三宅島のサンゴ、今年(2019年)も健全な状態を確認

2019年6月13日

主催:三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
共催:コーラル・ネットワーク

2019年6月12日、三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館、コーラル・ネットワークが共同で、世界共通のサンゴ調査である「リーフチェック」を実施した。実施した場所は三宅島の西側に位置する富賀浜のテーブル状サンゴ群集と、伊ヶ谷のカタン崎沖のサンゴ群集である。
調査を実施した結果、富賀浜では、調査範囲の61%程度がサンゴに覆われ、カタン崎においても、38%程がサンゴに覆われており、ともに健全な状態であった。

1. 三宅島でのリーフチェックの経緯と調査方法

三宅島では1998年より調査を開始し、2000年の雄山噴火に伴う全島避難で一時調査を中断した。2005年の帰島以後は、2007年以外毎年実施し、今回の調査は16回目となる。今回はコーラル・ネットワークのリーフチェックコーディネーター1名、駒沢大学応用地理研究所所員1名、島内のダイビングショップインストラクター2名、ボランティアダイバー3名、日本野鳥の会の職員でアカコッコ館のスタッフ2名で富賀浜と伊ヶ谷のカタン崎を調査した。

世界共通の調査方法に準じ、サンゴ群集上にメジャーで100mのラインを設置し、ライン直下の構成種を造礁サンゴ、海藻、砂床など10種に分類し記録した。あわせて、ライン周辺の魚やエビ、ウニなど世界共通の対象種および三宅島独自対象種の生き物の数を記録した。

富賀浜のテーブル状サンゴ群集
富賀浜のテーブル状サンゴ群集

※リーフチェックとは
サンゴ礁の健康度を測るために世界同一基準で用いられているモニタリング調査で1997年に始まった。アメリカ・カリフォルニアに本部を置く民間団体が推進している。調査は科学者とボランティアダイバーでチームを編成し、サンゴ、魚類、海底の生物など国際基準の調査項目を潜水して調査し、調査結果をインターネットを通じて本部に送る。各地の結果は毎年本部で取りまとめられ、ホームページなどを通じて公表される。

2. 調査結果

(1)富賀浜

テーブル状および被覆状のサンゴを中心に、61%程度が造礁サンゴに覆われていた。この数値は昨年の71%に比べ減少傾向にあったが、調査側線の位置ずれも要因の一部として考えられ、そのほかの要因については特定できなかった。造礁サンゴが減少したものの高い被度の造礁サンゴ群集が維持され、このテーブル状サンゴ群集自体は依然として伊豆諸島最大級であると思われる。海藻類の減少もが見られたが、これは前年より調査時期が早かったことが一要因であると思われる。

調査区域内ではオニヒトデやサンゴ食の巻き貝は確認できず、それらによる食痕もみられていない。調査ライン周辺ではハタタテダイやヤリカタギなど南方種のチョウチョウウオを含め、多くのチョウチョウウオ類が確認された。無脊椎動物は年による増減幅があるが、昨年よりは増加していた。また例年はほぼ見られていなかった漁網くずが数か所で見られるなど漂着ごみが目立った。

調査風景(富賀浜)
調査風景(富賀浜)

(2)カタン崎

被覆状および塊状のサンゴを中心に、38%程が造礁サンゴに覆われ、昨年と同程度であった。
オニヒトデおよびサンゴ食の巻き貝はなく、食痕も確認されておらず、健全な状況を保っていた。
サンゴ周辺の生き物では、調査対象の魚類は特に目立った変化がなく、無脊椎動物においてオトヒメエビが例年にくらべ、多く確認された。

調査風景(カタン崎)
調査風景(カタン崎)

3. 総評(駒沢大学応用地理研究所 鈴木倫太郎氏コメント)

富賀浜の調査範囲の造礁サンゴは、1998年の調査開始以来、ここ2年は高い割合を維持している。依然として伊豆諸島最大級のテーブル状サンゴ群集であると思われる。

造礁サンゴを食害するオニヒトデおよびサンゴ食の巻貝は、どちらの調査範囲内でも認められず、食痕も認められない事から、これらの生物による影響は少ない状況が継続している。

