危機的な状況にあるチュウヒ

日本でもっとも少ないタカの仲間

チュウヒは、トビやノスリのように比較的観察しやすいタカの仲間ですが、国内での生息は危機的な状況です。現在、環境省のレッドリストでは絶滅危惧IB類(図1)、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)では国内希少野生動植物種に指定されています。

カテゴリー(略称) 内容の説明
絶滅 (EX) 我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
野生絶滅 (EW) 飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ存続している種
絶滅危惧I類 (CR+EN) 絶滅の危機に瀕している種
絶滅危惧IA類 (CR) ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
絶滅危惧IB類 (EN) IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
絶滅危惧II類 (VU) 絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧 (NT) 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
情報不足 (DD) 評価するだけの情報が不足している種
絶滅のおそれのある地域個体群 (LP) 地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの

図1:環境省レッドリストのカテゴリー

当会は、2018年から2020年にかけて全国を対象に、現地での調査や当会会員などの協力を得てチュウヒの繁殖状況の調査をしました。その結果、全国で「135つがい」しかいないことが分かりました(図2)。これは、日本で繁殖が確認されているタカの仲間の中ではもっとも少ない種ということになります(亜種を除く、図3)。

イメージ入る
図2:2018-2020の全国調査で明らかになったチュウヒのつがい数
チュウヒ135つがい。環境省レッドリスト:絶滅危惧IB類・国内希少野生動植物種オジロワシ170つがい。環境省レッドリスト:絶滅危惧Ⅱ類・国内希少野生動植物種イヌワシ200つがい。環境省レッドリスト:絶滅危惧IB類・国内希少野生動植物種・天然記念物

図3:日本で繁殖つがい数が少ないタカの仲間(亜種を除いた上位3種)

なぜ少ないの?

なぜこれほどまで日本で繁殖するチュウヒの個体数は少ないのでしょうか。その理由として考えられているのは、「生息環境の悪化」です。

チュウヒの生息環境であるヨシ原や草原は、不毛の地とみなされ、宅地や農耕地などと別用途の土地として開発され環境が変化することが多くあります。図4は、国土交通省国土地理院が公表している明治・大正時代と1999年の日本の湿地面積を比較したものですが、これによると、明治・大正時代から約61%もの湿地が減少していることが分かります。

イメージ入る

図4:明治・大正時代と1999年の日本の湿地面積の比較(国土地理院(2000)より引用)

近年は、再生可能エネルギー発電施設との軋轢も生じており、太陽光パネルによって採食環境が狭まるなどして繁殖率が下がった事例も確認されています。さらに、植生の変化による生息環境の悪化も発生しています。これは、植生遷移など自然的要因も含んでいますが、人為的な開発(河川の直線化や農地開発のための水路の整備など)により生息地(特に湿地)が乾燥化し、樹林化を招いています。チュウヒは、開けた環境を好むため、樹林が多くなることで、生息地として適さない環境となってしまうのです。

メガソーラー

また、チュウヒの脅威となるものとして、生息環境の悪化だけでなく、カメラマン等による繁殖地やねぐらへの過度な接近、タヌキやオジロワシなどによる捕食もあげられています。

イメージ入るシカやイノシシの増加による生息環境の悪化も懸念されている

 

参考図書・文献(発行年順)

チュウヒが見られる探鳥地

  1. 未来に残したい探鳥地
    創立90周年記念。「生物多様性の観点、野鳥保護の観点から推薦する探鳥地」として、全国の支部から推薦された場所。
  2. 重要野鳥生息地(IBA, Important Bird and Biodiversity Areas)
    鳥類にとって重要な生息地を国際的かつ科学的な基準で選定と保全を進められている場所。
  3. 探鳥会
    全国にある当会の支部が開催するバードウォッチングのイベントとその実施場所。

チュウヒの観察マナー
チュウヒは警戒心が非常に強いため、観察には十分な配慮が必要になります。
観察マナーをご確認ください。

1. 未来に残したい探鳥地

2. 重要野鳥生息地(IBA, Important Bird and Biodiversity Areas)

3. 探鳥会

チュウヒの観察マナー


【2023冬キャンペーン】
よみがえれ!豊葦原の鷹チュウヒ

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※「任意の金額の寄付」とご寄付の金額をお選びください。

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苫小牧圏・千歳恵庭圏都市計画域の整備、開発及び保全の方針の課題~パブリックコメントを提出してみようかなと考える方のためのポイント解説~

2026年3月27日

美々川・ウトナイ湖の保全に関係する公開資料

これら素案には自然保護上課題がある記載箇所があります。以下に公開資料のどこが課題になりそうなのかピックアップして、解説します。上記の素案を読む際の参考にしていただき、こうした方が良いのではないか、これは避けるべきではないかなど、皆さんの意見を提出する際の参考にしていただければと思います。

