの生息状況について報告があり、チュウヒの研究や保護に関する最新の知識を共有することができました。

サミットの最後には「チュウヒサミット2024提言」がなされ、

  1. チュウヒの繁殖地や越冬地、ねぐらを保護するための具体的手立てが行政機関等により策定されていないこと
  2. 種の保存法における国内希少野生動植物種に指定されるだけではチュウヒとその生息環境を保護することができず、今後は積極的にチュウヒのための保護区の設置や保護増殖のための計画策定が望まれること

を、主催者と市民で確認しました。

主催:日本野鳥の会愛知県支部・日本野鳥の会三重
共催:日本野鳥の会
後援:環境省中部地方環境事務所・愛知県・三重県

関連リンク

参院選を通じて自然保護に参加しよう

当会では、2025年7月に行われた参議院選にて、主要政党が公表したマニフェストや特設ページで自然環境保全に関係するおもだった政策をまとめて掲載していましたが、参院選終了に伴い、当会の意見を以下のページに掲載しました。

バードアイランド三宅島の自然を守れ

三宅島・雄山の風景
三宅島・雄山の風景。2000年噴火で失われた緑は徐々に回復が進んでいる(写真:沖山勝彦)

今から25年前の2000年夏――三宅島で近年例のない大噴火が発生しました。

「バードアイランド」と呼ばれた野鳥と深緑の島に巨大な噴煙が立ち昇り、大量の火山ガスが流出。島に住むすべての人々が島外への避難を余儀なくされ、森の木々は立ち枯れて、人も野鳥も拠り所を失いました。

避難が解除された2005年、復興をめざし島に戻った日本野鳥の会のレンジャーたちは、噴火で激変した自然環境と向き合い、島の人々と協力し、自然と共生する新しいバードアイランドのあり方を模索してきました。あれから20年、今もなお、その挑戦は続いています。

島の人たちとめざす、自然とともに生きる未来

世界でも有数の火山島で自然豊かな三宅島はバードアイランドと呼ばれ、絶滅危惧種のアカコッコやカンムリウミスズメ、また伊豆諸島固有種が数多く生息する野鳥の宝庫です。

アカコッコ
アカコッコ(絶滅危惧ⅠB類)
伊豆諸島やトカラ列島などに分布が限られているツグミ科の鳥で日本固有種。
国の天然記念物、絶滅危惧種にも指定されている

当会は、開発計画でゆれていたこの島の自然保護を1980年代から訴え続け、自然を活かす英断をした三宅村は1993年に「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」を開設。運営を託された当会は、レンジャーを常駐させ、活動を続けてきました。

ところが2000年の大噴火で状況は一変。大量の火山ガスにより森の約6割が消失し、4年半を経て帰島が実現してからは、火山の影響の中での復興が大きな課題となりました。

噴火した直後のようす
噴火した直後のようす(写真:青谷知己)
全島避難の発令により、この噴火による人的被害はなかった

島に戻ったレンジャーは、「三宅型エコツーリズム」を提案。野鳥、海、さらには噴火すら島独自の資源として観光プログラムを開発し、地元自然ガイドを養成して、島の人々自身が島の魅力を伝える産業をつくる――野鳥や自然とともに生きる、新しい形のバードアイランドを目指しました。

自然ガイド養成講座のようす
自然ガイド養成講座のようす

養成講座の卒業生によるガイド
養成講座の卒業生によるガイド

アカコッコやカンムリウミスズメの保護活動は、おもに当会の自然保護部門がにない、島の大切な資源である希少種を守るため、GPSでの行動圏調査や生息地づくりを行ってきました。

そして現在、三宅島は驚異的な森林の回復とともに、地元自然ガイドの活躍でエコツーリズムが産業として定着しつつあります。しかし一方で、移入種のイタチがアカコッコを捕食してしまう長年の問題は解決しておらず、サンゴの白化をもたらす気候変動に加え、近海での洋上風力発電所建設計画など島の自然を脅かしかねない新たな懸念も生まれています。

移入種のイタチ
移入種のイタチ
農作物を荒らすネズミ対策で移入されたが、
アカコッコの天敵に

白化したと富賀浜のサンゴ
白化したと富賀浜(とがはま)のサンゴ
2024年9月、海水温の上昇が原因とみられる
サンゴの白化を広範囲で確認


地域の自然を守るには、多くの時間と、人々の理解、協力が必要になります。
30年にわたりレンジャーが常駐してともに生活しているからこそ、三宅島の人々の声にこたえつつ、自然と共生する地域社会を模索することができるのです。

当会は、レンジャーと自然保護部門の連携によって引き続き三宅島の自然を守り、このような人と自然が共生する社会の試みが拡がっていくことをめざしていきます。どうかご支援をお願いします。

野鳥と人が共生する社会を拡げていくために
日本野鳥の会の活動にご支援をお願いいたします

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島で活動する人たち

島の人々とともに三宅島の自然を守る

日本野鳥の会 チーフレンジャー 内藤明紀

三宅島の自然を守っていくためには、その宝である自然が生み出す経済的な還元も重要になってきます。これがなければ、島にとって宝としての自然の価値は小さくなり、不要な開発を招くことにもなります。そのため、島の自然を求めて訪れた方が、滞在日数を延ばし、島でお金を使っていってくれる観光の仕組み作りが欠かせません。

(日本野鳥の会 チーフレンジャー 内藤明紀)