これらの点から両地点ともサンゴの生育環境として健全な状態が保たれていると考えられる。今後も継続的に二地点の造礁サンゴ群集の状況の推移を見守っていきたい。

調査メンバー
調査メンバー

4. 参考リンク

三宅島でのリーフチェック(サンゴ調査)

三宅島のリーフチェック(サンゴ調査)

三宅島の自然の魅力は、アカコッコなど限られた場所にしか生息していない野鳥や火山景観などがありますが、陸域だけにとどまりません。黒潮の影響を強く受け、暖かな海の中には美しいサンゴや色とりどりの海水魚が生息しています。「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」では1993年の開館以来、近くにある大きな潮だまり「長太郎池」で毎月1回の海水魚のモニタリング調査を続けています。

さらに、温帯域にありながら暖かな黒潮の影響を受ける三宅島には、伊豆諸島最大ともいわれる造礁サンゴの群集地があります。多くの生きものの住処となり、観光資源としてもその保全は重要です。こちらも専門家やボランティアダイバーと協力しながら毎年その状態を調べています。

最新の活動報告

日本サンゴ礁学会 研究発表

内藤明紀チーフレンジャー(左)と遠藤孝一理事長(右)


三宅島のリーフチェック(プレスリリース)

三宅島で大幅なサンゴの減少を確認(2025年6月19日)

昨年の造礁サンゴの広範囲におよぶ白化現象後の初調査を行なった。富賀浜では2023年には海底の69%がサンゴにおおわれていたが、昨年の白化現象を経て1.3%にまで減少し、カタン崎においても、2023年43%であった造礁サンゴの割合が、10.6%にまで減少した。これらの結果から、三宅島周辺海域の造礁サンゴ類は、昨年夏季の高海水温により、大きくその数が減少したことが明らかとなった。
2025年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島で大規模なサンゴの白化現象を確認(2024年10月23日)

今夏の三宅島周辺海域の高い海水温の影響を受け、多くの造礁サンゴが白化し、さらには死滅した。富賀浜では調査ライン上の造礁サンゴは23%程度となり大幅に減少した。さらに白化率が100%と、確認された生きているサンゴの全てが白化している状態であった。カタン崎においても調査ライン上の造礁サンゴは24%程と大幅に減少し、かつ白化率が89.4%と大部分が白化していた。
2024年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認(2023年6月23日)

20回目となる三宅島でのリーフチェックを実施。富賀浜、カタン崎ともに昨年よりも微減したものの、過去平均より高い造礁サンゴの割合で健全な状態を維持(富賀浜69%、カタン崎43%)。ただし富賀浜では漁網くずなどの海洋ゴミも数カ所で確認した。
2023年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認(2022年7月14日)

19回目となる三宅島でのリーフチェックを実施。富賀浜、カタン崎ともに過去平均より高い造礁サンゴの割合(富賀浜74%、カタン崎47%)だった。一方、漁網くずなどの海洋ゴミも目立っていた。
2022年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認(2021年12月1日)

富賀浜の造礁サンゴの割合は過去最高となった昨年より減少したものの、63%となり健全な状態を維持していた。また、今年も漁網くずなどの海洋ゴミを確認。カタン崎は海況不良のため未実施。
2021年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認(2020年7月14日)

富賀浜の造礁サンゴの割合が過去最高となる82%を確認した。カタン崎では33%の割合となり3年連続の減少となったものの健全な状態を維持。富賀浜では昨年よりも多くの漁網くずなどの海洋ゴミを確認。
2020年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認(2019年6月13日)

造礁サンゴの割合は富賀浜61%、カタン崎38%を確認した。富賀浜では昨年より減少となった。また、例年見られていない漁網クズなどの漂着ゴミを複数確認した。
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三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認~リーフチェック開始以来、造礁サンゴの割合が最高を記録~(2018年7月18日)

富賀浜では造礁サンゴの割合が過去最高となる71%、カタン崎においても38%と造礁サンゴは健全な状態であった。
2018年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認~三宅島で14回目のリーフチェックを実施~(2017年7月8日)

富賀浜では調査範囲の60%程度、カタン崎は44%程がサンゴに覆われ、ともに前回(富賀浜2016年、カタン崎2015年)よりも増加していた。
2017年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認~三宅島で13回目のリーフチェックを実施~(2016年7月9日)