当会からも北海道にパブリックコメントを提出しました(2026年3月23日)
原文はこちら:都市計画区域の整備,開発及び保全の方針」の中間見直しに対する意見(293KB/PDF)

都市計画域の整備、開発及び保全の方針の課題

「苫小牧圏都市計画(苫小牧市・白老町・安平町・厚真町) 都市計画域の整備、開発及び保全の方針(素案)」について

6ページ目「③自然的環境形成の観点から必要な保全に関する方針」
書いてあること:「美々川流域(中略)については、住民の憩いの場または自然地として保全を図る。」
7ページ目「④秩序ある都市的土地利用の実現に関する方針」
書いてあること:国道36号(美沢錦岡通)沿道について、「新千歳空港・次世代半導体製造工場・苫小牧港への交通の要衝としての優位性を活かした、半導体関連産業等をはじめとする物流機能の向上を図るため、地区計画等による限定的な都市的土地利用を検討する。」

解説

③では「美々川を保全する」と明記されていますが、その直後の④では「半導体工場を活かして国道36号線沿いに物流倉庫は建てられるようにする」と書かれています。国道36号線沿いの森(河畔林)は、美々川の野生生物を騒音や光から守る緩衝帯(バッファー)ですので、ここの開発を可能にする規制緩和を行うことは、美々川の保全と矛盾しています。


10ページ目最後~11ページ目「b 河川」
書いてあること:「ラムサール条約に指定されているウトナイ湖に注ぐ美々川は、河川環境の保全、再生に資する整備の促進に努める。」

解説

都市的土地利用が検討されている区域を含む美々川では北海道が「美々川自然再生事業」を行っています。上流部(美沢地区)は上下水道の整備がされていないため、規制緩和を行った結果、物流倉庫等が建設されてしまうと建設時の土砂や事業排水等が美々川に流れ込み、ひいてはウトナイ湖の水質まで汚染されてしまう可能性があります。「自然を再生しながらも、開発を可能にする」という方針には矛盾があります。


「千歳恵庭圏都市計画(千歳市・恵庭市)都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(素案)」について

7ページ目
書いてあること:国道337号及び国道36号に近接した交通利便性が高い地区は、「半導体関連産業における地域経済活動を牽引する産業立地の促進のため、周辺環境との調和を図りつつ、限定的な都市的土地利用を検討する。」
11ページ目
書いてあること:「美々川については、自然環境の保全に努める。」
13ページ目
書いてあること:「秩序ある都市形成と豊かな緑に包まれた環境の維持形成等について積極的な取組が一層必要となっている。」
13ページ目
書いてあること:「豊かな自然資源と共存を図りながら、将来とも自然環境豊かなまちづくりを進めていくために、『清流と河畔林を生かした緑の軸の育成強化』(ほか3項目)等の施策が求められている。」

解説

都市的土地利用が検討されている区域を含む美々川では北海道が「美々川自然再生事業」を行っています。上流部(美沢地区)は上下水道の整備がされていないため、規制緩和を行った結果、物流倉庫等が建設されてしまうと建設時の土砂や事業排水等が美々川に流れ込み、ひいてはウトナイ湖の水質まで汚染されてしまう可能性があります。「自然を再生しながらも、開発を可能にする」という方針には矛盾があります。


提出のポイント

パブリックコメントは「多数決」ではないため意見の多い少ないは判断材料にはされませんが、「どの部分に対して」「どのような合理的な理由で」「どうしてほしいのか」が明確であり、かつ「一人ひとりの生きた言葉」で書かれた意見であれば、行政はそれを意識して検討する可能性があります。

パブリックコメントに意見を提出する際には、「私はこう思う、こう考える」という皆さん個々人の具体的な意見を、「生の声」として北海道に届けてください。

【重要】すでに提出された意見のコピー&ペーストはお控えください

過去のパブリックコメントで、まったく同一の意見が大量に提出され、制度の趣旨と異なること、行政事務への過剰な負担となることなどが問題となったことがあります(例:毎日新聞2025年7月28日社説)。

これは、パブリックコメントを募集する案件がその時点でほぼ確定していたという事例が多くあり、これに対抗するための措置として、大量提出につながっていると考えられています。しかし、まったくの同一意見を大量に提出しても、まとめられて「1つの意見」として処理されてしまいます。皆さんの声を確実に届かせるためには、それぞれを「独立した意見」として、北海道に提出する必要があります。