三宅島らしいやり方で三宅島だからこその魅力を伝える

earth wind & 代表、東京都自然ガイド 菊地ひとみさん

三宅島で陸と海の自然ガイドをやっている菊地ひとみです。
現在活動している自然ガイドはレンジャーたちによって育成された自然ガイド養成講座の修了生です。私たちはここから始まり、環境保全活動、次世代の子どもたちへの環境教育、島の魅力の発掘と発信をやり続けて早や18年。
これからもレンジャーとともに島の人々や自然に寄り添った三宅島らしいやり方で三宅島だからこその魅力を伝え活かしていきたいと思います。

(earth wind & 代表、東京都自然ガイド 菊地ひとみさん)

三宅島で観察できる鳥

アカコッコの写真
アカコッコ
(絶滅危惧ⅠB類)

カンムリウミスズメの写真(写真:鈴木義晴)
カンムリウミスズメ
(絶滅危惧Ⅱ類)
(写真:鈴木義晴)

タネコマドリの写真
タネコマドリ
(絶滅危惧Ⅱ類)


ウチヤマセンニュウの写真
ウチヤマセンニュウ
(絶滅危惧ⅠB類)

イイジマムシクイの写真
イイジマムシクイ
(絶滅危惧Ⅱ類)

オーストンヤマガラの写真
オーストンヤマガラ
(絶滅危惧ⅠB類)

他、モスケミソサザイ(絶滅危惧ⅠB類)、カラスバトなど、約300種の野鳥が確認されている。

森林の回復経過

椎取(しいとり)神社周辺のようす

噴火前 社殿を取り囲む森
噴火前
社殿を取り囲む森

2003年1月 火山泥流にのまれた社殿と鳥居のあと
2003年1月
火山泥流にのまれた社殿と鳥居のあと

2011年7月 埋没した神社の周辺に緑が戻りはじめる
2011年7月
埋没した神社の周辺に緑が戻りはじめる

胴吹きによる森の再生(2019年)

胴吹きによる森の再生(写真:沖山勝彦)
(写真:沖山勝彦)
火山ガスの影響で落葉した樹木の幹から新たに芽が出る「胴吹き」により森は再生

日本野鳥の会の取り組み

当会が独自に行っているアカコッコの保護事業

三宅島はアカコッコの重要な生息地の一つですが、人が放したイタチや噴火、離農による生息環境の変化が影響し、アカコッコは大きく数を減らしました。当会はアカコッコ館の事業に加えて、独自の保護事業を進めています。毎年、島の人々の協力を得て実施している総個体数調査のほか、GPSロガーをアカコッコにつけて1年間の行動を追跡したり、カラーリングを装着し繁殖期の行動範囲を明らかにしました。

アカコッコの背中に重さ1.4gのGPSロガーを装着
アカコッコの背中に重さ1.4gのGPSロガーを装着

GPSの記録をたどって生息環境を確認
GPSの記録をたどって生息環境を確認

こうして蓄積したデータを生息環境の改善にも役立ており、2020年には当会からの提案によってアカコッコは国内希少野生動植物種に指定されました。国への働きかけや、地元や行政、研究者とも連携をしながら保護活動を着実に進めていきます。

アカコッコの森づくり

林床のつる植物を除去する作業
林床のつる植物を除去する作業

アカコッコ館では、毎年当会の自然保護部門と共同でアカコッコが好む環境を作る「アカコッコの森づくり」を実施しています。

この活動は、島内外のボランティアの方々の協力を得ながら行っており、地面をおおうつる植物を抜いたり水場を設置することで、アカコッコがエサを捕りやすく住みやすくなるよう環境を整備しています。

豊かな海を守る活動

サンゴの生息調査
サンゴの生息調査

アカコッコ館が開館した1993年以降、当会のレンジャーは鳥類だけでなく、サンゴの調査や潮だまりでの海水魚の調査を継続して行っています。

そこで蓄積した情報は観察会や環境教育で活用し、海の生きものの魅力や大切さを伝えてきました。2024年度、この活動が日本サンゴ礁学会 保全・教育普及奨励賞を受賞しました。

三宅島

東京から南に約180km、直径約8km、周囲38.3kmの火山島で人口約2200人

三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館

三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
三宅村村営施設。日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、
自然情報の提供、自然観察会の開催、調査・研究などの活動を行っている

三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館のホームページ

野鳥と人が共生する社会を拡げていくために
日本野鳥の会の活動にご支援をお願いいたします

ご寄付はこちら

森の魅力を解説するレンジャー
森の魅力を解説するレンジャー

海の自然を伝えるのもレンジャーの仕事
海の自然を伝えるのもレンジャーの仕事

※プレゼント付き寄付について

日本野鳥の会のプレゼント付き寄付は、自然を守る活動に楽しく参加していただく寄付のしくみです。
寄付の金額により、ご希望に応じて野鳥グッズをプレゼントしています。プレゼントが不要の寄付もお選びいただけます。

皆さまのご寄付は、バードアイランド三宅島の野鳥や自然を守る活動や、野鳥と人が共生する社会を拡げていくための活動の資金になります。シマフクロウ、タンチョウ、チュウヒなど絶滅危惧種の保護活動のほか、身近な野鳥たちの調査研究、野鳥と自然の大切さの普及啓発活動などにも使われます。

三宅島で大幅なサンゴの減少を確認

2025年6月26日

主催:三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
共催:コーラル・ネットワーク

1. 三宅島でのリーフチェックの経緯と調査方法

三宅島では1998年よりリーフチェックを開始し、2000年の雄山噴火に伴う全島避難で一時調査を中断した。2005年の帰島以後は、2007年以外毎年実施し、今回の調査は22回目となる。今回はコーラル・ネットワークのリーフチェックコーディネーター1名、駒沢大学応用地理研究所所員1名、島内のダイビングショップインストラクターおよびスタッフ3名、日本野鳥の会の職員でアカコッコ館のスタッフ1名で富賀浜と伊ヶ谷のカタン崎を調査した。