富賀浜では前回(2015年)よりも微減したものの、健全な状態を維持。カタン崎は海況不良により中止。
2016年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認~三宅島で11回目のリーフチェックを実施~(2014年7月6日)

富賀浜では57%、カタン崎では36%の造礁サンゴの割合を記録。富賀浜では一年前の台風の影響による損壊が見られた箇所においても回復が見られた。
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三宅島のサンゴ、台風による影響をうけるも今年も健全な状態を確認(2013年11月10日)

富賀浜ではテーブル状のサンゴを中心に、昨年(2012年)同様の造礁サンゴの割合を記録。低気圧や台風の波浪による物理的営力によってテーブル状サンゴが減少し、被覆状のサンゴが増加。カタン崎は海況不良により中止。
2013年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認~三宅島で9回目のリーフチェックを実施~(2012年9月2日)

富賀浜では昨年(2011年)と比べると微減したもののテーブル状サンゴを中心に、50%程度が造礁サンゴに覆われていた。カタン崎においても40%以上が造礁サンゴに覆われ、良好な状態。
2012年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も良好な状態を確認~三宅島で8回目のリーフチェックを実施~(2011年7月10日)

富賀浜ではテーブル状のサンゴを中心に、50%以上が造礁サンゴに覆われていた。オニヒトデと疑われる食害を1カ所確認したが、オニヒトデやサンゴ食の巻き貝は確認されず、オニヒトデがいたとしても数は多くないと考えられる。カタン崎においては帰島後の調査では最高の40%以上が造礁サンゴに覆われ、良好な状態にあった。
2011年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ一部食害が見られるも、今年も良好な状態を確認(2010年10月16日)

富賀浜ではここ数年同様、調査範囲の約60%以上がサンゴに覆われていた。しかしサンゴ食の巻貝による食害が例年より多く見られた。カタン崎においては、調査範囲の約30%以上がサンゴに覆われ、また多様な種類のサンゴが点在することが確認された。
2010年リーフチェックの詳細はこちら

三宅島のサンゴ、今年も良好な状態を確認~6回目のリーフチェックを実施~(2009年9月30)

富賀浜では昨年(2008年)と同様に、調査範囲の約60%以上がサンゴに覆われていた。またカタン崎においては多様な種類のサンゴが点在する群集が確認され、サンゴが増えていた。
2009年リーフチェックの詳細はこちら

サンクチュアリの普及教育活動

普及教育活動

サンクチュアリは自然と触れ合う場所です。レンジャーは、そこを訪れた方に自然の成り立ちや仕組み、大切さを楽しみながら知っていただくための企画に取り組んでいます。
展示、映像、自然に親しむ観察会の実施、ニュースレターの発行やホームページの作成などがあります。
また、近年は「総合的な学習の時間」に代表される地域の自然を学ぶ活動が増えてきています。サンクチュアリでは利用者のニーズにあわせて、さまざまな活動のプログラムを用意しています。


○プログラム集 ティーチャーズガイド

「ティーチャーズガイド」とは、学校での「総合的な学習の時間」など環境教育活動において、指導者が活用できるプログラムをまとめた冊子です。特定の地域の自然や生物群に照準を合わせて作られており、指導者の伝えたいメッセージや情報、使いやすい教材などが盛り込まれています。

当会では、これまでに特定の地域にすむ特定の鳥を扱った「タンチョウ・ティーチャーズガイド」(2004年)と、各地で観察しやすいガンカモ類をテーマにした「ガンカモ・ティーチャーズガイド」(2006年)、身近な野鳥をテーマとした「身近な野鳥ティーチャーズガイド」(2010年)の3つのプログラム集を製作しました。このテキストは本文と資料編、付録CD-ROMから構成されています。当会の主催する講座を受講した後に、受講者自らが子供たちに体験学習の指導ができる内容とすぐに使えるワークシートなどの教材が付録CD-ROMに入っています。

ブックレットの表紙

・身近な野鳥
ティーチャーズガイド(MTG)

身近な野鳥をテーマとした自然観察を行うための様々な
プログラムを紹介しています。

お問い合わせ先:[email protected]


・ガンカモ
ティーチャーズガイド(GTG)

身近な野鳥でもあり、初心者でも観察しやすいガンや
カモを素材におもに子どもを対象に体験学習を行って
いただくためにまとめた指導者むけのプログラム集です。
(在庫なし)