上記のポイント解説や、当会のパブリックコメントを参考としていただいた場合も、ご自身の言葉で、皆さん個々人のご意見を書いて提出をお願いいたします。

関連情報

勇払原野を支える美々川の自然環境を守る

美々川

2026年5月14日更新

当会直営サンクチュアリ「ウトナイ湖サンクチュアリ」では、ウトナイ湖を含む勇払原野の自然環境保全に取り組んでいます。ウトナイ湖にそそぐ美々川は、ウトナイ湖の生命線であり、タンチョウやオオハクチョウなど多くの野鳥を支える重要な自然環境が残されています。しかしこれまで市街化調整区域として自然環境が保たれてきたこの美々川の河畔で、開発が可能となるように規制緩和が行われようとしています。日本野鳥の会では、ウトナイ湖をはじめ勇払原野の自然環境を支える美々川の保全のための働きかけを行っています。

美々川周辺で都市計画の変更が進められています

美々川に迫る開発の危機

規制緩和ゾーニングの位置図
規制緩和ゾーニングの範囲図。赤色のエリアが都市計画の変更範囲[大きな図でみる(PDF/237KB)]

美々川周辺の「美沢地区」は、今のところ原則として建物の建設が制限される「市街化調整区域」に指定されています。そのため、結果的に開発がされにくい区域でもあります。しかし現在、千歳市への次世代半導体工場の進出を契機に、この地域に大規模な半導体関連の物流倉庫や事務所等を建設できるようにする「(仮称)美沢地区土地利用方針」が苫小牧市によってまとめられ、土地利用の規制緩和が進められています 。この規制緩和が承認された場合、これまで残されてきた美々川周辺の豊かな自然を切り拓くことが可能になり、環境が改変される恐れが高まります。

この方針案は、事前の市民に対する説明や意見聴取の機会が十分に行われないまま、2026年1月21日の苫小牧市都市計画審議会において、1回の審議で承認されてしまいました。市街化調整区域については原則として北海道知事に権限があるため、現在は北海道の審議に入る段階になっており、方針案について広く一般からも意見を募る「パブリックコメント」を2026年3月11日~4月10日まで募集中です。

重要な野鳥の生息地の消失と、ウトナイ湖への脅威

規制緩和に基づいて土地改変が実行されると、生態系に次のような影響を及ぼす恐れがあります。

環境改変による希少鳥類の生息環境消失

美々川流域は、準絶滅危惧であるタンチョウの越冬期のねぐらとして利用されています。また今後、道央・道南地域への分散が進んでいるタンチョウの繁殖が今後期待される湿原でもあります。

国道36号線と美々川の間にある「河畔林」は、人工的な騒音や光から遮蔽するブラインド効果の役割を果たしています。この「物理的・視覚的なバッファー(緩衝帯)」として機能している河畔林が物流倉庫建設のために伐採されれば、警戒心の強いタンチョウや渡り鳥たちが、休息地や餌場を利用できなくなることが危惧されます。


多様な河畔林の役割
美々川で採餌をしているタンチョウ
美々川を利用するタンチョウ
オジロワシ
美々川の河畔林を利用するオジロワシ

ウトナイ湖への水質汚濁リスク

計画地は上下水道が未整備のエリアです 。そのような環境下で大規模な事業活動が行われれば、事業に起因する排水や、森林伐採に伴う土砂が地下水脈や表流水を通じて美々川に流入し、ひいては下流にあるウトナイ湖の水質や湿地生態系に多大な影響を及ぼす恐れがあります。

コウホネとカヌー
コウホネの咲く川をカヌーでくだる
イトトンボ類
水辺ではイトトンボ類などさまざまな生きものが確認されている


北海道や苫小牧市の自然環境保全策との矛盾

現在、北海道(胆振総合振興局)によって、「美々川自然再生事業」が進められています 。また、苫小牧市が策定した「生物多様性地域戦略」では、美々川はラムサール条約湿地のウトナイ湖と同じ保全を目指すゾーンに組み込まれており、市としても自然共生サイトへの登録を促進することが明記されています。

今回の美々川の河畔において開発を容認することは、この自然を保全し回復させる取り組みと矛盾するものです。今回のような方針の変更手順が容認されてしまった場合、他の自然豊かな地区においても、容易に開発を可能にする規制緩和ができてしまいます。

ウトナイ湖を中心に未来のために保全すべき「4つの重点ゾーン」

当会では、ウトナイ湖周辺の生態系の連続性が保たれるように自然環境を保全し回復させるため、希少鳥類が利用しているエリアのほか、今後利用が期待される生物多様性の保全上、重要度が高いと考えられるエリアを、ウトナイ湖流域の「重点ゾーン」として定めています。今回、都市計画の変更が進められているのは、このうち極めて重要な「美々川ゾーン」に該当します。


Source: Esri, Maxar, Earthstar Geographics, and the GIS User Community

美々川ゾーン

ウトナイ湖に注ぐ主要河川。タンチョウの越冬地・ねぐらであるとともに、新たな繁殖地としての期待が高まっていますが、上流部の開発による水質・水量への影響が強く懸念されています。