世界共通の調査方法に準じ、サンゴ群集上にメジャーで100mのラインを設置し、ライン直下の構成種を造礁サンゴ、海藻、砂床など10種に分類し記録した。あわせて、ライン周辺の魚やエビ、ウニなど世界共通の対象種および三宅島独自対象種の生きものの数を記録した。

※リーフチェックとは
サンゴ礁の健康度を測るために世界同一基準で用いられているモニタリング調査で1997年に始まった。アメリカ・カリフォルニアに本部を置く民間団体が推進している。調査は科学者とボランティアダイバーでチームを編成し、サンゴ、魚類、海底の生物など国際基準の調査項目を潜水して調査し、調査結果をインターネットを通じて本部に送る。各地の結果は毎年本部で取りまとめられ、ホームページなどを通じて公表される。

2. 調査結果

(1)富賀浜

富賀浜では、今年海底の1.3%がサンゴにおおわれていた。昨年度は、23%程度が造礁サンゴにおおわれていたが、それらのサンゴの白化率※が100%であり、白化したサンゴがそのまま死亡したために、サンゴの割合が大幅に減少したものと考えられる。本海域で優占的に生息していた卓状クシハダミドリイシ群生は、全滅しており、死亡したサンゴの表面を藻類がおおっている状態であった。

調査区域内ではオニヒトデや他のサンゴ食生物による食痕もみられていない。調査ライン周辺の魚類についてはおおよそ例年通りの魚種を確認した。無脊椎動物においては昨年多く見られたガンガゼ類が大幅に減少した。2019年から見られていた漁網くずが今年も数カ所で見られた。

※白化率(%)の算出方法 (白化サンゴ+白化による死サンゴ)/(生存サンゴ+白化サンゴ+白化による死サンゴ)×100

調査の様子(富賀浜)
調査の様子(富賀浜)
調査の様子(富賀浜)

調査の様子(富賀浜)

(2)カタン崎

今年のカタン崎では、海底の10.6%が造礁サンゴにおおわれていた。昨年は、24%程度がサンゴにおおわれ、そのうち89.4%のサンゴが白化していた。今年の結果は、昨年の調査時に白化したサンゴの大半がそのまま死亡し、サンゴの割合が減少したものと考えられる。なお、今年の調査時に、測線上で白化したサンゴは認められなかった。

サンゴ食の生きものではサンゴ食の巻貝等は認められなかった。オニヒトデは確認されていない。サンゴ周辺の生きものでは、調査対象の魚類には目立った変化がなかったが、昨年多く認められたガンガゼ類が激減した。

調査の様子(カタン崎)
調査の様子(カタン崎)

調査の様子(カタン崎)

3. 総評(駒沢大学応用地理研究所 鈴木倫太郎 博士 コメント)

2024年は、世界的にサンゴの白化現象が確認された。三宅島周辺海域においても、これまでに記録したことが無いほどの大規模な白化現象が確認された。

今年の調査は、昨年の造礁サンゴの広範囲におよぶ白化現象後の初の調査であった。調査の結果は、富賀浜では2023年には海底の69%がサンゴにおおわれていたが、昨年の白化現象を経て1.3%にまで減少した。カタン崎においても、2023年43%であった造礁サンゴの割合が、昨年の夏を経て10.6%にまで減少した。これらの結果から、三宅島周辺海域の造礁サンゴ類は、昨年夏季の高海水温により、結果として大きくその数が減少したことが明らかとなった。伊豆諸島最大と呼ばれた富賀浜の卓状クシハダミドリイシの大群生は、すべてが死滅し表面を藻類がおおっている状態であった。三宅島における昨夏の白化現象は、8月初旬に確認され始めた。これは、三宅島の周辺海域の海水温が8月以降に高い状態となったことと関連している。

海底を自由に動くことができないサンゴは、その海域の水温などの影響を強く受けるために、海域環境の指標ともされる生きものである。昨夏の三宅島におけるサンゴの大規模白化は、三宅島の周辺海域において、これまでに経験したことが無い高水温の状況が継続した影響であると考えられる。その結果、今年の調査において、調査を開始した1998年以降、サンゴの割合が最も低い状況となった。今後、三宅島周辺海域の状況を、引き続きモニタリングする必要がある。

調査メンバー
調査メンバー

4. 参考リンク

Strix Vol.41

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原著論文

Strix41巻

香川県北西部における春期ハイタカの渡り
村井孝臣
千葉県谷津干潟におけるカモ科鳥類の個体数変動
桐原政志
日本中部のアファンの森のフクロウStrix uralensisの繁殖と食性の長期調査
高槻成紀・川崎公夫・海老原茉里奈・福地健太郎・石井敦司・河西恒・坂本大輔・千家典子
北海道渡島半島西部の鳥類3. ヒノキアスナロ林における繁殖期の鳥類相
玉田克巳
北海道におけるホオジロの繁殖期の分布
藤巻裕蔵