・タンチョウ
ティーチャーズガイド(TTG)

タンチョウ・ティーチャーズガイドは、教職員や観察会の
リーダーなど指導する立場にある方々に使っていただく
学習プログラム集です。
多くの機会で利用いただき、多くの方々にタンチョウに
ついて学んでいただくことを目的としています。
(在庫なし)

○ブックレット

  • 「都市の森の自然保護 ― 横浜自然観察の森の三十年」
    横浜自然観察の森開園30周年を機に、開園前夜から運営に関わり続けてきた当会のレンジャーと、森を守るボランティアグループ「友の会」のメンバーが分担執筆。大都市に残された貴重な森に住む動植物たちが、どのように移り変わってきたか、市民ボランティアの皆さんがどのように森の保全に関わって活動してきたかが、1冊でわかります。
  • 「みんなでつないだタンチョウの環 ― 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリの三十年」
    サンクチュアリの開設からこれまでの繁殖・越冬環境の保全、普及活動。そしてこれからのタンチョウ保護のあり方までこの1冊で分かります。
  • 「カスミ網密猟撲滅の記録~密猟の根絶をめざして!日本野鳥の会・密猟対策連絡会の取り組み~」
    日本野鳥の会や全国野鳥密猟対策連絡会が長年にわたり取り組んできた、カスミ網による密猟対策がこの1冊で分かります。また、動物作家の遠藤公男さんには、中国でのようすを特別寄稿いただいています。

<頒布方法>

1.各サンクチュアリ
横浜自然観察の森、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリにて、それぞれの施設に関するブックレットを実費500円でお分けしています。
2.五反田事務所のバードショップ
各ブックレットを実費500円でお分けしています。
3.郵送
ご連絡先とブックレットのタイトル、希望冊数を明記の上、下記の2点を同封し、郵送にてお申し込みください。
a.ブックレット(1冊500円)と送料(250円)として750円分の切手
b.ブックレットが入る角型6号(229×162mm)以上の返信用封筒(住所・氏名をご明記ください)

  • お申し込み先
    〒141-0031
    東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
    (公財)日本野鳥の会 施設運営支援室
    ブックレット係 宛
  • お問い合わせ
    ご不明な点がございましたら[email protected]までお問い合わせください。

○CSR活動の受け入れ
近年、CSR(企業の社会的責任)の自然環境保全部門での活動が活発化し、サンクチュアリへの問い合わせも多くなっています。具体的な受け入れ事例としては、生態系保全のための環境管理作業(草刈りや植林等)があげられます。CSRのお問い合わせは、施設運営支援室か地域の各サンクチュアリまでお願いします。

○人材育成活動
サンクチュアリがある地域の自然保護活動の主体は地域の市民です。
地域で活動する市民をサポートするための各種講座の実施や、レンジャーとともに活動するボランティアの受け入れなどを行なっております。
また、レンジャーになることを目指す方を対象に、レンジャー養成講座と、その後の体験活動としてのレンジャー体験実習制度を設けています。

サンクチュアリの自然保護活動

自然保護活動

サンクチュアリは、そのエリアだけでなく地域の自然保護活動も行っています。地域の方からの自然環境や野生生物についての問い合わせや相談に応じています。
特に当会の直営サンクチュアリの場合は、サンクチュアリを中心とした地域全体の活動を行っています。ウトナイ湖サンクチュアリでは、集水域の自然を守るための「千歳川放水路計画反対運動」や「勇払原野保全プロジェクト」。鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリでは「タンチョウ保護事業」などがあげられます。

○絶滅危惧種の保護活動

調査・研究活動

サンクチュアリは、保護区や自然公園などの指定を受けたり、土地の所有者との協定を結んだりすることにより、そのエリアは開発などから守られています。
しかし、自然環境は年月とともに変化して行きます。
サンクチュアリが野生鳥獣の生息地として適切な状態にあるかモニタリングするための調査を行っています。
特定の種にとってそのサンクチュアリが重要な場合には、その種の生態調査も実施しております。鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリで行っているタンチョウの調査はこの例に該当します。