勇払弁天沼周辺ゾーン

全域が工業地域に設定されているものの広大な湿原・草原環境が残っており、チュウヒやタンチョウが繁殖しています。弁天沼周辺の一部区域は北海道の河道内調整地の整備が進められており、当会ではこの区域内の保全を行政に訴えています。河道内調整地外については昨今、開発計画の数が非常に多いエリアですが、地域産業との共生・両立を図るため、より多くの自然環境が残るように事業者と調整を進めています。

勇払川上流ゾーン

支笏湖付近の山から流れるウトナイ湖への重要な河川。上流部は河畔林が発達し、下流部は湿原が広がっており、今後のシマフクロウの分布拡大経路としての潜在性が高い地域です。

ウトナイ湖ゾーン

マガンやヒシクイ、ハクチョウ類や多くのカモ類が飛来する国際的に重要なラムサール条約湿地。継続的なモニタリングと保全が不可欠な中核エリアです。また、湖畔にはネイチャーセンター(当会)・野生鳥獣保護センター(環境省・苫小牧市)・道の駅があり、市民や観光客に自然環境を伝える舞台にもなっている。

皆さんの意見を行政へ!パブリックコメント募集(募集終了)

本件に関するパブリックコメントは、753件と大変多くの意見が提出されました。皆さま、ありがとうございました。パブリックコメントの結果が発表されましたら、こちらでお知らせいたします。

皆さんの意見を北海道へ!パブリックコメントが始まりました
行政の手続きに意見を反映させるためには、市民をはじめとする道内外の多くの皆さんの声が必要です。北海道が策定する「苫小牧圏都市計画 都市計画域の整備、開発及び保全の方針」の中間見直しに伴い、本件についてのパブリックコメント(意見募集)が行われています。

  • 募集期間:2026年3月11日(水)~4月10日(金)※郵送の場合は必着
  • 対象案件:苫小牧圏都市計画(苫小牧市、白老町、安平町、厚真町)都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(素案)
  • 詳細および意見の提出先:[北海道公式ホームページ/パブリックコメント募集ページ](意見募集期間の終了に伴い、現在、閲覧できません)

都市計画域の整備、開発及び保全の方針の課題
~パブリックコメントを提出してみようかなと考える方のためのポイント解説~

意見を投稿する意味

パブリックコメントは、行政が方針を決定する前に、広く一般から意見を募る公式な制度です。美々川周辺はラムサール条約湿地ウトナイ湖の生命線であり、苫小牧という一市域の問題にとどまらず、国際的に守るべき日本の重要な自然環境です。もちろん北海道外にお住まいの方でも意見を提出することができますので、ぜひ意見を提出してください。

「美々川とウトナイ湖の自然を守るためこうしてほしい、こうしたほうがいい」といった皆さんの一つひとつの声が、行政を動かす大きな力になります 。ぜひ、たくさんのご意見をお寄せください 。

パブリック・コメント制度について(e-Govパブリック・コメント/デジタル庁)


日本野鳥の会の活動

2026年5月13日
5月13日(木)に開催された参議院決算委員会で、美々川流域開発の規制緩和について質疑があり、環境省自然環境局長から、重要な湿地に影響を与える恐れがあるかどうかを引き続き注視していくとの回答がありました。詳しくは参議院インターネット審議中継のアーカイブ配信をご覧ください。カレンダーの「5/13」を選択→「決算委員会」を選択(3:39:30頃)
2026年4月24日
プレスリリース:北海道・ラムサール条約湿地ウトナイ湖の生命線「美々川」流域開発方針の差し戻しを― 国内3大環境保全団体である日本野鳥の会、日本自然保護協会、WWFジャパンが北海道知事に要望書を提出

ほか要望書提出団体

2026年4月8日
プレスリリース:(公財)日本野鳥の会が苫小牧市の「(仮称)美沢地区土地利用方針」に対して取り下げを求める要望書を提出
2026年3月31日開催
持続可能な土地利用を考える勉強会」(YouTube)
(主催:RCE北海道道央圏協議会、共催:北海道大学大学院農学研究院 花卉・緑地計画学研究室、北の里浜 花のかけはしネットワーク、石狩川流域湿地・水辺・海岸ネットワーク)
美々川の自然や都市計画についての先生方のお話がご覧いただけます。美々川の都市計画変更に関するお話は、56分10秒くらいからとなります。
2026年3月23日
北海道にパブリックコメントを提出しました[原文はこちら(293KB/PDF)]
2026年2月28日開催
レンジャーとちょっと自然のお話し会 第一回ウトナイ湖に流れ込む川「美々川」(YouTube)
渡り鳥の中継地でラムサール条約湿地に登録されているウトナイ湖。そこに流れ込む美々川の周辺は、鳥や魚、哺乳類、昆虫などたくさんの生きものの棲みかとなっています。どうしてこんにたくさんの生きものがいるのか?美々川の源流部~本流を辿りながらその理由を解説します。
ウトナイ湖サンクチュアリとは
1981年に当会が日本で初めて設置した直営のサンクチュアリです。北海道苫小牧市の勇払原野の一角にあり、ガン・カモ類をはじめ、多くの渡り鳥が飛来するこの場所は、ラムサール条約湿地にも登録されています。また東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ(EAAFP)の重要生息地ネットワークにも参加しています。当会がネイチャーセンターを拠点として自然保護活動をつづけています。