短報

島根県内におけるチゴモズLanius tigrinusの繁殖初記録
有岡英明・岡本智臣・小坂秀樹・内倉康幸・芦明也
長崎県長崎市におけるカワリシロハラミズナギドリPterodroma neglectaの九州及び日本海側地域初記録とその解剖学的所見の集約
中村茂・吉谷将史
北海道初山別村における漁港の消波ブロックを利用したアオサギの営巣記録(2021-2024年)
矢萩樹
セグロシロハラミズナギドリPseudobulweria rostrataの日本2例目、3例目の観察記録
奴賀俊光・柴崎花菜・上野信一郎・上園了慶・岡谷咲・小野間柊太・澤田怜央・南航平・箕輪義隆
大阪府箕面市におけるリュウキュウサンショウクイの繁殖確認
熊代直生
県北西部の島嶼におけるウチヤマセンニュウの山口県初記録となる新規繁殖地確認
片岡智徳・宮原克久・宮原律子・嘉室光紀
高山帯におけるカワラヒワの繁殖期の観察記録
飯島大智
コムクドリAgropsar philippensisが異なるルースコロニーに複縄ばりを形成して社会的一夫二妻を成立させた可能性
髙橋由羽・竹中万紀子・松井晋
夏季の北海道南部海域における繁殖羽を有するエトピリカの観察記録
小澤光莉・山本弥景・伊藤元裕

書評

『温暖化に負けない生き物たち 気候変動を生き抜くしたたかな戦略』
瀬古智貫
『足環をつけた鳥が教えてくれること』
出口智広
『僕には鳥の言葉がわかる』
上田恵介

全国のツバメのねぐらマップ

ツバメのねぐら入りのようす

全国のツバメのねぐらを紹介します。
日本野鳥の会の支部や会員が確認して、観察会などを行なっているところもあります。
ツバメのねぐらは各地に点在しており、ここで紹介しているポイントはその一部です。皆さんのまわりにも、ツバメのねぐらがあるかもしれません。ぜひ一度、ツバメのねぐら入りを見て、ツバメの魅力を感じてください。

※その年の状況によって、ねぐらがつくられなかったり、規模や場所が変わることがあります。

東北ブロック
関東ブロック
中部ブロック
近畿ブロック
中国・四国ブロック
九州・沖縄ブロック


観察にあたって注意すること

  • できるだけ公共交通機関をご利用ください。
  • 強力なライトを照らしたり、カメラのフラッシュをたくなど、ツバメをおどろかすことはやめましょう。
  • 田んぼのあぜには立ち入らないでください。
  • 夜間の観察になりますので、事故のないようにご注意ください。

パンフレット『おやすみツバメ』

ご希望の方に『おやすみツバメ』無料でプレゼント!

ツバメの「集団ねぐら」についての解説や、「ねぐら入り」の見どころ、ねぐらとなるヨシ原の重要性をわかりやすく紹介しています。
ツバメのねぐら入り観察に、この一冊をぜひご活用ください。

詳細はこちら

東北ブロック

福島県

夏井川河口

所在
福島県いわき市
交通
自家用車利用
ピークの時期
7月中旬~8月下旬
羽数
約10,000羽
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ねぐらは広い河川敷の川の側にあり対岸からの見通しが良く、上空集合や川面での水飲み、水浴び、ねぐらの上を集団で旋回しじょじょにねぐら入りするようすまで観察できます。また天候次第ですが夕焼けで金色に輝く川面と、それに波紋を描きながら舞い飛ぶツバメのコラボが素晴らしく、毎回歓声があがります。
観察場所は土手上の道路脇の駐車スペースを使います。交通量は少ないですが、車の通行には気をつけてください。観察場所から川岸まで約30m、川幅約50m、ねぐらまで約150mほどあります。双眼鏡やスコープがあればより良く観察ができます。
観察会情報
日本野鳥の会いわき支部

関東ブロック

茨城県

涸沼

所在
茨城県東茨城郡茨城町
交通
自家用車利用
ピークの時期
7月下旬~8月下旬頃
羽数
約15,000羽
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ラムサール条約湿地の涸沼西側に流れ込む涸沼川の川岸のヨシ原がねぐらとなっており、堤防上から観察できます。数年前に涸沼東部のねぐらが移動してきました。近くのヨシ原内にある灌木はサギ類のねぐらとしても使われています。
観察会情報
日本野鳥の会茨城県

栃木県

渡良瀬遊水地

所在
栃木県栃木市
交通
自家用車利用
ピークの時期
8月上旬~8月下旬頃
羽数
約30,000羽~50,000羽
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渡良瀬遊水地のねぐら入りは、年によって場所が変わり、観察する背景もさまざまである。最終的に集まるのはヨシ原だが、そこに至るまでの10~15分にドラマがある。山や夕日がバックとなったり、通路を左右に飛び交ったり、水路上スレスレを群れで飛んだりと、楽しむことができる。例年8月に、日本野鳥の会栃木県支部がねぐら入り観察会を開催している。
観察会情報
日本野鳥の会栃木県支部

神奈川県

多摩川下流域

所在
神奈川県川崎市
交通
京急大師線「港町」駅より徒歩5分
ピークの時期
7月下旬~8月中旬頃
羽数
約3,000羽
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多摩川六郷橋緑地から川を挟んで対岸のヨシ原にねぐらがあります。「港町」駅の河川敷から六郷水門方向を見ると観察しやすいです。日によってはたくさんのツバメが舞い飛ぶこともあります。
観察会情報
日本野鳥の会東京日本野鳥の会神奈川支部

境川遊水地公園

所在
神奈川県横浜市・藤沢市
交通
小田急・相鉄・横浜市営地下鉄「湘南台」駅から徒歩30分
または、神奈川中央交通バス「元木」停留所から徒歩10分
ピークの時期
7月下旬~8月中旬頃
羽数
約100~200羽
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今田遊水地のヨシ原にねぐらがあり、公園外周の歩道から観察できる。日中には、サギ類やオオヨシキリ等の野鳥も観察でき、ねぐら入りのツバメを狙うチョウゲンボウが出現することもある。