また、利用の増進を図るためニーズの把握やネイチャーセンターの利用状況の調査などの社会科学的な調査も随時実施しています。

環境管理活動

モニタリング調査の結果、野鳥の生息環境が悪化したことが判明した場合、環境管理を実施します。
環境管理には、「管理作業」と管理の効果を調べる「効果測定調査」が含まれます。
また、サンクチュアリによっては新たな生息地を創り出す活動を行なっている場所もあります。

ウトナイ湖サンクチュアリ自然観察路 ストリートビュー

ウトナイ湖サンクチュアリ

ウトナイ湖ではこれまでに約270種の野鳥が確認されており、春から夏にかけてはコヨシキリやセンダイムシクイなどの夏鳥、春と秋はガン類やカモ類、ハクチョウ類、また1年を通してカラ類やキツツキ類などを観察できます。観察路の雰囲気をぜひストリートビューでお楽しみください。
これはGoogle の「ストリートビュートレッカーパートナープログラム」(※)に、当会が参加し、現地でレンジャーが撮影したものです。


※ストリートビュートレッカーパートナープログラムとは、ストリートビューの撮影を希望する観光協会、非営利団体、大学、研究機関などにGoogle がバックパック型のストリートビュー撮影機材「トレッカー」を無償で貸出すプログラムです。

※地図の数字をクリックすると、おすすめのビューポイントを見ることができます。

ビューポイント

:「イソシギのテラス」
「イソシギの小径」の途中にあるウトナイ湖に面した場所です。ここはウトナイ湖の北東にあたり、湖の方向を向いて左手奥が美々川がウトナイ湖に流れこむ場所になります。岸辺にヨシ原が広がるのが見えます。この周辺では春から秋にかけて、魚を狙うアオサギの姿を見ることができます。

:「シマアオジの小径」

:「草原の観察小屋」
ネイチャーセンターから林の中を北東に進む「シマアオジの小径」をたどると「草原の観察小屋」へ至ります。周辺は草原から林へと環境が変わりつつある場所で、ハンノキなどが見られます。名前の由来となったシマアオジは、以前はここでも観察されていましたが、近年、数が激減し、北海道内でもほとんど見られなくなりました。

:「ハクチョウのデッキ」
ネイチャーセンターから湖沿いに野生鳥獣保護センターへ向かう「ハクチョウの小径」にある桟橋型のデッキです。ここはウトナイ湖の北岸の中央部にあたり、湖全体を眺めることができます。毎年マガンの渡りの季節である3月~4月にカウント調査を行なうポイントの一つです。

:「オタルマップ川」
ウトナイ湖にそそぐ小川です。ここは、ネイチャーセンターから湖岸を西に進み、途中少し北側の林に入った場所で、小さな橋がかかっており、川をのぞくと赤茶色の水が見えます。これは上流の湿原にいる鉄バクテリアが作る酸化鉄によるものです。周辺では夏から秋にかけて、カワセミの姿を見かけることもあります。

ウトナイ湖サンクチュアリ
当会が1981年に日本で初めて開設したサンクチュアリ。中心施設のネイチャーセンターは、土・日曜日および祝日(年末年始を除く)の9:00~17:00に開館。
詳しくはこちら(https://www.wbsj.org/sanctuary/utonai/index.html

野生動植物の生息地保全とサンクチュアリ

IBA基準生息地(重要野鳥生息地)の保全

IBAプログラムとは、鳥類にとって重要な生息地を、世界共通の基準(IBA基準)によって選定し、個々の生息地はもちろんのこと、それらすべての生息地をネットワークとして世界全体で保全していこうというプログラムです。

IBAに関する詳細情報は、こちらから

野鳥生息地を保全することは、その場所における生態系全体を保全することにもつながります。
拠点施設があり、そこで行われている普及、保全、調査などのサンクチュアリの活動はIBAを保全していく上でいずれもキーになるものです。

地域の人々の活動の拠点があり、専門スタッフが常駐していることは、継続的な活動に大きなメリットになります。

野鳥の会では、全国のIBAサイトにある自然系施設を運営されている皆様や地域で活動されている市民の方と力をあわせて重要野鳥生息地の保全を進めたいと考えております。

IBA基準生息地に位置する自然系施設に関係する行政、市民、NPOなど様々な皆さまからのご相談をお待ちしております。

IBAにおける自然系施設に関するご相談はこちら(E-mail:[email protected])まで。

IBA基準生息地に位置するサンクチュアリでの保全の例

IBAサイト名 サンクチュアリ
風蓮湖,温根沼 根室市春国岱原生野鳥公園
釧路湿原 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
ウトナイ湖,勇払原野 ウトナイ湖サンクチュアリ、ウトナイ湖野生鳥獣保護センター
三宅島 三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
東京湾奥部 都立東京港野鳥公園