重要野鳥生息地(IBA, Important Bird and Biodiversity Areas)/JP026 ウトナイ湖・勇払原野

環境省レッドリストでタンチョウが絶滅危惧種から脱しました

2026年3月17日

3月17日、環境省から「第5次レッドリスト、レッドデータブック」が公表されました。今回の改訂では、北海道のタンチョウ成熟個体数が1,200羽より多いと考えられることなどから、レッドリストのカテゴリーが「第4次レッドリスト」での絶滅危惧II類(VU)から準絶滅危惧(NT)に下がりました。これは、タンチョウが絶滅危惧種ではなくなったことを意味しています。

かつて絶滅したと思われていたタンチョウは、個体数が回復するとともに分布域を道東からオホーツク、宗谷、石狩空知などへと拡大し、再発見から102年目の今年、ついに絶滅の危機から脱しました。タンチョウの復活は地域の皆さんはじめ関係者、関係機関のご努力の賜物であるとともに、私たちの取り組みもタンチョウ復活の一助になったものと自負しています。

北海道でのタンチョウ生息地の推移地図

タンチョウの生息地の推移

当会は1984年の理事会においてツル保護特別委員会の設置を決定してからタンチョウ保護に本格的に関わり始め、1987年の鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ開設や野鳥保護区の設置開始、冬期自然採食地の管理開始などの取り組みを進めてきました。現在タンチョウの野鳥保護区は所有、協定合わせて23か所、約2,800ヘクタールとなり、31つがいのタンチョウの生息地を守っています。

個体数の推移グラフ/北海道によるタンチョウ個体数調査結果(各年度1月の第二回調査)より作図

ただし、絶滅危惧種ではなくなったとはいえ、準絶滅危惧は存続基盤が脆弱な種で『現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位カテゴリーに移行する要素を有するもの』と定義されています。現在も保護上の課題として、冬期の天然の餌資源やねぐらになる凍らない水辺の不足、それに起因する給餌場やその周辺での集中・過密化による感染症蔓延のリスクがあります。

また、農場や市街地で過ごすタンチョウが増え、人とタンチョウの距離が近くなったことで農業被害や交通事故、撮影マナーなどの問題が増加しています。これらへの対策は、道半ばです。さらに、営巣地である湿原の開発は、いまだ続いています。

ふたたびタンチョウが絶滅の縁に立つことがないよう、いつの日か普通種に戻る日が訪れるよう、当会はこれからもタンチョウの保護活動を継続します。そしてタンチョウがくらす湿原の生物多様性を守り、人とタンチョウが共生する社会を目指していきます。

当会のおもなタンチョウ保護活動年表
1985年 ツル保護特別委員会発足
1987年 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ ネイチャーセンターオープン
タンチョウのための野鳥保護区「持田野鳥保護区東梅」設置
賛助会タンチョウ383人の会設立
1996年 伊藤義孝氏より給餌を引き継ぐ
1997年 新賛助会タンチョウふぁんクラブ設立
2002年 タンチョウのための野鳥保護区面積が1,000ヘクタール突破
2004年 タンチョウティーチャーズガイド発行(2007年改訂)
(2004/05年冬 タンチョウ個体数が1000羽を突破)
2007年 タンチョウのための野鳥保護区面積が2,000ヘクタール突破
2010年 冬期自然採食地整備開始
2011年 道央の新繁殖地むかわ町で地域の取組支援開始
2018年 鶴居村「タンチョウと共生するむらづくり推進会議」に参画
2020年 環境省「タンチョウ生息地分散行動計画改定案作成ワーキンググループ」に参画
苫小牧市のウトナイ湖でタンチョウの繁殖確認。勇払原野一帯では130年ぶり
2026年 タンチョウのための野鳥保護区約2,800ヘクタールで31つがいのタンチョウ生息地を保護。設置した冬期自然採食地17か所の管理を継続。
2027年 ネイチャーセンターオープン40周年