中部ブロック

石川県

河北潟

所在
石川県津幡町
交通
自家用車利用
ピークの時期
8月上旬~8月下旬頃
羽数
約30,000羽
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夕日が映る水面すれすれを飛び交うツバメや、頭上を乱舞する集団が見られ、そのうち一気に木の葉落としのようにヨシ原に入っていきます。河北潟は広く、どこのヨシ原に入るかは年や日によって異なりますが、運良く群れが近くを通過すれば、周り中ツバメだらけとなり、数とスピード、そして風を切る音と鳴き声に圧倒されます。
観察会情報
日本野鳥の会石川

山梨県

談合坂サービスエリア(上り)

所在
山梨県上野原市
交通
自家用車利用
ピークの時期
7月上旬~8月下旬頃
羽数
約10,000羽
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高速道路のサービスエリア内に植えられた、20本ほどの木に10,000羽のツバメがねぐら入りする。ヨシ原ではなく、街路樹、それもサービスエリアという人工的な環境の中のねぐらは異質な例。日の入り直前になると、無数のツバメが渦になって旋回し、休憩中のドライバーも思わず足を止めて見入っている。

近畿ブロック

奈良県

平城宮跡

所在
奈良県奈良市
交通
近鉄「大和西大寺」駅から徒歩10~20分
ピークの時期
8月上旬~8月中旬頃
羽数
60,000羽(年により変動あり)
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最近は大極殿ねぐら、玉手門ねぐら、朝堂院ねぐらのいずれかにねぐら入りする。ライトアップした大極殿を見ながらの観察もできる。大極殿ねぐらと玉手門ねぐらは、ヨシ原のすぐそばまで近づくことができるため、ツバメとの距離が近く迫力満点。例年8月に、日本野鳥の会奈良支部がねぐら入り観察会を開催。継続したねぐらの調査を実施しており、調査結果を支部ホームページの「タカ渡り・ツバメ速報」で公開している。
観察会情報
日本野鳥の会奈良支部

和歌山県

紀の川下流域

所在
和歌山県和歌山市
交通
JR「六十谷(むそた)」駅・和歌山バス「六十谷」停留所から徒歩20~30分
ピークの時期
8月上旬~8月中旬頃
羽数
約15,000羽
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紀の川大堰近くに広がるヨシ原には、毎年7月下旬~8月中旬にかけて和歌山市周辺で繁殖したツバメの若鳥や巣立ちヒナたちが集合する。日没頃からじょじょに上空を舞い、次第に低空を飛び始める。観察者の体をかすめるように飛び交かい、紀の川の水面をツバメが渦巻くようになり、やがてヨシの穂の先で体を休め、夜を過ごす。例年8月に、日本野鳥の会和歌山県支部がねぐら入り観察会を開催している。
観察会情報
日本野鳥の会和歌山県支部

滋賀県

西の湖

所在
滋賀県近江八幡市
交通
JR「安土」駅から徒歩25分
ピークの時期
7月下旬~9月上旬頃
羽数
約10,000羽
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かつては琵琶湖の一部だったが、周辺の多くが干拓され、残された水面が西の湖。湖周に 約 109ha のヨシ原があり、集団ねぐらの位置はこのヨシ原の中を時々移動する。過去には 100,000 羽も集まったと言われるが、近年急速に集合羽数が減少している。渡りの時期には中継地の役割もあるとみられ、10 月にもねぐらが営まれる。9月以降は他の種類のツバメ類の一夜白のような光景に出会えることがある。地元では船からの観察会実績もあり、特有なねぐら入りの光景が観察されている。

中国・四国ブロック

岡山県

百間川緑地

所在
岡山県岡山市中区
交通
岡電バス(岡山駅発 藤原団地行き)「東川原」あるいは「さい」停留所から徒歩10分弱
ピークの時期
8月上旬
羽数
約1,000羽以上
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数千羽のツバメが日没後の空を飛び回る姿を見ませんか?肉眼では日没後の空を飛び回るツバメを見るのは困難です。双眼鏡をお持ちの方は持参してください。例年8月頃に日本野鳥の会岡山県支部でねぐら入り観察会を開催している。
観察会情報
日本野鳥の会岡山県支部

広島県

八幡川河口 ※ツバメのねぐら入り観察会時以外立ち入り禁止

所在
広島県広島市佐伯区
交通
JR山陽線「五日市」駅から徒歩15分
または、広島バス「商工センター7丁目」停留所から徒歩20分
ピークの時期
8月上旬~8月下旬頃
羽数
約8,000羽
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広島港五日市地区港湾整備事業により造成された埋立地の東南エリアに、野鳥園予定地として残された池がある。その池にあるヨシ原を毎年ツバメがねぐらとして利用している。埋立地へのアクセスは安全のため立ち入り禁止となっている。例年8月に日本野鳥の会広島県支部がねぐら入り観察会を行っており、ツバメがヨシ原のねぐらに飛び込むようすが観察できる。
観察会情報
日本野鳥の会広島県支部

山口県

きらら浜 ※公園の行事以外で立ち入り禁止

所在
山口県山口市
交通
自家用車利用
ピークの時期
7月中旬~10月中旬頃
羽数
約5,000羽
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きらら浜自然観察公園の敷地内にある約5haのヨシ原と約1haの池で構成されたヨシ原ゾーンがねぐらとなっている。周囲は樹林に囲まれたとても静かな環境になっている。
7~9月はツバメ、10月はショウドウツバメのほか、スズメのねぐらにも利用されており、ねぐら入りをねらうハヤブサが観察できることもある。
注意:ねぐら入りの時間帯は閉園時間のため公園の行事以外での観察はできません。
観察会情報
きらら浜自然観察公園