サンクチュアリとは

ウトナイ湖サンクチュアリ

サンクチュアリ、そこは、人と自然の出会いの場。そして地域の自然保護の拠点です。森や林、草原、水辺には、自然観察路があり、その季節の野鳥をはじめとする自然と出会うことができます。ネイチャーセンターには、レンジャーがいていろいろな話を聞けます。

楽しみながら地域の自然のことがわかる展示も充実しています。お一人でも、ご家族やグループでも楽しめる場所です。ぜひ足をお運びください。

サンクチュアリの設置と目的

日本野鳥の会では、1981年に北海道にウトナイ湖サンクチュアリを設置しました。これを手始めに、当会自ら運営するサンクチュアリを2ヶ所、地方自治体からの受託や指定管理者として5ヶ所の施設を管理しています。

サンクチュアリは、第一に野生鳥獣の生息地の保全を目的とした場所です。
そして保全だけでなく、訪れた方がそこの自然を直接体験する場所でもあります。
レンジャーと呼ばれる専門の職員がいて、保全のための調査や自然環境の管理、自然体験の手助けなどの活動を行っています。

また、サンクチュアリにはネイチャーセンターと呼ぶ拠点施設があります。
ネイチャーセンターはレンジャーのさまざまな活動拠点であり、来訪者した方々への情報提供や地域の方々の活動拠点でもあります。

サンクチュアリでの活動

自然保護活動

サンクチュアリイメージ

サンクチュアリは、エリア内に留まらず、周辺地域の保全にも目を向けます。また、タンチョウ、シマフクロウ、カンムリウミスズメなど希少種の保護とともに地域全体の生物多様性の保全を進めています。そのために調査・研究活動、環境管理活動も行います。

普及教育活動

フィールドプログラム

サンクチュアリでは、フィールドを活用し様々な方を対象に色々なプログラムが実施されています。総合的な学習を使っての小学校利用、様々な観察会やセミナー、企業によるCSR活動などです。ボランティアの方の協力もいただいています。

直営サンクチュアリへのご支援をお願いいたします

野鳥の会の直営の鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリとウトナイ湖サンクチュアリでは、
それぞれ会員の会費や寄付による自主財源で運営しております。
両サンクチュアリでの自然保護活動を支援していただくためにそれぞれ賛助会制度を設けております。
ぜひ、ご入会いただいて、ご支援をお願いいたします。

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ タンチョウふぁんクラブ
ウトナイ湖サンクチュアリ ウトナイ湖ファンクラブ

関連施設

お問い合わせ:
(公財)日本野鳥の会 施設運営支援室・自然保護室
TEL:03-5436-2625(10:00~17:00 土日祝定休)
E-mail:[email protected]

自然系施設の運営

日本野鳥の会が運営する自然系施設

サンクチュアリ

サンクチュアリとは、日本野鳥の会が関わる自然系施設で、直営サンクチュアリ、受託サンクチュアリ(行政からの委託や指定管理)があります。サンクチュアリは、イギリスなどで行なわれている自然保護施策を参考に、レンジャー(専門員)が常駐し環境保全・環境教育などの活動が行なわれています。

サンクチュアリの詳細はこちらをご覧ください。

直営サンクチュアリ

ウトナイ湖サンクチュアリ

ウトナイ湖サンクチュアリ

北海道苫小牧市の勇払原野の一角にあるラムサール条約湿地、ウトナイ湖。これまでに確認された野鳥は約270種。ガン・カモ類をはじめ、多くの渡り鳥が飛来するこの場所は、当会が第1号のサンクチュアリとして設置し、ネイチャーセンターを拠点として自然保護活動を続けています。

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ

北海道阿寒郡鶴居村にある当サンクチュアリは、同地で長年保護活動を続けていた伊藤良孝氏(故人)と日本野鳥の会が協定を結び、日本全国から寄せられた募金で建てられた施設です。絶滅危惧種であるタンチョウの個体数増加や生息環境の保全に取り組んでいます。