野鳥と人が共生する未来のために、日本野鳥の会の活動にご支援をお願いします。

ご寄付はこちら

環境省の「太陽光発電における自然環境配慮の手引き(案)」に対するパブリックコメントに意見を提出しました

2026年3月11日

環境省は2026年2月20日~同年3月5日まで、「太陽光発電における自然環境配慮の手引き(案)」に関する意見募集(パブリックコメント)をしていました。これに対し当会から意見を提出しましたので、お知らせいたします。


全体意見として、太陽光発電設備を更新する(リプレース)際に、事前アセスが行われていない案件については、リプレース前に自然環境の復元状況を把握することを推奨する文章の追加を要望しました。

そのほか、環境紛争の回避として、地域の自然環境に詳しい複数の専門家への相談をすること、設計段階の事前調査については「現地調査」とすること、太陽光発電事業の実施を通じた里地里山環境の維持・保全への貢献については、動植物への配慮を必須とすること、設置は一帯に生息する動植物の生態に合わせて影響がない設置基数、設置位置等を検討することが重要である旨を追記するよう意見を提出しました。

「太陽光発電における自然環境配慮の手引き(案)」とチェックシート(案)は上記のリンクアドレス、および添付にあります。当会が提出した意見と一緒にご覧ください。

寄せられた野鳥の被害状況(2026年1月~3月投稿分)

当会では、自然環境に流出したプラスチックによって、海鳥をはじめとした野鳥がどのような被害を受けているのか把握するため、具体的な事例を集める調査をおこなっています。
これまでに寄せられた被害の事例を公開します。

  • 画像をクリックすると大きな画像で見ることができます

事例79. 釣り糸が翼や首に絡まったウミアイサ

事例79.釣り糸が翼や首に絡まったウミアイサ1
事例79 釣り糸が翼や首に絡まったウミアイサ2
撮影日
2026年1月4日
撮影場所
北海道根室市
コメント
釣り糸が翼や胴体、首に釣り糸が絡まっていた。

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事例80. 釣り針を誤飲し、釣り糸を垂らして飛翔するウミネコ

事例80.釣り針を誤飲し、釣り糸を垂らして飛翔するウミネコ
撮影日
2026年1月14日
撮影場所
長崎県長崎市
コメント
釣り針を飲み込み、口から釣り糸が3m程出た状態で飛翔していた。

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事例81. 足にルアーが刺さり、釣り糸が絡まって衰弱してしまったカンムリカイツブリ

事例81. 足にルアーが刺さり、釣り糸が絡まって衰弱してしまったカンムリカイツブリ1
事例81. 足にルアーが刺さり、釣り糸が絡まって衰弱してしまったカンムリカイツブリ2
事例81. 足にルアーが刺さり、釣り糸が絡まって衰弱してしまったカンムリカイツブリ3


撮影日
2026年1月11日
撮影場所
神奈川県横須賀市
撮影者
菊地蔵乃介
コメント
足にルアーの針が刺さり、釣り糸が絡まり、浜辺で動けず衰弱していましたので保護し、厚木の自然環境保全センターに連れて行きました。

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事例82. 白いシート状の人工物を飲み込もうとしているスズガモ

事例82. 漁網らしきものをクチバシから垂らしたウミウ
撮影日
2019年12月29日
撮影場所
宮城県気仙沼市
コメント
白色のシート状の人工物を飲み込もうとしていた。(その後吐き出したかもしれない)

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事例83. 不明物をくわえたウミネコ

事例83. 不明物をくわえたウミネコ
撮影日
2019年5月8日
撮影場所
宮城県気仙沼市
コメント
不明物を繰り返しくわえたり落としたりしていた。

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事例84. 体に釣り針が絡まったシマエナガ

事例84. 体に釣り針が絡まったシマエナガ
撮影日
2023年7月7日
撮影場所
北海道千歳市
撮影者
たま
コメント
体に釣り針が絡まっていた。川沿いで野鳥観察をしており、釣り針や釣り糸被害を多数観察している。

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事例85.釣り針、釣り糸などが絡まったイソヒヨドリの死体

事例85. 釣り針、釣り糸などが絡まったイソヒヨドリの死体
撮影日
2024年5月19日
撮影場所
広島県江田島市
撮影者
藤田哲也
コメント
釣り針や複数の釣り糸、コバンソウが絡まっていた。

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事例86.ルアーの糸が絡まったアオサギの死体

事例84.ルアーの糸が絡まったアオサギの死体
撮影日
2024年2月10日
撮影場所
広島県江田島市
撮影者
藤田哲也
コメント
干潮時にルアーの糸が絡まり、満潮で溺死。

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事例87.翼に投げ釣りの仕掛けが絡まってしまったカワウ

事例87.翼に投げ釣りの仕掛けが絡まってしまったカワウ
撮影日
2026年2月18日
撮影場所
兵庫県高砂市
撮影者
藤田哲也
コメント
右の翼に投げ釣りの仕掛けが絡まっていた。