九州・沖縄ブロック

宮崎県

大淀川河川敷

所在
宮崎県宮崎市
交通
宮崎交通バス「松橋町」停留所から徒歩10分
ピークの時期
8月上旬~8月下旬頃
羽数
約10,000~20,000羽
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宮崎市の天満橋上流の大淀川河川敷上空では日没前に、たくさんのツバメが飛び交います。日没時刻を過ぎた頃からたくさんのツバメが、上空から急降下をしながらヨシ原に飛び込んでいきます。観察時期は8月初旬から下旬までがおすすめです。例年8月下旬に日本野鳥の会宮崎県県支部でねぐら入り観察会を開催している。
注意:観察会周辺には、駐車場がありません。公共交通機関をご利用ください。
観察会情報
日本野鳥の会宮崎県支部

長崎県

諫早湾干拓調整池(中央干拓地先端)

所在
長崎県諫早市
交通
自家用車利用
ピークの時期
8月上旬~9月上旬頃
羽数
約60,000羽
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中央干拓地先端のヨシ原に大きなねぐらがある。ただし先端部の水際が中心となるので、望遠鏡がないと観察はむずかしい。本明川河口部にも少数だがねぐらがある。
日没前後、周辺から集まる個体は堤防でも肉眼、双眼鏡で観察できるが、近くを通る数は日によって差がある。先端部では大きな群れを成して流れる川のように飛んでいる。遠くて望遠鏡で見ても小さいので慣れないと分からない場合がある。うす暗くなるまでツバメが集らない日もあるので、途中であきらめないこと。気づかないうちに頭上をたくさん飛んでいることがあるので、時々頭上も見るといい。
観察会情報
日本野鳥の会長崎県支部

情報提供者のご紹介

上玉利浩一、中川守、中元市郎、三木勇雄、きらら浜自然観察公園、日本野鳥の会いわき支部、日本野鳥の会茨城県、日本野鳥の会栃木県支部、日本野鳥の会ひょうご、日本野鳥の会岡山県支部、日本野鳥の会石川、日本野鳥の会広島県支部、日本野鳥の会宮崎県支部、日本野鳥の会長崎県支部(敬称略)

全国「ツバメのねぐら入り観察会」のご案内
日本野鳥の会と支部では、7月~9月のあいだ、全国各地でツバメのねぐら入り観察会を開催しています。
実際にツバメがねぐら入りするようすを体感してみませんか?

ツバメのねぐら入り

日本野鳥の会の自然保護活動にご支援ください

夏休み!映画『マイクロプラスチック・ストーリー』特別上映&佐竹敦子監督座談会

このイベントは終了しました。

映画『マイクロプラスチック・ストーリー』

夏休みに、友だち・家族と、プラスチックの問題を考えてみませんか?

ニューヨークの小学生がプラスチック汚染問題に取り組む映画『マイクロプラスチック・ストーリー』を特別上映(オンライン配信/会場上映)するとともに、佐竹敦子監督をお招きしてのオンライン座談会を開催します。座談会では、佐竹監督からニューヨークでの環境教育活動や映画に込めた思いをお話しいただき、自分たちにできることを考え、交流します。上映会・座談会ともに参加費無料、小学生から参加できる内容で、家族でのご参加も大歓迎です!多くのご参加をお待ちしています。

映画『マイクロプラスチック・ストーリー』の特別上映

『マイクロプラスチック・ストーリー~ぼくらが作る2050年~』は、ニューヨークブルックリンの小学校5年生たちが世界的に大きなプラスチック汚染問題の根っこが何かを彼らの視点で問いただし、解決に向かって自分たちの地域からアクションを広げて行くまでの2年間を追った長編ドキュメンタリーです。

世界45の映画祭に招待され8つの賞を受賞し、日本でも750回以上の自主上映会が各地で行われています。今回は日本語吹替え版とメイキング映像(計90分)をオンライン配信または会場上映でご覧いただけます。

(1)オンライン配信

配信期間
2025年7月12日(土)~25日(金)まで
参加費
無料
お申し込み

下記のお申し込みボタンからお申し込み下さい。

お申し込みはこちら

お申し込みいただいた方に、視聴URL等の詳細をお送りします。
締切
2025年7月24日(木)12:00

(2)会場上映

日時
2025年7月21日(月・祝)13:00~15:00
内容
映画『マイクロプラスチック・ストーリー』の上映とあわせて、プラスチックの野鳥への影響や都立東京港野鳥公園の取り組みについてご紹介します。会場の東京港野鳥公園では、プラスチックごみの企画展を実施しており、上映会前後で展示もご覧いただけます。
対象
どなたでも
参加費
無料 ただし、東京港野鳥公園への入園料がかかります。
入園料:高校生以上300円、65才以上・中学生(都内在住在学以外)150円
※小学生以下と、都内在住在学の中学生は無料です。
定員
50名(先着順)
会場
都立東京港野鳥公園(アクセス
お申し込み
①イベント名「会場上映」 ②参加者全員の名前とフリガナ、年齢 ③連絡先電話番号 ④Eメールアドレス
をご記入の上 E-mail: [email protected] までお申し込みください。
締切
2025年7月18日(金)12:00

佐竹敦子監督座談会

日時
2025年7月23日(水)19:00~20:10
対象
小学生以上、家族での参加も歓迎
定員
100組(先着順)
参加費
無料
実施方法
ZOOM Meetingで実施
お申し込み