受託サンクチュアリ

根室市春国岱原生野鳥公園

根室市春国岱原生野鳥公園

多数の渡り鳥や絶滅危惧種等を含む、約310種もの野鳥が確認されている風蓮湖(ふうれんこ)。風蓮湖とオホーツク海を隔てる、多様な自然環境をそなえた砂州・春国岱(しゅんくにたい)。この施設は、ラムサール条約湿地に登録された当地の環境を保全し、自然教育に活用するために根室市が設置しました。市から委託を受けて当会レンジャーが常駐しています。

ウトナイ湖野生鳥獣保護センター

ウトナイ湖野生鳥獣保護センター

「国指定ウトナイ湖鳥獣保護区」の適正管理や傷病鳥獣救護のため、環境省が設置し、苫小牧市と共同で運営しています。当会は苫小牧市より自然解説や環境調査などの業務を受託しています。子どもから大人まで気軽に楽しめ、自然とのつきあい方を学べる施設をめざしています。

都立東京港野鳥公園

都立東京港野鳥公園

東京都の施設で、指定管理者として東京港埠頭㈱と共同で管理、運営をしています。もともと、市場予定地として埋め立てられた場所でしたが、放置する間に多くの野鳥が生息するようになり、当会含め市民の働きかけと都の英断により埋め立て地の半分が確保され、施設が作られました。干潟環境をはじめさまざまな環境を復元し、ボランティアの参画のもと運営されています。

横浜自然観察の森

横浜自然観察の森

環境庁(当時)が全国10か所に整備した「自然観察の森事業」の第1号。1986年に開園し、横浜市、友の会そして当会の3者が連携して、協働による管理運営をしています。2020年度からは、当会が指定管理者となりました。環境教育、環境管理、環境調査を柱に「生きもののにぎわいのある森」をビジョンに掲げ活動をしています。

三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館

三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館

東京都三宅島にある当施設は、日本固有種や島特有の亜種といった野鳥や、黒潮に育まれた豊かな海の生きものが生息する島の自然を多くの人に伝えるために、三宅村が運営しています。当会のレンジャーが常駐し、自然情報の提供、自然観察会の開催、調査・研究、自然ガイドの育成などの活動を行なっています。

三宅島でのリーフチェック(サンゴ調査)はこちらをご覧ください。

当会の活動

日本野鳥の会は、1934年に設立され、多くの会員に支えられた自然保護団体です。当会では、自然と人間との共存、調和を目指し、生物多様性の保全に取り組んでいます。野鳥と人がともにすめる社会を実現するために、当会は主に4つの活動を行なっています。

当会の事業図

日本野鳥の会の活動

自然保護活動について

野鳥は生態系の上位を占める種が多く、自然環境の良好さを示すバロメーターです。多くの野鳥が生息するには、多様な環境があり、その環境が守られていることが大切です。当会では、野鳥と人が共に暮らせる生物多様性に富んだ自然環境の保全を第一に 考え、生息地の保全や法制度に働きかけ改善すること、また、全国の連携団体(支部)の協力を得て、自然を守る活動を行なっています。

自然保護活動の写真

自然観察や保護の普及活動について

野鳥や自然とのふれあいを通して、自然環境に興味を持つ方や、守りたいと考える方を増やしていくための活動です。全国各地の連携団体(支部)やサンクチュアリと連携し、さまざまな活動を行なっています。

普及活動のイメージイラスト

自然系施設の運営活動について

当会は、1981年に民間として初めて直営のサンクチュアリ(野鳥をはじめとする、生物多様性を保全する自然系施設)を苫小牧市のウトナイ湖に設置し、全国からの募金等でネイチャーセンターなどを建設しました。サンクチュアリは当会のレンジャーが常駐しており、環境保全、環境教育の活動を行なう自然保護の拠点です。

自然系施設の写真

収益活動について

日本野鳥の会では、バードウォッチングに役立つ観察用品や図鑑、野鳥を楽しむための雑貨、自然食品などの販売を行なっています。販売の収益は当会の自然保護活動に役立てます。みなさまのお買い物が自然を守る大きな力となります。

収益活動のイメージイラスト

画像の一部提供:ピクスタ