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事例88. 釣り針と釣り糸が絡まったウミネコの死体

事例88.事例88. 釣り針と釣り糸が絡まったウミネコの死体
撮影日
2026年2月23日
撮影場所
茨城県
撮影者
生居 暁
コメント
釣り針がくちばしと脚に掛かり、動けなくなって死んでいた。

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事例89. 釣り針が足に刺さり、ルアーが付着したコハクチョウ

事例89.釣り針が足に刺さり、ルアーが付着したコハクチョウ
撮影日
2026年2月20日
撮影場所
群馬県館林市城沼
コメント
釣り針が足に刺さり、ルアーが付着。背中に足をのせるようにして泳いでいた。

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事例90. 釣り糸がくちばしに絡まったコハクチョウ

事例90.釣り糸がくちばしに絡まったコハクチョウ
撮影日
2026年2月20日
撮影場所
群馬県館林市城沼
コメント
釣り糸がくちばしに絡まっていた。飛行時には長い釣り糸を垂らしていた。

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事例91. 釣り針が鼻腔に刺さり、釣り糸が絡まったキンクロハジロ

事例91. 釣り針が鼻腔に刺さり、釣り糸が絡まったキンクロハジロ
事例91. 釣り針が鼻腔に刺さり、釣り糸が絡まったキンクロハジロ
撮影日
2026年3月9日、3月10日
撮影場所
神奈川県横浜市金沢区
コメント
3月9日(左):釣り針が鼻腔に引っ掛かっていた。針には糸が長く付いている。
3月10日(右):同一個体。釣り針が鼻腔に刺さり付いている長い糸が胸や羽の間から見えている。

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事例92. 釣り糸のような物がくちばしの端から出ているカンムリワシ

事例92. 釣り糸のような物がくちばしの端から出ているカンムリワシ
撮影日
2024年10月14日
撮影場所
沖縄県八重山郡竹富町
撮影者
小林さやか
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釣り糸のような物がくちばしの端から出ていた。撮影後、西表島野生動物保護センターに連絡した。

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事例93. 釣り糸と水草と思われるものが足に絡まり、ケガをしているキンクロハジロ

事例93. 釣り糸と水草と思われるものが足に絡まり、ケガをしているキンクロハジロ
撮影日
2026年2月24日
撮影場所
東京都江東区
コメント
足に複雑に絡まり出血していた。

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事例94. 人工物を足に持って飛翔するミサゴ

事例94. 人工物を足に持って飛翔するミサゴ
撮影日
2026年3月5日
撮影場所
神奈川県小田原市
コメント
魚と一緒に獲ったのか魚と間違えて獲ったのかは分からないが、しばらくくちばしでつついていた。誤って食べたかは不明。

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事例95. 不法投棄されたプラスチック容器にはまり動けなくなっていたアオサギ

事例95. 不法投棄されたプラスチック容器にはまり動けなくなっていたアオサギ
撮影日
20025年11月2日
撮影場所
神奈川県小田原市
コメント
容器にはまり動けなくなっていた。河川へ不法投棄されたゴミに足を取られしばらくうつむいていた。

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事例96. 不法投棄されたゴミとコサギ

事例96. 不法投棄されたゴミとコサギ
撮影日
2025年12月9日
撮影場所
神奈川県小田原市
コメント
餌場である河川が、不法投棄されたゴミによって荒らされている。

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事例97. ポイ捨てされたゴミを誤って食べていたハクセキレイ

事例97. ポイ捨てされたゴミを誤って食べていたハクセキレイ
撮影日
2026年1月5日
撮影場所
神奈川県小田原市
コメント
河川沿いの道路にポイ捨てされたゴミ(ピンク色のプラスチック片状のもの)をくわえ、飲み込もうとしていた。

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事例98. 足にビニール紐が絡まったスズメ

事例98. 足にビニール紐が絡まったスズメ
撮影日
2025年6月30日
撮影場所
東京都八王子市
コメント
スズメのつがいのうちの一羽の足にビニール紐が絡まっていた。

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流出プラスチックによる野鳥への被害事例

関連リンク

野鳥を許可なく捕まえたり、飼育することは、法律で禁止されています。必ず都道府県の担当部署に連絡し、指示を仰いでください。
行政からの指示などで保護する時には、感染症を予防するために素手では触れないようにしてください。
よくある質問(ケガをした鳥を見つけた)

風力発電に関する資料集

資料集

当会職員が執筆した論文や著書をご紹介します。

『環境情報科学』54巻4号((一社)環境情報科学センター)