下記のお申し込みボタンからお申し込み下さい。

お申し込みはこちら

※座談会申し込み者には、映画『マイクロプラスチック・ストーリー』の視聴URLをお送りします。
ぜひ、映画をご覧いただいてから、座談会にご参加ください。
締切
2025年7月22日(火)12:00
主催
(公財)日本野鳥の会

佐竹敦子(さたけ あつこ)

佐竹敦子監督

ニューヨークを拠点とするNPO団体カフェテリア・カルチャーにてメディアディレクターをつとめながら、合衆国環境保護庁やニューヨーク市教育委員会と密接に活動中。低所得者層地域の小中学校に出向いて環境教育を行いながら、子どもたちや地域の方々を巻き込んで、プラスチック汚染問題、そして気候危機問題を啓発する映画やビデオの制作をしている。子どもたちが自分たちで声をあげ、問題解決に立ち向かえるチカラを育む環境教育の姿勢が映像作品にも反映されている。

環境活動家としてもカフェテリア・カルチャーをベースにニューヨーク市の発泡スチロール容器廃止やレジ袋課金など教え子たちと共に積極的に政策提言活動し、法案通過に貢献している。
共同監督した映画『マイクロプラスチック・ストーリー~ぼくらが作る2050年~』(原題:Microplastic Madness)はニューヨークの小学校5年生たちがプラスチック汚染問題に立ち向かう2年間が希望に溢れたトーンで描かれており、世界の映画祭で8つの受賞を果たし、45カ国で上映されている。

映画のご紹介

映画『マイクロプラスチック・ストーリー』

Story

ニューヨーク、ブルックリンの小学校5年生たちがプラスチック汚染問題を学び、調べることでより深く知り、解決に向かって活動を広げて行くまでの2年間を追った長編ドキュメンタリー。

ブルックリンのレッドフック地区にあるPS15の小学校5年生は、自分たちでリサーチやデータ収集を重ね、それを市議会で公表し、自分たちの住む地域で使い捨てプラスチックを減らす活動を重ねていきます。
そしてプラスチックはごみになってからだけでなく、生産の過程でも地球環境を汚染していること、そしてそれが気候変動に関わっていることを発見し、自分たちの学校のカフェテリアでアクションを起こし、それをニューヨーク市全体に広げていきます。

映画では子どもたちの素朴な疑問に専門家が答えて行き、アニメーションをふんだんに使って、このプラスチック汚染問題をわかりやすく解き明かしていきます。子どもたちのまっすぐな熱意から希望が滲み出るマイクロプラスチック・ストーリーは、世界45の映画祭に選ばれ8つの賞を受賞しています。

お問い合わせ

(公財)日本野鳥の会 自然保護室
〒141‐0031 東京都品川区西五反田3‐9‐23 丸和ビル
電話:03-5436-2633
Eメール:[email protected]

浦主任研究員が立憲民主党の環境部門会議でヒアリングを受けました

2025年5月30日

2025年5月14日に開かれた立憲民主党の環境部門会議で、自然保護室の浦達也主任研究員が、環境影響評価法の改正案と制度の課題についてヒアリングを受けました。

浦達也主任研究員

ヒアリングを受けた改正案と制度の課題に対する、当会の意見につきましては「浦主任研究員が衆議院環境委員会の参考人として意見陳述しました」をご覧ください。

先に行われた衆議院環境委員会では、質問者の人数制限や時間にも限りがありましたが、この日は立憲民主党会派の会議ということもあって、自由な雰囲気の中で所属議員の皆さまから活発に質問がありました。

今後も当会の意見が国の政策などを決める際に参考にしてもらえるよう、引き続き努力してまいります。

自然エネルギー問題対策への寄付はこちら

※「任意の金額の寄付」とご寄付の金額をお選びください。

浦主任研究員が衆議院環境委員会の参考人として意見陳述しました

2025年5月28日

2025年5月13日、衆議院環境委員会で「環境影響評価法の一部を改正する法律案(内閣提出)」の審議のため、自然保護室の浦達也主任研究員が参考人として招致されました。

浦達也主任研究員
引用元:衆議院インターネット審議中継

環境影響評価法は、発電所の建設などの事業を始める前に、事業実施により生じる環境影響を事業者自らが調査、予測、評価(以下、環境アセス)し、その結果を事業内容に反映させて環境保全に十分に配慮するための手続きを定めた法律です。
この法律は10年ごとに見直しが行われます。今年はその10年目にあたり、下記2点の改正案が内閣で閣議決定されました。

改正案(改正内容) 改正の背景
1. 建替えの場合には、当初の立地選定時に行った環境アセスに代えて、既存の工作物による環境影響調査結果を踏まえた配慮内容を明らかにする。 1999年の法律の施行から四半世紀以上が経過したことにともない建替え事業が増加している。位置や規模が変わらない場合でも、新規事業と同様の手続が求められるのは事業者負担が大きいため、適正な環境配慮は維持しつつも、合理化が必要である。
2. 環境大臣は、あらかじめ事業者の同意を得た上で、事業者が作成したアセス図書を公開することができる。 事業者は環境影響評価書(以下、アセス図書)を作成し公表しているが、その期間は1ヵ月程度に限られており、後続事業のアセス手続などで十分に活用できていない。

詳細は環境省のページをご覧ください

衆議院の環境委員会では、浦主任研究員が参考人の一人として下記の通り意見陳述を行い、委員会所属議員からの質疑へ回答をしました。

改正案についての意見陳述

意見陳述のようす
引用元:衆議院インターネット審議中継

1. 建替え事業を対象としたアセス手続きの見直しについて

  • 近年の風力発電機などは大型化や大規模化が進んでいることから、建替えであっても出力や高さなど一定の基準を定め、事業者に環境配慮を求める必要があります。
  • 風力発電の耐用年数が20年程度とされていることから、今後しばらくの間は、風力発電がアセス法の対象事業となる2012年より以前の環境アセスが行われていない設備の建替えが中心となります。しかし今回の改正では、建替え事業であれば2012年以前に建設した環境アセスが行われていない風力発電施設では、一度も環境アセスをしないまま建替えられる状況になります。そのため、適切な事後調査を実施して、環境影響が軽微であると認められた建替え事業のみとするなどの方針が必要です。

2. アセス図書の継続公開について

  • 「環境大臣がアセス図書を入手した上で継続公開を可能にする」ではなく、事業者が設備の稼働期間中は継続的に公開することを“原則”とすることが必要です。
  • 一方で、事業者の著作権にも留意し、公開する対象範囲や期間などの要件を検討する必要もあります。

改正案に含まれていない課題について

上記改正案に含まれていない課題についても、下記の通り意見陳述をしました。

環境配慮がされた風力・太陽光発電施設を導入促進するための施策

立地誘導による導入促進

立地誘導による導入促進をするために、地球温暖化対策推進法に基づく再エネ促進区域の指定がありますが、市町村による促進区域の設定が進んでいません。そのため、市町村が促進区域の設定にメリットを見出せるような制度設計が必要です。

小規模事業に対する環境配慮の確保

一般的には事業規模が小さければ環境への影響も小さくなりますが、風力発電については、事業の規模ではなく立地によって環境(特に鳥類)に大きな影響を与えます。一概に他の事業と同様に事業規模で規制するのではなく、事業特性や立地選定のあり方によって、小規模事業であっても第一種事業として取り扱えるようにするなど、メリハリのある制度にすることが必要です。

アセス図書の評価について

  • 現状、アセス図書に求められる基準や資料・データの質や量について、定められた基準がありません。事業者が提出したアセス図書について問題があったとしても、基準に適合しているか、透明性があるか等を誰も審査・判断することができないため、早急に基準を定めるべきです。
  • 事業者が自ら環境アセスを行うため、「影響は軽微」という結論を導きやすくなっています。そのため、第三者によるレビューを経るなどして、公正な判定をする必要があります。
  • アセス図書には貴重なデータが多数含まれていることから、情報の蓄積や分析を行うことで事業実施以外にも活用することができます。そのため、継続的な公開と情報共有を図ることによって、ガイドライン等の整備、環境保全措置の技術開発など将来に役立てることができます。

配慮書の手続きにおけるゼロオプション

前回の改正で配慮書の手続きが導入され、配慮書の手続き段階においては事業の複数案を設定することになりました。環境に与える影響が大きいとわかった場合は事業を中止すべきですが、影響の軽減措置がとられることはあっても、中止した事例はほとんどありません。そのため、配慮書の手続き段階においては、事業の中止(ゼロオプション)を含めた複数案を設定すべきです。

累積的な環境影響への対応

複数の事業が集中して実施または計画されている地域では、事業単体ではなく、複数事業による累積的な環境影響の発生が懸念されています。

  • 諸外国ですでに発生している事例を整理し、技術的な考え方や責任分担の考え方について検討を行い、ガイドラインなどを策定する必要があります。
  • 地域特性や事業特性があることから、地域によって実施できる事業数や種類を適切に設定するため、再エネ促進区域の指定を効果的に活用することが望まれます。
  • 複数の事業が実施・計画されている地域で、事業者が他の事業を把握するために、アセス図書の継続公開を実施することが効果的です。

戦略的環境アセスメント(SEA)について

戦略的環境アセスメント(Strategic Environment Assessment, SEA)は、事業が具体化するより前段階にある時点での政策や計画、プログラムなどに対して、環境影響をあらかじめ予測評価し、その結果を反映させることをいいます。
一度具体化した事業に対して環境アセスを行っても、事業者が最適な環境配慮を検討することは困難です。社会全体として環境負荷を低減し、持続可能な社会を構築するために、政府は戦略的環境アセスメントについてあらためて検討すべきです。

環境影響評価法の見直し頻度について

以上の内容は、現行制度の課題として、本改正案が閣議決定される前に行われた中央環境審議会の二次答申案に記載されたもので、国民が日頃から感じている課題です。

これらの他に、専門家より指摘されている課題もあります。

  • アセス図書の公開で事業者が一部のデータなどを公開しない場合や、虚偽記載があった場合の対応方針
  • 評価項目の絞り込みなどによる環境影響評価の合理化
  • 手続途中段階の風車の機種変更
  • 発電施設などを撤去または破棄する際の環境影響評価
  • 環境大臣の権限の限定性
  • 地域との合意形成に係る課題や公衆参加と透明性の向上
  • 環境影響評価手続に係る不服申立・争訟手続
  • 代償措置に関する明確なルールの設定など

現行制度に対してこれだけの課題が指摘されているにもかかわらず、本改正案で議論されるのは、「建替え事業を対象としたアセス手続きの見直し」と「アセス図書の継続公開」の2項目のみです。

現在の附則に従えば、次の見直し、または環境影響評価法改正は2035年頃になると考えられます。それまでの間に上記に挙げた課題や問題点がより大きくなり、あるいは、あらたな課題や問題点が噴出する可能性があります。また、上記のような課題を早急に解決していかないと、今後さらに地域紛争が頻発し、結局は再生可能エネルギー施設の受入れおよび導入が進まない事態に陥る可能性が高いと考えます。

このような事態を招かないためにも、環境影響評価法の見直しは3~5年ごとに検討を行い、必要な措置が速やかに講じられるようにすべきだと考えます。

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