『環境情報科学』54巻4号

(一社)環境情報科学センターが機関誌として発行する『環境情報科学』の54巻4号では、「カーボンニュートラル・ネイチャーポジティブ時代の環境アセスメント」という特集が組まれており、日本の環境アセスメントがかかえる課題を指摘する論文が多く掲載されています。

本書では、自然保護室の浦・主任研究員が執筆した「風力発電事業に係る環境アセスメントにおける動物調査の実質的活用と課題」という論文も掲載されています。

詳細:一般社団法人 環境情報科学センター

『野生動物の保全と管理の事典』(朝倉書店)

「野生生物と社会」学会(編)/日本哺乳類学会・日本鳥学会(編集協力)

「野生生物と社会」学会(編)/日本哺乳類学会・日本鳥学会(編集協力)

野生動物の管理に関する知見が集まった『野生動物の保全と管理の事典』(朝倉書店)で、当会自然保護室・浦主任研究員が風力発電について執筆しました。クマやシカ、外来種など野生動物と人との軋轢が高まる現代に必要な、野生動物管理の原理原則を各専門家が解説しています。

詳細:朝倉書店

北海道・浜里ウインドファームで再発生したオオワシの衝突事故について

浜里ウインドファームで稼働停止中の風車へのオオワシのバードストライクが確認されました

2026年2月24日

木にとまっているオオワシの成鳥
オオワシ

2026年2月24日付で株式会社ユーラスエナジーホールディングスのホームページで発表されたように、北海道天塩郡幌延町にある風力発電「浜里ウインドファーム」で稼働停止中の風車へのオオワシ(国内希少野生動植物種/環境省レッドリスト・絶滅危惧Ⅱ類(VU))のバードストライクが確認されました。

浜里ウインドファームでは、2023年5月26日の運転開始以来、オオワシでは2羽目(全国的には6羽目)、オジロワシと合わせると13羽目のバードストライクとなります。

これに対し当会は、今後の保全措置は協議会などを立ち上げて専門家等と協議のうえで決定すべきことをあらためて申し入れました。

今回は日中の稼働停止を行っている風車で、ブレードへの衝突により怪我(右翼の複雑骨折)をしたオオワシが発見されました。本件について速やかに事実を公表したユーラスエナジー社には敬意を表しますが、この浜里地区はオジロワシにとって国内で最も重要な渡りルートの一つであることが、当会が2017~2018年に行った調査で明らかになっています。立て続けとなるバードストライクの再発により、そもそも浜里地区のように鳥の飛翔が多い場所では、風車の日中稼働停止という対策をとってもバードストライクが起きる場合があり、これまで当会が主張してきた野鳥への影響を回避、軽減するためには立地選択が重要であることがあらためて確認されたことになります。

今後、野鳥と風力発電とが共存するために当会は、希少鳥類が多く生息する場所が計画地にならないよう、事前の立地選択の段階で重要な地域の回避が徹底される仕組みづくりを進めるとともに、希少種保全の観点から作られたセンシティビティマップの充実と活用を国内で進めていかなければならないと考えます。


関連情報

当会職員が執筆した鳥類と風力発電のセンシティビティマップに関する論文

浜里風力発電事業に関する当会からの意見書・要望書

主要政党が掲げる自然保護政策に関心を持とう

国会議事堂
写真:PIXTA

環境基本法、自然環境保全法、鳥獣保護管理法など、自然保護に関わる法律は、国会で審議され、制定されてきました。国会では今後も、現行の制度で課題となっている法律の改正や新法の制定をはじめ、自然環境に影響する重要な議論が行われます。その結果次第で、自然保護は加速することもあれば、減速することもあるでしょう。場合によっては環境が悪化するようなことが起こるかもしれません。

しかし、生活に直結する経済や財政、社会保障などと比較すると、自然保護に関する政策がマスメディア等で大きく取り上げられることは少ないようです。

国会議員が所属している主要政党(注)がそれぞれのホームページで掲げている政策では、生物多様性保全や気候変動対策、プラスチック対策、農業政策など自然環境に何らかの影響を与える政策について記載している政党もあります。また、政策は単独でも、複合的にも、自然環境に影響を与えることがあります。

各政党がどのような自然保護に関わる政策を掲げているのか、またその他の政策がどのように自然環境に影響を与えうるのか、日頃から関心を持ち、注目しておくことが大切です。

※注:政治資金規正法(第三条)が定める「政治団体」の以下の要件を満たす政党を「主要政党」としました。

  • 所属する国会議員が5人以上
  • 所属する国会議員が1人以上で、次の選挙のいずれかで全国での得票率が2%以上
    • 前回の衆議院議員総選挙(小選挙区選挙又は比例代表選挙)
    • 前回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)
    • 前々回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)

出典:政治資金規正法 第三条(e-Govポータル)

選挙で公表されたマニフェストの一部(全体の出典URLあり)